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ふで、ご

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ベッド脇の棚から雪兎が持ってきたのは犬の尻尾と犬の耳の飾りだ。どちらも今まで見たのとは色や形が違う。

「はい、筆返して」

雪兎は俺から筆を受け取ると薬指と小指の間に挟んだ。黒い三角の犬の耳の飾り、カチューシャを俺に付けると手鏡を向けた。

「どう?  ポチの髪と同じ色でしょ。留めてるとこにも同じ色の毛が生えててね、カチューシャだって分かりにくいんだ。本当に犬の耳が生えてるみたい……なんてね」

手鏡を下ろし、尻尾飾りを俺の目の前で揺らす。俺の髪やカチューシャと同じ色の毛で、馬のようとも言える長く真っ直ぐの尾だ。

「これはバイブレーション機能付き。僕のよりは小さいと思うけど、気持ちいいところにはちゃんと当たるはず。だーかーら、貞操帯とは違って最後まで気持ちよくなれるよ」

今から俺に入れられるであろう、男性器を模した部分が頬に当てられる。

「欲しい?  欲しいならおねだりして、とびきり可愛くね」

少々放置されて焦れてはいるが呼吸は整った。おそらく雪兎の望みには答えられるだろう。それに、俺も頬をペちペちと叩くそれが欲しくてたまらない。

「……ユキ様ぁ」

「うん、ユキ様だよ。なぁに?」

「…………俺を、犬らしくしてください。尻尾……生やしてください」

オモチャの先端が唇に触れる。軽く舌を這わせ、雪兎を見上げる。

「……これ、俺に……入れてください」

「欲しいの?」

「…………はい、欲しいです」

流石に羞恥心が増してきたが、何とか欲望が勝った。

「入れて、どうして欲しいの?」

「……バイブ、つけて。出し入れ、して……かき回して、欲しいです」

羞恥心と欲望が拮抗する。流石にこれ以上は言葉を紡げない。

「それしたら、ポチはどうなるの?」

「………………気持ちよくなります」

「そうなったら、僕に得はある?」

「……俺に、俺の……で、名前が書けます。俺の……その、声とか、表情とかで、楽しめます」

「ふーん……ふふっ……そっかそっか」

いつもより執拗い。いつもなら長くても「入れて」「ぐちゃぐちゃにして」で終わりにしてくれるのに、今日はまだ続きそうだ。

「これ入れたらポチはどんな声出すの?」

「……え?  ぁ……えっと、高くて、大きな……声です。いつもとは違う……その、情けない声で、喘ぎます。ユキ様の名前、呼びます」

「ふーん、聞いてみたいなぁ。じゃあ、顔は?」

「…………真っ赤になって、口開いて、涙とか……よだれとか、出しちゃいます。きっと、ユキ様しか見えなくなります」

「僕しか?  ふぅーん……それは、いいなぁ」

オモチャが口から離れ、後ろの穴に先端が押し当てられる。

「あっ……ユキ様ぁ……早くっ、早くくださいっ、早くぅっ!  早く、入れて……ユキ様ぁっ!」

「あははっ、今まで恥ずかしそうだったのに、急に元気になったね?  いいよいいよ、ペットっぽい。そうだよ、人間らしいプライドとか捨てて、そうやっておねだりしてればいいんだよ」

「ユキ様っ!  早く、欲しいです!  早く入れてくださいっ!  ぐちゃぐちゃに、俺をっ……俺を犬にしてください!」

言い切った、自分でもその感覚があった。羞恥心はどこか彼方に吹っ飛んで、ただ目の前の快楽を求めた。
ゆっくりと身を裂くような心地好い感覚を味わいながら、俺は理性も飛ばしてしまった。
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