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くりーむふたたび

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雪兎の手の感触が消える。音とベッドの沈み具合から考えて、雪兎はベッドを降りて鞄を漁っているらしい。
いい物が見つからなかったのか、別の物も使うつもりなのか、鞄を漁り終えた雪兎はベッドの横の棚も探り出した。

「……何探してるんです?」

「ポチ、あーんして」

何も考えず、ただ命令に従う。
力を抜いて開けられた俺の口内に小さな錠剤が放り込まれる。

「水いる?」

首を縦に振ると、ペットボトルらしい飲み口が唇に触れる。
傾き加減が上手くいかず、顎や首周りが少し濡れてしまった。

「お薬飲めた?」

ぽんぽんと首周りに触れる柔らかい繊維はタオルだろうか、雪兎の優しい口調に甘えるように、俺はまた首を縦に振った。

「よしよし、えらいえらい。じゃあ次はこっちだから……んー、大人しくしててね」

大人しくも何も、手足を縛られて身動きが取れない。そう伝えるのも面倒なので、ただ首を縦に振った。
微かな物音がして、服が捲り上げられる。突然外気に曝されて鳥肌が立った。

「……ユキ様、何を?」

「お薬塗るの。ちょっと冷たいけど我慢してね、すぐ熱くなるから」

媚薬か。先程飲まされたのもそうだろう。
縛られて媚薬を飲まされて、そのまま攻められるのなら、かなりの快楽が期待できる。
俺は期待に胸を弾ませ、雪兎の指を待った。

「…………っ!?  つめた……」

胸に触れる冷たい指先、に塗り込まれるクリーム。冷たさと刺激に反応して膨らんだ先端に、特に重点的に、こりこりと指の間に挟まれる。

「ん……ぁ、ユキ様……っ」

「んー?」

「それ、好き、です」

「そう?  そっかそっか、こうだね?」

少し力を強め、捻じる。
俺は身体を跳ねさせて悦び、雪兎の名を喘ぎ喘ぎ呼んだ。

「もー、可愛いなぁポチは。飼い主の喜ばせ方を分かってるよね」

丹念にクリームを塗り込むと、雪兎は俺の服を元に戻す。俺はてっきりローターでも貼り付けられると思っていたのだが……後で、なのかな。

「ん、じゃあ次はこっち」

シャツを捲り臍をなぞり、スラックスの中に手を入れる。下着の中に侵入し、勃ちかけた俺の陰茎にクリームを塗り込む。

「さっき……したじゃないですかぁ」

「まぁいいじゃん。塗り薬なんだから多少使い過ぎても体調悪くなったりしないって」

「そういう問題じゃなくて……っ、ん……今、話してるんだからっ、手ぇ止めてくださいよ!」

両手で俺の陰茎を握り、丹念に塗り広げる。
呼吸が荒くなって、首輪の締め付けを更に強く感じるようになって、また頭がぽーっとして何も考えられなくなる。

「分かんないだろうけど、今のポチすっごくいい顔してるよ。よだれ垂らしちゃって犬みたい」

「はぁっ……ん、そんな……顔、してませんっ!」

「してるんだって。口開けちゃってだらしなーいの、歳上とは思えないなぁー」

意識していないと口を開けて声を上げてしまう。けれど口を閉じようと意識出来るほどの思考力がなくなってしまったのだから仕方ない。
俺は泣きそうな声で責任転嫁する。

「ゆき……っ、が、こんなこと、するからぁっ!」

そう叫ぶと雪兎の手が止まる。
普段なら雪兎が何を考えているのか察して言葉を追加することも出来るのに、雪兎の表情が見えないのと何も考えられないのとで、更に責任を押し付けることしか出来なかった。
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