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さんかん、ご

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男はふぅっと息を吐いて胸を撫で下ろし、俺の目を真っ直ぐに見つめて言った。

「雪兎君を触らせてくれないか」

「は?」

「分からないか? あの可愛らしさが。純粋、純真、完璧な美少年だ」

それには同意する。

「いいか、美少年は神聖なものだ、宗教だ。そのトップクラスたる雪兎君は神だ」

神に触れたいだなんて不敬な。

「……そうだな、次の休み時間ここに連れてきてくれないか? そして目と口を塞いで手を押さえてくれ」

「一応聞きますけど、俺がそうしたらあなたは雪兎に何するんです?」

「そりゃ、ね……抵抗できない美少年にすることと言ったら一つだろう。服を脱がして可愛いお臍に舌を挿して、未発達の乳首を吸って、幼い男根を舐めしゃぶってあげるんだよ」

「……なるほど」

「了承、でいいのかな?」

俺は黙って頷いた。

「賢い子だ。スクープを広められるより、跡取りにイタズラされる方が若神子グループにとって軽いと判断できたんだね。君も十分グループに貢献できるだろう、それじゃ、ごゆっくり。邪魔して悪かったね」

男は踵を返し、去っていく。俺はポケットに入れていたハンカチを右手に乗せ、その無防備な背にそっと近付き、ハンカチ越しに襟を掴み、引き倒した。男は小便器に頭を打ち付けて気を失った。狙い通りだ。
ホースと蛇口を繋いで水を出し、トイレの床を濡らす。ハンカチ越しに掴んで男を持ち上げて背も濡らしたら足の裏も濡らしておく。

「…………トイレ、掃除中みたいなんで上の階に行きました……っと」

雪兎にメッセージを送って外の様子を伺って無人を確認し、上の階のトイレに向かった。個室に入って亀頭を包んだトイレットペーパーを流し、しばらく待つと雪兎がやって来た。

「待たせた? ごめんね、ポチ」

「いえ……」

「あれ? なんか元気ない?」

「いえいえ、元気ですよ」

軽く見開かれた赤紫の瞳には満面の笑みの俺が映っている。

「……気のせいかな? 元気ならいいよ、ほら、太腿触っていいよ」

ふにふにと柔らかい太腿に手を挟ませたり、両手で太腿を挟んだりしながら、思う。雪兎を狙う奴が居て当然だな、と。

「ユキ様っ……」

「ん? なぁに? もっと強く?」

陰茎を扱く力が増し、とろりと溢れた先走りの汁が雪兎の手を濡らした。純粋さを象徴するような透き通るような肌が、幼さを感じさせる柔らかい手が、醜い雄の欲望にまみれる背徳感が更に汁を溢れさせた。

「ユキ様、にっ……こんなふうに、触れるのは……俺だけですからね」

「当たり前でしょ?」

細い指先が裏筋をなぞり、その手の小ささに見合わない卓越した性技のギャップに萌える。

「ユキ様が……こんなふうにっ、お世話してくれるのはっ……俺だけ、です」

「うん、それがどうかしたの?」

雪兎はきょとんとしたままトイレットペーパーを巻き取り、俺の亀頭にあてがった。まだ出そうにはないのになと思いつつされるがままにしていると、雪兎は俺の耳たぶを唇で挟み、耳の中に息を吹き込んだ。

「ひぁんっ!? ぁ、あっ、ィ……っ、く……出るっ……!」

「……ふふ、いっぱい出たね。まだまだ出そう……可愛いね、ポチは」

そう言いながら精液を受け止めたトイレットペーパーを便器の中に落とし、まだ勃起したままの性器を人差し指の腹で優しく撫でた。

「ゆきさまぁ……」

「どうしたの? 本当に可愛いよ。何、不安になってるの? 僕が可愛がるペットはポチだけだよ? 僕に触らせるのも、僕が触るのも、ポチだけだよ。安心して僕に甘えて、僕にご奉仕して、僕に可愛がれてね、ポチ」

「…………はい、ユキ様。ユキ様を狙う不敬な輩は……このポチが許しません。ユキ様……ユキ様、絶対に俺が守ってみせますよ」

「わ……ふふ、何、本当に……どうしたの? うん……嬉しいよ、ポチ……僕の番犬」

唇を重ねながら下の階でのトイレの出来事を思い返し、心の中で笑みを零す。
あの男は馬鹿だ、傷害の前科持ちを脅した直後に背を向けるなんて……と。
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