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9.初めての…
しおりを挟む………えっと
状況から察するに、この二人が俺を見つけ、手当をしてくれたのだろう。
暫く沈黙が続いた後、一応警戒しながらどうにか首をぎこちなく一度縦に振って頷いた。
「良かった」
見ると二人は笑みを浮かべていた。
…え?良かった? 何がだ?
今一状況が理解できていない俺に二人は更に語り掛ける。
「安心したよ。目が覚めて。一向に目が覚めないから心配してたんだ」
「お兄ちゃん大丈夫?」
…あんしん?しんぱい?だいじょうぶ?
今まで生きてきて初めて聞かれた労り(いたわり)の言葉。
何故か痛いはずの胸がジンと暖かくなるような感覚がした。
この感覚は何なのだろう。
初めての感覚に困惑していると、女の子の小さな手が俺の頬に触れた。
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