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さんにんでゆうはん、いち

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風呂を上がり、バスタオルを羽織って脱衣場の椅子に座り、ぼうっと休息を楽しむ。身体も髪もまだまだ濡れているけれど、疲れているのか拭う気にはなれない。

「ポーチっ、何してるのさ、早く拭きなよ。着替えここに置いておくからね、入ってる間に洗っておいてもらったから」

膝に置かれる風呂に入る前まで着せられていた黒革の服上下。洗っておいてもらった……誰が洗ったんだ? いや、使用人だとは分かるが……気持ち悪かっただろうなぁ。

「まーひろっ、まだ全裸ってことはこういうことされたいってことだな!」

腋の下に手が突っ込まれ、胸を後ろから鷲掴みにされる。敏感な突起には触れずに胸筋を揉みしだくその手つきに「エロ親父」という罵倒文句が浮かんだ。

「……結構柔らかいよな」

「…………力入れなきゃそんな硬くならねぇよ」

「しかしボリューミーだなぁ、全身バッキバキ……ってほどでもないんだな、ちょっとムチッとしてる……」

「美味いもんばっか食わされて太ったな」

雪風の手をほどいて立ち上がり、水滴を拭いつつ姿見の前に立つ。自分の見た目はあまり好きではないが、これ以上嫌いにならないためにも体型の調整は必要だ。

「……絞らないけん」

足が微妙に太くなっている気がする。腹筋が落ちていないのはいいが、顔も丸くなった気がする。ダメだ、太っていると思って見ると全身ぶよぶよに見えてくる。

「どうだよ真尋ぉ、いい体だろ? キープしろよな」

「…………絞らなきゃ」

「ユキぃーっ! 真尋がダイエットするとか血迷ったこと言ってる! 止めろ!」

人の体型維持を二人がかりで止めようとしないでもらいたい。体格くらいしか良いところがないのだから、ここはストイックにいかなければ。

「え……ダメだよポチ、それ維持して」

「承知しました」

何事も程々が一番だ。

「早く服着てよ」

「下はいいんですけど、上どうやって着るんですか?」

スポーツブラのような形をした黒革の服は背中に留め具がついているようで、自力で着るのは困難だ。

「まず、腕通して、次に内側のクリップに挟んで」

「……何を、とか聞かなくても分かりますけど」

クリップそのものは緩く、挟まれているような感覚はほとんどない。しかしこれが震えるのだと思うと着るのに抵抗が生まれてしまう。

「後ろは僕が留めるね」

「ありがとうございます……」

自分で自分の乳首を玩具に押し付けて、胸全体への拘束感に僅かとはいえ興奮するなんて、分かってはいるが変態だな。

「下は自分で履ける?」

「はい、多分……」

勃起していない今なら立体的に陰茎を包む黒革の中にも突っ込める。勃起時に窮屈な大きさになっているから胸を挟むので興奮していたのは危なかったな。さて、後ろか……

「…………あの、見ないで欲しいんですけど……って雪風、なに携帯構えてんだよ」

「え? いや、永久保存版だろこんなもん」

「後で送ってね、雪風」

今更嫌がるのも……なんて自分でも思うけれど、嫌なものは嫌だ。しかし見られていたり撮られていたりに興奮するのもまた事実。ヒクヒクと疼いて入れやすくなってきたことだし、とっとと腰を下ろしてしまおう。

「……んっ、ぅ…………あぁっ! くっ……ふぅっ、ん……んんっ…………ぁ、は、入りましたよ」

入りやすくなった……とは思ったが、潤滑油ほぼなしではやはりキツかった。このバイブは雪兎のものより僅かに小さい程度で、俺に入れられる玩具の中では大きい方なのだ、凹凸も激しい。そんなものを大して濡らさずに入れては、腸壁をぞりぞりと削るように進まれることになってしまう。

「……撮れたー?」

「撮れた撮れたー」

二人は揃って携帯の画面を覗き込み、小さな歓声を上げる。きっとよく撮れていたことだろう、絶対見たくない。

「……あの、ユキ様。このベルトはどうやって留めるんですか?」

「あぁ、僕が鍵持ってるから……あれ、留める時には要らないんだったかな。とりあえずね、ここを締めて、ここに通して……」

慣れていないのだろう、雪兎も数分手こずってようやく俺は黒革の服を着終えた。いや、カチューシャがまだだったな。

「髪まだ乾いてないね。ポチ、乾いたら耳つけるんだよ、僕はスキンケアがあるから……」

「俺も」

「……いや、待ってますよ?」

何を先に部屋に戻れみたいな雰囲気を出しているんだ、こんな格好で一人で歩いてたまるか。
それに保湿クリームだとかを全身に塗る二人の様子はなかなかに扇情的で見ない訳にはいかないのだから。
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