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媚薬浸けを手ぶらで出来る生物

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楽しそうに話すシャルとカタラと査定士、その明るさに引かれて起き上がる。三人の視線がこちらを向き、査定士に抱き締められていたシャルがこちらへ走ってくる。

「兄さんっ……おはようございます、兄さん」

俺と会うのは数年ぶり、そんな雰囲気さえ感じる心底嬉しそうな笑顔。パタパタと揺れる頭羽の激しさは査定士に撫でられていた時とは比べ物にならない。

「おはよう、シャル」

ちぎれんばかりに揺れている頭羽、それが起こす風で揺れる紫髪。くるくると巻いたそのくせっ毛はついさっきまで査定士が撫でていた。

「わ……! えへへ……」

その愛撫を上書きするように撫でてやるとシャルは口元を緩ませて目を細め、ぶんぶんと尻尾まで揺らす。
査定士ともカタラとも仲良くなって欲しかったのに、いざそんな姿を見てしまうと取り返したくなる。

「……ごめんな」

自分の嫉妬深さが嫌になる。取り返すって何だよ、シャルは俺の物じゃない。そもそも物じゃない。シャルが甘える人間はシャルの意思で決めるべきだ。

「へ……? あぁ、眠っていたことですか? 別に構いませんよ。おじさんの服を見繕っていて暇は潰せていましたから」

「服……」

「えぇ、最初はおじさんの家にあるものを取り寄せてしまおうと思ったのですが、似たような服ばかりでして……そこのウォークインクローゼットで探しました、色々入っているんですよ」

視線をやると査定士はこちらを向き、グレーのニットを照れくさそうに指した。

「兄さんも後で見てみますか? ぁ、でも……羽や尻尾が出せる僕達向けの服はありませんでした。やっぱり兄さんの服は僕が作るしかないみたいですね」

シャルに手を引かれても立ち上がる。それと同時にバスローブを脱がされ、シャルとお揃いの服を着せられる。ダメージジーンズに臍出しシャツ、露出度が高く寒い格好だ。

「どうですか? 兄さん、僕とおそろいですよ」

「あんまり似合ってる自信はないけど……嬉しいよ、ありがと。でもさ、どーせ……」

脱ぐんだろ? その言葉は声に出さなくても伝わるだろう。

「……安心してください」

シャルの手がシャツの中に入る。丈が短いくせにぶかぶかのシャツに防御力などなく、細い指先は簡単に乳首を探り当てた。

「んっ……」

もう片方の手が尻を撫でる。尻尾を出す穴の真下、ジーンズには留め具があった。それを外せば尻の割れ目が露出する恥ずかしい仕組みの唯一の砦だ。

「ぁ……」

留め具が外され、丸出しになった尻の割れ目に細長い中指が差し込まれる。

「……どーせ、の先は何ですか? 兄さん。そういえば聞く前に返事をしてしまいました……とりあえずこの服は脱がずに気持ちいいところ触れるようになってますよ」

親指と人差し指で乳首を挟まれ、くにっと曲げられる。

「ひんっ……!」

「ふふ……とりあえず今はここまで。僕、今日はやりたいことがあるんです」

シャルの手が離れ、割れ目を丸出しにされシャツを乱されたままの俺が残る。

「やりたいこと……? 何だ?」

可愛いシャルの頼みなら何でも聞いてやりたい。

「シャルのやりたいようにやっていいぞ。一応ご奉仕するって言ってるしさ……何して欲しい?」

尋ねるとシャルは自身の右手の人差し指を舐め、濡れたその指を俺の眼前に突き出した。俺は何も考えずにその指を咥え、舐めしゃぶる。

「…………ふふっ、すごいですね兄さん。僕は何も言っていませんよ? それなのにちゅうちゅうしゃぶっちゃって……可愛いですね、兄さん」

「ん、むっ……何だよ、違うのか?」

「いえ、合ってますよ」

俺の唾液にまみれた人差し指が揺れる。また口を開けると今度は中指も入ってきた。今度は俺が吸うばかりではなく、二本の指で舌を挟まれ弄ばれた。

「ん、んぅっ、ん、ぅっ……ふ、んんんっ……」

くちゅくちゅと鳴る淫らな水音に興奮し、舌を弄られる快感に反応し、ジーンズの下で陰茎が膨らむ。

「……ねぇ兄さん。僕、兄さんを助けるためにたくさん樹液を飲んだんです。知ってますよね? だから、兄さん……僕、今とっても強いんです」

二本の指に挟まれた舌を引っ張り出される。俺は抵抗せずに長い舌を突き出し、シャルの手に舌を弄ばせた。

「ぅ、ふ……ん、ふぅっ……ぅ、うぅんっ……!」

親指で舌の腹を擦られ、快感が溜まっていく。舌の裏の血管を人差し指の先端で弾かれ、言葉にならない声が漏れる。

「何が言いたいか分かります? 僕の体液に含まれる媚薬効果……今とっても高まってるんですよ」

シャルの手が舌から離れた。それでも口を開いたままにしていると人差し指の中指が口内に侵入し、喉奥を小突いた。

「んゔぅゔっ!?」

瞬間、嗚咽と共に腸壁を小突かれたのに匹敵する快感を覚え、俺はベッドに座り込んでしまった。そうするとシャルが追撃してくる、俺の肩を押してベッドに上体を倒した。

「ぁっ……あ、はぁっ……ま、待て、待て、シャル……それって、つまり……お前にキスされたり中出しされたりしたら、いつも以上に……!」

「……はい、楽しみですよね? 兄さん」

シャルの親指が唇をなぞる。顎に降りた親指は俺の口を開けさせる。

「キスしましょう、兄さん。僕の唾液……たっぷり塗り込んであげますから」

熱く濡れた赤い舌がれろんと揺れる。薄桃色の可愛らしい唇の隙間から現れた艶めかしい舌は俺の口内にゆっくりと侵入した。

「しゃ、るっ……んっ、んむっ、んぅゔっ!」

シャルの舌は俺の口内をぐるりと撫でる。上顎も、左右の頬の内壁も、舌の裏も下も歯茎も余すことなく自身の唾液を塗り込んだ。

「ん、んぉっ……ぉ、ふっ……!」

人間よりも遥かに長い舌は俺の喉奥へと入っていく。シャルの舌が届く限界まで唾液を塗られ、その奥へと唾液を流し込まれ、ようやく口が離れる頃には俺はもう身体のどこにも力が入らなくなっていた。

「ひゃ、うっ……いき、なり、こんなっ……」

「……兄さん、お口気持ちいいですか?」

シャルは俺の頬を撫でて──!?

「んひぃっ!? ひっ、ぁ……!?」

シャルの手が頬に触れた瞬間、頬の内側が自身の歯に触れた瞬間、性器を触られたのと同等の快感があった。驚いて顔を背け、反対側の頬をベッドに押し付けてしまい、同じ理由で快感を覚えた。

「……気持ちいいですか?」

「ひ、も、ひぃっ、れふっ」

喋る時も気を付けなければ舌を口内に掠ってしまう。硬い歯なんかに触れたら絶頂してしまうかもしれない。

「…………じゃあ兄さん、これ、全身に塗り込んであげます。嬉しいですか?」

シャツの中に手を入れたシャルは二本の指で乳輪を拡げるようにする。

「全身……? そんな、そんなことされたらっ……!」

風が吹いても感じてしまう。そう察した俺は自分からシャツをめくり上げ、実の弟に向かって唾液をねだった。
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