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ひとおおかみ (ハロウィン特別編)
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いつ眠ったのか、どれだけ寝ていたかは分からない。
ベッドの上で全裸で首輪の紐を腕に絡めて眠っていた。まぁよくある事だ、俺はいつか睡眠中に首が絞まって死ぬかもしれない。
「おはよっ! ポチ! もう昼だよ!」
「あぁ……ユキ様の声が頭にガンガンくる。おそようですユキ様」
「二日酔いのおっさんみたいなこと言うなぁ」
雪兎の声に目を擦ってその方を見れば、数人の黒スーツの男がトランクケースを部屋に運び込んできていた。
「……死体を海に流すやつ」
「服を入れるやつだよー」
「黒スーツにグラサン、ガタイ良しとくればもう完全にそういう職業の人ですよ」
まだ半ば夢の中なのか、怖い職業の見た目の男達に毒を吐く。
トランクケースを三つ運び終えると男達は部屋から出ていった。そんなに何人もで運ぶ物か? そこまで大きくもないぞ。
「で、どんなのが入ってるんです? 男? 女? 子供? 年寄り?」
「死体って前提やめてね。コスチュームだよ」
「コスチューム? レースクイーンですか?」
雪兎のレースクイーンなら見たいな。ナースもいい、セーラー服も捨てがたい。抱きたい。
だが俺の願いは一つも叶わず、トランクケースから現れたのはモコモコとした毛の塊だった。
「…………毛皮ですか。いったい何匹の動物を犠牲に?」
「ポリエステル!」
「そうですか、通りで安っぽいと思いましたよ」
雪兎は毛の塊の中からカチューシャを取り出す。三角の耳が付いた物だ。
「これはね、人狼コスチュームなんだよ!」
「へぇ人狼。俺いっつも村人なのに無口だからって殺されるんですよねー」
「ゲームの話じゃないの!」
雪兎は俺にカチューシャを装着させる。全裸に首輪に犬耳……ド変態だな。いや、全裸で首輪の時点で変態だったな。服を着ていても首輪があれば変態か。
「ハロウィンのコスチュームだよ。お菓子いっぱい貰うんだぁ」
「俺がこのまま外出たら鉛玉がたくさん貰えますね、飴玉はどうかご自身で」
「全裸の変態には発砲しないと思うなぁ」
続いて引っ張り出されたのは耳と同じ色の上下服。
これではコスチュームと言うより着ぐるみではないか。
「じゃあ明日は俺はこれ着るんですね?」
「うん! 僕は魔法使いやるから、ポチはその使い魔、的なのお願い」
「いいですよ。四つん這いで背に乗せろとか言わないなら」
俺が快諾すると雪兎はもう一つのトランクケースを開ける。雪兎の分のコスチュームかと思ったのだが、違った。
そこに入っていたのは麻縄と大人のオモチャだった。
「分厚くってほぼ着ぐるみだから、下で何してても大丈夫だと思うんだよね」
「…………つけろ、と?」
「魔法使いの魔法によって人狼は倒され、魔法使いに従うようになったのです! っていうストーリーを考えてるよ」
「初めっからお腹見せますよポチオオカミは」
コスチュームに尻尾はあるから、尻に挿されないだけマシか……と、自分に言い聞かせる。
どこにどうやって付ける気かは知らないが、顔は隠せないのだからあまり敏感なところはやめて欲しい。
「お腹? お腹撫で撫でしてほしいの?」
「……俺、それでもイケそうですよね」
明日着るものだから、と雪兎は服をトランクケースに詰め直す。
俺の頭のカチューシャも忘れずに、トランクケースは元通りの死体が入っていそうな風貌になった。
俺はひと仕事を終えたような顔をして伸びをする雪兎を抱き寄せて、髪の匂いを嗅ぎながら後頭部にキスを落とした。
ベッドの上で全裸で首輪の紐を腕に絡めて眠っていた。まぁよくある事だ、俺はいつか睡眠中に首が絞まって死ぬかもしれない。
「おはよっ! ポチ! もう昼だよ!」
「あぁ……ユキ様の声が頭にガンガンくる。おそようですユキ様」
「二日酔いのおっさんみたいなこと言うなぁ」
雪兎の声に目を擦ってその方を見れば、数人の黒スーツの男がトランクケースを部屋に運び込んできていた。
「……死体を海に流すやつ」
「服を入れるやつだよー」
「黒スーツにグラサン、ガタイ良しとくればもう完全にそういう職業の人ですよ」
まだ半ば夢の中なのか、怖い職業の見た目の男達に毒を吐く。
トランクケースを三つ運び終えると男達は部屋から出ていった。そんなに何人もで運ぶ物か? そこまで大きくもないぞ。
「で、どんなのが入ってるんです? 男? 女? 子供? 年寄り?」
「死体って前提やめてね。コスチュームだよ」
「コスチューム? レースクイーンですか?」
雪兎のレースクイーンなら見たいな。ナースもいい、セーラー服も捨てがたい。抱きたい。
だが俺の願いは一つも叶わず、トランクケースから現れたのはモコモコとした毛の塊だった。
「…………毛皮ですか。いったい何匹の動物を犠牲に?」
「ポリエステル!」
「そうですか、通りで安っぽいと思いましたよ」
雪兎は毛の塊の中からカチューシャを取り出す。三角の耳が付いた物だ。
「これはね、人狼コスチュームなんだよ!」
「へぇ人狼。俺いっつも村人なのに無口だからって殺されるんですよねー」
「ゲームの話じゃないの!」
雪兎は俺にカチューシャを装着させる。全裸に首輪に犬耳……ド変態だな。いや、全裸で首輪の時点で変態だったな。服を着ていても首輪があれば変態か。
「ハロウィンのコスチュームだよ。お菓子いっぱい貰うんだぁ」
「俺がこのまま外出たら鉛玉がたくさん貰えますね、飴玉はどうかご自身で」
「全裸の変態には発砲しないと思うなぁ」
続いて引っ張り出されたのは耳と同じ色の上下服。
これではコスチュームと言うより着ぐるみではないか。
「じゃあ明日は俺はこれ着るんですね?」
「うん! 僕は魔法使いやるから、ポチはその使い魔、的なのお願い」
「いいですよ。四つん這いで背に乗せろとか言わないなら」
俺が快諾すると雪兎はもう一つのトランクケースを開ける。雪兎の分のコスチュームかと思ったのだが、違った。
そこに入っていたのは麻縄と大人のオモチャだった。
「分厚くってほぼ着ぐるみだから、下で何してても大丈夫だと思うんだよね」
「…………つけろ、と?」
「魔法使いの魔法によって人狼は倒され、魔法使いに従うようになったのです! っていうストーリーを考えてるよ」
「初めっからお腹見せますよポチオオカミは」
コスチュームに尻尾はあるから、尻に挿されないだけマシか……と、自分に言い聞かせる。
どこにどうやって付ける気かは知らないが、顔は隠せないのだからあまり敏感なところはやめて欲しい。
「お腹? お腹撫で撫でしてほしいの?」
「……俺、それでもイケそうですよね」
明日着るものだから、と雪兎は服をトランクケースに詰め直す。
俺の頭のカチューシャも忘れずに、トランクケースは元通りの死体が入っていそうな風貌になった。
俺はひと仕事を終えたような顔をして伸びをする雪兎を抱き寄せて、髪の匂いを嗅ぎながら後頭部にキスを落とした。
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