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本格的な子作り

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ゆっくりとした動きに慣れようとしていた身体を一気に貫かれ、仰け反る。仰け反っているからか腹に飛んだ自分の精液が胸の方へと流れてきている、肌を滑る粘っこい液体の感覚は不愉快だ、自分のものでなければ悦ぶのだが。

「はっ、ぁ、ゔぅ……」

「イったか」

「ゆっくり、するってぇ……言った、のにっ……お腹、ずんって……」

「……ゆっくり動くのは素早く動くのの数倍疲れる。特に、雷の性質の魔力を持つ俺は鈍重な動きには心が耐えられない」

「心が耐えられないって……それっぽいこと言って、キーッってなっちゃっただけだろ。雷がどうとか言い訳しちゃってさ、ネメスィは短気っ……んぁあっ!?」

下腹を手のひらで強く押され、強い快感にまた仰け反る。

「短気だと思っている相手を煽るお前は馬鹿だ」

「ほら短気じゃあん……んんゔっ! ふぅっ、ふぅ……お、俺のお腹なんだと思ってんだよぉっ、卵出来るかもしれないんだから乱暴にすんなよなぁ……」

「…………あぁ、人間のまま電撃も使わず、丁寧にすると決めたばかりだったな……あまり俺を怒らせるな」

「俺が産みたいって思わなきゃ卵出来ないんだからな、そんな圧かけていいのかなー? 産みたいって思わせろよな」

大きな舌打ちが部屋に響く。今度こそ電撃を食らうか、平手打ちをされるか、どちらの痛みでも俺にとっては快楽だ。不安と期待を混ぜた視線をネメスィに向けていると、彼はため気をついて俺に覆いかぶさってきた。

「んぅっ……ネメスィ?」

体勢が変われば腹の中のネメスィの陰茎の角度も変わる。喘ぎ声を漏らし、熱い吐息を漏らし、傍に来たネメスィの金に輝く瞳を見つめた。

「何、しおらしい顔して……んっ、んん……」

腰と背にネメスィの腕が回り、俺も自然と彼の首に腕を回し、どちらからともなく唇を重ねた。

「んっ、はぁ……ネメスィ?」

「…………俺の子を産んでくれ」

「……ふふっ、うん……そんな顔しないでよ、ただの軽口じゃん。産みたいよ、ネメスィ、孕ませて」

俺を抱き締める腕の力が強まり、肋骨が軋む。微かな苦痛と多幸感に酔いかけたが、苦しげな吐息が伝わったのか腕の力が少し緩んだ。身体が脆いせいで好きな男達に、特にアルマやネメスィには気遣いばかりさせているのが、悔しい。

「動いて……んっ、あ、あっあっ、ぁああんっ! んっ、うぅんっ! ひっ、ぁ、あぅっ、んゃああんっ!」

脆い身体に気を遣わせているせめてものお詫びに、俺はネメスィに両手両足で思い切り抱きついて声を張り上げた。まぁ、いつも通りの俺だ。

「ぁ、あっ! 重いっ、ずんずんすんのぉっ、重いぃっ!」

ネメスィは俺に覆いかぶさっているだけでのしかかってはいないから、その点では重くない。腹の奥深くまで挿さる突き上げが重い。

「ひゔぅっ! んっ、ぅうぅっ! ィ、くっ、イくぅうっ! ぅあっあっあぁあっ! 深いっ、ひぃいっ……! イくっ、またイぐぅうっ!」

「あぁ……奥に入れた方がっ、子供が出来そうな気がするだろう? はぁ……卵が出来ても、孵らないと意味がないっ……有魂卵を産め」

「産むっ、産むかりゃぁっ! 待っへぇっ! イってるっ、まだイってるぅゔぅっ! 止まっ、ぁ、んんっ!」

「……っ、締めすぎ…………はぁっ、クソ、もう少し連続でイかせてやるつもりだったのに……まぁいい」

どぷ、と腹の奥に粘っこく生温かい液体が注がれる。その精液を吸収した腸壁を中心に、ピリピリと痺れるような快感が広がった。

「んぁんっ! ふぅ、ふぅっ……はぁ…………わっ」

胎での飲精の余韻に浸る暇もなく陰茎を引き抜かれ、呼吸を整える時間も与えられずうつ伏せにひっくり返される。

「ひ、ぁっ……!? ぁ、あぁ……そこっ、んんん……! きも、ちっ……」

腰羽の付け根を揉みほぐされ、身をよじる。腰をくねらせながらゆっくりと上げ、交尾らしい体位に似合う上半身が潰れた四つん這いを完成させた。

「羽が気持ちいいという感覚がよく分からん」

「んんっ! んっ、ぁあぁっ……肩っ、揉まれると……きもちぃ、だろっ?」

「……凝ってるのか? 羽が? まぁ……よく揺れてるのを見るが」

「それ、にぃっ……ひっ、んんっ……! せーかんたいっ、揉まれるのぉ……足した、感じっ」

何かの付け根というのは凝るものだ。それに加えてインキュバスは全身が性感帯のようなもの。腰羽の骨が背骨と繋がっていて、脊椎にある太い快楽神経に響くからというのもあるとは思うのだが、俺は多分丹念に揉まれれば身体のどの部位だろうと感じられる。

「本当に凝っているのなら後で電気を流してやる」

「んっ、んんっ! んっ、ふぅ、ふぅゔっ……低っ、周波……治療って、ヤツっ?」

「……なんだ知ってるのか」

「んぁっ! ぁ、ねぇっ……羽、引っ張って、ぐいってして、曲げてぇ……!」

「痛くなったらすぐに言え」

黒く分厚い皮が張った羽の骨部分を掴まれ、引っ張られ、上下左右にぐりんぐりんと羽を回される。肩を押さえて手首を掴んで後ろ側に引っ張られると痛気持ちいいだろう? あんな感じだ。

「ぁあぁああっ……! 痛たた……ぁ、やだっ、やめないで、痛気持ちぃのっ」

「ちぎれないか怖いんだが」

「まだ平気……ぁあっ! あっ、あーっ…………あっちぎれるちぎれるっ、ふぅ……」

「…………羽虫の生け捕りの方がまだ易い」

「そ、そんなに絶妙……? 俺の羽の付け根って……」

「よくこんな脆いものをぶら下げて平気でいられるな」

全身が脆いからな。

「あはは……ぁ、前にドアに挟まって羽折れたことあったなぁ。お風呂入った後拭いてたら皮膜破れたりもしたし……流石に取れたりはしないけどさ、割と平気じゃないかも」

「……前に作った椅子後で持ってこい、扉の開閉が出来るよう改良しておく」

「だ、大丈夫だって! 最近はもうドア気を付けてるし……羽の皮膜なんて薄いから拭かなくてもすぐ乾くし……それよりネメスィ、もう一回……」

突き上げた尻をネメスィの太腿に擦り付けつつ、彼の手首に尻尾を絡ませる。

「お尻の中にすっごく凝ってるしこりがあるから……それ、たくさん揉んでほぐして欲しいなぁ?」

「……っ、この淫魔がっ!」

腰を両手で強く掴まれ、一発だけでは物足りないと嘆く欲張りな穴に硬い肉の棒が突き入れられる。

「あぁああんっ! んっ、はぁあっ……これ欲しかったのぉっ……んっ、淫魔なんて言ってたらぁっ、シャルに怒られるんだからなぁっ……ぁひんっ!」

「差別用語っ、らしいな。夢魔と呼ぶべきだとか……まぁ男から搾り取らないアイツは夢魔でよくても、お前は違うだろ?」

「んゔっ! 深ぁ……ぁひっ! お、俺だってぇっ、魔樹と繋げてもらったからぁっ、も、抱かれなくても、お腹空かないもんっ」

先程よりもネメスィの腰振りが激しい、交尾に相応しいどちゅどぢゅという柔らかい肉を突く淫らな音が腹に響く。

「必要がないのに抱かれているなら、それこそ淫魔だっ!」

「んひっ!? ィぐぅぅうっ! ふっ、ふぅっ、ゔあぁあっ!? イったぁっ、いまイっひゃぁあんっ!」

行為寸前に前立腺を責めてとおねだりしたことも、されたことも、俺達は忘れてしまっている。本能のままに快楽を求めている。

「今イってるのぉおっ……! イってりゅからぁっ、ちゅくのぉっ、らめっ、ぁあっ! イぐっ、イってるのにっ、今イってりゅのにぃっ! まひゃイぐぅっ!」

絶頂を迎えてネメスィの陰茎を強く締め付けながら痙攣し、うねっている腸壁を容赦なくごりごりと削らんばかりに擦られる。弱点のひだも、つぶも、何もかも擦り潰されていく。

「ぉくっ、おぐぅっ! 奥っ、もっとぉ……ぁひっ!? ひっ、ゔぅんっ! 奥しゅきぃいっ……! イきゅっ、イっひゃゔぅっ! ゔっ、あぁっ!? ぐりぐりっ、ぐりぐりらめっ、りゃめぇえっ……イっぎゅゔぅうぅ……!」

インキュバスの伸縮性を試すように、陰茎を根元まで俺に挿入したまま腰を左右に揺らす。ネメスィの陰茎にぴったり吸い付いている俺の腸は陰茎の揺れに合わせてぐねぐねとうねらされ、腸以外の腹の中まで掻き回されるような快感に、俺はただ絶頂し続けるしかなかった。
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