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優しい放置に文句は言えず

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不意にアルマとの朝を思い出す。寝ているアルマのズボンを脱がして、朝勃ちに食欲をそそられて勝手に口淫を始めた新婚生活を脳裏に甦らせる。

「……っ、兄さん……? あのっ、そんなに……」

亀頭に短いキスを繰り返しながら、これを咥えてしまったらアルマを裏切ることにはならないだろうかと頭を悩ませる。

「兄さん……焦らさ、ないで……!」

「……ぁ、ごめん」

甘美な香りが思考を溶かしていく。知らぬ間に血管が浮くほどに勃起し、透明な蜜をとろとろと溢れさせるその反応に心の奥底の何かを刺激される。

「ぁ、むっ……んん……んむ、ぅ……」

先走りの汁さえも逃したくなくて根元まで咥え、根元を唇ではむはむと挟んで刺激しつつ幹の部分を舐め回し、甘い蜜を舐めとっていく。

「あぁっ……兄さん、兄さんが、僕のを……兄さんっ……」

弟の手は落ち着きなく自身の太腿の上を右往左往している。俺はそんな手を片方掴んで自分の頭に乗せた。

「ん……撫でて、おとーと……撫でてくれたら、やる気出るから」

「え……い、いいんですか? 僕なんかが、兄さんの御髪に触れても……」

「は……? ぅ、うん……撫でて」

咥えなおしてしばらくすると弟の手が恐る恐る俺の髪に触れた。ガラス細工を眺めるよりも慎重に怖々と触れてくる手に笑みを零す。

「兄さん……?」

「……ん……こしょばい、普通に触れよぉ……こうやって、このくらいの強さで……」

「わ、ぁっ……わ、分かりました……」

別にくせっ毛と言う程でもないのに、髪越しに頭皮に触れたのがそんなに不思議なのか。やはり少しズレた優しいいい子だ、可愛らしい。

「ん……ふっ、んんっ、んむ……はぅっ……んぅ」

撫でられるとやる気が出る。雄の匂いが完全に肺を満たしたのもあって弟の腰に腕を巻き、顔を前後に揺らして吸いながら口全体で扱き始めた。

「ぁ、兄さんっ、兄さんっ……ぁ、あっ、兄さん、そんな……のっ、できるんですね……」

やはり弟の味と匂いが一番俺を狂わせる。インキュバスだからだろうか、それとも夢に幻影を作り上げるほどに心の奥底で求めてしまっているからだろうか。

「兄さんっ、兄さん……兄さん、もう、出ますっ……!」

微かな震えを感じ、弟の宣言を聞き、生え際にキスをするように根元まで咥え込む。喉の奥に流し込まれる精液の味と匂いに腰が勝手に揺れ始める。

「はぁっ、はぁっ……あぁ、兄さん、兄さんの中に出して…………兄さん、兄さん、どうですか?」

アルマどころかオークよりも多い精液に溺れかけて、俺の静かな苦しみを知らない弟に背を摩られる。

「お腹いっぱいになれましたか?」

気管に入った分を咳き込むことで口に戻せたので食道に流し込み、尿道に残った分も吸ってから口を離してベッドに手を着き、上体を起こす。

「兄さん? 噎せてましたか? 大丈夫ですか?」

「平気……美味しかった、ありがとう、弟」

足を伸ばすつもりで腰をズラすも、足は付け根から数センチしか残っていない。動きにくいなと思いつつ食道から広がっていく熱に期待と恐怖を煽られていると、弟が俺の足に触れた。

「ごめんなさいっ……! もっと、早く……来れば、兄さんの足は……」

ポロポロと涙を零す弟を慰めなけば。お前が責任を感じる必要はないと、来てくれただけで嬉しいと、兄として微笑んで伝えなければいけない。

「兄さん……?」

そっと手を重ねると弟は潤んだ瞳に俺の顔を映した。

「……撫でて。足、撫でてっ、揉んで……!」

「え? に、兄さん?」

弟は手を引いてしまった。俺は引っくり返るようにベッドに倒れ、足の断面を隠すように手首を当て、臀の肉を指でかき分けて割れ目を広げた。

「ここっ、ここにっ……」

弟にねだりかけて、自分はアルマの伴侶なのだと自分に言い聞かせる。

「媚薬効果ですか? こんなに強いなんて……兄さん、ごめんなさい……えっと、辛いと思いますけど……」

弟にねだるのは耐えたが限界は早々に訪れ、俺は自分で自分の性器を扱き、もう片方の手で穴をほじくり始めた。ただでさえ蕩けている頭が更に蕩けるための快楽を求めて指を繊細に動かせる訳もなく、下品な水音が部屋に鳴り響く。

「ぅ、うっ……ずんずん突いて欲しいっ……お腹押して、尻尾ぐりぐりしてっ、乳首抓って、全部分かんなくなるまで……して欲しいっ……」

口に出すな、優しいいい子な弟にそんな醜い欲望聞かせるな。

「兄さん、兄さん……聞いてください、兄さん」

「あっ、ぁあっ……はぁっ、だめ、手じゃ届かない…………奥突いて、掻き回してっ……ぁあ……だめ、だめっ……欲しいっ、だめぇっ…………だめ? なんで……なんでぇ? 欲しいよぉっ、欲しいっ……こっちにせーえき欲しいっ……」

指で穴の入口付近ばかりを擦っていると焦れったさがどんどんと増して、心配そうに俺を見つめる弟を見ているとシャルに抱かれた夢を思い出して、更に下腹が疼いて頭が蕩ける。

「は、ぁ、あぁっ……シャル…………違う、おとーとぉ、入れて……ぐちゃぐちゃにしてっ、お腹破れるくらい突いてぇっ……」

「兄さん……兄さんが言ったんですよ。僕とはキスもセックスもしたくないって。アルマさんに操を立てたいんでしょう?」

肩を掴んで諭すように言われても、以前よりも深い催淫状態にある俺はその言葉を理解出来ない。

「おとーとっ、おとーとぉ、しこしこして? おとーとの大っきいので背骨までごりゅごりゅして欲しいっ……夢みたいにしてぇ?」

「…………僕は兄さんの夢なんて知りませんよ」

「おとーとが出たのっ、多分俺の望みなのっ、壊れるくらい乱暴に犯して欲しいっ……! 縛って、ずんずん突いて欲しいのぉっ……ね、お願い、お願いっ……」

肩を掴んだ手が離れ、弟はベッドから降りて服を整える。

「……射精封じの術はかけてあります。リボンを解いても僕が術を解かない限り、出せませんよ。好きなだけ自分で自分を慰めてください」

弟はアルマの首に俺の方を向かせると静かに微笑んだ。

「もし、媚薬効果が切れても僕に抱かれたいと思ってくれたなら、その時はアルマさんを裏切ったってことです。アルマさんを裏切って僕でよがりたいって兄さんが誠心誠意お願いしてくれるなら、僕のことが大好きでキスもセックスもしたいって言うなら、僕は応えることも考えますよ。それじゃ……掃除がありますから」

蕩けた頭には理解出来ない言葉を置いて、弟は部屋を出ていく。俺はその背中に向かって性交のおねだりを叫び続けたが、弟は無慈悲に扉を閉めた。
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