俺の名前は今日からポチです

ムーン

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うぇっとすーつ、じゅう

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雪風との電話はすぐに切れて、それから何十分経っても雪兎は戻らなくて、俺は孤独に快感を与えられ続けた。
そのうちに頭はふわふわと何も考えられなくなり、視界もチカチカと光だしたかと思えば消え、ただガクガクと足が震える様子だけが伝わる。

「…………ポチー?  ポチ?  無事?」

電気刺激はいつの間にか消えて、聞き覚えのある声が降ってきていた。

「上がっていいよ、縄も解いて……ポチ?  ポチ、平気?」

プールから引き上げられて腕も解放される。けれど身体を自由に動かすことは出来ず、プールサイドに寝転がる。
傾いた太陽が眩しくて目を細めていると、日傘を差した影が腹の上に座った。

「ゆ……き、さま……?」

「あ、ポチ、やっとこっち見たね、大丈夫?」

「俺っ……何時間……」

「ざっと四時間半かな?  ずっとイってた?  あはっ、そりゃそんなになっても仕方ないかな」

雪兎は後ろ手に太腿を擦り、無邪気な笑みを浮かべた。

「ウェットスーツの中ぐちゃぐちゃでしょ。胸くらいまで来てる?」

太腿を撫で回していた手が胸元を這い回る。ウェットスーツを摘み、持ち上げて離す。

「ぴちゃって鳴った?  今の何の音かなぁ、プールの水?  ふふ……」

何度かそうして遊ぶと、次は両手を胸に添える。ゆっくりと力を込め、脇の方から中心に寄せるように揉む。

「……ぁ……ユキ様……」

「気持ちいい?  胸揉まれても気持ちよくなっちゃうの?」

「……はい」

落ち着こうとしていた息がまた荒くなる。

「男のくせに……年上のくせに、何時間も一人でイかされた後、こんな子供に胸揉まれて声出しちゃうの?」

「はいっ……ぁ、ユキ様ぁ……もっと……強くっ、ぁっ、まって、んんっ!」

「年下に揉んでってねだっちゃうの?  情けなくない?」

ウェットスーツの上から筋肉質な身体を揉みしだくのはなかなか力が必要なようで、雪兎の呼吸も少し荒い。

「はぁ……疲れた」

「ユキ様っ……ユキ様ぁ、ねぇユキ様……」

「何?  まだして欲しいの?」

「これ脱がして……ユキ様の、入れて……」

縄の痛みはまだ感じるが、動くようになってきた腕で雪兎の手を掴み、軽く引く。屈んだ雪兎の背に腕を回し、重力に任せて引き寄せる。

「抱いて……」

「……実はさ、僕、今日ちょっと薬飲んでてね。ポチに飲ませてるのみたいなのじゃないよ?  ただの増強剤。ほら、一日に一回二回じゃポチ満足しないでしょ?」

すると口に指が入れられ、力の抜けた舌がオモチャになる。

「んっ、んぅっ……ぅうんっ……」

「口も性感帯?  ふふ……それでさ、いつもポチを先にとろっとろにしてから本番してるでしょ?  だから今日は最初から本番してもポチを満足させられるように薬飲んだんだ。でも、これでしょ?」

舌を人差し指と親指で摘み、中指で喉の奥を突く。思わずえずくが、それすらも気持ちいい。

「ポチはもう限界……それなのに僕はいつもより元気。この状況でやったら…………ポチ、どうなると思う?」

喉と舌を弄ばれるぐちゅぐちゅという音が直接鼓膜に届いて、俺を興奮させる。

「ねぇ、電気でむちゃくちゃにされたここ、僕に突かれたらどうなると思う?」

不意に手を引き抜き、答えを求める。

「…………犬、としてぇ……もっと、忠実ににゃれましゅぅ……れすからぁ、はやく……」

「……抱いて欲しいの?」

だらしなく唾液を垂らしたまま、口を僅かに緩ませて頷く。
見事に雪兎の嗜虐心をくすぐったようで、雪兎は嬉しそうに笑って俺の頬を引っ張った。

「昨晩も今もずーっとお仕置きだったもんね?  流石に可哀想だから、お願い聞いてあげる」

そう言いながら立ち上がり、雪兎は日陰に向かう。後を追うために俺も立ち上がりたいが足に力が入らない。となれば這いずるしかないが、そんな力もない。
雪兎はとっくに日傘を片付けて窓に腰掛けて待っているのに、俺は未だに寝返りを試みている最中だった。
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