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きゃんぷ、じゅうよん
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ロッジに到着し、自宅ほどではないものの大きな風呂場に呆れる。
俺は雪風や雪兎と違って生粋の金持ちではないため、そういう部分を思い知らされるとため息が出てしまう。
「犬なんとかさん、適当に廊下とかでヤっててくれない? 俺達先に入りたいからさ」
脱衣所の椅子に雪風を座らせると叔父が入ってきてとんでもない提案をした。
「はぁ? 嫌に決まってんだろ。俺が先に着いたんだぞ」
「先にヤってたのは俺達だよ早漏」
「ダラダラ歩いてたからだろ遅漏」
叔父は俺が雪風にしたように涼斗を椅子に座らせ、俺と真正面から睨み合い、再び頭突きをし合った。
「君さぁ、年上への礼儀ってものがなってないよね」
「礼儀を払うべき相手くらい見分けるに決まってんだろクソ野郎」
「悪人面そのままの性格だね、ひん曲がった性格してるから目つき悪いんだよ」
「見た目がよくなけりゃてめぇみてぇなクソ野郎は速攻で死んでんだろうな」
頭突きは叔父の方が弱いようで、俺は何ともないけれど叔父は涙目になってきている。それでも声色を整えて煽ってくるのだから面白い。
「弱い犬ほどよく吠えるってね、キャンキャンうるさいよ。でもま、俺が使い古した肉便器を気に入って遊んでるとこ、可愛げあるよね」
「…………ぁあ?」
赤と青のオッドアイが涙を溜めたまま愉悦に歪む。
「だから、俺が作って、色んな奴らとヤらせた、ガバガバの肉便器を気に入ってるところは、可愛いって言ってるんだよ。ボロボロのシャツにくるまる薄汚い犬みたいで」
「……ぼつぼつ黙れちゃ」
「雪兎君に懐くのは分かるよ? あの子可愛いもんね、ああいう自分は痛い目見ないって理由もなく確信してるガキをぶち犯す瞬間がたまらなく好きだよ」
腕を振り上げた瞬間、側頭部に蹴りを食らってその場に屈む。脳が揺らされた、視界がブレている。
「ふふっ……俺のためだけに特殊部隊と同じ訓練受けてた涼斗さんが君みたいな野良犬に負けるわけ……涼斗さん? ど、どうしたんですか?」
俺を蹴ったのは涼斗らしい。彼は俺に追撃をすることはなく、叔父に足払いをかけて転ばせ、馬乗りになって首を絞め始めた。
「……凪さんの恋人でいられないなら死にます。僕が死んだ後でも凪さんが他の人を抱くのは耐えられないので一緒に死にましょうね」
「やべぇ真尋早く止めろ!」
「いいじゃん別に……」
「感情が倫理を超えちゃダメだろ!」
確かに嫌悪に任せて殺人を見逃すのはよくない。雪兎に知られたら「最低」と罵られて泣かれるかもしれない。罵られたいけれど泣かせたくはない。
俺は涼斗を羽交い締めにした。
「よし! お前の方が力は強いんだから頑張って押さえてろよ! おい起きろクズ兄貴! 起きて訂正してキスでもしろよ、そうすりゃ落ち着く!」
「げほっ……ちょ、ちょっと待っ……声、出ない」
涼斗は勢いよく両手を真上に振り上げ、同時に腰を低く落とし、俺の拘束から脱した。
「は……!? ゆ、雪風! 危なっ……!」
腰を落とした低い姿勢のまま地面を蹴った涼斗は叔父の背中を叩いていた雪風の首根っこを掴み、引き倒した。
「いっ、てぇ……」
床で背中を打ち、棚で頭を打った雪風はそのまま床に丸まる。痛がる雪風を見て俺の中で何かが切れた。
「きさんっ……!」
「あっ、ちょ、待て真尋俺なんともないっ……ぁー、もうダメだ」
いくら技術で上回っていても涼斗は嫉妬と怒りで我を忘れているし、俺よりも小柄で細身だ。簡単に捕まえられる。
「痛た……ちょっと犬俺の涼斗さんに何してんの!? 噛むなよっ! おい離せ! 風ぇ! ボーッとしてないでこの駄犬何とかしろよ!」
「今人呼んだからちょっと待て、俺らじゃ無理……あーっ! りょーちゃんカッターはやめてカッターはやめて真尋死んじゃう!」
「噛むなって言ってるだろこのクソ犬! 涼斗さんから離れろってば!」
「誰かーっ! 早くーっ! キレたら止まんねぇのが両方キレたんだよ早く来いよぉ!」
涼斗に掴みかかった後のことはよく覚えていない。
気が付くと俺は使用人数人がかりで押さえ込まれており、腕を拘束されている真っ最中だった。
俺は雪風や雪兎と違って生粋の金持ちではないため、そういう部分を思い知らされるとため息が出てしまう。
「犬なんとかさん、適当に廊下とかでヤっててくれない? 俺達先に入りたいからさ」
脱衣所の椅子に雪風を座らせると叔父が入ってきてとんでもない提案をした。
「はぁ? 嫌に決まってんだろ。俺が先に着いたんだぞ」
「先にヤってたのは俺達だよ早漏」
「ダラダラ歩いてたからだろ遅漏」
叔父は俺が雪風にしたように涼斗を椅子に座らせ、俺と真正面から睨み合い、再び頭突きをし合った。
「君さぁ、年上への礼儀ってものがなってないよね」
「礼儀を払うべき相手くらい見分けるに決まってんだろクソ野郎」
「悪人面そのままの性格だね、ひん曲がった性格してるから目つき悪いんだよ」
「見た目がよくなけりゃてめぇみてぇなクソ野郎は速攻で死んでんだろうな」
頭突きは叔父の方が弱いようで、俺は何ともないけれど叔父は涙目になってきている。それでも声色を整えて煽ってくるのだから面白い。
「弱い犬ほどよく吠えるってね、キャンキャンうるさいよ。でもま、俺が使い古した肉便器を気に入って遊んでるとこ、可愛げあるよね」
「…………ぁあ?」
赤と青のオッドアイが涙を溜めたまま愉悦に歪む。
「だから、俺が作って、色んな奴らとヤらせた、ガバガバの肉便器を気に入ってるところは、可愛いって言ってるんだよ。ボロボロのシャツにくるまる薄汚い犬みたいで」
「……ぼつぼつ黙れちゃ」
「雪兎君に懐くのは分かるよ? あの子可愛いもんね、ああいう自分は痛い目見ないって理由もなく確信してるガキをぶち犯す瞬間がたまらなく好きだよ」
腕を振り上げた瞬間、側頭部に蹴りを食らってその場に屈む。脳が揺らされた、視界がブレている。
「ふふっ……俺のためだけに特殊部隊と同じ訓練受けてた涼斗さんが君みたいな野良犬に負けるわけ……涼斗さん? ど、どうしたんですか?」
俺を蹴ったのは涼斗らしい。彼は俺に追撃をすることはなく、叔父に足払いをかけて転ばせ、馬乗りになって首を絞め始めた。
「……凪さんの恋人でいられないなら死にます。僕が死んだ後でも凪さんが他の人を抱くのは耐えられないので一緒に死にましょうね」
「やべぇ真尋早く止めろ!」
「いいじゃん別に……」
「感情が倫理を超えちゃダメだろ!」
確かに嫌悪に任せて殺人を見逃すのはよくない。雪兎に知られたら「最低」と罵られて泣かれるかもしれない。罵られたいけれど泣かせたくはない。
俺は涼斗を羽交い締めにした。
「よし! お前の方が力は強いんだから頑張って押さえてろよ! おい起きろクズ兄貴! 起きて訂正してキスでもしろよ、そうすりゃ落ち着く!」
「げほっ……ちょ、ちょっと待っ……声、出ない」
涼斗は勢いよく両手を真上に振り上げ、同時に腰を低く落とし、俺の拘束から脱した。
「は……!? ゆ、雪風! 危なっ……!」
腰を落とした低い姿勢のまま地面を蹴った涼斗は叔父の背中を叩いていた雪風の首根っこを掴み、引き倒した。
「いっ、てぇ……」
床で背中を打ち、棚で頭を打った雪風はそのまま床に丸まる。痛がる雪風を見て俺の中で何かが切れた。
「きさんっ……!」
「あっ、ちょ、待て真尋俺なんともないっ……ぁー、もうダメだ」
いくら技術で上回っていても涼斗は嫉妬と怒りで我を忘れているし、俺よりも小柄で細身だ。簡単に捕まえられる。
「痛た……ちょっと犬俺の涼斗さんに何してんの!? 噛むなよっ! おい離せ! 風ぇ! ボーッとしてないでこの駄犬何とかしろよ!」
「今人呼んだからちょっと待て、俺らじゃ無理……あーっ! りょーちゃんカッターはやめてカッターはやめて真尋死んじゃう!」
「噛むなって言ってるだろこのクソ犬! 涼斗さんから離れろってば!」
「誰かーっ! 早くーっ! キレたら止まんねぇのが両方キレたんだよ早く来いよぉ!」
涼斗に掴みかかった後のことはよく覚えていない。
気が付くと俺は使用人数人がかりで押さえ込まれており、腕を拘束されている真っ最中だった。
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