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ただ快楽に溺れるだけの生き物

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互いの唾液を飲み合い、口内を愛撫し合い、舌を絡ませ合う深いキス。恋人同士でしかしないようなそれを俺は夫の近くで夫ではない男と交わしている。
キスに興奮して挿入されたままの萎えた陰茎をきゅうきゅうと締め付けていると、そのうちに再び勃起した。

「ん……んっ、ネメスィっ、して? もっかい……ぁんっ!」

口を離してねだれば突き上げられ、甘えた声を上げさせられる。

「あぁあっ! 好きっ、好きぃっ! そこイイよぉっ、そこ突くのしゅきぃっ! もっとぉっ!」

「サク……サクっ、お前は俺のもののはずだった、俺の仲間のはずだったんだ。あの日お前を失ったのは俺の不注意だ、それでお前が俺の手から離れたのは納得しよう。だからっ、サク……!」

必死な腰振りに獣らしさを感じ、自分がセックスしか頭にない淫魔だと思い知らされて、更に興奮する。

「ぁひっ……! きもちぃっ、きもひぃよぉっ、ねめしぃっ、ねめしぃしゅきぃっ!」

「お前が認めてくれるなら、俺は都合のいい男でいい。お前の夫に隠れてお前を抱く、お前のエサになる、だからサク……俺を、俺を嫌わないでくれ、サク……」

「んぁっ、あっ、俺っ、ねめしぃ、好きらよぉっ? ねめしぃっ、しゅきっ、らからぁっ……泣かないで? ねめしぃ……」

顔にぽたぽたとネメスィの涙が落ちてくる。俺はその涙の理由を考えることすらせず舐め取り、喘ぎ続けた。


行為を終えていつも通りさっさと抜いてしまったネメスィは自分の体だけを濡らした布で清め、服を着込んでしまった。

「……二回だけ?」

「十分だろう。お前は魔力を無尽蔵に溜められる因子を持っていない、これ以上飲んでも無駄だ」

たっぷりと注がれた精液は全て吸収済みだ。空っぽの下腹を撫でて空腹感を覚え、裸のままネメスィの手を握る。

「やだ……お腹減った。もっとちょうだい、ネメスィ、もっといっぱい中出しして」

欲しいのは栄養や魔力だけではなく、快楽もだ。以前までは腹が減っても快楽までは求めなかった、理性のブレーキがかかっていたのだ。
だから食事のための性交中はあまり弄って欲しくないし、射精してしまうのが怖くて自慰でも少ししか使わない陰茎をネメスィの手に擦り付けてしまう。

「ね? ネメスィ、お願い……してよぉ。ネメスィの中出し好きなの、交尾って感じで、種付けって感じで、好きなのぉ。ネメスィ、好きぃ……」

「……食い過ぎだ、太るぞ」

「ネメスィの精液でお腹ぱんぱんにしたいなー? ね? 中出ししまくってぇ、赤ちゃん居るくらい膨らませてよぉ。俺、ネメスィに孕まされたいなぁ?」

「サク……お前はそんな奴だったか? 可愛らしいし嬉しいが……お前はもっと羞恥心が強くはなかったか?」

一向に抱いてくれる気配のないネメスィに痺れを切らし、俺は座っている彼の足をまたいで馬車の扉を開けた。

「……サク?」

ネメスィの静止を促す声も聞かずに馬車から飛び降り、べちっと着地する。膝上までの足の断面が地面に擦れる痛みを堪えて眠っているカタラの元へ這いずった。

「……俺が抱かないとみたら即次の男か。インキュバスらしくて結構だ」

馬車の中からの嫌味を聞き流し、カタラの上に乗る。

「カタラ、カタラ起きて、起きて抱いて」

地面に毛布もなく転がって眠るなんて身体が痛くなりそうな真似をして……そんな親心は一切なく、彼の胸の上に乗って服をズラし、性器をしゃぶった。

「ん……な、何……うわっ! え、サク……?」

目を覚ましたカタラの視界は俺の尻で埋まっていることだろう。太腿を軽く撫でられた俺は腰を持ち上げて穴と性器をカタラによく見えるようにした。

「サク……どうしたんだよ、最近積極的過ぎるだろ」

カタラの両手が陰茎を包み、鈴口に魔力を実体化させた棒が挿入される。それだけではなく陰茎の根元を縛るような物まで作られた。

「んゔぅうっ! んぶ、んふぅうっ!」

尿道を硬い棒に犯され、亀頭に喉の入り口を擦られる。ぐちゅぐちゅと音を鳴らす自身の鈴口の様子は見えないが、その分快楽が増幅し、喉の奥に精液を放たれたのと同時に絶頂を迎えた。

「ふぅ……一回降りてくれるか、サク」

カタラの上から降りて彼が起き上がるのを手伝う。性器だけを丸出しにしたまま胡座をかいたカタラは俺の陰茎の根元に取り付けた実体化させた魔力を摘んだ。

「サク、これはどうだ? 根元を締め付けられてると無理矢理止められてる感出るだろ?」

射精ができないのは圧迫のせいではなく、カタラの術によるものだ。だから根元を縛る必要も尿道を塞ぐ必要も本当ならない。

「で、これは紐状にしてあるから俺が引っ張ると、こうだ」

カタラの両手が紐の端を持っている。紐の中程は陰茎の根元に巻かれており、カタラが紐を引く度に俺の陰茎はきゅっと締め付けられた。

「これ、苦しい、カタラぁ……」

そう言いながらも自分の顔が緩んでいるのが分かる。カタラは何も言わずに紐を俺の陰茎にぐるぐると巻き付け、前世ではよく見たお歳暮のハムのようにしてしまった。

「んぁっ! やだ、引っ張っちゃダメ……」

引っ張られると紐状の魔力は陰茎にくい込み、俺に快楽を与えた。俺が痛みも苦しみも感じていないのを察したカタラは更に強く紐を引き、俺に性器を突き出させた。

「ぁあっ……形変わってる……カタラぁ、こわい……もっとぉ、もっと引っ張ってぇ……」

自分が矛盾したことを言っているのにも気付かずねだっているとカタラは紐の端を片手で持ち、空いた手で棒の方を弄った。

「んひぃぃいっ!? ィ、ひぃっ! ひっ、ひぅっ、ひぁあっ!?」

形が歪むほどに強く縛られた陰茎は当然意識が集中して敏感になっているし、尿道も狭く曲がっている。そんなところを真っ直ぐの棒で拡げるように掻き回されたらたまらない。

「イくっ、イぐぅっ! カタラっ、もっとぉっ! もっとイかせて、もっと俺で遊んでぇっ! カタラしゅきっ、カタラしゅきらからぁっ、もっと俺弄ってぇっ!」

「……可愛いな、サク。ほら、こっちも引っ張ってやるよ」

魔力のピアスのような物が乳首に通される。本当に穴が空いた訳ではないのにそうとしか感じられない痛みがあって、そのピアスにも繋がった紐を引っ張られると甘い悲鳴を上げた。

「ぁあぁっ……! いひゃいっ、カタラぁっ……しゅきっ、これしゅきぃ! またイくぅっ! ん、んんっ! カタラっ、もっと引っ張ってぇ! もっとぐちゅぐちゅしてぇっ!」

陰茎を締め上げられながら尿道を犯され、乳首まで引っ張られて伸ばされる。痛みによく似た快楽が全身を駆け巡り、耐え切れずに仰け反って叫び、仰け反ったことで更に強く引っ張られることになって甘い悲鳴を上げた。

「ん……サク? どうした……」

俺の嬌声で馬車にもたれかかって眠っていたアルマが目を覚ます。快楽に蕩けた俺は彼と目を合わせてしまった。

「ぁ、ああっ! アルマぁっ、見てっ……俺、さっきからずっとイってるのっ、またイくのぉっ!」

アルマは顔を顰めて俺の方へずんずんと歩き、俺の真後ろで屈むと大きな両手で俺の胴を包んだ。

「サク……俺ではダメなのか? 俺はサクを満足させられていないのか?」

愛する夫の体温に包まれた俺は尻肉を手で掴んで後孔を拡げ、アルマの陰茎に尻尾を巻き付けて引っ張った。

「おはよぉ、アルマ、抱いて?」

振り返ってそう言うと嫉妬したカタラに紐を強く引かれて絶叫しながら絶頂を迎え、ビクビクと身体を震わせているとアルマの手は俺の胴を強く掴み、尻に巨根を擦り付けさせた。

「んひっ、ひぃっ、イくっ、絶対イく、入れられただけでっ……イぐぅぅうっ!」

突き入れられた巨根はカタラの魔力につつかれていた前立腺を押し潰し、痙攣を起こすほどの快楽を与えた。腹を握られることでアルマの陰茎に体内が埋め尽くされていると錯覚してしまい、俺は幸福感に満ちていた。
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