炎のように

195.２年前

２年前なら、当時14才か…。

ちょうど、皆殺し事件があった年だ。

それを起こした犯人とその子供が同一人物かどうかは不明だが

もし今、生きていれば16才のはず。



ん？


16才？


つい最近これと同じ数字をどこかで聞いたような……



聞き覚えのある数字に、いつ聞いたのだったかと順に記憶を辿っていく。


あれは、確か……




『そうなんですか。じゃあ、俺は16なので無理ですね。』



「！！！」

「！　…どうかしたんですか？いきなり…」


ガタッと勢いよく立ち上がった俺にアズライトは驚いたようで

ソファーの上で若干跳ね上がっていた。


だが、今はそれに答える余裕はない。


頭の中で浮かんだ可能性を整理する。



16才
風の能力者
確証はないが、オラージュの出身



これだけ揃(そろ)っているのもただの偶然か？



急いで山盛りになっている資料を漁(あさ)る。


確かこの辺りにあったはず…


目当ての資料をガサガサと無言で探し出す俺に視線を感じる。

だが、すまない。

説明は後だ。


「！　あった…」


探していたもの、それは俺があの子に依頼をした際に

あの子の事を調べた報告書。


はやる気持ちに比例するように、それが載るページをめくれば、


『……………、２年前に突然現れ………』



文字の羅列(られつ)の中にそれはあった。