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あさになって、さん
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本来なら異物として捉えるべきなのに、俺の腸内はもう何かにみちみちと埋め尽くされていないと落ち着かなくなっていた。動かない張形なら切なくしゃぶって、無遠慮に動く玩具ならよがって、好きな人の性器だったなら入れられただけで絶頂と同じ反応を見せる。
「……ポチ? 全部入ったよ、大丈夫? やっぱり一晩中はキツかったのかな?」
雪兎に抱かれているという事実だけでトリップしてしまう。腰に片手を添えられたまま首輪を引かれて仰け反らされたりなんてしたら、雪兎の性器を締め付けてしまう。
「ぁ……はっ、はぁんっ……ゆき、さ……ま」
「顔見えないんだよねー……鏡欲しいな」
俺は自分の見た目があまり好きではないから、鏡や写真は嫌だ。この部屋に鏡がないのは俺にとっては幸運だ──と心の中でほくそ笑んだ直後、目の前の襖が開き、雪風が入ってきた。
「……来てたのか」
「あ、雪風……うん、おはよう」
赤い双眸は雪兎だけを捉えて見開かれ、二人とも俺を居ないものとして扱う。
「ヘリだったか、少し前に鳴ってたな、うるさかった……もう少し寝るつもりだったんだが」
「不健康な生活してるんだね」
「休みの日くらいはな。ところで、ユキ……」
ようやく雪風が俺の話を振るかと身構えていたが、俺の前に座った雪風は雪兎だけを見つめている。
「食べたら俺と遊ばないか」
「遊ぶ……?」
「あぁ、お前に会える休みは少ないし、せっかくの親子水入らずだ。たまには遊ぼう」
「何して?」
「……何したい?」
親子の絆を深めるのは結構だ、この旅行の目的はそれなのだから、今の会話は喜ぶべきことだ。しかしどうしてこの二人は普通に話しているんだ?
「俺のことを許せないなら、父親と思いたくないなら、それでもいい」
昨日まで女装して本番なしで関係を深めていた男が目の前で息子に抱かれているのに、どうして真面目な話ができるんだ?
「話は合うし、どうせ同じ仕事するんだし、友達としてなら俺は優秀だろ?」
「……まぁ、ね。父親面して偉そうに命令しないなら、少しくらい付き合ってあげてもいいよ」
自分のペットを寝取ろうとしていた父親の前で、そのペットに入れたまま、どうして親子の亀裂の修復を始められるんだ?
「ユキ、朝はもう食べたのか?」
「ヘリで」
「じゃあ、俺食べ終わるまで適当に時間潰しておけ」
「……ねぇ雪風」
「ん?」
「僕の目を絶対に見ずに、ポチから必死に目を逸らしてるのは、ポチに未練があるって判断でいいよね?」
ようやく俺の話題が──と喜ぶことは出来ない。俺のせいで親子関係が悪化しているのだから。
「何言ってる、ユキ。確かに寝取ろうとしたことはあったが、アレは……」
「いいよ?」
「……え?」
「今から言う条件を満たしたら、ポチの口使っていいよ?」
首輪を引く力が強くなって、唾液を垂らす口を開けっ放しで酸素を求めて、首が絞まる快感に喘ぐ姿を雪風に見下ろされる。
「ユキ……? 何言ってるんだ?」
嫉妬深い雪兎が少しでも俺を誰かに渡すなんてありえない、そう思っていた。しかし、これはどういうことだ。考えが変わったのか? このままいけば親子関係の修復と俺の二股は同時に果たせるのか?
「……僕ね、考えたんだ。誰でもいい雪風がポチにこだわるのはどうしてかなって。そしたら、僕のものだから……手に入らなさそうなものだから、燃えてるんだって結論が出たよ。だから、あげるって言えば冷めるんじゃないかなって」
違う。雪風が誰でもいいと言っているのは本心じゃない。雪風に本当に必要なのは俺だ、俺だけなんだ、雪風は心の底から俺を好いてくれているんだ。
「違うだろ?」
「……よく分かるね」
「まぁな。で? 本心は?」
「…………雪風のものしゃぶらせてもポチがよがるのは僕が可愛がってあげてる時だけなんだから、ポチが喜ぶのは僕だけなんだから、虚しくなって諦めるでしょ?」
「見せつけてやるって?」
「そういうこと。どうする? 条件満たしてまで虚しいことしてみる?」
速攻で見破った雪風も雪風だが、動揺することなく本音を晒して直球勝負を挑んだ雪兎も雪兎だ。なんなんだこの親子、当主の器だとでも言ってやろうか。
「……してやるよ」
雪風の返答は雪兎の予想を外れたものだったのか、首輪を引く力が微妙に強まった。しかし声色は明るいまま、雪風に部屋の隅に運んであった搾乳器を持ってくるように言った。
「……ポチ? 全部入ったよ、大丈夫? やっぱり一晩中はキツかったのかな?」
雪兎に抱かれているという事実だけでトリップしてしまう。腰に片手を添えられたまま首輪を引かれて仰け反らされたりなんてしたら、雪兎の性器を締め付けてしまう。
「ぁ……はっ、はぁんっ……ゆき、さ……ま」
「顔見えないんだよねー……鏡欲しいな」
俺は自分の見た目があまり好きではないから、鏡や写真は嫌だ。この部屋に鏡がないのは俺にとっては幸運だ──と心の中でほくそ笑んだ直後、目の前の襖が開き、雪風が入ってきた。
「……来てたのか」
「あ、雪風……うん、おはよう」
赤い双眸は雪兎だけを捉えて見開かれ、二人とも俺を居ないものとして扱う。
「ヘリだったか、少し前に鳴ってたな、うるさかった……もう少し寝るつもりだったんだが」
「不健康な生活してるんだね」
「休みの日くらいはな。ところで、ユキ……」
ようやく雪風が俺の話を振るかと身構えていたが、俺の前に座った雪風は雪兎だけを見つめている。
「食べたら俺と遊ばないか」
「遊ぶ……?」
「あぁ、お前に会える休みは少ないし、せっかくの親子水入らずだ。たまには遊ぼう」
「何して?」
「……何したい?」
親子の絆を深めるのは結構だ、この旅行の目的はそれなのだから、今の会話は喜ぶべきことだ。しかしどうしてこの二人は普通に話しているんだ?
「俺のことを許せないなら、父親と思いたくないなら、それでもいい」
昨日まで女装して本番なしで関係を深めていた男が目の前で息子に抱かれているのに、どうして真面目な話ができるんだ?
「話は合うし、どうせ同じ仕事するんだし、友達としてなら俺は優秀だろ?」
「……まぁ、ね。父親面して偉そうに命令しないなら、少しくらい付き合ってあげてもいいよ」
自分のペットを寝取ろうとしていた父親の前で、そのペットに入れたまま、どうして親子の亀裂の修復を始められるんだ?
「ユキ、朝はもう食べたのか?」
「ヘリで」
「じゃあ、俺食べ終わるまで適当に時間潰しておけ」
「……ねぇ雪風」
「ん?」
「僕の目を絶対に見ずに、ポチから必死に目を逸らしてるのは、ポチに未練があるって判断でいいよね?」
ようやく俺の話題が──と喜ぶことは出来ない。俺のせいで親子関係が悪化しているのだから。
「何言ってる、ユキ。確かに寝取ろうとしたことはあったが、アレは……」
「いいよ?」
「……え?」
「今から言う条件を満たしたら、ポチの口使っていいよ?」
首輪を引く力が強くなって、唾液を垂らす口を開けっ放しで酸素を求めて、首が絞まる快感に喘ぐ姿を雪風に見下ろされる。
「ユキ……? 何言ってるんだ?」
嫉妬深い雪兎が少しでも俺を誰かに渡すなんてありえない、そう思っていた。しかし、これはどういうことだ。考えが変わったのか? このままいけば親子関係の修復と俺の二股は同時に果たせるのか?
「……僕ね、考えたんだ。誰でもいい雪風がポチにこだわるのはどうしてかなって。そしたら、僕のものだから……手に入らなさそうなものだから、燃えてるんだって結論が出たよ。だから、あげるって言えば冷めるんじゃないかなって」
違う。雪風が誰でもいいと言っているのは本心じゃない。雪風に本当に必要なのは俺だ、俺だけなんだ、雪風は心の底から俺を好いてくれているんだ。
「違うだろ?」
「……よく分かるね」
「まぁな。で? 本心は?」
「…………雪風のものしゃぶらせてもポチがよがるのは僕が可愛がってあげてる時だけなんだから、ポチが喜ぶのは僕だけなんだから、虚しくなって諦めるでしょ?」
「見せつけてやるって?」
「そういうこと。どうする? 条件満たしてまで虚しいことしてみる?」
速攻で見破った雪風も雪風だが、動揺することなく本音を晒して直球勝負を挑んだ雪兎も雪兎だ。なんなんだこの親子、当主の器だとでも言ってやろうか。
「……してやるよ」
雪風の返答は雪兎の予想を外れたものだったのか、首輪を引く力が微妙に強まった。しかし声色は明るいまま、雪風に部屋の隅に運んであった搾乳器を持ってくるように言った。
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