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めいどこす、さん
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ガーターベルトは革製のようで、黒いそれが太腿を締めているのはかなり扇情的だ。しかし、その太腿は生傷だらけだ。
「すーっ…………どうしたんですかぁ? ご主人様、そんなにスカートの中が気になりますぅ?」
大きく息を吸い、役に入る。すぐに素に戻るのはともかくとして、経験の差なのか雪兎よりも上手いと思う。
「仕方ない人ですねぇ、ご主人様は」
普段犬として扱われてご主人様と言う立場の俺がそう呼ばれるのは新鮮で、違和感すら覚える。しかし、雪風は……このメイドは俺に服従している訳ではない。
「……メイドさんが可愛いから、俺が変態になっちゃうんだよ」
俺も少し声色を変えて、主人を誘惑して遊ぶのが趣味な困ったメイドを雇っている役に入る。
「人のせいにしないでくださーい」
雪風は背の低い机の上に座り、左足を俺の肩に乗せた。俺は机に向かい、その左足に左手を添える。脛に唇を触れさせ、網目の靴下の感触を楽しむ。
「机の上に座るなんて行儀の悪いメイドさんだね」
「メイドの足にキスするなんて変わったご主人様ですね」
左足が傾き、膝が外側に向く。机に深く座り直したかと思えば右足も机に乗せて、開脚した。短いスカートはもう股間を隠していない。
「……本当、行儀の悪いメイド」
電灯の元に曝された肌はより白く、生傷を浮かび上がらせた。雪風はまだスカートの中に隠れている部分に手を突っ込み、もぞもぞと何かをしている。ふぅっと息を吐いて手を抜くと、下着に付いた鈴が鳴った。どうやら女物の下着に無理矢理押し込んでいた平均を大きく上回った陰茎を外に出したようだ、今黒いレースに包まれているのは陰嚢だけだろう。
「行儀の悪いメイドにぃ、折檻でもしますかぁ? お優しいご主人様はそんなことしませんよねぇ?」
メイクが施された美顔は本当に女性のようで、紅潮した頬やどこか虚ろな瞳は顔だけであらゆる生物の欲情を誘えるほどに艶やかだ。しかし、下着から解放されて黒いスカートと白いエプロンを持ち上げているのは立派な男のもの。
「そうだね、こんな可愛いメイドさんにそんな酷いことはできない」
今度はくるぶしに唇を触れさせ、触れたまま足の先へと向かう。踵を顎に当てさせ、土踏まずに鼻を埋め、靴下に包まれてバラバラには動かない足の指を指先で撫でていく。
「でも、こんなふうに可愛いところを見せていたら、悪い男に何をされるか。それは教えておいてあげないと危ないよね」
「……そんなこと言って、悪い男はご主人様じゃないんですかぁ?」
「かもね」
足の指を撫でていた手を少しずつ上げていく。足の甲、足首、脛、膝……薄らと見える痣や引っ掻き傷に覚える怒りと悲しみを押し殺し、足の曲線と凹凸を楽しむ。
「……んっ」
「ん……? どうしたの、メイドさん」
もう片方の手を脹ら脛に添えると雪風は声を漏らした。もしかして大きな傷があったのか? しまった、確認してから触れるべきだった。
「…………何、止まってるんですかぁ? 早く教えてくださいよ、悪い男は何してくるんですかぁ?」
雪風の表情から痛みを覚えた様子は感じ取れない。まさか──
「……足撫でられて、感じた?」
「……っ、そ、そんな訳ないじゃないですか」
そう言いながらも頷いた。
痛がった訳ではないと分かって安堵し、太腿を両手で優しく挟む。内も外も関係なく引っ掻き傷が多かった部位だ、揉むのはやめておくのが懸命だ。優しく、優しく、少しずつ上に向かわせる。ピクピクと左足が跳ねている。
「……っ、ん、ぅ、ふっ……」
きゅ、きゅ、と両手で挟む度に声が漏れている。数日前の俺より感度が高いんじゃないか?
「ゃ……」
ガーターベルトの黒革の上に指を添わせ、もう片方の手を内腿に触れる寸前で止める。
「……もう十分分かったかな? 可愛い服であんまり煽ると怖い目に遭うってこと。これ以上はやめておこうか」
「え……」
赤い瞳が驚愕に染まる。素を出さないうちにまだプレイのうちだと教えなければ。
「主人として、雇っているメイドさんに手は出せないよ。立場的に断り辛いだろうし、無理矢理やっちゃ可哀想だよね?」
「……な、何、言ってるんですかぁ? ご主人様は、変態さんでしょ」
「俺は紳士だよ。変態だとしても変態という名の……なーんて、ね」
「…………ご主人様」
「メイドさんが俺のこと好きだって言うなら、立場を使った強要じゃないから気兼ねなく可愛いメイドさんを堪能できるんだけど」
「好き!」
おいもっと恥ずかしがれ。誘惑するのが趣味のクソ生意気なエロメイドだぞ? そんな簡単に感情を出すな。
まぁ、今のはどう聞いても素の声だったし、スカートが持ち上がっている具合から見て完全に勃起しているし、これ以上焦らすのは可哀想かな。
「……それじゃ、悪い男になろうかな?」
「なって……」
「…………メイドは?」
「ぁ……な、なってください、ご主人様」
忘れてたって顔やめろ。
「もっと挑発的に」
「…………せ、せいぜい私の可愛さに耐えてみてください? 早漏のご主人様?」
及第点。俺も我慢の限界だ。
俺は指をガーターベルトの黒革から下ろし、もう片方の手も内腿に引っ付け、柔らかい素肌に触れた。
「すーっ…………どうしたんですかぁ? ご主人様、そんなにスカートの中が気になりますぅ?」
大きく息を吸い、役に入る。すぐに素に戻るのはともかくとして、経験の差なのか雪兎よりも上手いと思う。
「仕方ない人ですねぇ、ご主人様は」
普段犬として扱われてご主人様と言う立場の俺がそう呼ばれるのは新鮮で、違和感すら覚える。しかし、雪風は……このメイドは俺に服従している訳ではない。
「……メイドさんが可愛いから、俺が変態になっちゃうんだよ」
俺も少し声色を変えて、主人を誘惑して遊ぶのが趣味な困ったメイドを雇っている役に入る。
「人のせいにしないでくださーい」
雪風は背の低い机の上に座り、左足を俺の肩に乗せた。俺は机に向かい、その左足に左手を添える。脛に唇を触れさせ、網目の靴下の感触を楽しむ。
「机の上に座るなんて行儀の悪いメイドさんだね」
「メイドの足にキスするなんて変わったご主人様ですね」
左足が傾き、膝が外側に向く。机に深く座り直したかと思えば右足も机に乗せて、開脚した。短いスカートはもう股間を隠していない。
「……本当、行儀の悪いメイド」
電灯の元に曝された肌はより白く、生傷を浮かび上がらせた。雪風はまだスカートの中に隠れている部分に手を突っ込み、もぞもぞと何かをしている。ふぅっと息を吐いて手を抜くと、下着に付いた鈴が鳴った。どうやら女物の下着に無理矢理押し込んでいた平均を大きく上回った陰茎を外に出したようだ、今黒いレースに包まれているのは陰嚢だけだろう。
「行儀の悪いメイドにぃ、折檻でもしますかぁ? お優しいご主人様はそんなことしませんよねぇ?」
メイクが施された美顔は本当に女性のようで、紅潮した頬やどこか虚ろな瞳は顔だけであらゆる生物の欲情を誘えるほどに艶やかだ。しかし、下着から解放されて黒いスカートと白いエプロンを持ち上げているのは立派な男のもの。
「そうだね、こんな可愛いメイドさんにそんな酷いことはできない」
今度はくるぶしに唇を触れさせ、触れたまま足の先へと向かう。踵を顎に当てさせ、土踏まずに鼻を埋め、靴下に包まれてバラバラには動かない足の指を指先で撫でていく。
「でも、こんなふうに可愛いところを見せていたら、悪い男に何をされるか。それは教えておいてあげないと危ないよね」
「……そんなこと言って、悪い男はご主人様じゃないんですかぁ?」
「かもね」
足の指を撫でていた手を少しずつ上げていく。足の甲、足首、脛、膝……薄らと見える痣や引っ掻き傷に覚える怒りと悲しみを押し殺し、足の曲線と凹凸を楽しむ。
「……んっ」
「ん……? どうしたの、メイドさん」
もう片方の手を脹ら脛に添えると雪風は声を漏らした。もしかして大きな傷があったのか? しまった、確認してから触れるべきだった。
「…………何、止まってるんですかぁ? 早く教えてくださいよ、悪い男は何してくるんですかぁ?」
雪風の表情から痛みを覚えた様子は感じ取れない。まさか──
「……足撫でられて、感じた?」
「……っ、そ、そんな訳ないじゃないですか」
そう言いながらも頷いた。
痛がった訳ではないと分かって安堵し、太腿を両手で優しく挟む。内も外も関係なく引っ掻き傷が多かった部位だ、揉むのはやめておくのが懸命だ。優しく、優しく、少しずつ上に向かわせる。ピクピクと左足が跳ねている。
「……っ、ん、ぅ、ふっ……」
きゅ、きゅ、と両手で挟む度に声が漏れている。数日前の俺より感度が高いんじゃないか?
「ゃ……」
ガーターベルトの黒革の上に指を添わせ、もう片方の手を内腿に触れる寸前で止める。
「……もう十分分かったかな? 可愛い服であんまり煽ると怖い目に遭うってこと。これ以上はやめておこうか」
「え……」
赤い瞳が驚愕に染まる。素を出さないうちにまだプレイのうちだと教えなければ。
「主人として、雇っているメイドさんに手は出せないよ。立場的に断り辛いだろうし、無理矢理やっちゃ可哀想だよね?」
「……な、何、言ってるんですかぁ? ご主人様は、変態さんでしょ」
「俺は紳士だよ。変態だとしても変態という名の……なーんて、ね」
「…………ご主人様」
「メイドさんが俺のこと好きだって言うなら、立場を使った強要じゃないから気兼ねなく可愛いメイドさんを堪能できるんだけど」
「好き!」
おいもっと恥ずかしがれ。誘惑するのが趣味のクソ生意気なエロメイドだぞ? そんな簡単に感情を出すな。
まぁ、今のはどう聞いても素の声だったし、スカートが持ち上がっている具合から見て完全に勃起しているし、これ以上焦らすのは可哀想かな。
「……それじゃ、悪い男になろうかな?」
「なって……」
「…………メイドは?」
「ぁ……な、なってください、ご主人様」
忘れてたって顔やめろ。
「もっと挑発的に」
「…………せ、せいぜい私の可愛さに耐えてみてください? 早漏のご主人様?」
及第点。俺も我慢の限界だ。
俺は指をガーターベルトの黒革から下ろし、もう片方の手も内腿に引っ付け、柔らかい素肌に触れた。
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