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勇者パーティイン
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勇者は馬車を持っていたが、馬は居ない。この間食うのに困って売ったと道中で聞いた。なら馬車も売ればいいと思うのだが、重要な荷物の持ち運びや野宿しなければならない時に便利だから馬車は手放せないとのことだ。
「……本当に乗ってていいのか?」
俺は馬車に乗っていた。カタラも隣に居る。彼が魔法で点けたランプは白熱電球と似た明るさを持っていて、採光窓のない馬車内も十分に明るい。
「いいのいいの、ネメスィは力馬鹿だから」
馬車を引いているのは勇者、ネメスィ。馬が引くものを引くとは流石勇者……俺とカタラの二人が乗っている上に荷物も多くかなりの重量だと思うのだが、二十キロは軽く出ていそうだし外からは「うぉぉー!」とか聞こえてくる。
「そ、れ、よ、り……」
「な、何だ?」
隣に座っていたカタラが手を重ねてくる。太陽の光を忌避したような白い指が俺の指の間に差し込まれる。
「…………腹、減ってないか?」
眉を隠していた濃い灰色の髪をかき上げて、深海のような青色の瞳に俺を映す。
「えっ……と」
「サク、お前、スライムに襲われてたよな? あの森には男女問わず男根に弱くしちまうエロスライムが出るんだよ。それに襲われてたんだろ?」
「男根て……お前」
中性的で綺麗な顔立ちから発せられるその言葉は何故か衝撃的だ。
「加えてお前はインキュバス、エロいことしてないと死ぬ下級の悪魔。インキュバスでも男とヤっても食事になるんだろ?」
「し、知らない……」
何、迫られてるの? 例の特性は勇者パーティのメンバーでも発動するの? 精霊使いのくせに精霊の加護とかないの?
「調教済みの黒髪インキュバス……すっげぇレア物。知らないってことは男とヤったことないんだよな?」
「…………スライム、が、初めて……」
「女は?」
俺は黙って首を横に振る。するとカタラは笑みを深くした。
「調教済みの黒髪インキュバスの初物……!? やばいやばいやばい……超レア過ぎて気ぃ飛びそう」
転生前の世界に居たらソシャゲで破産するタイプと見た。コボルトに口を犯され、弟とキスと飲精などは済ませたことは言っておいた方が良いのだろうか。
「……もう一回聞くぞ、サク……腹減ってないか?」
「…………減ってる」
スライムに精液を搾り取られてしまったし、無駄な抵抗で随分消費した。
「じゃあ、お前は何をするべきだ?」
「……食事」
「今目の前にはお前にかなり興奮してる人間が居る……どうする? サク、お前はどうしたい?」
「…………食事を、させて欲しい……食事、したい」
頬や顎を撫でられてねだるような態度を引き出されてしまった。けれど、これは食事だ。快楽を求めているだけではない、生きるのに必要な行為なのだ。
「……じゃあ、脱げよ、俺を誘惑しろよ」
貰ったばかりの服を脱いで、カタラに肢体を晒すのも、生きるのに必要な行為。だから俺に落ち度はない。
「ははっ……普通に勃った。俺元々男にはそんなに興味無いんだけどさ、なーんか……お前見てからずーっとヤりたくてうずうずしてたんだよなー……」
細い指先に脇腹を撫でられ、肉欲に満ちた深い青の瞳が間近に迫る。自分が性欲の対象にされていると思うと寒気がした。
「……エロい身体しやがって」
脇腹を撫でていた指が離れたかと思えば腹に手のひらが触れて、ゆっくりと持ち上がって胸に添えられる。軽く撫でたらまた離れて、膨らみ始めていた乳首を摘んだ。
「んゃっ……」
そのまま指の腹でくりくりと捏ねられる。乳首で感じるなんてフィクションだと思っていたのに、今、乳首からピリピリと快感が広がっている。
「硬くなってきてるな、感度良いじゃん。スライムの調教の成果か?」
「ゃ……言うな、よ……」
「……っ、何だよ、可愛い反応しやがって……そんなに早くここに欲しいか?」
腰に添えられていたもう片方の手が尻を鷲掴みにして、カタラに性器を押し付けさせる。
「ぁんっ……あっ、やだ……いや……」
割れ目に侵入した中指が穴の口に触れて、尻を揉みしだいていたままに指が曲がって、第一関節までが入って拡げられる。
「ぁあっ! はっ、は……ぁあぁ……」
「……指、入れて大丈夫だよな?」
スライムに入れられた触手は最終的に手首よりも太くなっていた気がする。突かれた感覚でしかないけれど。
後孔をほじられるなんて嫌なのに、考えたくもないのに、僅かに指が入ってからずっと下腹が疼いている。無意識に首を縦に振ってしまい、中指がゆっくりと入ってきた。慎重に、少しずつ、肉をかき分けて進まれる。
「キッツ……お前マジでスライムにヤられたのか?」
「……手首より、太いの……入れられた」
「嘘だろ……それでこんだけキツいとか。インキュバス怖ぇ……搾り殺される訳だ」
「…………三本くらい、入れていいから」
自分でも考えられないようなことをねだった。口をついて出たこの言葉はきっとスライムによる調教の成果なのだろう、犯されるのに抵抗がなくなり始めているのだ。いや、これは犯されるなんて言わない、抱かれるんだ。これから冒険する仲間に丁寧に抱かれる。
「さ、三本って……無理だろ。え……? あ、うわっ……入る、やばい……キツいのにやらかい……うわうわうわ……インキュバスすげぇ、痛くないよな?」
「はっ、ぁ、はぁっ……だい、じょぶ……」
穴の中に指を何本も突っ込まれていると思うと泣きたくなるけれど、気持ちいい。気持ちいいと感じてしまうことにも泣きたくなる。
「うわ……マジで柔らかい……気持ちいいなこれ」
カタラは恐る恐る指を動かして中の感触を楽しんでいる。オナホをぷにぷに触ってると何か楽しいとか、そんな感覚と同じだろうか。
「指動かすの結構怖いな……大丈夫だよな? 痛かったら言えよ」
このまま勇者パーティで性奴隷の地位が確立してしまったとしても、そう悲惨なことにはならないかもしれない。慎重な愛撫に悪くない未来を感じた。
「……本当に乗ってていいのか?」
俺は馬車に乗っていた。カタラも隣に居る。彼が魔法で点けたランプは白熱電球と似た明るさを持っていて、採光窓のない馬車内も十分に明るい。
「いいのいいの、ネメスィは力馬鹿だから」
馬車を引いているのは勇者、ネメスィ。馬が引くものを引くとは流石勇者……俺とカタラの二人が乗っている上に荷物も多くかなりの重量だと思うのだが、二十キロは軽く出ていそうだし外からは「うぉぉー!」とか聞こえてくる。
「そ、れ、よ、り……」
「な、何だ?」
隣に座っていたカタラが手を重ねてくる。太陽の光を忌避したような白い指が俺の指の間に差し込まれる。
「…………腹、減ってないか?」
眉を隠していた濃い灰色の髪をかき上げて、深海のような青色の瞳に俺を映す。
「えっ……と」
「サク、お前、スライムに襲われてたよな? あの森には男女問わず男根に弱くしちまうエロスライムが出るんだよ。それに襲われてたんだろ?」
「男根て……お前」
中性的で綺麗な顔立ちから発せられるその言葉は何故か衝撃的だ。
「加えてお前はインキュバス、エロいことしてないと死ぬ下級の悪魔。インキュバスでも男とヤっても食事になるんだろ?」
「し、知らない……」
何、迫られてるの? 例の特性は勇者パーティのメンバーでも発動するの? 精霊使いのくせに精霊の加護とかないの?
「調教済みの黒髪インキュバス……すっげぇレア物。知らないってことは男とヤったことないんだよな?」
「…………スライム、が、初めて……」
「女は?」
俺は黙って首を横に振る。するとカタラは笑みを深くした。
「調教済みの黒髪インキュバスの初物……!? やばいやばいやばい……超レア過ぎて気ぃ飛びそう」
転生前の世界に居たらソシャゲで破産するタイプと見た。コボルトに口を犯され、弟とキスと飲精などは済ませたことは言っておいた方が良いのだろうか。
「……もう一回聞くぞ、サク……腹減ってないか?」
「…………減ってる」
スライムに精液を搾り取られてしまったし、無駄な抵抗で随分消費した。
「じゃあ、お前は何をするべきだ?」
「……食事」
「今目の前にはお前にかなり興奮してる人間が居る……どうする? サク、お前はどうしたい?」
「…………食事を、させて欲しい……食事、したい」
頬や顎を撫でられてねだるような態度を引き出されてしまった。けれど、これは食事だ。快楽を求めているだけではない、生きるのに必要な行為なのだ。
「……じゃあ、脱げよ、俺を誘惑しろよ」
貰ったばかりの服を脱いで、カタラに肢体を晒すのも、生きるのに必要な行為。だから俺に落ち度はない。
「ははっ……普通に勃った。俺元々男にはそんなに興味無いんだけどさ、なーんか……お前見てからずーっとヤりたくてうずうずしてたんだよなー……」
細い指先に脇腹を撫でられ、肉欲に満ちた深い青の瞳が間近に迫る。自分が性欲の対象にされていると思うと寒気がした。
「……エロい身体しやがって」
脇腹を撫でていた指が離れたかと思えば腹に手のひらが触れて、ゆっくりと持ち上がって胸に添えられる。軽く撫でたらまた離れて、膨らみ始めていた乳首を摘んだ。
「んゃっ……」
そのまま指の腹でくりくりと捏ねられる。乳首で感じるなんてフィクションだと思っていたのに、今、乳首からピリピリと快感が広がっている。
「硬くなってきてるな、感度良いじゃん。スライムの調教の成果か?」
「ゃ……言うな、よ……」
「……っ、何だよ、可愛い反応しやがって……そんなに早くここに欲しいか?」
腰に添えられていたもう片方の手が尻を鷲掴みにして、カタラに性器を押し付けさせる。
「ぁんっ……あっ、やだ……いや……」
割れ目に侵入した中指が穴の口に触れて、尻を揉みしだいていたままに指が曲がって、第一関節までが入って拡げられる。
「ぁあっ! はっ、は……ぁあぁ……」
「……指、入れて大丈夫だよな?」
スライムに入れられた触手は最終的に手首よりも太くなっていた気がする。突かれた感覚でしかないけれど。
後孔をほじられるなんて嫌なのに、考えたくもないのに、僅かに指が入ってからずっと下腹が疼いている。無意識に首を縦に振ってしまい、中指がゆっくりと入ってきた。慎重に、少しずつ、肉をかき分けて進まれる。
「キッツ……お前マジでスライムにヤられたのか?」
「……手首より、太いの……入れられた」
「嘘だろ……それでこんだけキツいとか。インキュバス怖ぇ……搾り殺される訳だ」
「…………三本くらい、入れていいから」
自分でも考えられないようなことをねだった。口をついて出たこの言葉はきっとスライムによる調教の成果なのだろう、犯されるのに抵抗がなくなり始めているのだ。いや、これは犯されるなんて言わない、抱かれるんだ。これから冒険する仲間に丁寧に抱かれる。
「さ、三本って……無理だろ。え……? あ、うわっ……入る、やばい……キツいのにやらかい……うわうわうわ……インキュバスすげぇ、痛くないよな?」
「はっ、ぁ、はぁっ……だい、じょぶ……」
穴の中に指を何本も突っ込まれていると思うと泣きたくなるけれど、気持ちいい。気持ちいいと感じてしまうことにも泣きたくなる。
「うわ……マジで柔らかい……気持ちいいなこれ」
カタラは恐る恐る指を動かして中の感触を楽しんでいる。オナホをぷにぷに触ってると何か楽しいとか、そんな感覚と同じだろうか。
「指動かすの結構怖いな……大丈夫だよな? 痛かったら言えよ」
このまま勇者パーティで性奴隷の地位が確立してしまったとしても、そう悲惨なことにはならないかもしれない。慎重な愛撫に悪くない未来を感じた。
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