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郊外の一軒家

しょじょがえり、じゅうに

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わん、と吠えて媚びてみせると雪兎は笑顔で鞭を振るった。俺のおねだりなんて関係なく、雪兎が叩きたいと思ったところに鞭が当たる。

「……っ、あぁあああっ! ぁ、はっ、はぁっ……ひっ!? ぃいぃいいいっ! ぐっ、ふっ、ふぅ、ふぅう……ぁあぁあああっ!?」

息を整える暇もなく、太腿に、脛に、ふくらはぎに、尻に、胸に腕に背中に腹に、激痛が注がれる。

「はぁっ、はぁっ……痛、いたい……ひっ……ゔ、ぁああああっ!」

ジンと痺れるような熱い痛みが皮膚に宿り、その真下の肉がずくずくと痛む。最高だ、気持ちいい、これこそ究極の快感だ。

「跡つかないからどこ叩いたか忘れちゃうなぁ」

そう言いながら雪兎は自らの左腕を軽く鞭で叩いた。すると美しい白い肌に赤い鞭の跡が浮かぶ。

「ユキ様っ……!?」

「ほら、僕はこんなに軽く叩いただけで跡になっちゃう。今のよりもっとずっと強く叩いてるはずのポチにはぜーんぜん跡残ってないのに」

「だ、大丈夫ですか? なんで、そんなこと……! はやく冷やしたりとか、何か……すいません俺今動けないのでご自分で何とか」

「きーいーてーよぉ!」

「は、はい……? ユキ様は軽くでも跡になって、俺は全然残らないって話ですよね」

雪兎は俺の身体に傷を付けるのを嫌がるから、頑丈な肌は雪兎の好みに合っている。俺はもっと雪兎に跡を付けて欲しいから、丈夫過ぎる肌は気に入らないけれど。

「そ。ちゃんと聞いてたんだね。丈夫なのはプレイしやすいからいいことだよ、ポチは痛いの好きだし、丈夫な方がより痛いこと出来るもんね」

「はいっ!」

「……でもさ、丈夫なせいでキツいこと頼まれたりするんだろうなーって考えたらなんか落ち込んじゃった。ほら、この間も叔父さんの手伝いして怪我したんでしょ?」

「あー……でも、アレはなんか手違いとかで、あんな強いの相手にする予定じゃなかったんで、丈夫なせいとかじゃ……」

「だって僕がお手伝いやらされてたら、叔父さん絶対僕逃がしたり守ったりしてくれてたもん。ポチがおっきくて丈夫だから頑張らせたんだよ。なんか不公平だね」

「…………役割分担ってヤツですよ。ユキ様は頭がいいから色々出来そうですけど、俺には体張るくらいしか出来ませんから」

むぅー……と難しい顔をした後、雪兎は鞭を握り締めた。

「ポチに痛い思いさせていいのは僕だけなの!」

「結論それですか……」

「ポチ、僕以外に痛いことされないで。あんまり丈夫そうな態度取らないで、受けるんじゃなくて避けるの上手くなってね」

「はい」

「そろそろお薬効いてくると思うから、鞭一旦やめるね」

鞭を放り投げた雪兎は俺の胸に手を添えた。跡はなくとも皮膚は痛みを記憶していて、雪兎に触れられた箇所は痛みを思い出した。

「……っ、あ」

触れただけで喘いだのが愉快だったらしく、雪兎は俺の胸を両手で揉み始めた。雪兎の言う通り薬が効き始め、ビンと尖って疼いている乳首には全く触れず、脱力させられた胸筋ばかり弄ぶ。

「いつもより柔らかいね、もちもちしてる……お薬のおかげかな? 自分で力抜いてって言ってもつい入っちゃうことあるもんね」

「んっ……ぁ、あんっ……ん、ん、ユキ様……揉むだけじゃ、なくてぇ……乳首、も…………それに、後ろもすごく疼いてて……何か、してください」

「……ポチ、ご主人様は犬の言うこと聞くの?」

「ぁ……! き、聞きません……すいません」

「うん。僕は今、ポチの焦れったそうな顔見ながら胸揉みたい気分なんだ……」

脇から胸を寄せて強引に作った谷間に顔をうずめる雪兎の吐息は、皮膚が焼けそうなほど熱かった。
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