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お披露目会では客側も品定めされる

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日が落ちたのだろう。従業員だろう男がやってきて檻の前に立った。

「離せっ……サクを離せよ、このケダモノっ! いっつもそんなにヤらないくせに!」

先輩は男に気付かず俺の腕を引っ張っている。というのも、俺が猛獣に休みなく犯されているからだ。猛獣は二回目から一度も抜かずに俺を犯している、しょっちゅう射精されるから体力が回復し続け、万全の状態で犯され続けるのだ。

「ひぐっ、ぁ、ゔっ……もぉ、イかせないれ……ぁひっ! ィ、ぁああ……」

もふもふの毛に隠されて熱い身体で押し潰されながらイボだらけの巨根に貫かれる。そんなことをされては自分が猛獣のための玩具に思えてくる。

「すごいな……そいつそんなに体力あったか?」

「あ……! た、助けてください! サク、朝からずっとアレで……死んじゃいますよ!」

「ったく世話のかかる……お前引っ張れよ」

檻が開いて男が入る。猛獣の隙間から見える景色では男が長い紐のような物を持っているのが見えた。

「そろそろ離せ」

笛の音が鳴る。猛獣は顔を上げて腰を止めたが、低く唸って腰振りを再開した。次の瞬間破裂音が響き、猛獣の悲鳴が上がった。

「んぁっ! ぁ……な、なに、どうしたの……?」

破裂音が連続し、猛獣が俺を置いて檻の隅に逃げる。先輩が俺の腕を引っ張って立たせ、肩を貸してもらえて何とか自分でも歩き、檻を出た。

「おい、生きてるか」

俺達に続いて檻を出た男はムチを持っていた。先程の破裂音はムチを振るう音だったらしい。男は俺の顔を持ち上げて目を合わせると俺の口に飴玉を放り込んだ。

「甘いか? でもそれ……媚薬入りだから、まぁ……美味しいよな? よしよし」

甘くも美味しくもない、これだからインキュバスは嫌だ。
味覚がないことを嘆いていると猛獣が檻に前足をぶつけた。肉球が檻にくい込んで可愛らしい。よく見るともふもふの毛のところどころが赤色に染まっている、ムチで裂傷が出来たのだろう、淫魔の血を引いているならその皮膚は脆いはずだ。

「……相手してくれてありがとうな。怪我、大丈夫か?」

先輩から離れて檻に手を突っ込み、頭を撫でる。

「何してる! 早く来い!」

「は、はい! サク、行くぞ」

先輩に腕を引かれて階段の前で怒鳴る男の元へ向かう。足にも腰にも力が入らない、太腿を伝う精液がもったいない。

「あの子……怪我してた」

「体力尽きるかムチで叩くかしないと止まらないんだよ、あのケダモノ。サクは優しいんだな、自分をあんな好き勝手に犯してたケダモノ気遣うとか」

「可哀想じゃん……」

同種の匂いがするからだろうか? どうしても気になってしまう。
一階に上って控え室らしい部屋に連れて行かれる。

「教育係、説明」

ムチを片付けた男は相変わらずの冷たい目で先輩を睨む。

「は、はい……えっとな、サク、この店はバニーボーイが接客するBARで……まぁ二階はヤり部屋なんだけど」

「お前それも説明してなかったのか?」

男に肩を掴まれて先輩は顔色を悪くし、震える声で謝った。この男は従業員の中でも恐れられているのだろう。

「お披露目会ってのは……その、普通の男の子だったお前がバニーボーイになるとこを見せるんだ。まぁ……あの、台の上で着替えるだけだ」

「……どんな衣装なんですか?」

「どんな? えっとな、まぁ、あの……ぇー……見れば分かるよ」

先輩、結構話すの下手だよなぁ。

「そろそろ時間だ。これに着替えろ」

光にかざすと向こう側が透けて見えるほど薄い素材の服を渡される。デザインは普通のシャツとスラックスに見える……なるほど、破るのか。

「着替えましたけど……」

ネメスィからもらったチョーカーとネックレスを外し、渡されたチョーカーをつける。マイクが内蔵されているらしい。魔術的なものがあるのだろうが、この辺は前世より進んだ技術に思える。

「あ、あの、このチョーカーとネックレスとても大切なものなので……ちゃんと預かってください。お願いします」

「はぁ? こんな安モン……まぁいいだろう、来い」

「先輩は……?」

「俺は後で。またなー」

着替えるはずのバニーボーイの衣装は渡されず、薄っぺらな服を着たまま店の表側へと連れて行かれる。
カウンター席にテーブル席、BARに行った経験はないが普通の内装に思える。薄暗い店内に色鮮やかな照明が眩しい、電灯だろうか? こういうところの文明度は高いんだな。

「お前はそこの台に乗って少し待ってろ。顔を隠さずに……そうだな、慣れた様子も見せるな。恥ずかしそうにしてろ」

店の中央にある円形の台には中心に棒が立っており、天井と繋がっている。異世界にもポールダンスとかあるのかな。

「はぁ……分かりました」

この店に来ている客に俺が求める情報を持っている奴が居るかもしれない。必ず罠にかけてやる、査定士を助けるんだ、店内の男全て虜にしてやろうじゃないか。

「ここか……冷たっ」

台に裸足で乗り、その冷たさに足を引く。しかし男が睨んでいる気がして冷たさをこらえて乗り、棒にもたれた。数秒後、店内のライトが消えて台に乗った俺がスポットライトを浴びる。

「えー……お客様方! しばしお時間を拝借。我が店に急遽新しいウサギが入荷致しました!」

暗闇で人だろう影が蠢く。視線とヒソヒソ声が聞こえる。以前よりも音が聞き取りにくいのは長く尖った耳の先端を切り落として丸くしたからだろうか?

「……こ、こんばんはー?」

何もしないのも気が引けて顔の横で軽く手を振る。

「おっといけない、まだウサギになっていませんでしたね……ではウサギにウサギにしてもらいましょう! ウサギのウサギによるウサギのためのお披露目会、開始です!」

スポットライトが台から少し離れた位置を照らす。そこにはウサミミのカチューシャをつけた先輩が立っていた。その服は前世でも最もポピュラーだったバニーガールコスチュームとほぼ同じ、肩紐がなく股のくい込みが過激で、胴だけを隠す形だ。

「先輩……?」

太腿まである長い編み上げのピンヒールブーツを鳴らし、ゆっくりと近付いてくる。薄桃色の髪はスポットライトによって白髪に見えた。

「……サク、もうちょい前に出ろ、もたれるな」

二の腕まである黒革の手袋に包まれた先輩の右手が頬を撫でる。スポットライトに入らないように従業員が台の脇に箱を置いた。

「用意しとけって言っただろ、遅いんだよ……!」
「すいません……!」

物陰で従業員が小声で怒られている。

「それでは後は先住ウサギに任せましょう!」

「マイクオンになるから変なこと喋るなよ、俺のことは呼ぶな」

先輩が俺の背後に回る。棒と俺の隙間に入り込んだ先輩は黒革の手袋に包まれた両手で服の上から俺の体をまさぐる。

「ぁ……」

微かに声を漏らしただけなのに店内に俺の吐息混じりの声が響いた。

「へっ? こ、声っ……ゃ、恥ずかしいっ……やだ……」

先輩の手を思わず掴もうとすると耳を舐められ、息を吹きかけられた。濡れた耳はより敏感に息を感じ、甘えた声が漏れる。

「やぁんっ……や、耳だめ……」

胸の前に持っていった手が何も掴めないまま空を漂う。耳に意識を集中していると先輩の手がシャツを引き裂いた。

「ひゃっ……!? なっ、なにするんですかぁっ! やだ、恥ずかしい、やだぁっ……!」

右胸が露出してしまった。慌てて手で前を隠すが、先輩に手首を掴まれる。抗えない力の強さではないが、これはショーだ、大人しく両手を広げさせられる。

「やだっ、見ないで……恥ずかしいっ」

俺の胸の様子を客にじっくりと見させ、先輩は俺の手を離して破れたシャツの隙間に手を滑らせる。素肌に黒革の感触は心地よく、甘えてしまいそうになる。

「やぁあっ……! そんなとこ触らないでっ……」

先輩の手に手を重ね、やめさせようとしているように見せる。先輩の邪魔をしないよう手に力は入れず、俺は全く抵抗出来ないように見せる。

「ゃ、あっ、胸もっ、お腹も……やだぁ」

先輩に背を預けて甘えながら言葉だけで拒絶した。
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