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さんにんでゆうはん、なな
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夕飯を終えると俺達は寝室に一直線に向かった。明日が早いから──と今日はもう寝るのだそうだ。しかし、せっかく海が近くにあると言うのに、結局海水浴は楽しめなかったな。山もそうだ、ハイキングコースがあるようなら登ってみたかった。
「まーひろっ、真尋は俺の隣な」
「ポチ、ポチは僕の隣で寝てくれるよね?」
三つ並んだ布団の両端を真ん中に近付けながら、二人に顔を覗き込まれる。
「じゃあ俺は真ん中ですね」
至福だ。あぁ、最高だ。取り合われるという優越感を主とした快感は倫理や道徳を霞ませる。
黒革の服の上から浴衣を着て、真ん中の布団の上に胡座をかくと、両隣に座った二人の唇が両頬に触れたので、彼らの細腰に腕を回して抱き寄せる。
「どうだよ真尋、両手に花の気分は」
「僕も雪風も男だけどね」
「俺よりいい女は居ないよなぁ真尋?」
「何言ってんの……? 後さ、ポチが二股してるみたいな言い方やめて。ポチは僕の犬で、雪風はその恋人……番だよ、この雌犬」
父親に向かってなんてことを。
「もっと言って……!」
父親がこれだから仕方ないか。
「はぁ……もういいや、早く寝よ、ポチ。ほら口開けて」
俺のカチューシャを勝手に取って自分に着けていた雪風を眺めていると、雪兎に肩を叩かれる。どうして寝るのに口を開ける必要があるのだろうと思いつつ振り返れば、ボールギャグが唇に押し付けられた。
「ぁー……んっ、ぅ……ぅう……」
大きく口を開ければ穴の空いた玉が口内に押し込まれ、人の言葉を奪われる。まさかこれを付けて寝ろと? 枕がどれだけ濡れることか。
「躊躇とかねぇのかお前……」
「雪風、後ろ留めるから髪巻き込まないように見て」
「はいよ、ご主人様」
「やめて! 雪風は野良犬だから! 飼わないから!」
飼い主が居ないとはいえ野良は酷いな、猫ならともかく犬はそうそう見ない。
「なんでギャグなんか着けたんだ?」
「寝る時にうるさかったら嫌でしょ?」
雪兎に肩を押されて仰向けになり、雪風に掛け布団を肩まで掛けられる。仰向けになると尻尾飾りが邪魔な上、バイブが押し込まれて眠気が薄まってしまう。しかし二人に挟まれている以上どちらかの方を向くことは出来ない、うつ伏せになれば乳首のローターがくい込むだろうし──そんなふうに体勢について考えていると、性感帯に取り付けられた玩具が微弱な振動を始めた。
「んっ……!? んぅっ、ゔ、ぅううっ!」
「ほら、うるさいでしょ?」
「本当だな……どうしたんだ真尋、ちゃんと豆電にしてあるぞ? 明るさ足りないのか?」
照明は少し前にオレンジ色の弱い光になった、この明るさに不満はない。
「ふ、ぅ、ゔぅうっ……!」
掛け布団の中で身悶え、雪兎の方に寝返りを打って細い肩を掴む。止めてくれと頼んでいるつもりなのだが、雪兎は愉しそうに笑うだけだ。
「涎いっぱい垂れてるよ、仕方ない犬だね」
横を向いた俺の懐に潜り込み、胸に顔を押し付けて腕に頭を乗せる。
「真尋ぉ……どうしたんだよ、急に……」
後ろから抱き締められ、寂しそうな声を聞き、横を向いてはいけないと意識したばかりだったのにと自分を責める。しかしぴったりと身体を押し付けた雪風の息が荒くなり始めたことで自責は中止された。
「…………ご主人様は酷いなぁ? 真尋? 番なら辛いことは分け合わなきゃな……なぁ? 旦那様?」
尻にぐりぐりと硬いものが押し付けられている。そのせいで微妙にバイブが動き、微弱な振動だというのに唸り声を漏らしてしまう。
「……っ、ぁ……ほら、真尋……寝るんだから騒いじゃダメだろ?」
後孔に押し込まれたバイブの振動を雪風も楽しんでいる。そう気付いても俺には振動も雪風も止められず、必死に声を殺して雪兎の睡眠を邪魔しないように努めることしかできなかった。
「まーひろっ、真尋は俺の隣な」
「ポチ、ポチは僕の隣で寝てくれるよね?」
三つ並んだ布団の両端を真ん中に近付けながら、二人に顔を覗き込まれる。
「じゃあ俺は真ん中ですね」
至福だ。あぁ、最高だ。取り合われるという優越感を主とした快感は倫理や道徳を霞ませる。
黒革の服の上から浴衣を着て、真ん中の布団の上に胡座をかくと、両隣に座った二人の唇が両頬に触れたので、彼らの細腰に腕を回して抱き寄せる。
「どうだよ真尋、両手に花の気分は」
「僕も雪風も男だけどね」
「俺よりいい女は居ないよなぁ真尋?」
「何言ってんの……? 後さ、ポチが二股してるみたいな言い方やめて。ポチは僕の犬で、雪風はその恋人……番だよ、この雌犬」
父親に向かってなんてことを。
「もっと言って……!」
父親がこれだから仕方ないか。
「はぁ……もういいや、早く寝よ、ポチ。ほら口開けて」
俺のカチューシャを勝手に取って自分に着けていた雪風を眺めていると、雪兎に肩を叩かれる。どうして寝るのに口を開ける必要があるのだろうと思いつつ振り返れば、ボールギャグが唇に押し付けられた。
「ぁー……んっ、ぅ……ぅう……」
大きく口を開ければ穴の空いた玉が口内に押し込まれ、人の言葉を奪われる。まさかこれを付けて寝ろと? 枕がどれだけ濡れることか。
「躊躇とかねぇのかお前……」
「雪風、後ろ留めるから髪巻き込まないように見て」
「はいよ、ご主人様」
「やめて! 雪風は野良犬だから! 飼わないから!」
飼い主が居ないとはいえ野良は酷いな、猫ならともかく犬はそうそう見ない。
「なんでギャグなんか着けたんだ?」
「寝る時にうるさかったら嫌でしょ?」
雪兎に肩を押されて仰向けになり、雪風に掛け布団を肩まで掛けられる。仰向けになると尻尾飾りが邪魔な上、バイブが押し込まれて眠気が薄まってしまう。しかし二人に挟まれている以上どちらかの方を向くことは出来ない、うつ伏せになれば乳首のローターがくい込むだろうし──そんなふうに体勢について考えていると、性感帯に取り付けられた玩具が微弱な振動を始めた。
「んっ……!? んぅっ、ゔ、ぅううっ!」
「ほら、うるさいでしょ?」
「本当だな……どうしたんだ真尋、ちゃんと豆電にしてあるぞ? 明るさ足りないのか?」
照明は少し前にオレンジ色の弱い光になった、この明るさに不満はない。
「ふ、ぅ、ゔぅうっ……!」
掛け布団の中で身悶え、雪兎の方に寝返りを打って細い肩を掴む。止めてくれと頼んでいるつもりなのだが、雪兎は愉しそうに笑うだけだ。
「涎いっぱい垂れてるよ、仕方ない犬だね」
横を向いた俺の懐に潜り込み、胸に顔を押し付けて腕に頭を乗せる。
「真尋ぉ……どうしたんだよ、急に……」
後ろから抱き締められ、寂しそうな声を聞き、横を向いてはいけないと意識したばかりだったのにと自分を責める。しかしぴったりと身体を押し付けた雪風の息が荒くなり始めたことで自責は中止された。
「…………ご主人様は酷いなぁ? 真尋? 番なら辛いことは分け合わなきゃな……なぁ? 旦那様?」
尻にぐりぐりと硬いものが押し付けられている。そのせいで微妙にバイブが動き、微弱な振動だというのに唸り声を漏らしてしまう。
「……っ、ぁ……ほら、真尋……寝るんだから騒いじゃダメだろ?」
後孔に押し込まれたバイブの振動を雪風も楽しんでいる。そう気付いても俺には振動も雪風も止められず、必死に声を殺して雪兎の睡眠を邪魔しないように努めることしかできなかった。
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