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インキュバスに淫紋を掛け合わせたら……?

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抱き上げられる感覚に目を覚ますとシャルごとアルマに運ばれていた。寝ぼけながらも事情を聞くと夕飯の時間とのことで、声をかけても起きなかったから運んでいるのだと。

「揺すってくれてよかったのに……」

そう言いつつも心地好い揺れに目を閉じ、また眠ろうとした。しかし部屋の端のソファに下ろされ、目が覚める。

「アルマ……?」

「サクもシャルも物を食う必要はないからな、ちゃんと目が覚めるまでここに居るといい」

一応みんなと同じ空間に……ということか。
アルマは優しく微笑んで俺の頬を撫で、机に向かった。大きな人差し指の背の感触を思い出して自分で頬を押さえ、自分の顔が笑っているのに気付く。

「…………上手く、いくよな」

よく覚えていないけれど、眠る前にアルマとカタラが仲良さげにしていたのを聞いた。カタラとネメスィは元々仲良しで、アルマとネメスィも仲が悪くはなさそうだし──やはり鬼門はシャルだな。

「……シャル、シャル、起きてくれ」

今なら上手く話せる気がして、シャルを起こそうと肩を揺さぶった。

「シャル? シャールー、シャルってば」

目を覚ます気配すらない。いつも俺しか映さない紫のまんまるな瞳を見たいのに、まぶたの下に隠したまま出そうとしない。全く起きないシャルを不思議に思いつつも肩を揺さぶり続けた。


ソファに誰かが腰を下ろす。シャルの肩を抱いたままそちらを向けば部屋の灯りを反射する綺麗な銀髪が目に入った。

「よ、サク。弟起きねぇのか?」

「カタラ……うん、全然起きない。もう飯終わったのか?」

「お前の旦那はまだ食ってるぜ、やっぱ量が違うよなぁ。の割に食器ちっこいから食うの苦労してやがんの」

明るく笑うカタラはシャルの件で悩んでいた俺の心を癒していく。

「……な、弟起きないなら俺とちょっと遊ばないか?」

「何して?」

「サクの身体を弄り回して」

青い瞳が仄かに輝く。その輝きを見た瞬間、下腹がきゅんと疼いた。

「でも……みんなまだ食ってるし」

「ならサクにも飯にしないとな、腹減ってないか?」

シャルに搾り取られてから誰ともしていない、腹は減っている。けれど少し腹が減っているからといって、腸壁が活発に蠢いてじくじくと疼くのなんておかしい。今までこんなことはなかった。

「ぅ……えっ? な、なにこれ」

体内なのだから見ても仕方ないと思いつつも、シャツに隠されていない腹を見る。すると俺の白いもち肌に淡い光を放つ刺青が浮かんでいた。

「さっき入れた魔力の刺青だな」

「スペード……? ぁ、違う俺から見ると逆で……ハート型?」

ハートを中心に置いた模様だ、上からではよく見えない。

「……術者が近くに居るとどうしようもなく抱かれたくなる。その効力は術者の加減次第で増幅する。術者は刺青を施した相手の性感、絶頂、その他もろもろを支配できる。とりあえずサクが知っとくべきなのはこの辺だな」

刺青の効力を説明されて改めて思う、「やっぱこれ淫紋じゃん」と……俺は詳しいんだ、前世で何冊の同人誌を読んできたと思っている。

「悪堕ち闇堕ち快楽堕ちの定番……淫紋っ、サキュバスには標準装備な本も多くて、俺も当然好きで…………でも自分につくのは別だ!」

「お、おぅ、何言ってんのかよく分かんねぇけど気に入ってくれたんだな?」

「別だって言ってるだろ! ただでさえエロオンリーなインキュバスなのに、こんなっ……!」

せっかくの本物の淫紋なのに自分に描かれてはじっくり見られない。

「こんな、何?」

下腹の疼きが強くなってきた。この疼きを引き起こしているカタラを睨んでも、淫紋に触れても、治らないどころか強まっていく。

「ん……ぅ……」

目の前でニヤニヤと笑っているこの男に、中性的で童顔で見た目には男らしさの欠片もないこの男に、めちゃくちゃにされたい。

「元々の用途は不妊治療でな、その頃は妊娠確率を上げる効果しかなかったんだ。でも改造されまくってただのエロ魔術になっちまったんだよ、今はもう不妊用には使えねぇだろうな」

腹が減ったから精液が欲しい。いや、違う。

「でも、そういう願望は出るだろ? 男でも、さ」

カタラの子を孕みたいから精子が欲しい。

「カタラ……お前、俺改造して楽しいのかよっ……いつも、魔力がどうとか訳分かんないことして俺を……めちゃくちゃに」

「嫌なのか? 刺青とか、魔力的絶頂とか……嫌なら刺青剥がすし、サクの魔力に干渉しないようにするけど」

「…………好き。カタラにオモチャにされるの、すごく好きでっ……またして欲しいって思ってた」

もう下腹が疼くなんてものじゃない、腸壁が挿入されていない陰茎を勝手に夢想して精液を搾り取ろうと動いている。弱点を剥き出しにして擦られるのを待っている。

「おっ……積極的だな」

気付けばカタラを押し倒していた。

「カタラぁ……」

みんなまだ食事をしている部屋のソファの上なのに、背もたれで少し隠れているだけなのに、弟が真後ろで眠っているのに、俺はカタラの上に跨って彼の服を脱がしていた。

「カタラっ、カタラぁ……は、早くっ、早くちょうだい」

いつもの魔法使いのような格好とは違い、普通の洋服を着ている。だから引っ張るだけで簡単に性器を露出させられた。

「いいのかよ、弟後ろだし旦那すぐそこだろ?」

「そんなのいいから早く種付けしてよぉっ……!」

「おー……効き目抜群、怖いくらいだな。種付けって、はは……いやぁ、魔神王様様だな」

左手で穴を拡げ、右手でカタラの陰茎を握る。余裕そうな顔をしているくせに陰茎はパンパンに膨らみ、先走りの汁に覆われている。

「あ、ぁああっ……! き、たっ……カタラ、のぉっ……!」

ネメスィとしていた時の声、アルマとしていた時の声、シャルとしていた時の声、全て聞いていたのだろう。他の三人のように俺を抱きたいと思ってくれていたのだろう。

「ぅあ……やっぱやべぇな、気ぃ抜くと持ってかれそうだ」

「はぁあっ……すごいっ、気持ちいいとこ当たる……」

俺は今ソファに仰向けになったカタラの上に跨っているのだが、背もたれのおかげでカタラの姿は完全に隠れている。みんなが食事をしている向こう側からは俺の胸から上しか見えないだろう。

「ぅ、うっ……ふぅっ……カタラぁ、これ俺が動くの?」

「あぁ、悪いけど突き上げるのとかは旦那やネメスィに頼んでくれ。か弱いカタラさんにはそんな真似できませんことよ」

おふざけ混じりに言うカタラの服を捲り、腹筋を撫でる。ネメスィには遠く及ばないが、カタラも身体能力は高いし、何より魔物と戦う旅人の腹がタプタプふにふにな訳がない。

「ぅ……早く、孕みたい……」

か弱い発言について言いたいことはあったが、下腹の疼きに掻き消えた。

「はいはい、すごいな刺青の効果は……さっすがカタラさん」

顔や雰囲気に似合わずしっかりとした腹筋に手を当て、ゆっくりと腰を持ち上げる。淫紋の効果で弱点が更に敏感になった腸壁が擦られ、その微かな動きでさえ絶頂を迎えた。
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