19 / 83
19.一家団欒
しおりを挟む
花子は実父に連れられ帝都の魔法科大学の近くにあるブランの自宅に向かった。
専用車両にはブランの秘書であるアインと呼ばれるあまり表情の動かない男の人がいて彼の運転でそこに向かった。
よく見ていると周囲は前世でも東京の中心にしか見られないような高層ビル群が立ち並んでいた。
そんなビル群の一角に花子を乗せた車は吸い込まれるように入っていった。
車は極彩色の光に照られ、次に車の中にいるはずなのにエレベーターのような浮力感を感じると景色が変わって専用駐車場に停車していた。
アインが車の運転席を出ると後部ドアが開いた。
花子は実父であるブランに続いて外に出た。
ブランはそのまま駐車場の扉を開くと外にスタスタと歩いて行った。
そこには真っ黒な空に光り輝く星がガラスのような素材で作られた窓いっぱいに広がっていた。
思わずポカーンと口を開けてその風景に魅入ってしまった。
「すごい。」
しばらく呆然とその景色を眺めている花子をブランは嬉しそうに眺めていた。
「あのー花子様。」
そこに恐る恐るアインの声がかけられた。
「このままここで見学されるより部屋の中に入れば温かいリビングからも同じような景色を眺めることが出来ますよ。」
「あっそうよね。ごめんなさい。ありがとう。」
花子は笑い声を我慢しているブランの後について豪華な装飾が施された扉を潜った。
扉の装飾もすごかったが入った廊下も凄かった。
前世でいうところの透かし彫りの彫刻がこれでかと施された腰壁が延々と続く廊下が現れた。
その廊下をブランは意にも解せずにスタスタと歩くと一番奥にあるドアを開いた。
そこには前面に星空が広がり眩いばかりのビル群の灯が窓いっぱいに輝いていた。
「・・・。」
花子は言葉もなくそこでも立ち尽くした。
「信子。」
ブランは部屋に入ってすぐにテーブルで緑茶を飲んでいた信子に気がつくと走り寄って彼女を抱き締めた。
一方信子は部屋に入って来たブランを邪険に突き飛ばすと窓外を見て声もなく立ちすくんでいる花子に駆け寄った。
「花子!」
花子は母である信子の声に我に返ると抱き付いて来た母親の抱擁に背をそっと叩いてこたえた。
「心配かけてごめんなさい、花子。でも会いたかったわ。」
感極まって抱き締め合っている二人にすぐに近づく人物がいた。
「よかったね信子さん。でも体調に響くからすぐにそこに座った方がいいよ。」
ブラウンは信子の腰に手を当てて彼女を支える様に動くと傍にあった椅子に座らせた。
「ブラウン。なんでここにいるんだ。」
「いやだなぁ。私は実母が離婚されたとはいえ花子の異母兄ですよ。ここにいても問題ないでしょう。それとも私はもう離婚された実母の血を引いているので家族ではないと・・・。」
「まあまさか。そんなことはないわ。」
信子がブランより先に立ち上がるとブラウンを抱き締めた。
「信子はなんて優しんだ。うれしいよ。ありがとう。」
ブラウンは意外とボリュームのある信子の胸を感じながらしっかりと抱き締め返した。
「おい、ブラウン。いつまで抱きしめているんだ。いい加減離せ。」
ブランが信子からブラウンを引き剥がそうと彼の肩を掴んだ。
「信子。私は実母に一度も物心ついてから抱きしめられたことがないんだ。もう少しこのままでいさせてほしい。」
「まあなんてこと。いいわよ。いくらでも抱き締めてあげるわ。」
「こら、ブラウン。いい加減なことをいうな。」
「いい加減じゃないよ。実母は私を生んだ後すぐに他人に養育を任せたって知ってるだろ!」
「そ・・・それは・・・。」
ブランはブラウンの言葉に躊躇したがそれでも数分も立つと信子からブラウンを引き剥がそうと彼の肩を掴んで揺さぶった。
花子は実母をめぐって白熱するケンカを展開している二人を最初は唖然として眺めてしまった。
そこにスッとセバスが近づくとお茶とケーキを出してくれた。
「花子様。お疲れ様です。よろしければこちらをどうぞ。」
「ありがとうございます。セバスさん。それにしても異母兄はなんで母さんをあんなに気に入っているの?」
「ああ、それなら簡単です。今まで血のつながりのない女性全てがブラウン様をルービック家の次期当主様と見ていたのにあの方が普通に接してくれたからですよ。」
「そうかな。高貴な方なんて思わない庶民なら普通に接するものじゃない。」
「いえ今までの女性の方でルービック家次期当主と知られていなくても目をハートにされる方ばかりでしたのでそれ以外の反応を見せた方は初めてですね。」
「目をハートって言われれば確かに美形かも。」
花子はクリームがたっぷりと盛られたケーキを一口サイズに切り分けながら美味しいお茶も堪能した。
そのうち二人のケンカも佳境になりブラウンから自分を義父と呼んでほしい発言が飛び出した。
「なんてこというだブラウン。信子は僕の妻なんだよ。」
「どうせ治療費を払うと言ってサインを貰ったんでしょ。それなら私にも可能ですよ。だから花子ぜひ私を義父と呼んでほしい。」
二人の視線が花子に突き刺さった。
花子は食べていたケーキの最後の一口を食べ終えると二人と視線を合わせた。
「私はどちらでもいいですよ。」
「「花子!」」
娘に見捨てられ項垂れる実父と嬉しそうに花子の実母を口説く異母兄がそこにいた。
それにしても我が母はモテき到来だね。
もっともあの超絶鈍感の実母に異母兄の腹黒思惑から出たラブコールがうまい具合に届くとは思えないけどなぁ。
まあどっちにしても自分には関係ないや。
花子は他人事だと眺めていたが実母の発言で人生最大の危機に陥った。
「二人とも嬉しいことばかり言ってくれてありがとう。それでまだ何も出来なかったから夕食を作って見たの。良ければ食べて頂戴。」
「夕食を母さんが作ったの。」
信子の言葉に花子は文字通り凍り付いた。
「「ありがとう信子。ぜひ頂くよ。」
ブランとブラウンは素直に頷いていた。
二人を無視して花子は必死にこれを回避するため力いっぱい主張した。
「母さんごめん。知らなかったからケーキを食べちゃった。今日はお腹いっぱいだから今度頂くよ。私の分は異母兄さんに食べさせて上げて。」
「まあ花子。食事の前にデザートでお腹いっぱいになるとかマナー違反よ。でもしょうがないわね。花子も色々あったんだし今日は許してあげるわ。」
「ありがとう母さん。私疲れたからお風呂に入って寝るね。」
花子は一気に話すと食事を勧められる前に席を離れた。
花子がそこを出て廊下に行くと後ろからセバスも出て来て彼女がこれから使うことになる部屋に案内してくれた。
「花子様。何かおありですか?」
セバスは部屋の中を説明しながら先程の花子の態度を訝しくおもったのだろう遠慮気味に聞いて来た。
「さすがにちょっとおかしいってわかるよね。」
「はい。」
「あのね。信じられないかもしれないけどあの人が普通の食材を使って料理をすると記憶や魂が消し飛ぶ程不味いものを作り出すのよ。」
「はあぁ?」
「信じられないけど本当よ。本人全く自覚してないけど食べるとそうなるの。だから今回はもう遅いと思うけどすぐに治癒魔法で治療するか高級魔法治療薬を飲んだ方がいいと思う。」
セバスはこの話に真っ青な顔で頷くと慌てて部屋を出て行った。
あっしまった。
セバスさんに明日の朝食を実母に作らせないように言っとくの忘れたけど・・・。
食事の後の惨状を見れば作らせないよね。
花子は念の為明日は絶対に実母より早く起きなければと固く決心して浴室に入った。
はあぁー今日は本当に疲れる一日だった。
専用車両にはブランの秘書であるアインと呼ばれるあまり表情の動かない男の人がいて彼の運転でそこに向かった。
よく見ていると周囲は前世でも東京の中心にしか見られないような高層ビル群が立ち並んでいた。
そんなビル群の一角に花子を乗せた車は吸い込まれるように入っていった。
車は極彩色の光に照られ、次に車の中にいるはずなのにエレベーターのような浮力感を感じると景色が変わって専用駐車場に停車していた。
アインが車の運転席を出ると後部ドアが開いた。
花子は実父であるブランに続いて外に出た。
ブランはそのまま駐車場の扉を開くと外にスタスタと歩いて行った。
そこには真っ黒な空に光り輝く星がガラスのような素材で作られた窓いっぱいに広がっていた。
思わずポカーンと口を開けてその風景に魅入ってしまった。
「すごい。」
しばらく呆然とその景色を眺めている花子をブランは嬉しそうに眺めていた。
「あのー花子様。」
そこに恐る恐るアインの声がかけられた。
「このままここで見学されるより部屋の中に入れば温かいリビングからも同じような景色を眺めることが出来ますよ。」
「あっそうよね。ごめんなさい。ありがとう。」
花子は笑い声を我慢しているブランの後について豪華な装飾が施された扉を潜った。
扉の装飾もすごかったが入った廊下も凄かった。
前世でいうところの透かし彫りの彫刻がこれでかと施された腰壁が延々と続く廊下が現れた。
その廊下をブランは意にも解せずにスタスタと歩くと一番奥にあるドアを開いた。
そこには前面に星空が広がり眩いばかりのビル群の灯が窓いっぱいに輝いていた。
「・・・。」
花子は言葉もなくそこでも立ち尽くした。
「信子。」
ブランは部屋に入ってすぐにテーブルで緑茶を飲んでいた信子に気がつくと走り寄って彼女を抱き締めた。
一方信子は部屋に入って来たブランを邪険に突き飛ばすと窓外を見て声もなく立ちすくんでいる花子に駆け寄った。
「花子!」
花子は母である信子の声に我に返ると抱き付いて来た母親の抱擁に背をそっと叩いてこたえた。
「心配かけてごめんなさい、花子。でも会いたかったわ。」
感極まって抱き締め合っている二人にすぐに近づく人物がいた。
「よかったね信子さん。でも体調に響くからすぐにそこに座った方がいいよ。」
ブラウンは信子の腰に手を当てて彼女を支える様に動くと傍にあった椅子に座らせた。
「ブラウン。なんでここにいるんだ。」
「いやだなぁ。私は実母が離婚されたとはいえ花子の異母兄ですよ。ここにいても問題ないでしょう。それとも私はもう離婚された実母の血を引いているので家族ではないと・・・。」
「まあまさか。そんなことはないわ。」
信子がブランより先に立ち上がるとブラウンを抱き締めた。
「信子はなんて優しんだ。うれしいよ。ありがとう。」
ブラウンは意外とボリュームのある信子の胸を感じながらしっかりと抱き締め返した。
「おい、ブラウン。いつまで抱きしめているんだ。いい加減離せ。」
ブランが信子からブラウンを引き剥がそうと彼の肩を掴んだ。
「信子。私は実母に一度も物心ついてから抱きしめられたことがないんだ。もう少しこのままでいさせてほしい。」
「まあなんてこと。いいわよ。いくらでも抱き締めてあげるわ。」
「こら、ブラウン。いい加減なことをいうな。」
「いい加減じゃないよ。実母は私を生んだ後すぐに他人に養育を任せたって知ってるだろ!」
「そ・・・それは・・・。」
ブランはブラウンの言葉に躊躇したがそれでも数分も立つと信子からブラウンを引き剥がそうと彼の肩を掴んで揺さぶった。
花子は実母をめぐって白熱するケンカを展開している二人を最初は唖然として眺めてしまった。
そこにスッとセバスが近づくとお茶とケーキを出してくれた。
「花子様。お疲れ様です。よろしければこちらをどうぞ。」
「ありがとうございます。セバスさん。それにしても異母兄はなんで母さんをあんなに気に入っているの?」
「ああ、それなら簡単です。今まで血のつながりのない女性全てがブラウン様をルービック家の次期当主様と見ていたのにあの方が普通に接してくれたからですよ。」
「そうかな。高貴な方なんて思わない庶民なら普通に接するものじゃない。」
「いえ今までの女性の方でルービック家次期当主と知られていなくても目をハートにされる方ばかりでしたのでそれ以外の反応を見せた方は初めてですね。」
「目をハートって言われれば確かに美形かも。」
花子はクリームがたっぷりと盛られたケーキを一口サイズに切り分けながら美味しいお茶も堪能した。
そのうち二人のケンカも佳境になりブラウンから自分を義父と呼んでほしい発言が飛び出した。
「なんてこというだブラウン。信子は僕の妻なんだよ。」
「どうせ治療費を払うと言ってサインを貰ったんでしょ。それなら私にも可能ですよ。だから花子ぜひ私を義父と呼んでほしい。」
二人の視線が花子に突き刺さった。
花子は食べていたケーキの最後の一口を食べ終えると二人と視線を合わせた。
「私はどちらでもいいですよ。」
「「花子!」」
娘に見捨てられ項垂れる実父と嬉しそうに花子の実母を口説く異母兄がそこにいた。
それにしても我が母はモテき到来だね。
もっともあの超絶鈍感の実母に異母兄の腹黒思惑から出たラブコールがうまい具合に届くとは思えないけどなぁ。
まあどっちにしても自分には関係ないや。
花子は他人事だと眺めていたが実母の発言で人生最大の危機に陥った。
「二人とも嬉しいことばかり言ってくれてありがとう。それでまだ何も出来なかったから夕食を作って見たの。良ければ食べて頂戴。」
「夕食を母さんが作ったの。」
信子の言葉に花子は文字通り凍り付いた。
「「ありがとう信子。ぜひ頂くよ。」
ブランとブラウンは素直に頷いていた。
二人を無視して花子は必死にこれを回避するため力いっぱい主張した。
「母さんごめん。知らなかったからケーキを食べちゃった。今日はお腹いっぱいだから今度頂くよ。私の分は異母兄さんに食べさせて上げて。」
「まあ花子。食事の前にデザートでお腹いっぱいになるとかマナー違反よ。でもしょうがないわね。花子も色々あったんだし今日は許してあげるわ。」
「ありがとう母さん。私疲れたからお風呂に入って寝るね。」
花子は一気に話すと食事を勧められる前に席を離れた。
花子がそこを出て廊下に行くと後ろからセバスも出て来て彼女がこれから使うことになる部屋に案内してくれた。
「花子様。何かおありですか?」
セバスは部屋の中を説明しながら先程の花子の態度を訝しくおもったのだろう遠慮気味に聞いて来た。
「さすがにちょっとおかしいってわかるよね。」
「はい。」
「あのね。信じられないかもしれないけどあの人が普通の食材を使って料理をすると記憶や魂が消し飛ぶ程不味いものを作り出すのよ。」
「はあぁ?」
「信じられないけど本当よ。本人全く自覚してないけど食べるとそうなるの。だから今回はもう遅いと思うけどすぐに治癒魔法で治療するか高級魔法治療薬を飲んだ方がいいと思う。」
セバスはこの話に真っ青な顔で頷くと慌てて部屋を出て行った。
あっしまった。
セバスさんに明日の朝食を実母に作らせないように言っとくの忘れたけど・・・。
食事の後の惨状を見れば作らせないよね。
花子は念の為明日は絶対に実母より早く起きなければと固く決心して浴室に入った。
はあぁー今日は本当に疲れる一日だった。
0
お気に入りに追加
776
あなたにおすすめの小説
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
DIVA LORE-伝承の歌姫-
Corvus corax
恋愛
たとえ世界が終わっても…最後まであなたと共に
恋愛×現代ファンタジー×魔法少女×魔法男子×学園
魔物が出没するようになってから300年後の世界。
祖母や初恋の人との約束を果たすために桜川姫歌は国立聖歌騎士育成学園へ入学する。
そこで待っていたのは学園内Sクラス第1位の初恋の人だった。
しかし彼には現在彼女がいて…
触れたくても触れられない彼の謎と、凶暴化する魔物の群れ。
魔物に立ち向かうため、姫歌は歌と変身を駆使して皆で戦う。
自分自身の中にあるトラウマや次々に起こる事件。
何度も心折れそうになりながらも、周りの人に助けられながら成長していく。
そしてそんな姫歌を支え続けるのは、今も変わらない彼の言葉だった。
「俺はどんな時も味方だから。」
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる