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羞恥漬けの身体

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今、俺は子供のために遊びに来た自然公園の茂みの中で夫の足の上に横になり、自らの手で後孔を拡げて夫に淫らな部分を見せつけている。それも子供を弟に預けて、だ。俺は最低だと思うほどに興奮が高まる。

「見てぇ……」

「み、見ている……見ているとも。見ている……だけか?」

「うん……今はそれだけ」

「……辛いな」

自嘲気味に笑うアルマの目はギラついていて男らしく感じる。目の前の具合がよさそうな後孔のお預けを食らっているだけだとしてもだ。

「俺の、どぉ?」

「…………どう、とは?」

「こんなカッコ、最高に恥ずかしいんだよぉ……大好きな人からの身体の感想でも言ってもらえないと、恥ずか死んじゃう……」

「そ、そうなのかっ? 言うよ、言う……えぇと」

言葉に詰まるアルマの足の硬さに興奮し、ダメだと言われたばかりなのに俺は裏筋をアルマの太腿に擦り付け始めた。しかし、アルマは感想を考えている真っ最中にも関わらず俺の行為を逃さず捉え、俺の腰を掴んで持ち上げた。

「そういうことはするなと言ったろう」

「けちぃ……ぁ、持ったらもっと近くで見れるだろ? 見て、どぉ?」

手は変わらず後孔を拡げたまま、尻尾で後孔を指した。アルマは陰茎と足が触れない程度の高さに上げていた俺の腰を自分の顔の高さまで持ち上げる。

「……アルマぁ、感想はぁ?」

ゴクリと生唾を呑む音はもう飽きた、新しい音……言葉が欲しい。

「あ、あぁ……言うぞ」

アルマの一言一句を逃さないように意識すると耳がピクピクと揺れてしまう。

「その……とても、惹かれる。サクの細い指がくい込んだ尻の白さ、柔らかさは俺にはない……羨ましいとは思わないが、凄まじく惹き付けられる」

「嬉しいけど……お尻のお肉の感想じゃなくてさぁ、こーこっ」

尻尾をくいくいと動かし、穴を指す。

「あ、あぁ、そちらにももちろん惹かれる。サクが拡げてくれているおかげで中の様子がよく分かるよ、綺麗なピンク色だ。奥からどんどん蜜が溢れてくるのもいいな、舐め取りたいが……まだ見る以外は禁止なんだったな」

アルマの右目が後孔に近付く。

「柔らかそうだ。さっき指を口でしゃぶってもらったが……こっちではあれよりももっと、素晴らしいものが体験出来るのか?」

「さぁ……? 俺は体験したことないもん。アルマはあるでしょ? 思い出した感じ、どぉ?」

「甲乙つけがたいが……やはり、こちらだな」

「えへへ……じゃあ、さ、アルマ。見るだけじゃなくて、口だけは触っていいことにするよ。手と……こっちは、まだダメ」

尻尾でアルマの陰茎をつつき、焦らす。焦れたアルマはきっとこの自然公園に似合った野性的なセックスをしてくれる。

「口か。あぁ……この蜜を飲んでもいいんだな」

「え、の、飲むほど出てる? 舐めるじゃなくて? やだ、恥ずかしい……」

羞恥心は手に力を込めさせ、尻肉を強く掴ませた。後孔は更に拡がってアルマを誘い、彼の舌はまず膝の裏に触れた。

「へっ? ゃ、んあっ、あぁああっ……!」

「……っ、はぁ……甘い! やはり素晴らしい……サク、美味いぞ、サク……出してるんだから全部飲んでいいんだろう? 今まで垂れた分がもったいなくて仕方ない……サク、どうなんだサク」

「く、口だけなら、何してもいい……よ?」

膝裏まで垂れていたらしい愛液を舐めた途端、アルマの雄々しさが激増した。インキュバスの体液には媚薬効果があり、それは本人がある程度制御出来るのだが……俺、もしかして媚薬効果高めちゃってた? そんなつもりはないが、羞恥心と興奮でぐちゃぐちゃになった頭の意識や記憶なんて信用出来ない。

「ぁ……待ってアルマ、待って……」

俺の体液はきっとかなり効果の高い媚薬になっているはずだ、垂れた分を全て舐め取ったらアルマは一時的にとんでもない絶倫体質になってしまうかもしれない。

「ひゃぅんっ!」

俺のか弱い静止は届かず、アルマは俺の後孔の縁に唇を吸いつかせた。口と穴でキスをするような行為に羞恥心が高まり、羞恥心は勝手に興奮とすり替わり、興奮は腸液の分泌を促す。

「んにゃあぁあああっ! やぁっ、ゃああっ! お尻吸っちゃやだぁっ!」

ぢゅうぅーっと後孔を吸われ、声を抑えようと話したことなんて忘れて絶叫する。いつも掘削されている穴を吸われる不思議な快感は俺の手の力を緩め、アルマの足の上へ落とさせた。

「んゃっ、にゃあぁっ……やらぁっ、ぁあっ!」

腰を掴まれて手足をぶらんと垂らして、夫に後孔から愛液を啜られる。子供が近くに居るのに呂律の回らない嬌声を上げてしまう。羞恥心という名の興奮がむくむくと膨らみ、アルマの舌が挿入された瞬間に絶頂を迎えた。

「イくぅぅうっ! ぅあっ、ぁ、はぁあんっ……! んっ、んんんっ、んゃあんっ、お尻ん中舐めないれぇっ、恥ずかしっ……ぃやあっ、お尻溶けるぅうっ……!」

人間規格なら巨根と呼べるサイズはあるだろうアルマの舌、それが今俺の腸壁を撫で回している。興奮し熱を含んだ穴は敏感で、腸壁のひだを弾く舌の粒の並びまで感じ取る。

「んんぅっ、ふ、ぁっ、あぁあっ……はずかしぃっ、ひぃんっ……!」

腸壁を舐め回しながらも時折穴から零れかけた愛液を啜り、尻の割れ目に挟ませたまま鼻で息をする。吐息の熱が割れ目に溜まっていく。

「んゃあぁあっ……! おひりっ、とけちゃうぅっ……! ぁひんっ!」

アイスのようにでろでろと溶けていくような感覚に襲われ、恥ずかしさと快感に喚いていると舌が抜けた。巨大な舌が抜ける際にぢゅぽんっと空気混じりの湿った音が鳴ったのも恥ずかしかった。

「ぁ、あぁ……お尻ふやけちゃう…………アルマ、満足した……?」

足に仰向けで下ろされた、もちろん優しく壊れ物を扱うように。上体を起こして振り向くと、血走った目をしたアルマと目が合った。

「俺は……」

アルマは俺の脇に手を通して俺をひっくり返して向かい合わせに座らせると、突然語り始めた。

「う、うん、アルマは?」

「甘いものは、あまり好きじゃない。けれどサク、サクは別だ。極上の穴から溢れる甘露な露、上品な口から啜れる甘美な涎、どちらも非常に甘く、美味だ」

「そ、そっか……恥ずかしいよアルマぁ」

腸液と唾液の味を語られるなんて普段でも恥ずかしい。しかし、俺の体液をそこまで気に入ってくれているのは嬉しい。甘くて美味いのはインキュバスだから当然とはいえ、アルマの語り口からは俺への愛を感じる。

「な、何? アルマ……ひゃうっ!?」

アルマに腕を掴まれて持ち上げられ、腋をれろんと舐められた。

「甘さが控えめな汗もいい、口直しにぴったりだ」

「も、もぉっ……腋はやだぁっ、一番恥ずかしい……!」

「そしてもちろん、こっちも」

「へっ? ま、待って、やだっ……! んぁああっ!」

今度は腰を掴まれて持ち上げられ、精液と先走りの汁にまみれた陰茎をちゅうっと吸われた。絶頂まではいかなかったものの、綺麗になった俺の陰茎はピンと真上を目指している。

「ん……同じく甘みは薄いが、美味だ」

「へっ? 甘くないの?」

俺にとって一番美味いのは精液だから、俺の精液の甘さが控えめなのには驚いた。シャルの精液の粘つく甘さは俺の味覚によるものなのか。

「少し苦みがあって、大人な甘さだ」

カカオ多めのチョコレートみたいなものかな……? 意外だ、俺は練乳のように感じることもあるのに。見た目的にも。

「ふーん……やっぱアルマの味覚は俺とは違うなぁ」

「通説ではオーガの味覚は鈍いらしい」

「どーせ人間が一番繊細ですって人間様のご高説だろー? んなもん気にすんなよ」

「気にしているわけではないが……確かにあの本の筆者は人間だったな」

アルマは最近本を読んでいるのか? この大きな手でページをめくる姿を想像すると萌えてしまうな、今度アポなし突撃を敢行しよう。

「……本を書くのは人間ばかりな気がするな、やはり頭がいいのだろうか」

「人間は人間の書いたものしか出版しないの」

「…………どうしたんだ急に。サクは人間嫌いだったか? まぁ、そうなってもおかしくはないが……これまでそうでもなかったろう」

「別に嫌いじゃないけどさ」

前世で人間だった分、人間の習性は理解しているつもりだ。まぁ、そういう嫌な意味での人間らしさは人間以外の種族も持っているようだけれど。

「……イルカもイジメするんだし、知能的には人間と同じなんだから、そりゃ人間じみてるか」

転生しても人間というものから逃れられないのは、何だか苦しいな。

「なぁ、サク……普段ならお喋りも楽しめるんだが、今回ばかりは……もう」

ギラついた目に見下ろされ、思い出す。媚薬効果の高い体液をアルマが大量に摂取していたことを。

「……よくこれまで我慢してたね」

今にも捕食されそうな獣じみた視線に俺は、人間らしさからの乖離を感じて薄ら笑いを浮かべた。
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