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違う、あなたはここに居る

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シャワールームの角にもたれ、先輩に胸を弄られて声を上げ、足を擦り合わせて悶える。

『胸だけでこの反応とか……すごいな、やっぱりインキュバスって体の敏感さが人間とは違うよな』

指先で乳輪ばかり責められる。それはあまりにも巧みな乳首への責めに俺が許しを乞うたからだ、だからあっという間にイってしまう乳首ではなく、乳輪ばかり責められている。

「ひ、ぃっ……ぁああぁああっ……くるくるっ、くるくるやぁぁ……!」

人差し指を根元から回し、乳輪を時計回りにくすぐる愛撫に首を振れば、先輩は別の愛撫を考える。

『くるくる嫌か? じゃ、かりかりは?』

短く切られた爪が乳輪の微かな突起を引っ掻く。

「ひぅぅっ……!? ゃ、ぁあっ! やらぁっ、かりかりするなら乳首っ、乳首してぇっ!」

『サク、乳首嫌だって言ってなかったか?』

「すぐイっちゃうからぁ……でもぉっ、こんな焦らされるよりマシっ!」

先輩はにぃと笑ったまま乳輪を引っ掻いており、俺の願いを聞いてくれそうにない。

「ぅ……こ、ここっ、ここ、ここをこうして欲しいのっ……!」

俺は先輩の手を押しのけて自分で乳首をつまみ、絶頂して仰け反った。

「ひぅうんっ!? ぁっ……何、これっ、ちくび……こんなに……?」

俺の指の間で硬く尖った乳首の感度は異常なまでに上昇している、もはや亀頭に勝るとも劣らないくらいだ。カタラに活性化させられた淫紋のせいだろうか。

『サク、今の自分のポーズ分かってるか?』

情けなく足を開いて膝を曲げ、仰け反った身体を壁に支えさせ、両乳首をつまんだままピクピクと震えている様は下品なんてものではない。

『……すっごいエロ可愛い』

先輩の指が胸に近付く。乳首をつまんだ俺の指からはみ出た乳頭をカリッと引っ掻いた。

「ぁひぃんっ!」

胸に電撃が放たれたと錯覚するような強い快感を前に立っていられず、へなへなと座り込む。自分で乳首をつまみ続けることも出来なくなり、震える手を床に落とす。

『サークっ、まだカリッだぞ? サクのお願いはカリカリだったよな』

「え……? ぁ、や……!」

先輩は俺の乳首を親指と中指で捕まえ、人差し指でカリカリと引っ掻き始めた。

「んやぁあぁあああっ!? イくっ、イくぅ、イくっ、イくイくイくぅぅうっ!」

後頭部を壁に打ち付けても構わずに仰け反り、壁にぶつけた頭とガクガクと震える足に体重を任せ、腰を浮かせて陰茎をぶるぶると揺らす。それでも先輩は手を離さない。

「イくっ、ちくびイってるっ! 乳首っ、ちくびぃっ……乳首で連続イきしちゃうぅっ! そんなっ、しょんなぁあっ! あぁあーっ!? イくぅぅーっ!」

『ぷるぷるしてめちゃくちゃ美味そう……な、吸っていいだろ?』

親指と中指に絞り出され、人差し指で弾かれてぷるぷると揺れる薄桃色の乳首。それは確かに自分についているものでなければしゃぶりたくなる色と形をしている。

「ひっ、ィ、ぁああっ、おっ、お願いしましゅっ……!」

胸を突き出すと先輩の腕が背に回った。右手はそのまま三本の指で巧みに俺の左乳首を責め続け、先輩の綺麗な唇は俺の右乳首に吸い付いた。

「ぁあっ……!」

ぢゅっと吸い上げられて右胸が三角に尖る。はむはむと乳輪を唇で噛み、かぷかぷと乳首を歯で甘噛みし、舌先で乳頭をこねくり回す、ほじくり回す、弾き倒す。

「あっ、ぁひっ、ひ、ィっ、あぁああっ!?」

ぬるぬるとしたものから与えられる過剰な快楽、それは右胸だけのものだが、左胸に与えられる刺激や快楽も失速することはない。

「イくぅぅっ! 左だけでもイくのにぃっ、右がっ、右がとけりゅぅうっ! 食べられひゃううっ、右っ……ぁああっ!」

口で乳首を責めながらでは先輩は話せず、ただ微笑みながら俺を追い詰めていく。

「イくぅぅっ! あぁああーっ! ちくびっ、ちくびぃっ、ちくびイくっ、ずっとイくぅぅうぅんっ!」

両乳首から与えられる快感に悶え、絶頂して腰を揺らす。それでも勃起したままの陰茎から精液は出せないし、先輩の精液も手に入らない。何も消費せず何も手に入らない無意味な快楽、それを堪能していると自分の淫らさがよく分かる。

「あ、ぁああっ! ぁあぁあっ……! イくぅぅっ! もっとっ、もっとイきたいっ、もっとぉっ!」

胸にしゃぶりつく先輩の肩を掴み、連続絶頂しながら更なる快楽を望む。そんな淫靡な時間を終わらせたのはシャワールームの扉を開けた者だ。

「どうしたサク! 何叫んで……あっ」

俺の声が大き過ぎたせいかカタラが様子を見にきた。先輩は俺の胸から指と口を離して顔を上げ、絶頂させられなくなった俺は余韻にビクビクと身体を跳ねさせる。

「あー……お楽しみ中だったか」

『分かってるなら早く閉めて欲しいんだけどー?』

不満を顕にする先輩を一瞥もせず、カタラはじっと俺を見つめている。

「シャワー終わったら俺とヤるんだからさ、一人でそんなガッツリしなくてもいいじゃん。それとも……俺に突入して欲しかったとか?」

『……サク、お前からもこいつに出てけって言ってくれよ』

絶頂の余韻は俺に呻き声のようなものしか許さない。

「サークっ、自分で乳首弄るの気持ちよかったか? 他人にされるのもいいと思うぞ?」

カタラは先輩を無視して俺の傍に屈むと器用な指先で俺の胸の側面を撫でた。

「あっ……」

『サク! 今は俺との時間だろ! こいつ追い出せよ!』

そうだ、今は先輩との時間だ。カタラもそれを分かっているだろうにどうして俺に触れてくるのだろう。

「かた、らっ……今、せんぱいと……してる、から」

「え……? あっ、そ、そうだったのか? ご、ごめん! ごめんな、気付かなくて……!」

カタラは慌てて立ち上がり、キョロキョロと辺りを見回しながら後ずさってシャワールームを出た。

「……何言ってんだよ。先輩ここに居るのに……先輩とに決まってるじゃん。どうしたんだよカタラ」

「あー……いや、居眠りしててサクの声で起きたから寝ぼけててさ、視界がぼやーっとして」

クローゼットにこもったとはいえ俺が叫び続ける中では眠れなかっただろう、寝ぼけているにしてはハッキリ話していたが、今回は大目に見よう。

『…………嘘つけ。新入りの俺が気に入らないからサクを取り上げようとしてただけだろ』

「先輩……カタラ、ごめん……悪いけど早く閉めてくれよ」

「あ、あぁ……ごめんな、本当」

心底申し訳なさそうな顔をしたカタラが先輩が言うような考えを持っていたとは思いたくない。みんなが不和になるのも嫌で、俺は不機嫌な先輩の首に腕を絡めてキスをねだった。
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