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お盆

いぬはひるね、ろく

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黒革の拘束具が外された。手足の自由は戻ったが、犬の足を模した分厚い手袋や靴下はそのままだから依然として繊細な作業は出来ない。

「ぷはっ! はぁ……やっと口閉じられる。顎疲れますよアレずっとつけてたら」

ギャグボールも外され、舌と顎の疲れを訴える。すると雪兎は俺の舌をつまんで引っ張り、むにむにと揉んでくれた。

「んんん……」

また言葉を奪われてしまったが、雪兎なりの労いなのだろうと目を閉じて舌を突き出して愛撫を受け入れる。

「ん……?」

優しい快感に身を任せていると、雪兎の指が離れてしまう。もう終わりかと目を開けると顔の前にスタンガンがあった。

「……っ!?」

強い電流が舌を走った。痛みと痺れに悶絶する俺を雪兎は楽しげに見下ろしている。

「生意気に文句言った罰だよ。早くここ座って」

舌の痺れを残したまま、連続絶頂の余韻が残る震える足で椅子まで歩んだ。雪兎とのビデオ通話でいつも使っていた椅子だ。

「んぁあっ! ぁ、は……ぁあぁ……」

尻尾飾り付きのバイブを挿入したままなのだ、座れば当然それが押し込まれて快楽になる。

「ユキ、さま……ゆきさま、ユキ様……」

雪兎とのビデオ通話の際に何度か使った、肘置きに固定されたタイマー機能を持つ手枷。それで手を拘束されながら、痺れた舌を必死に動かして雪兎の名を呼ぶ。

「搾精、一回ビデオ通話でやったろ? 覚えてる?」

「はい……」

「今日は目の前で見られるんだ、はしゃいじゃうなぁ」

透明のシリンダーに陰茎を挿入させられる。シリンダー内部にはブラシがあり、洗車のように陰茎をブラシで擦られるのだろうということは容易に想像出来る。いや、覚えている。

「……ポチ? ふふ……息が荒いよ」

搾精器を固定するベルトが腰と太腿に巻かれただけで、俺は期待と興奮で息を荒らげていた。

「ユキ様、はやくぅ……」

「うん……うん、拘束はOK。動かしてあげるね、ポチ」

雪兎が持っているのはバイブのリモコンだ。それを指摘する間もなく、後孔に挿入されっぱなしのバイブが首振りを始めた。前立腺を狙い打ちする動きに悲鳴のような嬌声を上げてしまう。

「ひぁあっ!? ぁひっ! ひぁあんっ! ちがっ、ユキ様これちがうぅっ!」

「後ろから刺激してあげた方が出しやすいでしょ?」

「これっ、前立腺ばっかぁっ! あぁあっ! ひっ、イぐっ、イぐイぐイぐぅうっ!」

「もうイったの? まだ早いよ。もう……可愛いなぁ」

絶頂しようとバイブの動きは止まらない。雪兎は喘ぎ続ける俺の口腔を舌で犯しながら、そっと搾精器のスイッチも入れた。

「んんんんぅゔっ!?」

この搾精器を使ったことはある、機能は知っている。内部を真空にすることによる強いバキュームと、洗車のようにブラシで陰茎を擦ることだ。声を出さずにいられるものじゃない。

「んっ、んんぅっ! ふっ、ぁ、はっ、あぁあっ! ユキさまっ、ゆきしゃまぁっ! はずしてっ、はやくはずしてぇっ!」

「……はやく外して?」

生意気な俺の発言を諌めるように、雪兎は俺の乳首を思い切りつねった。痛みと快感に仰け反り、条件反射に任せて「ごめんなさい」と叫ぶ。

「キスしてすぐがそんな言葉だなんて、雰囲気ってものが分かってないよね」

「ごめっ、ごめんなひゃいっ! ごめんなしゃいぃっ……! ゆるしてっ、おねがいぃっ!」

「なんか誠意が感じられないなぁ。僕傷付いたのに」

「あぁあっ!? 乳首っ、乳首がりがりしないれっ! 痛いっ、痛っ、あぁあっ! きもちぃっ、ひんっ! イっちゃうっ、乳首イくぅうっ!」

「謝ってる最中にイくとか、本当……最低」

欲情した笑みを浮かべたままの雪兎に耳元で囁かれる。絶頂直後の俺にそのご褒美は刺激が強すぎて、また意識が飛びかけた。
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