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しっと、ろく
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雪風はシーツの下に居た。隠れていた訳ではないだろう、俺に気が付いているのかも分からない、一心不乱に叔父の性器をしゃぶっていた。
「…………雪、風? 何してるんだよ……」
「何って……知らないの、犬なんとかさん。フェラチオとかって呼ばれる愛撫の一種だよ」
「お前に聞いてないしそれは知ってる! なんでお前にしてるんだよって意味だよ!」
「前戯だよ。ねぇ風? 俺に抱いて欲しいって君から言ってきたんだもんね」
雪風から? どうして……俺のせい? 俺が彼の腕を解いたから、寂しいと泣く彼に構ってやれなかったから、数日前は嫌がっていた叔父に走ったのか?
混乱してまともに頭が動かない。けれど身体は動いた、雪風の襟首を掴んで叔父から引き剥がした。
「………………まひろ? どうした、変な顔して」
雪風はとろんとした目ながらもいつもと同じように話した。襟首から手を離すと雪風は俺の腕に抱き着いた。
「……風、何してるの、続きしてよ」
「あぁ……ごめんごめん」
また叔父の方へ向かおうとする雪風の胴に腕を回し、後ろから抱き締める。
「……やめろよ、雪風」
「…………なんで?」
「なんでって……! お前、こいつ嫌いなんだろ!? 酷い目にも遭わされたんだよな? すぐに来れなくて悪かった、今から埋め合わせするから……」
「……何言ってるのか分からない。凪のことは嫌いだし、まぁ多少酷い目にも遭った。それとこれとは別だろ」
何を言っているのか分からない、は俺の台詞だ。
「嫌いな奴とヤるのかよ!」
「…………別にいいだろ」
「は……? 何言ってんだよ雪風っ! 好きな奴とだからいいんだろ、好きな奴とだけするべきことだろ!?」
雪風は不思議そうに首を傾げた後、面倒臭そうにため息をついた。
「好きな奴とはするに決まってる。嫌いな奴でもめちゃくちゃ上手いかもしれないし、するだろ」
「だから、まず嫌いな奴とはヤらないだろ!?」
「……犬なんとかくーん、やめておきなよ。風はちょっとズレてるからさ。無駄だって。風を俺に盗られた気分なんだろ? 犬なんとか君、違うよ、風は元々誰とでも寝るし、それを普通だと思ってる。君とヤったのは君が上手そうだったから、君を好きだったわけじゃない」
違う。雪風は俺が好きだ、そう言っていたし、俺に伝わった。
「…………怒ってるのか? 真尋……俺、お前が嫌がることしてたんだな? 言ってくれ、もうしないから」
「……は? ちょっと、風?」
雪風は俺の頬を撫で、いつの間にか零してしまっていた涙を拭い、打って変わって真剣な顔をしていた。
「…………雪風。雪風は俺のこと好きなんだよな?」
「真尋大好き!」
「……なら、他の奴と寝るのはやめてくれ」
「え…………分かった。けど、キツイなそれ……お前に会うまでずっと我慢するんだろ? うわ……ぁ、そうか、焦らしプレイか! 会った時には嫌ってくらい抱いてくれよ?」
ズレている気はするが、聞き分けはいい。雪風ならバレないようにするなんて言い出しそうだったけれど、こういう時は素直らしい。更に可愛く思えて雪風を抱き締めていると、唖然とした顔の叔父が視界に入り、自然と笑みが零れた。
「…………雪、風? 何してるんだよ……」
「何って……知らないの、犬なんとかさん。フェラチオとかって呼ばれる愛撫の一種だよ」
「お前に聞いてないしそれは知ってる! なんでお前にしてるんだよって意味だよ!」
「前戯だよ。ねぇ風? 俺に抱いて欲しいって君から言ってきたんだもんね」
雪風から? どうして……俺のせい? 俺が彼の腕を解いたから、寂しいと泣く彼に構ってやれなかったから、数日前は嫌がっていた叔父に走ったのか?
混乱してまともに頭が動かない。けれど身体は動いた、雪風の襟首を掴んで叔父から引き剥がした。
「………………まひろ? どうした、変な顔して」
雪風はとろんとした目ながらもいつもと同じように話した。襟首から手を離すと雪風は俺の腕に抱き着いた。
「……風、何してるの、続きしてよ」
「あぁ……ごめんごめん」
また叔父の方へ向かおうとする雪風の胴に腕を回し、後ろから抱き締める。
「……やめろよ、雪風」
「…………なんで?」
「なんでって……! お前、こいつ嫌いなんだろ!? 酷い目にも遭わされたんだよな? すぐに来れなくて悪かった、今から埋め合わせするから……」
「……何言ってるのか分からない。凪のことは嫌いだし、まぁ多少酷い目にも遭った。それとこれとは別だろ」
何を言っているのか分からない、は俺の台詞だ。
「嫌いな奴とヤるのかよ!」
「…………別にいいだろ」
「は……? 何言ってんだよ雪風っ! 好きな奴とだからいいんだろ、好きな奴とだけするべきことだろ!?」
雪風は不思議そうに首を傾げた後、面倒臭そうにため息をついた。
「好きな奴とはするに決まってる。嫌いな奴でもめちゃくちゃ上手いかもしれないし、するだろ」
「だから、まず嫌いな奴とはヤらないだろ!?」
「……犬なんとかくーん、やめておきなよ。風はちょっとズレてるからさ。無駄だって。風を俺に盗られた気分なんだろ? 犬なんとか君、違うよ、風は元々誰とでも寝るし、それを普通だと思ってる。君とヤったのは君が上手そうだったから、君を好きだったわけじゃない」
違う。雪風は俺が好きだ、そう言っていたし、俺に伝わった。
「…………怒ってるのか? 真尋……俺、お前が嫌がることしてたんだな? 言ってくれ、もうしないから」
「……は? ちょっと、風?」
雪風は俺の頬を撫で、いつの間にか零してしまっていた涙を拭い、打って変わって真剣な顔をしていた。
「…………雪風。雪風は俺のこと好きなんだよな?」
「真尋大好き!」
「……なら、他の奴と寝るのはやめてくれ」
「え…………分かった。けど、キツイなそれ……お前に会うまでずっと我慢するんだろ? うわ……ぁ、そうか、焦らしプレイか! 会った時には嫌ってくらい抱いてくれよ?」
ズレている気はするが、聞き分けはいい。雪風ならバレないようにするなんて言い出しそうだったけれど、こういう時は素直らしい。更に可愛く思えて雪風を抱き締めていると、唖然とした顔の叔父が視界に入り、自然と笑みが零れた。
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