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遠慮なんて必要ない

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ベッドがギシギシと壊れそうなくらいに軋む。しかし、そんな心配になる音よりも俺の嬌声の方が大きく、ベッドに頭をつけている俺にしか軋みは聞こえていない。

「あっ、ぁああっ! ィっ、くぅううっ! ぁ、ふ、ぁっ、イくっ! ゃああぁあっ……イってるのにっ、イってるのにぃっ、イくぅぅっ!」

陰茎に腸壁が削り取られていく、そう錯覚するほどの極太の肉棒。硬いそれは俺の腹を突き上げ、傍から見ても分かるほどに俺の腹を歪に膨らませる。

「旦那! 術出来た、一旦どけ!」

「お義兄さん、作り立てなので不安定で……お義兄さんの胸に暴発してしまうかもしれないので!」

カタラとシャルがほのかに輝く魔力の糸を指に絡めて術を作り、慎重に寄ってくる。あやとりの最高傑作と言われても信用するだろう見事な糸の立体だ。

「んっ……ぁ……? イくの、とまった……」

アルマは一旦腰振りを止め、上体を起こした。

「……まだ範囲入ってるな」

「お義兄さん、申し訳ありません……ベッドから降りてください」

アルマは一瞬顔を顰めたが、シャルのすまなさそうな顔を見てため息をつき、俺から陰茎を引き抜いてベッドから降りた。

「ひぁああんっ!? ぁ、あっ……また、イったぁ……」

カリに腸壁が引っかかり、内臓を引っ張り出されるような感覚があった。決して苦痛はなく、腸壁を擦られる快楽だけがあった。

「ぁ……母乳、出ちゃってる……」

絶頂の余韻に浸る俺の両乳首からぷしゅっと母乳が噴き出した。もう雄だと名乗れない改造された身体を憂い、ベタつく胸を撫でる。

「兄さん、少し手をどけてください」

「ん」

「ありがとうございます」

魔力の糸で作られた魔術陣が俺の胸に乗る。カタラとシャルが同時に手を離すと魔力の糸は俺の胸に吸い込まれ、奇妙な図形を描き、それも消えた。

「……見た目は変わらないんだな」

アルマがぬっと顔を覗かせる。

「陣を浮かべておいて欲しけりゃそうするけど、ハート模様とかじゃなく幾何学模様だからな。あんまりエロくも可愛くもないと思うぜ」

「そうか……このままでいい。ありがとう」

「お前のためじゃねぇよ、サクは俺のもんでもあるんだからな」

「俺は夫だが?」

俺には優しく微笑むばかりの強面がこの上ないドヤ顔を披露する。カタラと軽口を叩けるような友人関係を築けたのだと察し、胸が温まる。

「ムッカつく! おい、シャル、お前も何か文句言えよ」

「お義兄さんに失礼なことを言うのは気が引けますが……夫なんて、儀式を越しただけで所詮は他人です」

「よしよしもっと言え!」

「血を分けた兄弟が一番です」

「お前っ……自分を推すために、ちくしょう……悔しいが俺は本当に他人だし、反論はないぜ」

くだらない茶番をずっと見ていられるような空腹ではない。俺は二人の会話を勝ち誇った顔で眺めているアルマの人差し指を掴んだ。

「アルマぁ……続き」

「あぁ、サク、もちろんだよ。俺を選んでくれてありがとう」

赤子が親にするようにきゅっと握っていた手を離し、アルマに胴を掴まれる。インキュバスの前立腺はただでさえ大きいのに、勃起したまま射精を禁止されているからか普通よりも張っていて、すぐに感じてしまう。

「ひぅっ!? ぅ、ぁっ……アルマぁっ、おなかきもちぃ……」

「サクは本当に腹を圧迫するのが好きだな。俺はやはりサクを潰してしまいそうで怖くて……こうしようか」

アルマは俺をベッドにころんと転がした。仰向けになった景色にはアルマが居ない。少し寂しくて羽を揺らす。

「……入れるぞ」

「あっ……!」

背後に体温を感じて孤独が消える。俺の体を裂くように後孔を満たしていく肉棒の熱が愛おしい。

「ひぎっ……! ィっ、あぁっ! アル、マぁっ……おなかっ、おなかがぁっ、アルマのとっ、ベッドにはしゃまれてっ……これっ、しゅご……!」

根元まで挿入されたアルマの陰茎は俺の前立腺も精嚢も押し潰してしまう。しかし、伸縮性の高いインキュバスの身体は何だかんだ圧迫から逃れてしまう。けれど今は状況が違う。

「ぁ、あっ、ぁああっ、つぶれっ、てっ……ひっ! にげるとこ、な、ぁっ……ぁああっ!」

ベッドに腹をぺったりつけているから身体の伸縮性なんて関係ない。アルマの陰茎が内側から俺の腹を歪に膨らませても、その膨らみはベッドに押し付けられて潰されていく。

「……あぁ、ベッドの感触が俺にもある。これ以上進むなと言われている気分だな、ノックでもしてみるか?」

「の、く……? ぁ、してっ、して、アルマぁっ、いっぱい叩いてっ!」

内臓を引きずり出すように抜けていく陰茎が息つく間もなく奥へと進み、どぢゅっと俺の弱点を潰しながら押し回す。

「ぁ、ひぃいいっ!? イぐっ、イぐぅうぅっ! ゃ、あっ、むりっ、むりぃっ、イくっ、イっでりゅぅうっ!」

最奥まで突き入れてはぐりっと一旦腰を回す。そんな今までとは違う掘削が繰り返される。どぢゅどぢゅではなく、どぢゅ……ぐりりっ、どぢゅ……ぐりりっ、って感じ……? あぁ、ダメだ、オノマトペなんて考えている暇がない。

「イぐぅっ! イっ、ぁああっ! ぐりぐりらめっ……ひぃいんっ! ぁ、あっ!? んぁああっ!」

快楽のあまりシーツに爪を立て、悲鳴なのか嬌声なのかも分からない大声を上げ続ける。嬉し涙で顎まで濡らし、自分の涙の味を知る。

「ひぐっ! ぁううっ……ぁああっ! あっ、ぁ、ああっ!」

とうとう意味のある言葉を叫べなくなって、突きに合わせて叫ぶだけの玩具のようになってしまう。

「はぁっ……サク、そろそろ」

「んっ、ゔぅっ……ぁああっ!? ぁ、ひっ……ん、んん……ぁ……おい、し」

飢えていた身体にアルマの精液が染み込んでいく。巨根に見合う量の精液を全て吸収し、体力が戻った俺は上機嫌に羽を揺らしてアルマの身体をペちペち叩く。

「おいひかっひゃぁ……アルマ、ありぁと」

「まだ欲しいだろう? いくらでも飲ませてあげるよ」

「ん……アルマの顔見たい」

射精を終えても勃起を維持した陰茎を挿入したまま、アルマは俺の身体を半回転させた。

「ひぅうぅっ!? おなかっ、ねじれっ、ぁああっ!」

「……これでいいかな?」

「ぁ、あっ……ぁ、あぁ……」

「…………返事は出来ないかな」

絶頂の余韻でビクビクと痙攣する俺の腹を優しく撫でる。

「すごいよ、サク……俺の形に膨らんでいる」

俺という分厚い皮を被った自身の陰茎を緩く握り、興奮した笑顔を俺に見せる。

「ぁ、ひっ!」

「このまま扱こうか」

俺の腹にぼこんと浮き出た歪な膨らみ。それはアルマの反り返った陰茎が体内から俺の腹を押し上げている証だ、アルマはそれをぐっと掴んで圧迫した。

「ひぎゅぅうっ!? ゔっ、ぁ……ぁあっ……!」

前立腺などが潰され伸ばされているその膨らみは非常に敏感で、アルマがそれを扱き始めると俺にはもう絶叫以外の行動は許されなかった。
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