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使用人体験
てんらんかい、いち
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頭からシャワーを浴び、惨めさを感じながら自分の精液を落としていく。
「はぁっ……ほんっと、自分の精液で髪……ほんっと、情けな……あぁ、惨め…………はぁぁっ、たまんないぃっ、ユキ様さいこぉ……!」
胸の精液を落とすのを言い訳に手のひらで乳首を擦り、快感を得る。
「ひぁっ! ん、あぁあっ……はぁんっ、んん……」
そのうち言い訳を忘れて胸を揉みしだき、片手を陰茎に下ろして扱くようになった。
「はぁっ、ぁああっ……! きも、ちっ……んっ、んんっ、ゃ、あっ、もぉ出るっ……!」
ぽたたっ……と勢いがなく色も薄い精液か床に落ちた。
「ふー……流石に枯れたか」
その後は普通に風呂に入り、幸せな重だるい体で普通の一日を過ごした。
特筆すべき事は起きず、雪兎や雪風と愛を交わしながら、時には筋トレや訓練で汗を流し、また時にはコックに料理を習い、祖父に披露し──六月の第三土曜日がやってきた。
「おじい様、大丈夫ですか?」
「……問題ない。全部締めろ」
今日は祖父が前々から行きたがっていた展覧会の日だ。俺は祖父を黒いボストンバッグに詰め、スーツとサングラスで使用人に変装し、祖父を外へ連れ出した。
「お疲れ様でーすっ…………こいつら、野球部みたいだな」
挨拶をしてくる使用人を見て、学生時代に野球部が「坊主頭にはとりあえず挨拶してる」とボヤいていたことを思い出した。
「あの野球部……甲子園行けたのかな」
部員の一人と喧嘩になって野球部がしばらく謹慎を命じられて、ざまぁと笑ったのを覚えている。事故の二週間くらい前だったかな。
「…………土日は、よく出かけたな」
車で旅行に出かけたことを思い出しながら、事故の瞬間を瞼の裏に描きながら、黒い高級車へ乗り込む。
「では、いつもの場所まで」
若神子邸は人里離れて山を切り開いて建った、人を外れた美人の住まう桃源郷だ。民間のタクシーの出入りなんて麓ですら許されない。休暇中に外出する使用人は近辺の田舎町まで送られ、そこからはタクシーなり電車なりで各々移動するのだ。
「ありがとうございましたー!」
「いい休暇を!」
運転手に手を振り、田んぼのあぜ道にボストンバッグを下ろす。
「おじい様、出ますか?」
「あぁ、当たり前だ」
周囲に人気がないのを確認し、祖父をボストンバッグから引っ張り出す。
「おぶりますか?」
「馬鹿言え、お前の見えない方に背中を向けるなんてごめんだ」
「じゃあ抱っこですね」
「待て、いい考えがある」
祖父はボストンバッグの肩がけの紐の長さを調整して俺の首にかけさせ、俺の腹の前にからのボストンバッグをぶら下げさせ、そこに座った。
「うん、いい感じだな。背中がお前にひっついて安心だ。大昔に乗ったブランコを思い出す」
「はぁ……まぁ、おじい様がいいならいいですけど」
祖父の全体重が首にかかっている。雪兎よりも軽いとはいえ、重い。
「……こんな場所じゃタクシーも何時間かかるか。もう少し街の方で下ろさせるべきだったな」
「はは……でもま、景色いいですよ。地平線が見えるなんてすごいじゃないですか」
「あぁ、山側でなければ地平線が見えるのか……本当だな。珍しいか、俺が子供の頃にはよく見たが。まぁ、そもそも山だらけの日本には馴染みの少ないものだよな」
「ですねー。さ、駅まで行きますか。電車は日に何本かな……」
祖父が落ちないように気を付けながら歩く。遠くまで広がる田んぼに立ったカカシを眺めていると不意に有名なネット都市伝説を思い出した。
「……ね、おじい様、くねくねって知ってます?」
くねくねは田舎に現れる正体不明の何か、正体に気付くと発狂するとか何とか……原典の短い話はサクッと読めるから興味があれば検索して欲しい。
祖父の部屋にはオカルト系の本があったので、反応に期待しつつ尋ねてみた。
「あぁ、田んぼにいるクネクネしたヤツか。あんまり見るなよ。道見とけ」
「えっ?」
「ん? なんだ……見つけたわけじゃないのか。まぁ、この辺にはいないと思うが」
「…………やめてくださいよもぉ、ちょっとビビりましたよ」
知っていた上に、まるで都市伝説が実在しているかのような反応を返された。流石、一枚……いや、何枚も上手だな。
「おじい様、怪談好きですか? 俺割とホラー全般好きで、ゲームに映画、小説とかも結構漁ってるんですけど」
「別に好きじゃないが、詳しいぞ」
「へぇー! ね、展覧会までの暇つぶしに話しましょうよ」
展覧会は六月の第三日曜、つまり明日だ。今日は展覧会がある街まで移動して一泊、翌朝に展覧会、明後日に帰宅という流れだ。
「話すと寄ってくるぞ。構わないなら話そう」
「上手ですね……じゃ、実体験から行きますか!」
「ほう……」
電車までの道、電車を待つ間、電車移動の間、話す時間はたっぷりある。俺は太陽輝く昼前から怪談を話し始めた。
「はぁっ……ほんっと、自分の精液で髪……ほんっと、情けな……あぁ、惨め…………はぁぁっ、たまんないぃっ、ユキ様さいこぉ……!」
胸の精液を落とすのを言い訳に手のひらで乳首を擦り、快感を得る。
「ひぁっ! ん、あぁあっ……はぁんっ、んん……」
そのうち言い訳を忘れて胸を揉みしだき、片手を陰茎に下ろして扱くようになった。
「はぁっ、ぁああっ……! きも、ちっ……んっ、んんっ、ゃ、あっ、もぉ出るっ……!」
ぽたたっ……と勢いがなく色も薄い精液か床に落ちた。
「ふー……流石に枯れたか」
その後は普通に風呂に入り、幸せな重だるい体で普通の一日を過ごした。
特筆すべき事は起きず、雪兎や雪風と愛を交わしながら、時には筋トレや訓練で汗を流し、また時にはコックに料理を習い、祖父に披露し──六月の第三土曜日がやってきた。
「おじい様、大丈夫ですか?」
「……問題ない。全部締めろ」
今日は祖父が前々から行きたがっていた展覧会の日だ。俺は祖父を黒いボストンバッグに詰め、スーツとサングラスで使用人に変装し、祖父を外へ連れ出した。
「お疲れ様でーすっ…………こいつら、野球部みたいだな」
挨拶をしてくる使用人を見て、学生時代に野球部が「坊主頭にはとりあえず挨拶してる」とボヤいていたことを思い出した。
「あの野球部……甲子園行けたのかな」
部員の一人と喧嘩になって野球部がしばらく謹慎を命じられて、ざまぁと笑ったのを覚えている。事故の二週間くらい前だったかな。
「…………土日は、よく出かけたな」
車で旅行に出かけたことを思い出しながら、事故の瞬間を瞼の裏に描きながら、黒い高級車へ乗り込む。
「では、いつもの場所まで」
若神子邸は人里離れて山を切り開いて建った、人を外れた美人の住まう桃源郷だ。民間のタクシーの出入りなんて麓ですら許されない。休暇中に外出する使用人は近辺の田舎町まで送られ、そこからはタクシーなり電車なりで各々移動するのだ。
「ありがとうございましたー!」
「いい休暇を!」
運転手に手を振り、田んぼのあぜ道にボストンバッグを下ろす。
「おじい様、出ますか?」
「あぁ、当たり前だ」
周囲に人気がないのを確認し、祖父をボストンバッグから引っ張り出す。
「おぶりますか?」
「馬鹿言え、お前の見えない方に背中を向けるなんてごめんだ」
「じゃあ抱っこですね」
「待て、いい考えがある」
祖父はボストンバッグの肩がけの紐の長さを調整して俺の首にかけさせ、俺の腹の前にからのボストンバッグをぶら下げさせ、そこに座った。
「うん、いい感じだな。背中がお前にひっついて安心だ。大昔に乗ったブランコを思い出す」
「はぁ……まぁ、おじい様がいいならいいですけど」
祖父の全体重が首にかかっている。雪兎よりも軽いとはいえ、重い。
「……こんな場所じゃタクシーも何時間かかるか。もう少し街の方で下ろさせるべきだったな」
「はは……でもま、景色いいですよ。地平線が見えるなんてすごいじゃないですか」
「あぁ、山側でなければ地平線が見えるのか……本当だな。珍しいか、俺が子供の頃にはよく見たが。まぁ、そもそも山だらけの日本には馴染みの少ないものだよな」
「ですねー。さ、駅まで行きますか。電車は日に何本かな……」
祖父が落ちないように気を付けながら歩く。遠くまで広がる田んぼに立ったカカシを眺めていると不意に有名なネット都市伝説を思い出した。
「……ね、おじい様、くねくねって知ってます?」
くねくねは田舎に現れる正体不明の何か、正体に気付くと発狂するとか何とか……原典の短い話はサクッと読めるから興味があれば検索して欲しい。
祖父の部屋にはオカルト系の本があったので、反応に期待しつつ尋ねてみた。
「あぁ、田んぼにいるクネクネしたヤツか。あんまり見るなよ。道見とけ」
「えっ?」
「ん? なんだ……見つけたわけじゃないのか。まぁ、この辺にはいないと思うが」
「…………やめてくださいよもぉ、ちょっとビビりましたよ」
知っていた上に、まるで都市伝説が実在しているかのような反応を返された。流石、一枚……いや、何枚も上手だな。
「おじい様、怪談好きですか? 俺割とホラー全般好きで、ゲームに映画、小説とかも結構漁ってるんですけど」
「別に好きじゃないが、詳しいぞ」
「へぇー! ね、展覧会までの暇つぶしに話しましょうよ」
展覧会は六月の第三日曜、つまり明日だ。今日は展覧会がある街まで移動して一泊、翌朝に展覧会、明後日に帰宅という流れだ。
「話すと寄ってくるぞ。構わないなら話そう」
「上手ですね……じゃ、実体験から行きますか!」
「ほう……」
電車までの道、電車を待つ間、電車移動の間、話す時間はたっぷりある。俺は太陽輝く昼前から怪談を話し始めた。
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