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目覚めれば君は穏やかで
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夢は願望を映す鏡。俺はそう考えていて、シャルに手酷く抱かれるあの夢は俺の深層の願望だと考えている。弟と離れてすぐにシャルの夢を見たまではよかったが、その後が問題だ。シャルに犯された、それも乱暴に。俺は温厚な弟に激しく抱かれたかったのだと理解し、自己嫌悪に落ちた。
「…………あ、起きましたか?」
アルマと出会ってから夢を見なかったのはアルマに惚れたからだと思っていた。でも、俺はアルマが死んですぐにシャルに抱かれる夢を見た。死んだアルマに会いたいと、もう一度抱かれたいと願っていたはずなのに、夢が映す深層の願望は違った。
「おはようございます、兄さん」
暗闇だった世界が明るく変わる。肺に取り込まれる空気から淫靡さが消え、湿気が増えた。白く明るいタイル張りの壁に目の前の大きな鏡、胸の前に持ち上げられた湯桶──銭湯、いや、この邸宅の風呂だ。
「しゃるぅ……?」
「…………へ?」
俺は弟に背を預け、腹に右腕を巻かれてい硬い床に膝を着いた弟に背後から抱き支えられている。眠った俺を風呂に入れてくれていたらしい。
「……ぁ、え、えっと……ぉ、弟……」
シャルは俺が夢の中で弟の姿を取っている性欲に名付けた名だ、現実の弟が知っているわけがない。
「お湯、かけますね」
ぼうっとしたまま頷き、肩からゆっくりとお湯をかけられる。それが何度か繰り返されると、弟は湯桶に左手を浸けた。
「…………っ!? ひっ、ゃ、あぁっ!」
次の瞬間、弟の指が後孔に沈んだ。俺の情けない声が響いたのなんて気にせずに、弟は右手で湯桶を持って俺の中にお湯を注ぎ始めた。
「ひっ……ぁ、おと、とぉっ……やだっ」
「……あぁ、ごめんなさい兄さん。先に言うべきでしたか? 兄さん、ペンや尻尾を入れたでしょう? それでなくても粘っこいのがついていたので、ちゃんと洗わないといけません」
子供に諭すように言われ、腸内にペンがないのに気付き、弟に抜き取られたのだと悟って顔を真っ赤に染めた。
「少しだけ我慢してくださいね」
弟は風呂用の椅子を持ってきてその上に座り、膝の上に俺を乗せた。薄く曇った鏡に開いた穴が映るように、ぐっと尻肉を引っ張った。
「……っ、弟……か、鏡は……」
「ごめんなさい兄さん、中がどうにかなっていたら大変なので、ちゃんとしたいんです。見えるようにさせてください」
それなら直接見てくれ、鏡に映る自分自身を見せないでくれ、そう続けようとしたが人差し指と中指に穴を広げられて言葉に詰まった。
「お湯、ちょっと入れますね」
くちゅ、ぐちゅ……くちゅっ……水音が響く。弟の腕にしがみつき、穴の中を指で掻き回される自分自身の姿が鏡に映る。自分の足が足の付け根から数センチしかないことを実感し、びんと勃った陰茎がふるふると震えていることを知る。
「……っ、ん、くぅっ……!」
「…………とろとろした液体が溢れてきます。白くはないので消化できなかった精液ではなさそうで……いえ、もしかしたら中途半端にしか消化できなかったのかも」
そんな深刻な理由ではない。弟の指に興奮して腸液を漏らしているだけだ。ぬるぬるとした腸壁をもっと奥まで擦って欲しくて、それをやりやすいように濡れているだけだ。しかしそれを言うのははばかられる。
「全然止まりませんね……大丈夫でしょうか」
「ぁ、はっ……弟っ、弟ぉっ!」
「ごめんなさい兄さん、もう少しだけ」
もっと奥まで入ってと言いそうで怖い。もっと腸壁を擦ってと言いそうで怖い。指よりも太く長く硬いものをくれなんて口走ってしまいそうで怖い。だから早く終わって欲しい。
「……ところで、兄さん。何か僕に言わなきゃいけないことありませんか?」
夢の内容がフラッシュバックする。犯されながら教え込まれたセリフを吐きそうになる。
「……お、お風呂入れてくれて、ありがとう」
「………………どういたしまして、兄さん」
嫌だダメだと思うほどに記憶は蘇り、鮮明になり、願望が育つ。
鈴口に尻尾を沈ませて後孔を自分の手で広げ、シャルに貫かれたいと叫んでしまいそうになる。
「あ、の……弟っ、その……垂れてる、とろとろしてるのは……多分、潤滑油として出てる分だから」
「え……ぁ、そ、そうなんですか? ごめんなさい!」
ねだらずに問題を回避出来たと喜ぶのも束の間、指が抜かれて浅い絶頂を迎えた。
「他のところも洗っていきますね」
弟はお湯をかけつつ俺の身体を手のひらで洗っていく。その手は恐る恐る俺に触れるため、くすぐったい快楽が注がれる。僅かに残った太腿を撫でられ、脇腹をなぞられ、脇を洗った手はお湯を足して胸に進む。後ろから手を回されていると揉みしだかれているように鏡には映るが、実際は皮膚に微かに当たりながら乳首を無意識に弾いていくだけだ。
「ひっ、んんっ……弟ぉっ……」
挫けそうになりながらも何とか洗浄を耐えていると、弟の手が尻尾と陰茎に近付く。
「弟っ……!? 待って、せめてどっちかっ……ぁ、ひぃいんっ! ぁああっ! ひぁあぁんっ!」
扱くように前後しながら洗われ、愛撫されている時と同じように叫ぶ。もう絶頂してしまうと体を反らせて性器を震わせ、穴をヒクヒクさせていたが絶頂は始まらない。弟が手を離してしまったのだ。
「兄さん、洗えましたよ。僕も軽く湯浴みをするので湯船で待っていてください、腕が動くなら溺れませんよね?」
風呂の底に座ると肩まで湯に浸かる。温かさはちょうどよく心地よいものなのだろうが、身体の熱はそれ以上だ。俺は弟に無意識に焦らされた身体を慰めるため、勃起したままの性器に手を伸ばした。
「…………あ、起きましたか?」
アルマと出会ってから夢を見なかったのはアルマに惚れたからだと思っていた。でも、俺はアルマが死んですぐにシャルに抱かれる夢を見た。死んだアルマに会いたいと、もう一度抱かれたいと願っていたはずなのに、夢が映す深層の願望は違った。
「おはようございます、兄さん」
暗闇だった世界が明るく変わる。肺に取り込まれる空気から淫靡さが消え、湿気が増えた。白く明るいタイル張りの壁に目の前の大きな鏡、胸の前に持ち上げられた湯桶──銭湯、いや、この邸宅の風呂だ。
「しゃるぅ……?」
「…………へ?」
俺は弟に背を預け、腹に右腕を巻かれてい硬い床に膝を着いた弟に背後から抱き支えられている。眠った俺を風呂に入れてくれていたらしい。
「……ぁ、え、えっと……ぉ、弟……」
シャルは俺が夢の中で弟の姿を取っている性欲に名付けた名だ、現実の弟が知っているわけがない。
「お湯、かけますね」
ぼうっとしたまま頷き、肩からゆっくりとお湯をかけられる。それが何度か繰り返されると、弟は湯桶に左手を浸けた。
「…………っ!? ひっ、ゃ、あぁっ!」
次の瞬間、弟の指が後孔に沈んだ。俺の情けない声が響いたのなんて気にせずに、弟は右手で湯桶を持って俺の中にお湯を注ぎ始めた。
「ひっ……ぁ、おと、とぉっ……やだっ」
「……あぁ、ごめんなさい兄さん。先に言うべきでしたか? 兄さん、ペンや尻尾を入れたでしょう? それでなくても粘っこいのがついていたので、ちゃんと洗わないといけません」
子供に諭すように言われ、腸内にペンがないのに気付き、弟に抜き取られたのだと悟って顔を真っ赤に染めた。
「少しだけ我慢してくださいね」
弟は風呂用の椅子を持ってきてその上に座り、膝の上に俺を乗せた。薄く曇った鏡に開いた穴が映るように、ぐっと尻肉を引っ張った。
「……っ、弟……か、鏡は……」
「ごめんなさい兄さん、中がどうにかなっていたら大変なので、ちゃんとしたいんです。見えるようにさせてください」
それなら直接見てくれ、鏡に映る自分自身を見せないでくれ、そう続けようとしたが人差し指と中指に穴を広げられて言葉に詰まった。
「お湯、ちょっと入れますね」
くちゅ、ぐちゅ……くちゅっ……水音が響く。弟の腕にしがみつき、穴の中を指で掻き回される自分自身の姿が鏡に映る。自分の足が足の付け根から数センチしかないことを実感し、びんと勃った陰茎がふるふると震えていることを知る。
「……っ、ん、くぅっ……!」
「…………とろとろした液体が溢れてきます。白くはないので消化できなかった精液ではなさそうで……いえ、もしかしたら中途半端にしか消化できなかったのかも」
そんな深刻な理由ではない。弟の指に興奮して腸液を漏らしているだけだ。ぬるぬるとした腸壁をもっと奥まで擦って欲しくて、それをやりやすいように濡れているだけだ。しかしそれを言うのははばかられる。
「全然止まりませんね……大丈夫でしょうか」
「ぁ、はっ……弟っ、弟ぉっ!」
「ごめんなさい兄さん、もう少しだけ」
もっと奥まで入ってと言いそうで怖い。もっと腸壁を擦ってと言いそうで怖い。指よりも太く長く硬いものをくれなんて口走ってしまいそうで怖い。だから早く終わって欲しい。
「……ところで、兄さん。何か僕に言わなきゃいけないことありませんか?」
夢の内容がフラッシュバックする。犯されながら教え込まれたセリフを吐きそうになる。
「……お、お風呂入れてくれて、ありがとう」
「………………どういたしまして、兄さん」
嫌だダメだと思うほどに記憶は蘇り、鮮明になり、願望が育つ。
鈴口に尻尾を沈ませて後孔を自分の手で広げ、シャルに貫かれたいと叫んでしまいそうになる。
「あ、の……弟っ、その……垂れてる、とろとろしてるのは……多分、潤滑油として出てる分だから」
「え……ぁ、そ、そうなんですか? ごめんなさい!」
ねだらずに問題を回避出来たと喜ぶのも束の間、指が抜かれて浅い絶頂を迎えた。
「他のところも洗っていきますね」
弟はお湯をかけつつ俺の身体を手のひらで洗っていく。その手は恐る恐る俺に触れるため、くすぐったい快楽が注がれる。僅かに残った太腿を撫でられ、脇腹をなぞられ、脇を洗った手はお湯を足して胸に進む。後ろから手を回されていると揉みしだかれているように鏡には映るが、実際は皮膚に微かに当たりながら乳首を無意識に弾いていくだけだ。
「ひっ、んんっ……弟ぉっ……」
挫けそうになりながらも何とか洗浄を耐えていると、弟の手が尻尾と陰茎に近付く。
「弟っ……!? 待って、せめてどっちかっ……ぁ、ひぃいんっ! ぁああっ! ひぁあぁんっ!」
扱くように前後しながら洗われ、愛撫されている時と同じように叫ぶ。もう絶頂してしまうと体を反らせて性器を震わせ、穴をヒクヒクさせていたが絶頂は始まらない。弟が手を離してしまったのだ。
「兄さん、洗えましたよ。僕も軽く湯浴みをするので湯船で待っていてください、腕が動くなら溺れませんよね?」
風呂の底に座ると肩まで湯に浸かる。温かさはちょうどよく心地よいものなのだろうが、身体の熱はそれ以上だ。俺は弟に無意識に焦らされた身体を慰めるため、勃起したままの性器に手を伸ばした。
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