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いい加減に腹の中のが何か分かれよ

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挿入だけで絶頂を迎えた俺は仰け反って全身を震わせていた。当然腸壁も痙攣しており、自分で締め上げてまた勝手に快楽を覚えていた。

「大丈夫かい? ほら、体を起こして」

査定士は頃合いを見て俺の体を起こし、自分に掴まるよう言った。俺は査定士の肩を軽く掴むように手を置き、距離を取った。今更ながら夫が居るのにあまり他の男と密着するのはよくない気がしてきたのだ。

「私はもう若くないからね、自分で動いてもらえるかな?」

「え……? で、でも……」

「気持ちいいところに自分で当てなさい」

にっこりと微笑まれては断れず、俺は膝から下をぺったり床につけるのをやめ、足の裏を床にぴったりとつけた。ヤンキー座りなんて俗に言われる体勢だが、体位になると途端に恥ずかしい。

「う、動きます……ね」

「いいよ、動いて」

「は、い……ぁ、ああぁっ……抜けてくっ……ひ、ィ……ぁあっ、お、下ろす……の? これっ……ぁううっ……!」

上になって腰を振ったことはあるはずなのに、絶頂を迎えた後だからか上手く上下させられない。

「ん、んっ……また、入って……ひぃいんっ!? ぁ、ぁはっ……ぁああっ……!」

こりっと前立腺に亀頭が触れて足の力が抜け、一気に奥まで挿入されてしまった。ゆっくりと入ってくるものだと思い込んでいた腸壁は急な擦り上げにいつも以上の快感を覚えた。

「ん、ぅっ……ぁんっ! ぁああっ! ん、ひっ……ひぁあんっ! んぅ、ぅううっ、またイくっ、イっちゃうぅっ!」

腰を持ち上げるのさえ頑張れば落とすのは重力に任せていい。挿入されているのが性器だと体が覚えると本能が腰を振るのを手伝うし、それほど辛くはない。

「気持ちいいのかい? どこがいい? どうするのが好きなのか言ってごらん」

「ぁあっ! きもちぃっ! きもひぃよぉっ……ここっ、ここ好きぃっ、ここごんごんするのしゅきなのぉっ!」

快楽が脳を支配すると自分が既婚者だということも意識出来なくなり、査定士に密着して抱きつき、打ち付けるように腰を振った。肉同士がぶつかる音と俺の淫らな声が浴場中に響いても、もう羞恥心では腰は止まらない。

「すごい……流石ご主人様、俺の時とは全然違いますね」

「君の方が若いんだから、慣れれば君の方が反応は良くなると思うよ」

「いやぁ……老練さには若さだけじゃ勝てませんて」

査定士の腕が背に回ると俺の身体は勝手に喜び、更に激しく腰を振る。じゅぼじゅぼと鳴る水音の淫猥さも分からず、腸液を泡立てるように激しく、精液と快楽を求める。

「ん……そろそろ、出そうだ……」

「んっ、ぅんっ、出してっ、せーえき出してぇっ、美味しいのちょうだいっ!」

前立腺を抉るように突かせて絶頂を迎え、足の力が抜けて重力で下がった腰は陰茎を根元まで咥え込む。絶頂で締め付けが強くなり、痙攣する腸壁は精液を搾るのにぴったりで、使用人よりも勢いの弱い射精が果たされた。

「ん、ぅっ……出てるぅっ……!」

「……っ、ふぅ……久しぶりだと疲れるね……」

今度は俺が餓死寸前の空腹だったからか、胃の中の何かは精液を奪わなかった。コレは俺の食事を奪うが、俺に死なれるのも困るようだ。いや、奪うからこそ死なれると困ると言うべきか。

「飲めたかい? よし……抜くのを手伝ってあげて」

使用人の腕が脇の下に通され、ゆっくりと持ち上げられて萎えた陰茎が抜けた。

「じゃあ、少し温まっていなさい」

そのまま使用人に抱えられて広い湯船に入れられた。俺がちょうどいい温度の湯に一息ついている間に使用人と査定士は自身の体を洗っている。

「……そういやお前頭洗ってなかったな」

短い髪を素早く洗い終えた使用人は俺を湯船から出し、俺の頭を洗い始めた。今世は未だゼロ歳だが、前世でいい大人だったことを考えると恥ずかしくなってくる。

「この羽意味あんのか? 飛べんの?」

「意味ない、飛べない……ぁ、でも弟は飛んでた。羽使ってなかったけど」

「ふぅん……? 弟、なー……何人も殺してるんだよなそいつ……」

「そ、それは俺を助けるためでっ……」

「だとしてもだよ。ご主人様はそいつも保護する気でいるみたいだけど……俺は反対だな。ま、俺の意見なんざ聞くわけねぇけど」

弟も保護する気……? 本当に? 弟を助けてくれるのか?

「弟……シャルは、どこに……?」

「地下研究所とかじゃないか? 売ってくれるなら買えばいいけど、非売品だったら……ぁー、見学でも頼んでこっそり逃がして後で合流って流れかね」

地下研究所ほど怪しい響きはない。しかし弟の居場所の予想がついたのは大きい、たとえ査定士が助けてくれなかったとしても俺一人で向かうこともできる。弟との再会が現実味を帯びてきた、今日の夜辺りに弟と夢で会えるといいのだが……

「お前髪まで気持ちいいな……流すぞ」

髪を洗われた後は湯船に戻され、二分ほど浸かっていたら上がるよう言われた。その頃には自分で歩けるようになっていたので大切さが分かった二本の足で脱衣所に向かい、タオルで皮膚を擦る感覚に少し昂った。

「君の服はこれだよ」

そう言って渡されたのは尾骨まで背中がぱっくりと開いた白の無地のワンピース。丈は膝下、スカート部分はあまり広がらないタイプ。

「……なんで女物なんですか」

「腰の羽を出せる服が他になくてね」

「ならそれでもいいですからズボン別でください」

「……君に合うものがないんだよねぇ」

査定士は目を逸らしている。多分、こいつの趣味だな……ふざけやがって。まぁ、優しいし協力的だし、このくらいのサービスはしてやるか。

「なんでTバックなんですか……!」

「尻尾が出せる下着なんてないんだ、ごめんね?」

「ローライズに勝手にするので普通のくださいよぉ!」

ワンピース以上のサービスをしてやる気はない。断固とした意志を持ってまともな下着を要求した。しかし使用人の「嫌なら履くな」という身も蓋もない発言に負け、仕方なく履く……違和感がすごい。

「履いてる気するのに履いてる気しない……」

割れ目に紐が挟まるから履いている気はある。しかし尻を包まれている訳ではないので履いている気がしない。
不満を漏らしつつ脱衣所を後にして査定士に着いていっていると、背後を歩いていた使用人にワンピースの上から尻を鷲掴みにされた。

「ひぁっ……な、何すんだよ!」

「いやぁー……目の前ぷりぷりさせられてたらそりゃするだろ」

「も、揉むなよ変態! 歩きにくいんだよ、もぉっ……! ぁ、や、そこ……だめ……おなか、きゅんってするからぁ……ぁ、あっ……」

窓はないが広い部屋に通され、しばらくの安全な生活が確保できたことに安心しつつ、ずっと体をまさぐってくる使用人の存在に一抹の不安を覚えた。
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