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 宴も終わった。

 ブリタニア国の人間は思いがけずダンスが上手かったが、一人一人と踊らされ、そのたびに本能的な嫌悪を感じずにはいられなかった。

 特に、あのアレクサンダー将軍。

 バートン卿がソフィアに興味を示しているのはまだいい。婚約者となった身だ。だが、アレクサンダー将軍はあの時素直に引き下がったはずなのに、ダンスの際はソフィアの腰を強く握りしめて、細い指を粘着質に撫で回し。

 とても、彼女を諦めたようには思えず、嫌な予感がした。

 ドレスを着替えることさえできずに椅子に倒れ込んだソフィアが、疲れ切った体を背もたれに預けていると。

「バートン卿、こちらは姫さまのお部屋です、どうかご遠慮くださいませ……!」

 慌てたような侍女の声が廊下に響き、慌ててソフィアは瞳の涙をぬぐった。

 ソフィアの部屋に侵入したバートン卿によって、ばたん、と扉が閉められる。もう、どこにも逃げられない。

「姫。ゆっくりお話しをしたいと思い、参りました」
「バートン卿」

 ソフィアはゆっくりと膝を曲げ、礼をとる。

「ソフィア姫。我が公爵領は、豊かな土地です。きっと姫は私と共に幸せになりますよ」

 そう言って、バートン卿はソフィアににじり寄った。
 ソフィアの手を取ると、遠慮がちに、するすると撫で回す。

 その優しい手つきに、小さな誠意を感じたソフィアはかろうじて微笑んだが、バートン卿はその手を離そうとしなかった。
「姫、大切にします」
「婚姻の日を迎えたら、卿にきちんとお捧げいたします。ですから、最後までは……」

 ソフィアの言葉を無視して、バートン卿はソフィアの顎を掴む。

「んむう、んん、んっ、んん」

 ソフィアの意思など意に介さないかのように、バートン卿はソフィアの唇を舐めまわした。ソフィアの瞳から涙がこぼれ落ちる。
 ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて、バートン卿はソフィアにキスをしながら、ソフィアの体を強く抱きしめた。最新流行のコタルディ・ドレスの下にはシュミーズが一枚あるのみで、柔らかいソフィアの体どころか、胸元の突起までバートン卿に伝わりそうで、羞恥心で頬を赤く染めた。

「卿、どうか」

 ばたん! と不意に扉が開く。驚いて振り返った二人の瞳に、あの大柄なアレクサンダー将軍の姿があった。

「将軍?今は取り込み中だ。悪いが、」
 バートン卿の言葉を待たずに。

 アレクサンダー将軍は、バートン卿の体に、すっと剣を差し込んだ。あまりにも自然な仕草だった。

 バートン卿は、口から血を流した。
「なぜ、アレク、サンダー、将軍……」

 倒れ込むバートン卿には目もくれず、血をまとった剣を放り投げると、アレクサンダー将軍はソフィアの腕をつかんだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「いや! いや、いや、離して!」
 泣き叫ぶ声に構わず、彼女をベッドに放り投げた。

 高貴な女性は、そこらの床で犯すのではなく、ベッドで大切に抱きしめるのがふさわしい。

 彼女の両腕を掴み、押さえつけながら顔を近づけた。

「私は奴隷ではありません! このような扱い、許しませんよ!」
「そうだ、貴女は奴隷ではなく、俺の姫君だ」
 彼女の栗毛をそっと撫でる。艶やかで、絹糸のような感触。
 たまらなくなり、彼女の頬に優しく触れると、ソフィアの唇を人差し指でなぞった。
「姫君。無骨な将軍に慈悲を」
 そう言うと、アレクサンダー将軍はソフィアの上におおいかぶさり、口付けた。
「んん! んあ、ぬちゅ、はあ、あっ、何を、んん、んむ」
 瞳を見開くソフィアに構わず、アレクサンダー将軍は愛らしい口元に舌を差し入れ、口中を舐めまわした。漏れる声が心地よく、口の中が気持ちよく、たまらなくなりアレクサンダー将軍はキスを続けたまま、ソフィアの体を強く抱きしめ、体勢を変えた。柔らかい肢体がアレクサンダー将軍の鍛え上げた体にのしかかり、アレクサンダー将軍の陰茎はだんだんと硬くそびえたった。

 たかが口付けが、こんなに気持ちいいとは。彼女の中に今すぐ差し込んでやりたい。

 そう思ったアレクサンダー将軍は、それから頭を横に振った。これからも自分のものとするためには、彼女にも感じてもらう方が都合が良い。それに、清らかな姫君が自分の腕の中で、快楽で鳴き叫ぶ姿を見たい。

「アルバ国民は、姫君の献身にかかっております。せいぜい私に尽くすことです」
「ですから……! きちんとバートン卿に捧げると申しました。なぜ、あの人を殺してしまったのですか!?」

 それでは彼女を、自分の手にすることができないではないか。能力も気力もあって好ましい男だったが、姫はやはり美しい。一晩でも我が物としたい。

「傾国の美姫を我が物とするためには、大切な仲間の命も惜しくない」
「……狂っている!」
 泣き叫ぶソフィアを抑えつけ、真紅のドレスをつかみ、小刀でびりっと音を立てて引き裂いた。バートン卿のための装いはただの布の塊と化し、満足したアレクサンダー将軍はドレスの残骸を放り投げた。

「美しい」
 ソフィアを抱き上げながら、アレクサンダー将軍は感嘆した。

 体のラインに美しく沿っていたコタルディ・ドレスと共にシュミーズも破り去られており、ソフィアの体には何も残っていなかった。ミルク色の胸元と薄紅色の乳首は艶かしく、へその形、そして淡い三角帯はアレクサンダー将軍を誘っている。

「私をっ、我がものとしたいのならば、お父さまを通してくださいませ! こんな暴挙、許しません!」
「構いませんよ。国王も否やとは言わないでしょう。ですが」
 ソフィアの乳首に音を立てて口付け、そのままべろりと舐めた。
「それまで待つことができないのです。どうせ、今だろうと後だろうと、結果は変わりません」
「そんな、変わります! 全然違います!」
 涙するソフィアを、アレクサンダー将軍は愛しげに抱きしめ、その乳首を吸い上げた。
「んんっ、あっ」
 その儚げな吐息に酔いしれてしまいそうだ。
「ああ、俺の姫君。女なんて誰もが同じと思っていたのに、貴女を手放すことなんて最早不可能だ。大好きですよ」
 そう言って顔をあげると、アレクサンダー将軍はソフィアの顔をがしっと掴んだ。

「何を……んんっ! ふうっ、んむ、ちゅっ、んん、い、嫌、んんっ」

 濃厚な口付けを交わしながら、アレクサンダー将軍はソフィアのへそを優しく撫でて、そのままするするとソフィアの濃茶色の淡いを指に絡めた。

「んんっ、んっ、いや、やめて、触らな、いで、いや」

 そのままソフィアのピンク色の場所にたどり着くと、可愛らしい突起部分は、ほんのりと潤んでいた。

「なんと。清らかな姫君が、俺に感じてくださっていたとは。感激です」
「感じ……?」
「大丈夫、貴女が私を熱い眼差しで見ていたことには気づいていました。貴女は淫らなのではなく、前から私を欲してくださっていたのですよね。私だけの、愛しい姫君」
「あなたを、私が、欲している……?」
「ええ、そうです。さあ、貴女の恋人に口付けを」
 そう言うと、アレクサンダー将軍はソフィアにゆっくりと顔を近づけた。すると。エミリアは眉をきゅっとしかめて、顔を勢いよく左に向けて、アレクサンダー将軍の唇を避けた。

「もう許して! 気持ち悪いの、嫌なの、もういや!」
「何を言う。こんなに素晴らしい時間を共に過ごしているのに。貴女は、まだほんの子どもなのですね」

 だが、ソフィアは女だ。極上の、女。

「ちがう、ちがう、違う! わたし、あなたと、こんなこと、するのが嫌なの!」
 返事もせずに、栗色の髪が流れる背中をれろおっと舐めると、
「ひっ、んう」
 とソフィアが小さく叫んだ。
 そのままソフィアの中に指をそっと差し込むと、
「ひ、痛、いや、いたいの、抜いて」
「ヒクヒクとうごめいて、なんといやらしい姫君だ。罰として、こうしてやろう」
 そう言ったアレクサンダー将軍は、指を最初はゆっくりと、そしてだんだん激しくうごかしはじめた。

「うっ、んっ、んん、痛、んう、いや、」
 ちゅくちゅくと粘着質な音が部屋に鳴り響き、アレクサンダー将軍はにやりと笑みを浮かべた。
「もう3本、入っている……。そろそろかな」

 ソフィアの太ももをつかむと、アレクサンダー将軍はソフィアの足を大きく開いた。
「やだ、恥ずかしいこと、しないで、んむぅ、んちゅ、んんっ、」
 ソフィアの唇に激しく口付けながら亀頭を、ソフィアの女陰にそっと触れさせる。ねちょ、と音を立てたことに、ソフィアの体がびく、と震えた。

「んぅっ、んんっ、ん、やっ」

 さあ、俺を貴女の優しさで包み込め!

 陰茎をぐちゅ、と音を立てて差し込むと、ずっ、ずっ、と勢いよく飲み込まれていった。
 思わずうなり声をあげてしまいそうなほど、素晴らしい締めつけだった。しかも、入り口だけでなく、
「奥も、締めつけるとは。あなたの中がこんなに気持ちいいとは、驚きました」

 2箇所からぎゅうぎゅうと搾り取られるような感覚に、アレクサンダー将軍は酔いしれた。

「貴女も、気持ちいいかい?」
「いや、いや、お願い、痛いの、抜いて」
 彼女の瞳から涙が次から次へとあふれる中、ソフィアは呆然と呟いた。

「ああ、かわいそうに。だが今によくなります」
 愛する女性の初めてを、自分が手にしたことに、言いようのない興奮を感じた。

「もう決して、手放さない! 俺だけの、姫!」

 感極まり、彼女の頬をつかみ口に舌を差し込む。じゅぷ、じゅぷ、と足の付け根で音を鳴らしながら音を鳴らして激しく彼女に口付け、それから口を腋の元に持っていき、べろりと舐めた。

「あんっ!」
 ソフィアが思わずといった風情で声をあげた。

「姫、かわいい、かわいい、大事にするぞ!」
 言いながら、ソフィアの乳首をちゅう、と吸った。

「いや、んん、あ、あんっ! なに、い、いやあ!」
 ソフィアの奥がきゅう、と締まった。うっ、と声をあげそうになるのをこらえ、ゆっくりと動いていた腰の動きを早める。

「あん! いっ、あん、あん、あ、あ、あん」

 なんと愛らしい声だろうか。アレクサンダーは自分の人生における宝物を見つけ出したような心地だった。

「さあ、いきますよ!」
「あっ、ダメ、いや!」

 彼女の腰をつかみ、何分も揺さぶり続ける。そうして、ぶりゅ、ぶりゅ、と音を立てて、愛しい姫君の中に長いことかけて精を放った。

「………えっ、どうして、また、大きく」
「お慕いする姫君の中にいるというのに、一回で済むはずもありません。夜はまだ長い。女の喜びを、このアレクサンダーが教えて差し上げましょう」
「いやあ! もう、許して!」

 ソフィアの首をべろりと舐めると、泣き叫ぶ彼女を押さえつけた。

 そして彼女を抱きしめ、舐めまわしながら、アレクサンダー将軍は考えた。

 姫を日陰の存在に置いておくなど、とてもではないができない。自分の至宝であり、他の男に手渡すことなど思いもよらぬことだ。

 そのためには、アルバ国王は邪魔だ。正式に彼女を妻とすることでおそらくはあの弱腰の国王は調子づくだろう。

 姫の髪の毛一筋まで、我が物とするために。

 至福の時間に酔いしれながら、アレクサンダー将軍の脳裏は目まぐるしく回転していた。
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