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びょういん、じゅうさん

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ミニスカナースコスプレの雪兎に寄り添われ、手を繋いで両手を緩やかに封じられ、耳元で吐息混じりに擬音語多めに囁かれる。

「ぁあ……ゆきさまぁ、して、乳首……虐めて」

「……僕は看護師さんだよ」

役を忘れたお仕置きだとでも言うように耳に息を吹き込まれ、カクカクと腰が揺れた。これまで行われた陰茎や口への愛撫、これから行われるだろう乳首虐め、それを囁かれた俺の耳は俺自身の唾液に濡れていて、雪兎の息をより敏感に感じてしまう。

「それじゃあ次、次はどこを触ってあげようかな。入れて欲しい入れて欲しいってうずうずしてるお尻の穴かな?」

「ぁ……してっ、して……めちゃくちゃに、して」

「そうだね……まず指一本だけ入れて」

雪兎は俺の目の前に手を広げ、中指を曲げた。

「くちゅくちゅ、くちゅくちゅ、入ってすぐのところだけ擽ってあげちゃおうかな」

「やだぁ……焦らさ、ないで」

「んー? じゃあもう三本入れちゃおうか」

小指と親指を曲げて三本指を揃えて揺らし、出し入れを空中で再現する。

「中で広げたりー」

揃えられていた指が広がり、曲げ伸ばしが行われ、それが腸内で行われることを想像すると自分ても分かるくらいに穴がヒクついた。

「患者さんのよわーいところ、狙い撃ちしちゃったり? ほら、くるみくらいの大きさのぉ、弄って欲しくて仕方なくて、ごりごり擦って欲しくて、仕方ないの。そこ指でコツコツされたら、患者さんはどうなるの?」

「ぁ、あっ……はぁっ……しゃ、射精、します」

「……前は触ってないよ? どこかに入れてる訳でもない。精子無駄に撒き散らしちゃうんだ? 受精してやるんだーって頑張る精子達、シーツの上に落として無駄死にさせちゃうんだ」

「は、いっ……俺は、後ろほじくられてっ……みっともなく、情けなく、精子無駄打ちしますっ……! したいんですっ、だから……ユキ様、いえ、看護師さん……あなたの綺麗な指で、俺をもっと情けなくしてくださいっ……!」

話されるだけで、話しているだけで、先走りの汁も腸液もどんどんと溢れ、足の間にまで不快な感覚を広げていく。

「……僕みたいな小さいの、組み伏せて無理矢理入れちゃえばいいのに、指先だけで情けなくイかせて欲しいんだ?」

「はいっ、はいっ……!」

「変態」

「はいぃっ……! 変態です、女装した美少年に弄ばれたくて、中出しされたくて仕方ない、ド変態ですっ! もう限界なんです、後ろぐしょぐしょなんです、指でほぐさなくったって平気です、だからっ、どうか、お慈悲を……!」

限界まで開脚しながら言っても雪兎は微笑むばかりで俺を抱こうとはしてくれない。

「今まで聞いた中で最高かも、そのおねだり」

「じゃあっ……!」

「でも、ダメ。言ったでしょ? 入院中はセックス禁止」

雪兎は俺の両手の中から手を抜き、ベッドから降りてしまった。鞄を漁っていたので帰る気なのかと焦っていると雪兎はクリームが入っているらしい瓶を取り出した。

「回診はそろそろ終わりだよ、患者さん。最後にお薬塗ろうね」

「え……? そ、その薬って……」

「感動上がってぇ、うずうずしてぇ、仕方なくなるお薬。先生がポチ用に調合してくれた世界最高唯一の媚薬だよ、廃人になりそうなくらいの効果なのに、副作用依存性は一切なし! ま……性的嗜好とかは変わるかもだけど」

雪兎は再びベッドに乗り、薬の説明を聞いて閉じてしまった足を開くよう言った。そんな薬を塗られてもすぐに抱かれるなら歓迎するが、退院するまで抱いてもらえないなら地獄だ。

「ぁ、んっ……!」

クリームをたっぷりとつけた雪兎の指がつぷっと俺の中に入る。指は腸壁にムラなくクリームを塗りつける気なのか満遍なく擦ってきて、俺はすぐに絶頂を迎えた。

「届くとこには大体塗れたかな。三十分くらいだからね」

そう言いながら雪兎はクリームを手のひらに零していく。何をする気かと思えばその手で俺の陰茎を握り、射精を終えたばかりのそれを激しく扱いた。

「ぁあああっ!? ひっ、ぁ、あっ! 今っ、今イったぁっ! ぁああっ!」

余った分を陰嚢に揉み込むと、雪兎は薬瓶の蓋を閉じた。

「全身に塗りたいんだけど粘膜にしか意味ないから、ごめんね? あと、僕が帰ったらベッドに縛り付けてもらうからね。ご飯にも飲むタイプの本物の媚薬本当に混ぜてもらうし、注射もしてもらおうかな? どうして欲しい?」

「そ、それ……大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよやだなぁ、僕のお家は製薬会社だよ? その会社持ちの病院だよ? 僕が無茶言っても適切な量しか使わないに決まってるじゃん……」

どうして最後の方は残念そうなんだ。雪兎は俺をどうしたいんだ。

「……ま、それでも精神面がどうなるかは分かんないくらいのものだと思うけど。じゃあ、媚薬漬け入院生活楽しんでね」

雪兎がベッドを降りる、白衣を着た男達がカーテンを勢いよく開ける。

「お前ら医者じゃないのかよなんでグラサンかけてんだよぉ!」

「ばいばーいポチ! また来るね、お薬塗りに!」

「あ、さようならユキ様……薬は嫌ですぅ!」

使用人を引き連れた雪兎が病室を出ると医師達はサングラスを外し、俺を拘束するための革ベルトを持った。

「ま、待てよ! シャワー浴びさせろ! 服も替えたいしシーツも替えたいしっ……!」

医師達は顔を見合わせ、拘束用のベルトを置いた。意外と話が通じるタイプだ。二人の医師に連れられてシャワー室に行く道中、ふと気になって聞いてみた。

「あの……なんでサングラス外したんですか?」

「若神子家直系男児を肉眼で見る訳にはまいりません」

「……え? なんで、です?」

「古来より神を直視すると目が潰れるだとか気が狂うだとか言うでしょう、アレですよ」

雪兎も雪風も神ではないだろう。俺や叔父の恋人は普通に肉眼で見ている訳だし、平気だ。ただ肉眼で見ただけでどうにかなるなら彼らは外を出歩けない。

「ただの慣習ですよ」

変わった慣習だ。まぁ、彼らは美し過ぎる。多少は妙な話が出ても仕方ないところもあるだろう。
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