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でんきしげき、に
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初めは挟まれている部分だけにピリピリと痛みのような痒みのような快感が与えられていたが、雪兎がツマミを回すとその痺れは胸全体に広がっていった。
「ふっ、ぅ……ひっ……? ゃあ……ユキ様、これっ」
「何? 微妙?」
「何がっ、どうなってるのか、全然分かんないっ……!」
涙で歪んだ視界には鏡が──反ったり丸まったり、腰をくねらせたり、縛られてもなお僅かな自由で身悶えする筋肉質な青年の姿があった。
「……ユキ様ぁっ! 鏡っ、鏡嫌です……」
「なんで?」
「自分なんて見たくないっ!」
「ええ……可愛いのに」
涙を拭われて視界が明瞭になれば、はち切れんばかりに勃起した陰茎がいつもとは違う視点で見えて、雪兎のものを欲しがって開く穴まで見えた。
「ま、鏡は今いいから。この機械の感想教えて」
「ぅ……あっ、びりびり、してっ……胸からぁ、どんどん、痺れていく、感じっ……で」
「気持ちいいの? 気持ちよかったらどこがどうなってどう気持ちいいのか、僕にちゃんと教えて?」
雪兎は俺の前に回り込んではくれない。俺の背後で鏡の中から俺を見つめてくる。当然俺には身悶える俺の姿ばかりが目に入る。
「ふっ、ぅ……うぅっ…………ちくび、挟まれてっ、痛くて……痺れて、痛いのが、きもちぃ……ですっ……ぅ…………やだっ、これ、嫌っ……言わせないでくださいっ……」
「痛いのが気持ちいいの? 知ってたけどさ、ポチって本っ当に変態だよね。知ってる? 痛いのって普通嫌なことなんだよ?」
「……ユキ様にっ、いじめられてるって…………痛いので、攻められてるってっ……それが、きもちいい……」
「ふぅん……? ま、他人の性癖理解しようってのが間違いだよね」
説明させられるだけならこんなに恥ずかしくなんてなかった。鏡の前で目を逸らせないということさえなければ説明もそこまで苦ではなかった。
鏡は嫌だ。俺が俺だと分かりやすくて、人間だと分かりやすくて、嫌いだ。
「…………ねぇ、胸だけじゃ物足りないよね? 他にも欲しい?」
「ぁ……欲しいっ、欲しいですっ!」
「どこに何欲しい?」
機械から伸びたコードの先には見覚えがあるものもないものも多くの器具がある。
「それっ! その、でこぼこしたのっ……後ろに、欲しいです……!」
「これ?」
「はいっ!」
「ふぅん……じゃ、これは後のお楽しみね」
近頃は俺の予想の逆を張った言葉に素直にしてくれていたから、今度は素直に欲しい物を言ってみたのだが、雪兎は以前までのように俺の言葉の反対を選んだ。
雪兎は俺の心が読めているに違いない。それで俺の希望の反対をいつも踏めるのだ。
「ふっ、ぅ……ひっ……? ゃあ……ユキ様、これっ」
「何? 微妙?」
「何がっ、どうなってるのか、全然分かんないっ……!」
涙で歪んだ視界には鏡が──反ったり丸まったり、腰をくねらせたり、縛られてもなお僅かな自由で身悶えする筋肉質な青年の姿があった。
「……ユキ様ぁっ! 鏡っ、鏡嫌です……」
「なんで?」
「自分なんて見たくないっ!」
「ええ……可愛いのに」
涙を拭われて視界が明瞭になれば、はち切れんばかりに勃起した陰茎がいつもとは違う視点で見えて、雪兎のものを欲しがって開く穴まで見えた。
「ま、鏡は今いいから。この機械の感想教えて」
「ぅ……あっ、びりびり、してっ……胸からぁ、どんどん、痺れていく、感じっ……で」
「気持ちいいの? 気持ちよかったらどこがどうなってどう気持ちいいのか、僕にちゃんと教えて?」
雪兎は俺の前に回り込んではくれない。俺の背後で鏡の中から俺を見つめてくる。当然俺には身悶える俺の姿ばかりが目に入る。
「ふっ、ぅ……うぅっ…………ちくび、挟まれてっ、痛くて……痺れて、痛いのが、きもちぃ……ですっ……ぅ…………やだっ、これ、嫌っ……言わせないでくださいっ……」
「痛いのが気持ちいいの? 知ってたけどさ、ポチって本っ当に変態だよね。知ってる? 痛いのって普通嫌なことなんだよ?」
「……ユキ様にっ、いじめられてるって…………痛いので、攻められてるってっ……それが、きもちいい……」
「ふぅん……? ま、他人の性癖理解しようってのが間違いだよね」
説明させられるだけならこんなに恥ずかしくなんてなかった。鏡の前で目を逸らせないということさえなければ説明もそこまで苦ではなかった。
鏡は嫌だ。俺が俺だと分かりやすくて、人間だと分かりやすくて、嫌いだ。
「…………ねぇ、胸だけじゃ物足りないよね? 他にも欲しい?」
「ぁ……欲しいっ、欲しいですっ!」
「どこに何欲しい?」
機械から伸びたコードの先には見覚えがあるものもないものも多くの器具がある。
「それっ! その、でこぼこしたのっ……後ろに、欲しいです……!」
「これ?」
「はいっ!」
「ふぅん……じゃ、これは後のお楽しみね」
近頃は俺の予想の逆を張った言葉に素直にしてくれていたから、今度は素直に欲しい物を言ってみたのだが、雪兎は以前までのように俺の言葉の反対を選んだ。
雪兎は俺の心が読めているに違いない。それで俺の希望の反対をいつも踏めるのだ。
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