431 / 667
まぶしいはだをかげらせたきず
しおりを挟む
起きるまでは雪風と一緒に眠っていて幸せだったのに、起きてからは不愉快なことが多い。使用人に口内を弄くり回されているのだ。歯型とか傷とか言っていたか、きっと雪風は俺が口に怪我をしていると勘違いしているのだろう。
「……終わりです。ご協力感謝します」
「どうも」
あれは鼻血だと言ったのに、人の話を聞かない奴だ。使用人が部屋から出ていった後も残る口内の違和感に苛立ちを募らせていると、襖が勢いよく開いて中華風メイドの格好をした雪風が入って来た。
「おはようございますそしてありがとうございます」
負の感情が全て浄化され、俺はいつの間にか接足礼拝の姿勢を取っていた。
「……うん、おはよう、真尋」
雪風は言葉に詰まったような反応を見せたが、すぐに笑顔に戻った。襖を閉じて俺の傍に座ったので、俺もその前に座る。向かい合って座っていると何だか気恥ずかしくなってきた。
「口は何ともなかったみたいだな、よかった」
「やけん言うたやろー……?」
朝食もまだなのに口の中を弄くり回されて時間を食った。腹が減って頭が働かない。
「鼻血だって言ったでしょー? 聞いちょらんのー……もー、雪風は本っ当に人の話聞かないよなー」
「どうしたんだよお前めちゃくちゃだぞ」
「何が?」
「……記憶も口調も何もかもだよしかも自覚ないし……軽くホラーだぞ」
軽くホラーなのはアラサー男子の太腿がJK並の眩しさを放っていることではないだろうか。
中華風メイド……つまり数滴のアキバ的アレンジを加えたチャイナドレスの上にフリル付きのエプロンを着たもの。多分本場の方に見せたら眉を顰める、しかし着ている人物の顔を見ればきっと頬が緩む。
「はぁぁ……スリット最高」
腰のくびれの目測十センチ程までのスリット。スカート部分の丈は足首を覗かせる程度まであり、幅も気をつけの姿勢ならば前からは足が見えない程度なので、腰を傾けて姿勢を崩した時や歩いて服が揺れた時にチラチラと見える陶器のような肌がたまらない。
「人の話聞かないのはお前だろ……この変態」
「太腿が眩しい。ちょっと立ってくれ」
「はいはい……お前のために着てるんだ、好きに見ろよ、ご主人様」
投げやりで低いままの声の「ご主人様」いただきました。これは永久保存。
「はぁー……たまんねぇなこの太腿」
引っ掻き傷や痣があり、何故か顔が想像出来る元家庭教師への殺意が募るけれど、それ以上に欲望が溢れる。
「太腿太腿って……おっさんかよ」
「おっさんの太腿見ておっさんっぽい感想出すDKとか意味分からんな」
「DK……ドラミング・キング?」
「誰がゴリラだ」
「だってお前高校生じゃないし。ガタイいいし黒っぽいし優しいし割と繊細だし……ゴリラの方が近いだろ」
そこまで言われると人間である自信が萎んでくるな。
「で? 今日は太腿舐め回すのか?」
「いや、腹減ったから先に朝ご飯欲しいな。太腿はおかずで」
「食人鬼の標的にされるとか美人は大変だな」
そういう意味のおかずではない。見て悶々としながら食べたいだけだ。
「……ぁ、でも太腿の上にヨーグルトとか乗せて食べたいな」
「ド変態だなお前」
「いや、しないけど。沁みるだろ?」
「紳士だなお前……」
嘲るような声色ながらその顔は緩んでいる。蕾が開きかけているようだとでも言おうか、どこか幼げで危なっかしく、美しい。
部屋を出て軋む廊下をアルビノ美少女メイドと並んで歩き、背伸びをして彼の頬にキスをした。
「……終わりです。ご協力感謝します」
「どうも」
あれは鼻血だと言ったのに、人の話を聞かない奴だ。使用人が部屋から出ていった後も残る口内の違和感に苛立ちを募らせていると、襖が勢いよく開いて中華風メイドの格好をした雪風が入って来た。
「おはようございますそしてありがとうございます」
負の感情が全て浄化され、俺はいつの間にか接足礼拝の姿勢を取っていた。
「……うん、おはよう、真尋」
雪風は言葉に詰まったような反応を見せたが、すぐに笑顔に戻った。襖を閉じて俺の傍に座ったので、俺もその前に座る。向かい合って座っていると何だか気恥ずかしくなってきた。
「口は何ともなかったみたいだな、よかった」
「やけん言うたやろー……?」
朝食もまだなのに口の中を弄くり回されて時間を食った。腹が減って頭が働かない。
「鼻血だって言ったでしょー? 聞いちょらんのー……もー、雪風は本っ当に人の話聞かないよなー」
「どうしたんだよお前めちゃくちゃだぞ」
「何が?」
「……記憶も口調も何もかもだよしかも自覚ないし……軽くホラーだぞ」
軽くホラーなのはアラサー男子の太腿がJK並の眩しさを放っていることではないだろうか。
中華風メイド……つまり数滴のアキバ的アレンジを加えたチャイナドレスの上にフリル付きのエプロンを着たもの。多分本場の方に見せたら眉を顰める、しかし着ている人物の顔を見ればきっと頬が緩む。
「はぁぁ……スリット最高」
腰のくびれの目測十センチ程までのスリット。スカート部分の丈は足首を覗かせる程度まであり、幅も気をつけの姿勢ならば前からは足が見えない程度なので、腰を傾けて姿勢を崩した時や歩いて服が揺れた時にチラチラと見える陶器のような肌がたまらない。
「人の話聞かないのはお前だろ……この変態」
「太腿が眩しい。ちょっと立ってくれ」
「はいはい……お前のために着てるんだ、好きに見ろよ、ご主人様」
投げやりで低いままの声の「ご主人様」いただきました。これは永久保存。
「はぁー……たまんねぇなこの太腿」
引っ掻き傷や痣があり、何故か顔が想像出来る元家庭教師への殺意が募るけれど、それ以上に欲望が溢れる。
「太腿太腿って……おっさんかよ」
「おっさんの太腿見ておっさんっぽい感想出すDKとか意味分からんな」
「DK……ドラミング・キング?」
「誰がゴリラだ」
「だってお前高校生じゃないし。ガタイいいし黒っぽいし優しいし割と繊細だし……ゴリラの方が近いだろ」
そこまで言われると人間である自信が萎んでくるな。
「で? 今日は太腿舐め回すのか?」
「いや、腹減ったから先に朝ご飯欲しいな。太腿はおかずで」
「食人鬼の標的にされるとか美人は大変だな」
そういう意味のおかずではない。見て悶々としながら食べたいだけだ。
「……ぁ、でも太腿の上にヨーグルトとか乗せて食べたいな」
「ド変態だなお前」
「いや、しないけど。沁みるだろ?」
「紳士だなお前……」
嘲るような声色ながらその顔は緩んでいる。蕾が開きかけているようだとでも言おうか、どこか幼げで危なっかしく、美しい。
部屋を出て軋む廊下をアルビノ美少女メイドと並んで歩き、背伸びをして彼の頬にキスをした。
0
お気に入りに追加
1,420
あなたにおすすめの小説
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
悪さしたお坊ちゃんが肉便器に更生させられる話
たみしげ
BL
BLすけべ小説です。
悪いことしてた金持ちのお坊ちゃんがチンピラたちに肉便器調教されてお尻の快感を覚えさせられる話です。
※輪姦/スカトロ(大)/無理やり表現注意
ハードめな内容の習作。殴る、蹴るの表現は無し。
公開凌辱される話まとめ
たみしげ
BL
BLすけべ小説です。
・性奴隷を飼う街
元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。
・玩具でアナルを焦らされる話
猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。
珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話
楢山コウ
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。
立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる