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でんきしげき、いち

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身体中を撫で回しつつも特に敏感な部分には触れなかった指先がとうとう性感帯に近付く。だが、それに反応して呼吸を荒らげているのに気が付いた雪兎は手を俺から離した。

「ぁ……」

「そんな寂しそうな顔しないの」

姿見の横に機械が置かれる。ツマミやメーターが幾つか付いたその機械からは幾本ものコードが伸びており、雪兎は別途取りつけらしい玩具をそのコードの先に繋ぎ、俺の前で揺らした。

「ほーら、今からポチを気持ちよくしてくれる機械さんだよ。ご挨拶は?」

「え……? えっと、よろしくお願いします……?」

「違うでしょ? ポチ。淫乱な駄犬にご褒美をくれるとっても優しい機械さんなんだよ?」

いつの間にか雪兎の笑顔は嗜虐的なものになっていた。

「ほら鏡見てみなよ、脚開いて……何欲しがってるのかな?」

「……ユキ、様の…………」

「うん、でもご主人様は駄犬にはそんなご褒美あげたくないって思ってる。もっともっとご奉仕した後のご褒美であるべきだからね。だからこの機械で可愛く乱れる姿を見せて僕を喜ばせるんだよ、ポチ。ショーはもう始まってるんだ。僕好みのおねだりしてみせて?」

「…………ご主人様、この淫らなペットが今からあなたを喜ばせるために……」

「違うでしょ?」

「………………っ、気持ちいいの、欲しいんです……お願いしますご主人様。俺をいじめてくださいっ……」

縄に縛られた自分の姿を見ていることもあって俺は恥辱を与えられていた。鏡さえなければここまで言葉に詰まることも顔が熱くなることもなかっただろう。

「ふぅん……機械でもいいんだ?」

「はいっ、ユキ様のが欲しいんですけど、もう我慢できませんから……ユキ様が気分が乗らないのでしたら、どうかそれをいただければと」

「ふふ、ふふふっ……上手だね」

恍惚とした笑みを浮かべた雪兎はコードに繋がった小さなクリップで俺の乳首を弾いた。

「挟んで欲しい?」

「は……い、くださいっ……!」

予想に反して雪兎は首を縦に振った。胸の先端の両方に与えられた微かな痛みと大きな快感に身を震わせ、喘ぐ。そしてそんな俺自身を見続ける。

「ぁ……あっ、やだ……ユキ様、鏡どかしてください……」

「だーめ。ポチは自分を理解しなくちゃ。最近調子乗りかけてただろ? 旅行もそうだけど最近放ったらかしにしてたからさ、自分がペットだって意識なかったでしょ? 人権ないって忘れてたでしょ?」

雪兎はぐいぐいとコードを引っ張る。だが、クリップは外れず、俺は嬌声を上げる。

「ひぁあっ! ゃ……痛いっ、ひっ、ふぁあっ……ぁ、あっ……」

「痛い? 嘘吐きなペットは嫌いだなー?」

「……気持ちいい、ですっ……痛くされても気持ちいんですぅっ!」

「あはっ、かーわいぃなぁ。痛いのもいいんだ? 変態だなぁ、可愛い可愛い。じゃ、スイッチ入れるね」

コードから雪兎の手が離れ、クリップはコードの重みだけで下に引かれる。だが雪兎に引っ張られているよりはマシだと安堵していたが、機械のツマミが回されるとその安堵がどれだけ浅い考えだったか理解した。

「ひっ、ぃあっ、何っ……何っ? びりびりするっ、いた、ぁ……? ちがうっ、何これぇ……」

確かに快楽ではあるのだが、それ以上に新感覚だということが勝り、俺の頭は快感に覆われた困惑に支配される。
小さな針でつつかれているような、そんな感覚が断続的に与えられている。雪兎は嬉しそうな顔をして混乱しながらも喘ぐ俺を見つめていた。
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