The Box Garden

羽川明

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最終話

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 一週間ほど経った頃、ようやく面会が許されたクリストファーのもとに、ベリンダが現れた。外傷はなかったものの、心神喪失状態にあったクリストファーは警察の精神病院に入院していたこともあってか、面会に訪れた人物は親族を除けばベリンダが初めてだった。
「先生。お体の方は大丈夫ですか?」
「もう心配いりませんよ。ですが、担当の医師が酷く心配しておりましてね。まだ当分かかりそうです」
 無表情から、ベリンダに気づいて浮かべたその笑みは、初対面の頃からは想像もできないような自然で温かみのあるものだった。反面、瞳からは光が失われ、顔全体にどこか影が落ちていた。ベリンダは、今の夫に初めて会ったとき、同じように酷く落ち込み、影を落としたその姿に惹かれたことを思い出す。今となってはその関係は冷え切り、触れられた記憶すら長らくない。
「それに、退院しても、もう私は夫人にとって先生と呼べるような存在ではないのではないでしょうか?」
 ベリンダから視線を外し、カーテンが閉まった窓に目をやる。クリストファーは、理由はどうあれ殺人を犯したのだ。家庭教師から外されるのは当然だった。本来、こうして見舞いに来ることさえ憚られる。
「そうでしょうか? 確かに先生がなさったことは手放しに褒められるようなことではありません。しかし、あれ以外にソフィアが救われる方法はなかったでしょう」
 クリストファーに熱い眼差しを向けられている気がして、頬を朱に染める。思い込みが激しく、妄想癖のある彼女の脳内では、すでに薔薇色の未来が予感されていた。
「マグヌス男爵の悪評は、以前から私の耳にも届いております。バレエの審査員として直前に現れては強引に参加し、うら若きバレリーナたちに目をつけ、花を散らしていたとか。居合わせたのが私でも、先生と同じ行動をとったでしょう」
 病室の扉の脇に立つ見張りが、大きな咳払いをした。仮にも殺された被害者に対して、ベリンダの発言はあまりにも過激だ。
 しかし、ベリンダは声を潜めて続ける。
「あなたは教師として当然のことをし、ソフィアを救ってくださいました。誰がなんと言おうと、私は先生に今後もカーチャやソフィアの教師として在り続けていただきたいです」
 クリストファーの手を取る、見開かれたベリンダの目にはすでに、添い遂げる二人の姿が映っていた。
 好意を隠そうともしないベリンダの手を、クリストファーは妖艶な手つきで握り返し、応じる。
「ありがたいお言葉です。なんとお礼を申し上げたらいいか。何か、お礼をさせてください」
 そうだ、と思い立ち、ベッドから身を起こすと、クリストファーはブーツを履き始める。
「もう、安静にしていなくて大丈夫なのですか?」
「ちょうど、担当医に外出して気を休めるように言われていましてね。いかがでしょう、街へ赴いて、ちょっとした舞踏会にでも行きませんか?」
 クリストファーは口元に、思慮深い笑みを浮かべる。妖しく映るその唇に目を奪われたベリンダは、恍惚とした表情で応じる。
 手を取り、病院を出る二人。溶けるような熱い視線を送るベリンダに対し、クリストファーは以前よりも豊かになった表情で艶やかに笑う。だが、その黒真珠の瞳にかつての光はなく、今は深海の底に沈むように淀んでいた。

 ベリンダが最初に見舞いに訪れてからさらに二週間後。クリストファーがソフィアのもとを訪れた。箱庭のベンチで退屈そうに腰掛けていたソフィアは、すぐに気づいて駆け寄る。
「先生!」
 クリストファーが腕を広げると、そのままの勢いで、ソフィアはクリストファーに抱きついた。
「心配をかけてすまなかった。ベリンダの計らいで、教師を続けられることになったよ」
 ソフィアはクリストファーが母をベリンダと呼んだことに驚いたが、彼女が何度かクリストファーの元へ見舞いに行っていたことは知らされていたので、さほど気にとめなかった。
 見上げると、クリストファーは優しく笑いかけてくれた。以前よりも表情が豊かになった気がして、ソフィアは嬉しかった。
「こんな時だし、しばらく外へ出ていないだろう? 今日は、アクアリウムを見に行かないか?」
「しかし、あの犯人がまだ……」
 止めようとするベリンダに、クリストファーは目配せする。
「心配には及びません。昼過ぎのこの時間帯は人気も多い。犯行は深夜に集中しているそうですし、警察の方も、見回りを強化してくださっていますから」
「そうおっしゃるなら……」
 引き下がるベリンダに、ソフィアはクリストファーの信頼が前より高まったのだろうとソフィアは喜んだ。
「では、行って参ります」
 すれ違いざま、クリストファーがベリンダに何事か耳打ちしたことに、ソフィアは気がつかなかった。
「ソフィア、危ないから、私のもとを離れてはいけないよ」
 馬車を降り、アクアリウムの展示がされた大きなクリスタルパレスの人混みの前で、クリストファーが囁く。ソフィアが見上げると、クリストファーは続ける。
「このところ、この街は何かと物騒なんだ。ほら、」
 クリストファーが視線で示す先を見ると、クリスタルパレスの入り口で紙束を片手に何やら声を上げている男がいた。
「あれはなんですか?」
「新聞売りだよ。きっと、また連続殺人鬼のニュースが入ったんだろうね」
「殺人鬼?」
「人をたくさん殺めた者のことだよ。まだ捕まっていないそうでね。そばを離れないでくれ」
 ソフィアは浮かない顔でクリストファーの袖口を強く掴む。
「良い子だ」
 中は人で溢れかえっていて、時折、金の刺繍が施された制服の男たちの姿が目立つ。
「あの方達はなんですか?」
「あれは警備員だろうね。私たちを守ってくれているんだよ」
 その中には警官も混じっていたが、マグヌスの一件の際も彼らが駆けつけてくる前に病院に連れられたソフィアには区別がつかなかった。
 アクアリウムを泳ぐ色とりどりの魚たちに目を奪われ、ソフィアは高揚する。久々のクリストファーとの時間が、何より嬉しかった。
 だが、不意に話しかけようと見上げたとき、クリストファーの表情が曇っていた。険しいその視線の先には、先程の警備員たちの姿がある。
「先生?」
 ソフィアの問いかけに、クリストファーは答えない。
「出ようか」
 時計を取り出して、クリストファーが刺のある声で言う。先程までの温かくなごやかな空気はすでになかった。
 ソフィアの返事も待たず、クリストファーは足を早めた。連れられながら、ソフィアは気づいた。周囲から視線を感じる。何事か、ひそひそと話しているようだ。少女はすぐに勘付いた。マグヌスの一件で、クリストファーに悪評が立ったのだろう。
 温厚なクリストファーの気が立っているのは、そのせいに違いない。ソフィアも、クリストファーにならって足取りを早めた。
 アクアリウムをあとにし、馬車に乗り込む。
「時計塔へ行ってくれ」
 正面に設けられた小窓から、クリストファーが行き先を指示する。声をかけられた男は、驚いたように振り返ったが、行ってくれと急かされ、渋々と言った様子で鞭を叩いた。
 やけに遠いようで、屋敷からアクアリウムへ来るときよりもずっと時間がかかっているようだ。クリストファーが渋い顔のまま一言も口を開かないので、ソフィアには余計に長く感じられた。
 時計塔に着くと、陽が傾き、夕方になろうとしていた。馬車を降りたソフィアは、不安げにクリストファーを見上げる。
「屋敷へ帰らないと」
「大丈夫、すぐに終わる。僕のわがままに、付き合ってくれないか?」
 クリストファーは焦りと興奮が入り混じったような様子だった。少なくとも、先程までのような渋い顔はしていなかった。どこか嬉しそうでもある。その姿はクリストファーを待つ自分のようで、ソフィアは首を横に振ることができなかった。
 時計塔の中は吹き抜けで、正方形の建物の中で螺旋状の階段がどこまでも続いていた。
 クリストファーに手を引かれ、ソフィアはその階段をともにのぼっていく。
「ソフィア。この世に、生きていてはいけない人間は、いると思うかい?」
 螺旋階段の中程で、クリストファーの声が反響する。質問の意味が分からず、ソフィアは首を傾げた。
「この世には、牢獄に入る人間がいる。死刑になる人間もいる。そして、裁かれることのない、悪人たちがいる。それを、君はどう思う?」
「許せません。すべての悪人は裁かれるべきです。牢獄に入ったり、死刑になることは、当然の報いだと思います。裁かれない人たちも、いつかきっと、罪を償わなければならない時が来ます」
「裁かれない悪人はいないと?」
「はい」
 ソフィアは、言いながらクリストファーの方を見たが、逆光でその顔色はうかがえなかった。
「ならもし、君の周りで、裁かれずに、許せないことをし続ける悪人がいたら、君はどうする?」
「先生や、お母様に言いつけて、裁かれるのを待ちます」
 螺旋階段の終わりが、次第に近づいてくる。そこには、閉ざされた扉があった。
「もう一度聞こう。この世に、生きていてはいけない人間は、いると思うかい?」
 頂上に着いた。閉ざされた扉の足元に、鍵付きの錆びた鎖が落ちている。扉には、鍵はかかっていなかった。
「いないと思います。神はどんな人も愛してくださいます。例え死刑になることがあっても、そこで罪は償われて、来世では、きっとーーーー」
「陳腐な答えだ」
 ソフィアは、耳を疑った。しかし、何度見返しても、目の前の人物はクリストファーだ。違いがあるとすれば、扉を体で押し開きながら、ソフィアの手をとったその男の手のひらに、かつての温もりはなかった。
「先生?」
 扉から、音を立てて荒ぶる風が吹き込む。クリストファーの横顔が夕陽に照らされ、赤く染まる。
 突然、クリストファーが開け放った扉の外に背を向けるようにして翻る。
 そこに足場や柵はなく、街が一望できるほど高い。だと言うのに、クリストファーは、外へ向けて、体を傾けていく。
「先生!」 
 すんでのところで、ソフィアはクリストファーの手にしがみついた。クリストファーの上半身はすでに、半ばほど外へ出ていた。
「ソフィア。僕はもう、先生じゃない」
「何を言ってるんですか!?」
「僕は、僕はクリストファー。クリストファー・ベルトルト。ーーーー親殺しの、連続殺人鬼だ!!」
 張り上げられた声が、耳に痛い。
「一体、何をーーーー」
「さぁ選べ、ソフィア。僕と来るか、この手を離して、あの箱庭へ戻るか!」
 ソフィアは、答えることができない。置かれた状況が理解できなかった。悪い冗談か、たちの悪い悪夢だと願った。
「先生が、そんなことするはずありません!!」
「僕は変わったんだ。君も変われ。疑い、選択しろ! 教えたはずだろ、ソフィア」
「もし、もし、本当にそうだったとして、先生は、なぜ、人をーーーー」
「美しいからだよ」
「え?」
「私はこの二週間で、三人を殺した。皆どうしようもない悪人たちだった。だけどね、醜悪な彼らも、死に顔は美しかった。マグヌスの顔も、もっと見ておくんだったよ」
 クリストファーは滔々と語り出す。殺した手口に、銃を撃った瞬間の、高揚感と醒めやらぬ興奮。
「生きているって、感じがしたよ。僕はずっと退屈だったんだ。だから大人になってからは、笑顔を貼り付けていなければならなかった」
 もはや、疑いの余地はなかった。
「だけど、君と出会って、美しいという感覚を知った。守りたいと思った。だから、咄嗟に引き金を引いた。あのときは怖かったよ。それは恐ろしかった。心臓の鼓動がおさまらなくてね。だけど気づいた。それは興奮だった。生きているという感覚だった」
 クリストファー・ベルトルトは、
「そして、悪人たちの死に顔を拝むようになってからは、その美しさに見惚れた。死とは、平等に訪れる最大の美だ」
 殺人鬼と、成り果てたのだ。
「戻りましょう?」
「あの箱庭へかい?」
「屋敷へ!!」
 クリストファーを引き寄せ、ソフィアは螺旋階段を駆け下りる。
「お母様がきっとどうにかしてくださるわ」
「ベリンダが、ね……。そりゃあいい」
 含み笑いを浮かべ、クリストファーは手を引かれるがままに馬車へ乗り込み、ソフィアとともに屋敷へ戻った。
 屋敷は、騒然としていた。ソフィアが血相を変えた使用人たちに引かれ、ついていくと、案内された先は、箱庭だった。
 閉ざされたガラスの向こう、箱庭の中心で、裸の女が立ち尽くしている。
「これは、一体?」
「ベリンダ様です。一時間ほど前から、急に私たちにオイルランプの油を集めろとおっしゃられて、あんなことに……」
「どうして止めなかったの!?」
「言いつけを守らなければクビにすると言われまして。それに、ベリンダ様がマッチの火を持っていらしたので、従うしかありませんでした」
 見ると、ソフィアが来た玄関以外のあちこちが、水浸しになっていた。すべてオイルランプの油だとすれば、確かに従わざるを得ない。
「ソフィア!! クリストファー様はどこ!?」
 ガラス越しでも聞こえる大声で、ベリンダが叫ぶ。ソフィアが振り返ると、はかったようにクリストファーが現れた。
 それに気づき、にんまりと笑うと、ベリンダは頭から油をかぶり、マッチの火を放った。
 ベリンダの嬌声が、笑い声が、屋敷中に広がるようだった。火はあっという間に箱庭全体に広がり、燃え盛った。
 火だるまとなったまま天を仰ぐベリンダの姿は、不死鳥のようで。
「美しい!!」
 クリストファーが叫んだ。
 見開かれたその瞳には、躍り狂う炎が煌々と光っている。
「まさか、あなたが……」
「ハッハッハ、そうだよ。僕がベリンダをそそのかしたんだ。簡単だったよ。彼女はまるで、従順な奴隷だ」
 言いながら、クリストファーはウェストコートの懐からあのペッパーボックスピストルを取り出す。
「何を!?」
「次は君の番だ、ソフィア」
 至近距離で銃口を向けながら、クリストファーは笑う。
「今までは醜い悪人たちの美しい死に顔のギャップを楽しんでいたが、いつか、君の死に顔も見てみたいと思っていたんだ」
 絶句するソフィアに、クリストファーは高らかに笑う。
「絶望するその顔も素敵だが、早く死に顔を見せてくれ。そして、僕の永遠の肴(さかな)となれ!!」
 狙いを定め、引き金を引こうとするクリストファーをソフィアは咄嗟に突き飛ばし駆け出す。
「逃すか!」
 手元に集中するあまり不意を突かれて転倒したクリストファーだったが、廊下を駆け出すソフィアの背に、すぐに狙いを定める。
 炸裂音が、二度、三度響き渡り、ソフィアは倒れ込んだ。
 笑いが止まらないクリストファーは、立ち止まることさえままならない。しかし、やがて興奮した様子で息を整え、両手をついて立ち上がろうとしたとき、ソフィアが身を起こした。
「何!?」
 振り返るソフィアに、慌てて残りの弾を撃ち込む。しかし、ソフィアは動じない。見れば血の一滴も流れていなかった。
「なぜだ? なぜだぁ!?」
 尻もちをついたまま後ずさるクリストファーの背中に、ぶつかるものがあった。見上げると、それは駆けつけた警官だった。
「ペッパーボックスピストルは、五メートル先の的にも当たらない。そう教えてくださったのは、あなたです」
 歩み寄ってくるソフィア。炎に照らされた横顔。クリストファーの、幻想が解ける。
 今のソフィアに、かつての無垢な美しさはなかった。のぞく鎖骨は性的な艶やかさを持っていたし、痩せて脂肪が削ぎ落とされていた肌は、今は運動と食事によって健康的に育ち、艶がある。胸や尻も膨らんでいたし、くびれも、今は女性らしい曲線を描いていた。ほとんど白に近い髪と、エメラルドの瞳さえ、高潔なオーラを放っており、もはやかつての危うさはない。
 それは皮肉にも、かつてのクリストファーが求めた、頑強な美しさだった。
「……違う」
 無様に床に尻もちをついたまま、後ずさろうとするクリストファーだったが、警官がそれを許さない。
「違う違う違う違う違う違う違うっ!!」
 見開かれた瞳は、焦点が定まっていなかった。
「これじゃない。僕が求めたのはーーーーこんなものじゃない!!」
「あなたはあなたでなくなってしまったけれど、きっと、償えるわ」
 ソフィアは、ただ、優しく笑いかける。
「クリストファー。私を、箱庭の外へ連れ出してくれて、ありがとう」
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