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使用人体験

うらのおしごと、なな

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お化け退治のお仕事、なんてふうに言えば可愛らしい話だ。だが、祖父は半身不随になる怪我を負った。祖父の祖父は霊に取り殺された。
そんな危険な仕事、絶対に雪風を一人で行かせたりしない。必ず着いて行って盾になる。

「ん、んんっ……! 真尋……? どうした、急に黙って……」

後孔に右手の指を二本挿入したまま、机に上半身を寝かせている雪風に覆い被さり、彼の首に左腕を巻く。

「真尋……? なんだよ、顔も見せてくれないのか? 拗ねるなよ……ガキをそう簡単に仕事場に連れてけるわけねぇだろ?」

雪風は俺の背にそっと手を添えた。

「つーか、霊感ゼロなお前が着いてきても面白いもんは見れねぇだろ。大人しく家で待ってろよ」

細い首に唇を触れさせると雪風は頭を傾けてくれた。遠慮なく首を舌で愛撫し、頸動脈の気配に命を感じる。

「…………連れてくって言うまでイかせない」

「は……? お、お前っ、全然分かってねぇな? 幽霊見てみたいとかそんなこと考えてるんじゃねぇだろうな!」

「……さぁな」

挿入したまま動かしていなかった中指と薬指を曲げ、腸壁を撫でる。

「んぁっ……! はっ……経験の差を舐めんなよ、お前の寸止めでどうにかなるかよ」

経験の差なんて言い方をして、俺の嫉妬を煽って寸止めのミスを誘う作戦だろう。残念ながらお見通しだ、超能力なんてなくたって愛する恋人の稚拙な考えくらい読める。

「ん、んっ……! いい、のか? 首なんかっ……した、ら……俺すぐイっちまうぜ?」

白くて綺麗な肌に痕が残らないよう、場所を変えながら少しずつ弱く吸う。ちゅ、ちゅ、と音を立てる愛撫はくすぐったいのか雪風は大袈裟に反応した。

「ひぁっ……!」

二本の指で後孔を横方向に拡げてやると背に添えられた雪風の手が俺の背を引っ掻いた。

「ぁ、あっ……まひ、ろっ……ひんっ! んゃ、ぁあっ……」

服越しに雪風の爪の硬さを感じる。指に雪風の体内の柔らかさを感じる。

「……は、ぁうっ……ぁあ……」

前立腺に触れることなく腸壁をひたすら撫で、ほぐし、拡げ、同時に首を舐め回し、吸いまくる。雪風の首の右側はもう唾液でべとべとだ。

「真尋ぉっ……イかせて、くれっ……もっと、強くぅっ……! さわ、て……」

もう堕ちた。

「…………俺を連れて行くか?」

「ぁ……? だから、ダメだって……ひゃんっ!」

かぷ、と耳たぶを甘噛みしてやった。
ここまで拒否される理由はやはり、怪異関係の仕事は危険だから──になるのだろうか。雪風は俺が怪我をするのは嫌がるだろう、俺が雪風を庇ったりしたらきっと泣き喚くのだろう。

「ダメっ……ぜっ、た……だめぇ……ひぅっ、ん、んんっ……!」

俺の方が皮膚が丈夫だ、俺の方が筋肉が多い、俺の方が骨太だ、盾になるべきは俺なんだ。

「連れてけ」

「ゃ、だっ……んぁあっ! は、ぁぁ……もうちょいでイけたのに……クソ、寸止め上手いじゃねぇか……」

「……なんでそんなに嫌がるんだ?」

「なんでそんなに着いて来たがるんだよ」

髪を掴まれて顔を上げさせられる。突然の雑なやり方に咄嗟の反応が出来ず、目が合ってしまった。俺の肉盾作戦がバレてしまった。

「…………なるほどな。お前、そんなに俺を守りたいのか」

「……当たり前だよ」

「よし、分かった。好奇心とかじゃないならいいぜ、次の仕事ん時には連れてってやるよ」

「ほ、本当か!? 普段の仕事の時に呼びつけて誤魔化すとかナシだぞ!?」

どういう風の吹き回しだ? 祖父が自分を庇って傷を負ったことを気にしている様子の雪風なら、俺が自分を庇いたがっているのをとても嫌がると思っていたのだが。

「雪風さんの勇姿間近で見せてやるよ」

「絶対だぞ?」

「あぁ……だからさぁ、もうイかせてくれよ。カッコイイお仕事姿見る前に、なっさけないイキ顔見とけば、お仕事見学の時に興奮できるだろ?」

混乱のせいで今興奮が冷めてきているのだが──まぁ、言質は取れたし、いいか。雪風の意図は前後不覚になるまでイかせてからにしよう。
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