俺の名前は今日からポチです

ムーン

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むちうち、よん

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腕で顔を隠し、自分から視界を奪う。自分の荒い呼吸だけが聞こえて、感覚がどんどんと研ぎ澄まされる。
下腹を擽っていた鞭はもう無い。振り上げ他のだろうか、それにしては落ちてくるのが遅い。焦らしているのか。
媚薬に調教、視覚遮断で鋭敏になった心身は時間の感覚すらも遅らせた。ヒュッ、と空気を裂く音が聞こえて、息を呑む。

「ぁっ、あぁああっ!  ぁ、あっ……」

リングを着けられたままながらも蜜を垂らした性器にちぎれてしまったんじゃないかなんて思える程の痛みが与えられて、自分で認識すら出来ない声が漏れる。

「……ポチ、どう?  力加減今のでいい?」

足が震えて、腰が引けて、目の上から腕がどかない。

「すごいよ、ポチ。先っちょの穴のとこひくひくしててさ、全体的にもう破裂しそうでさ、出したい?  まだ出るの?  出ないけど出したい?  外して欲しい?」

雪兎は返事を待ってくれているようだ。俺はしっかり呼吸を落ち着かせ、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「はい、外して欲しいです」

「出したい?」

「……はい、出るか分かりませんけど」

「ふーん……」

目を隠していた腕をどけ、雪兎を見上げる。ベッドに片膝をついて肘を曲げたまま手首だけで俺の性器にぺちぺちと鞭を当てる。

「あっ、ぁ、ゃあっ!  ユキ様……ぁ……ゃあんっ!  ユキ様ぁ……」

「ポチ、覚えてる?  これお仕置きなんだよ、ポチがしてって言ったお仕置き。ご主人様以外を誘惑する淫乱なダメ犬躾けてくださいってね」

弱い力で振る方が狙いをつけやすいのか、鞭は亀頭ばかりを叩く。弱いながらも確実に痛みは与え、勃起した陰茎をぶるぶると揺らして根元のリングも食い込ませる。

「僕が思うにポチには堪え性が無いんだよ。だから、リングは外さない」

「そっ、そんな……ぁ、ひぁっ……ゆきさまぁっ、そこばっかり……ぁんっ!」

「鞭打ちの間は外さないけど、出したいって僕にちゃんとおねだりしたら早く外してもらえるかもよ?」

「……ぁ、だっ、出したいですユキ様ぁっ!  外しっ、ひぅっ!?  今ダメ……やっ、強ぃ……ひぁあっ!」

雪兎好みのおねだりを考える暇もなく、鞭は速さと強さを増す。

「だ、ださせ……ふぁあっ!  だめっ、ゃだあっ!  ぁああぁあっ!?  ちゃんと、ちゃんと言うからぁっ!  もうイかせなっ、あ、ぁあんっ!」

「ほーら、もっとちゃんと言わないと明日も付けっぱなしになっちゃうよ?」

痛みなのか快楽なのかすらもう分からない。ただ、雷に打たれたような感覚が連続で襲ってくる。手足の感覚はもうなくて、それでも無意識に腰を必死で振っているのは分かった。

「可愛いっ……!  ほらほらポチぃ!  お預けくらっていいのかなぁーっ!」

パァンっ!  と一際大きな破裂音と共に性器と太腿に電撃が走って、それは脊椎を揺さぶって、テレビの電源を落とすように俺の意識は途絶えた。
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