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あわせわざ、いち

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日曜日が終わる寸前、歯磨きも風呂も終わって眠ろうかという深夜。雪兎は部屋に居なかった。昨日と違って何もしていないされていない俺は大して眠くはなく、雪兎を待とうと決めた。
眠くはないのに暇過ぎて眠りそうになっていると、扉が開く音が耳に届いた。

「おかえりなさいユキ様! さぁさおねんねしましょー……ぉ? 何ですそれ」

「頼んでたやつ」

そういえば昼間そんなようなことを聞いた。

「……もう遅いですし、ユキ様明日学校でしょ?」

雪兎は包装紙を剥がし、箱を開け、中を漁る。

「うん、大丈夫、これポチだけだし」

嫌な予感を胸に雪兎の隣へ行き、手元を覗く。俺に気付いた雪兎が物を持ち上げる。

「…………注射器、ですか」

それも特大。血管に指すような本物ではなく、コスプレ用にも見える代物。本物なら薬液や血液が入る部分は雪兎の手首くらいある。

「ごんぶと……どうするんですかこれ」

「ポチに入れる」

雪兎は俺に注射器を渡すとベッド下の収納からボトルを取り出した。ついでとばかりに貞操帯も。

「……見覚えのあるロゴですね」

「うちのだもん。安心安全でしょ?」

「はいはいはいはい優良大企業ですね、その御曹司様はペットに何をお求めで?」

まだ秘密だとでも言いたげな笑みを浮かべ、ボトルの中身を俺から奪った特大注射器に移していく。

「依存性、後遺症、一切無し! 安心安全完璧な媚薬、それがコレ! どんな堅物も一晩で落ちるってね」

「…………はぁ、俺やわやわですよ」

「そう、ポチはド淫乱なわんちゃん。欲しい? これ使ったらもっともーっと気持ちよくなれるよ?」

「……貞操帯出された時点で夢も希望もありません」

嫌な予感は大当たりだった。しかしだからといって回避は出来ない。ペットである俺には口でいくら嫌がっても身体には選択肢は一つしか許されない。猫が伸びをするように尻を持ち上げ、自ら割れ目に指を差し込んで肉を押しのけ、穴を見せるしかない。

「ふふっ……欲しい欲しいってひくひくしてるなぁ。ねぇポチ? おねだりしたらお薬入れてあげるよ? しなかったら来週まで何もしないしさせない、縛って放置。どう? ポチ、お薬欲しい?」

欲しいと言う他に選択肢はないし、体勢のせいか俺も興奮してきた。

「……はい、お薬欲しいです、ユキ様……いつもよりもっともっと気持ちよくなれるなんて、そんな素敵なものこのダメ犬が欲しがらないわけないじゃないですか……」

最も見られたくないところを見せながら、人間らしさを捨てた言葉を紡ぐ。その羞恥と興奮に俺は無意識に身体をくねらせ、自分でも分かるくらいに穴の口をぱくぱくと動かしていた。

「……っ、ふふ……そんなに欲しいなら、あげる。可愛いわんちゃん、もっと可愛くなってね」

雪兎の指よりも少し細い、本来の注射器ならば針と呼ばれる部分が入ってくる。物足りない刺激に感想を言う暇もなく、冷たい液体が注入される。

「冷たっ……! ふっ……冷たい、です。ユキ様……」

「もうちょっとで全部……よし、入った」

身体のどの辺りに液体があるのか分かる、それほど体温と差がある。

「垂らしちゃダメだよ、栓してあげるから自分でもしっかり締めてね」

「ぁ、あっ……はぁんっ……! ユキ様、これ短いぃ……」

太さは雪兎のものくらいあって申し分ない、と言うより常に入れておくには太過ぎる。けれど長さは雪兎のものの半分もなくて、物足りない。

「そりゃ目的は栓だもん。長さは要らないでしょ? あんまり腰振っちゃダメだよ、出てきちゃうからね」

慣れた手つきで俺に貞操帯を着けて、俺を座らせると雪兎は俺の頬を両手で包んで感想を聞いてきた。

「ふっ……ぅ、お腹、冷える……痛いぃ……」

「え……そ、そっか、じゃあほら、早く寝よ、毛布お腹にかけておけば暖まるよ。薬効いてきたら熱くなるし」

「は……い」

注射器や媚薬や栓やを入れられて、雪兎に抱かれた時を妄想して、既に俺の芯は熱くなり始めていた。けれど貞操帯は下半身での自慰を許してはくれなくて、やはり雪兎に従う以外の選択肢はなかった。
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