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おしろ、よん

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観光客の喧騒が遠くに聞こえる。
寒い。どうして俺は誰も居ない庭園の茂みに隠れているんだ。
暗い。何も見えない、時間が進んで闇がどんどんと深くなる。

「ポチ?  大丈夫?」

「……喋っちゃダメです」

人差し指を立てて唇に当てる。今の俺の全てである雪兎の肩を抱き、どんどんと荒くなる呼吸を落ち着かせようとする。
雪兎はここに居るのに、俺は満たされているはずなのに、震えが止まらない。

「…………ポチ、こっち向いて」

立てた膝に置いた腕に押し付けていた顔を上げ、雪兎と目を合わせる。赤紫の瞳は淡く輝いている。

「ユキ様……?  目……光って……」

「ちゃんと息して。ほら、教えてあげるから」

肌着を引っ張られ、俺は雪兎と唇を重ねた。ゆっくりと押し倒して雪兎を隠し、静かなキスを繰り返す。
そのうちに恐怖は消えたが、別の理由によって呼吸は荒くなる。息を吹き込まれるのは終わり、今度は俺が雪兎の口内を下で犯す番だ。

「ん……ポチ?  ダメだよ、こんなとこで……」

雪兎は俺の顔を押し返し、首を横に倒した。頬を押す手を引き剥がして雪兎の顔の横に固定する。掴んだ手首は折れてしまいそうなほど細い、こんな手で抵抗なんて出来るわけがない。

「ちょっと……ポチ、場所と状況考えてよ」

首筋に舌を這わせ、鎖骨をしゃぶる。

「ねぇっ……!  やめてってば」

「しー、静かに。見つかっちゃいますよ……」

「誰のせいだと思ってんの!」

こんなことをしていられる状況ではないと分かっている。けれどどうにも治まる気配がない。何が?  性欲が。

「危機的状況に陥ると発情するのは生物の本能ですよ、ユキ様。ユキ様はどうです?」

「子孫なんか残せないだろっ!」

「……何言ってるんですか。種を繋ぐんじゃなくて……最期にイイことしようってアレですよ」

「アレってなんだよポチのバカぁっ!  頼りになると思ったのに!」

雪兎の信頼を稼げる好機だったのか、失敗したかな。

「最初に誘ったのはユキ様じゃないですか」

腰をゆっくりと雪兎に擦り付け、雪兎を誘う。暗闇に輝く赤紫の瞳が俺を見つめ、ゆっくりと閉じた。

「…………OK、と取っていいんですね?」

雪兎の手を拘束するのをやめ、頭と背に腕を回して強く抱き締める。雪兎の手はファスナーを下ろし、硬くなった性器を引っ張り出した。そのまま自分のズボンを下ろすと太腿に挟み、きゅっと閉じる。

「ぁ……イイ、ですねこれ……ユキ様の太腿気持ちいいです」

「……いちいち言わなくていいから」

冷たい皮膚、確かに温かな芯。そんな太腿にふにふにすべすべと挟まれ、そこに腰を打ち付ける。

「ユキ様にっ……入れてる、みたい」

「…………よかったね」

細い太腿からはみ出した先端が背の低い草につつかれるのもまた良い刺激になる。俺はそのまま腰を速め、雪兎の股間に陰茎を押し付けて射精した。
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