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第十五章 新人類
第337話:婚約破棄された令嬢ですが溺愛されてます的なやつですね?
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「政略結婚なのですから、初めから愛などないのは当たり前ではありませんか」と、エルデン伯令嬢は言った。
「それでもどうにか折り合いをつけてゆくものでしょう? 家同士の契約を簡単に違えることはできませんわ」
わたしの知っているエルデン伯令嬢は、常に金切り声で倒錯的な主張をしている人だったけれども、今日の彼女は文句のつけどころがないほど正しいことを言っていた。
驚いてヴィルさんを見上げると、彼も目を丸くしている。
政略結婚に伴う婚約は、当主同士が契約書を交わしており、土地の売買やお金の貸し借りなど様々な取り決めがなされている。
それを聞くと「結婚って一体なんなの?」とも思えるけれど、政略結婚だからと言って永遠にギスギスしている夫婦というのは今時あまりいないそうだ。始まりはどうであれ愛を育む人達もいるし、お互い公認の恋人(愛人)を作って四人で幸せに暮らすケースもあると聞く。
エルデン伯令嬢の言うとおり、人はどうにか折り合いをつけて生きている。
しかし、オポンチンさんは鼻で笑った。
「家同士の契約だと? 謀反を疑われた不名誉な伯家が、後ろ盾になって欲しいと金を積んできたくだらない契約のことか? 神薙様に不敬を働いたお前が元凶だろう。名誉回復に手を貸せとは図々しい! あいにくだが我が家は金には困っていない」
あーあー、それは言わない約束になっているのではないかしら、おぽんちん様……。
大抵その手の契約書には「契約内容は他言しないこと」という一文が入っているはず。仮に書いていなかったとしても、サインした以上、大衆の前でベラベラ喋るのは常識的にアウトだ。
そもそもこの人達は、なぜこんな場所でこんな話をしているのかしら。
舞踏会会場を地獄にする意味あります? ほかの場所ではダメでしたの? 家とかカフェとか公園とか、いくらでもあるでしょうに。
その時だった。
キュピンッと、わたしの脳裏に一つの仮説が浮かび上がった。
『これはもしや、お二人が示し合わせて演じているのでは……?』
オルランディアの恋愛小説で猛威を振るっている婚約破棄物語を思い出した。
ヒロインが婚約破棄を受け入れた途端、もっとハイスペックなニューヒーローが舞い降りて「それならば私と結婚してください!」と電撃求婚するのがテンプレ的展開なのだ。
目の前の状況をテンプレに当てはめて考えると、彼らには結婚したい相手がそれぞれ別にいることになる。オポンチンさんにはお胸の大きな浮気相手が、そしてエルデン伯令嬢にもほかの方が。
つまり、これはエルデン伯令嬢のお相手を公に登場させ、四人の恋をハッピーエンドに持っていくためのお貴族様劇場なのではないかしら!
そういうことだったのですねぇー。だからここで派手にやらかす必要があったわけですね? それならば応援させて頂かなくては。だって、好きな人と一緒になるのが一番ですもの。頑張ってください、エルデン伯令嬢。見守りますわっ。
わたしはキュッと拳を握りしめた。
「社交界でお前の評判は最悪だ! よくも神薙様のいらっしゃる舞踏会に来られたな!」
「オポンチン様が絶対に来るようにと仰るから来たのではありませんか」
「ああ言えばこう言う。まったく口の減らない女だ!」
「わたくしは事実をお話ししているだけですわ」
オポンチンさんの侮辱にエルデン伯令嬢は震えながら耐えている。すごいすごい。迫真の演技だ。
すると、浮気相手が意地の悪そうな顔でしゃしゃり出た。豊満なお胸を前へ突き出し、オポンチンさんに押しつける。
「ロフ、そんなにイレーネさんを責めないでやって。だってこのヒトってばチョーー可哀想な人なんでしょ? 優しくしてあげなきゃダメよ」
うぉっふ……!
ヴィルさんとアレンさんが一瞬のけぞり、ニッコリさんが「うわっちゃー、キョーレツ」と呟いた。
会場が大きくざわつく。まるで大きな生き物が突如動きだしてこの建物を飲み込んだかのような雰囲気だ。
いやいやいや、お見事。お見事ですわっ!
演者の三人は本気だ。
浮気相手さんもこの日のために念入りに役を作り込んできていると見える。お上品な貴族様か素敵な騎士様しかいないこの会場で、平民女子のタメ口はとても下品に聞こえるものだ。
しかも婚約者がいる男性を奪っておきながら、申し訳なさそうな素振りは一切なし。清々しいほどの悪役ぶりにインパクトは特大だ。
なんという恐ろしい子! 彼女は天才だわ!
会場のざわめきは治まらない。
「一体どこの令嬢なのか」と、ヒソヒソ声がそこかしこから聞こえてくる。
しかし、オポンチンさんは彼女を制止するどころか「クレア、君は優しすぎるッ!」と言って抱き寄せた。
をををぉー、なんというテンプレ的展開! これはもう間違いなく彼らはグルだ。
「お前に比べてこのクレアは平民だが奥ゆかしく、次期侯爵である私の妻にふさわしい! すでに父にも話は通してある!」
オポンチンさんに褒められた浮気相手は、勝ち誇った顔でフンと鼻を鳴らした。とても素人とは思えない演技力だ。もしかしたらプロの女優さんかも知れない。
会場をぐるりと見回すと、ほとんどの人がオポンチンさんの言う「奥ゆかしい」に異論がありそうだった。
「どうして招待もされていない平民が舞踏会に?」
「侯爵家に平民の妻ですって」
「それでは示しがつきませんわっ」
半ば悲鳴に近い淑女の囁きでざわついている。
しかし、悪役が悪ければ悪いほどニューヒーローの良さが際立つことになる。
すべてはこれから現れるヒーローのカッコ良さとハイスペックさを引き立たせるためのギャップ作り。これは計算された台本だ。
さあ、もう少しですよ、皆さん頑張って!
「わ、分かりました。侯爵様が同意されているのであれば、婚約破棄を受け入れざるを得ませんわ……」
エルデン伯令嬢は唇を震わせながら深々とお辞儀をして一歩退いた。
わたしは心の中で両の拳を天に向けてガッツポーズをした。
迫真の演技でしたわ、エルデン伯令嬢。ただの令嬢にしておくのは勿体ないくらい。まさか、あなたがこんなにも素晴らしい才能を秘めていただなんて……。ブラボー! ブラボーですわっ!
ああ、ついに時が満ちたのですね……♪
「それでもどうにか折り合いをつけてゆくものでしょう? 家同士の契約を簡単に違えることはできませんわ」
わたしの知っているエルデン伯令嬢は、常に金切り声で倒錯的な主張をしている人だったけれども、今日の彼女は文句のつけどころがないほど正しいことを言っていた。
驚いてヴィルさんを見上げると、彼も目を丸くしている。
政略結婚に伴う婚約は、当主同士が契約書を交わしており、土地の売買やお金の貸し借りなど様々な取り決めがなされている。
それを聞くと「結婚って一体なんなの?」とも思えるけれど、政略結婚だからと言って永遠にギスギスしている夫婦というのは今時あまりいないそうだ。始まりはどうであれ愛を育む人達もいるし、お互い公認の恋人(愛人)を作って四人で幸せに暮らすケースもあると聞く。
エルデン伯令嬢の言うとおり、人はどうにか折り合いをつけて生きている。
しかし、オポンチンさんは鼻で笑った。
「家同士の契約だと? 謀反を疑われた不名誉な伯家が、後ろ盾になって欲しいと金を積んできたくだらない契約のことか? 神薙様に不敬を働いたお前が元凶だろう。名誉回復に手を貸せとは図々しい! あいにくだが我が家は金には困っていない」
あーあー、それは言わない約束になっているのではないかしら、おぽんちん様……。
大抵その手の契約書には「契約内容は他言しないこと」という一文が入っているはず。仮に書いていなかったとしても、サインした以上、大衆の前でベラベラ喋るのは常識的にアウトだ。
そもそもこの人達は、なぜこんな場所でこんな話をしているのかしら。
舞踏会会場を地獄にする意味あります? ほかの場所ではダメでしたの? 家とかカフェとか公園とか、いくらでもあるでしょうに。
その時だった。
キュピンッと、わたしの脳裏に一つの仮説が浮かび上がった。
『これはもしや、お二人が示し合わせて演じているのでは……?』
オルランディアの恋愛小説で猛威を振るっている婚約破棄物語を思い出した。
ヒロインが婚約破棄を受け入れた途端、もっとハイスペックなニューヒーローが舞い降りて「それならば私と結婚してください!」と電撃求婚するのがテンプレ的展開なのだ。
目の前の状況をテンプレに当てはめて考えると、彼らには結婚したい相手がそれぞれ別にいることになる。オポンチンさんにはお胸の大きな浮気相手が、そしてエルデン伯令嬢にもほかの方が。
つまり、これはエルデン伯令嬢のお相手を公に登場させ、四人の恋をハッピーエンドに持っていくためのお貴族様劇場なのではないかしら!
そういうことだったのですねぇー。だからここで派手にやらかす必要があったわけですね? それならば応援させて頂かなくては。だって、好きな人と一緒になるのが一番ですもの。頑張ってください、エルデン伯令嬢。見守りますわっ。
わたしはキュッと拳を握りしめた。
「社交界でお前の評判は最悪だ! よくも神薙様のいらっしゃる舞踏会に来られたな!」
「オポンチン様が絶対に来るようにと仰るから来たのではありませんか」
「ああ言えばこう言う。まったく口の減らない女だ!」
「わたくしは事実をお話ししているだけですわ」
オポンチンさんの侮辱にエルデン伯令嬢は震えながら耐えている。すごいすごい。迫真の演技だ。
すると、浮気相手が意地の悪そうな顔でしゃしゃり出た。豊満なお胸を前へ突き出し、オポンチンさんに押しつける。
「ロフ、そんなにイレーネさんを責めないでやって。だってこのヒトってばチョーー可哀想な人なんでしょ? 優しくしてあげなきゃダメよ」
うぉっふ……!
ヴィルさんとアレンさんが一瞬のけぞり、ニッコリさんが「うわっちゃー、キョーレツ」と呟いた。
会場が大きくざわつく。まるで大きな生き物が突如動きだしてこの建物を飲み込んだかのような雰囲気だ。
いやいやいや、お見事。お見事ですわっ!
演者の三人は本気だ。
浮気相手さんもこの日のために念入りに役を作り込んできていると見える。お上品な貴族様か素敵な騎士様しかいないこの会場で、平民女子のタメ口はとても下品に聞こえるものだ。
しかも婚約者がいる男性を奪っておきながら、申し訳なさそうな素振りは一切なし。清々しいほどの悪役ぶりにインパクトは特大だ。
なんという恐ろしい子! 彼女は天才だわ!
会場のざわめきは治まらない。
「一体どこの令嬢なのか」と、ヒソヒソ声がそこかしこから聞こえてくる。
しかし、オポンチンさんは彼女を制止するどころか「クレア、君は優しすぎるッ!」と言って抱き寄せた。
をををぉー、なんというテンプレ的展開! これはもう間違いなく彼らはグルだ。
「お前に比べてこのクレアは平民だが奥ゆかしく、次期侯爵である私の妻にふさわしい! すでに父にも話は通してある!」
オポンチンさんに褒められた浮気相手は、勝ち誇った顔でフンと鼻を鳴らした。とても素人とは思えない演技力だ。もしかしたらプロの女優さんかも知れない。
会場をぐるりと見回すと、ほとんどの人がオポンチンさんの言う「奥ゆかしい」に異論がありそうだった。
「どうして招待もされていない平民が舞踏会に?」
「侯爵家に平民の妻ですって」
「それでは示しがつきませんわっ」
半ば悲鳴に近い淑女の囁きでざわついている。
しかし、悪役が悪ければ悪いほどニューヒーローの良さが際立つことになる。
すべてはこれから現れるヒーローのカッコ良さとハイスペックさを引き立たせるためのギャップ作り。これは計算された台本だ。
さあ、もう少しですよ、皆さん頑張って!
「わ、分かりました。侯爵様が同意されているのであれば、婚約破棄を受け入れざるを得ませんわ……」
エルデン伯令嬢は唇を震わせながら深々とお辞儀をして一歩退いた。
わたしは心の中で両の拳を天に向けてガッツポーズをした。
迫真の演技でしたわ、エルデン伯令嬢。ただの令嬢にしておくのは勿体ないくらい。まさか、あなたがこんなにも素晴らしい才能を秘めていただなんて……。ブラボー! ブラボーですわっ!
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