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おくすり

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次に俺が目を覚ましたのは、真っ白い部屋だった。
夢ではない、夢ならさっきまで見ていた。雪兎に弄ばれる夢を……夢の中くらい抱かせてくれてもいいのに。

「……目が覚めたか」

俺の顔を覗き込んだのは知らない男だった。

「誰……ですか?」

「医者だ」

「……医者?  どうして」

「君は風邪を引いている。まぁあんな格好で寝ていれば当然のことだ」

あんな格好……俺はオモチャと手錠が外されていることに気が付いた。首輪はそのままで裸ではあったが、前よりはマシな格好だ。

「私は雪兎様の曽祖父の担当医だ。今日は往診に来ていてな……ついでに君の様子も診てほしいと頼まれたんだ」

「誰にですか?」

「雪兎様だよ、随分と気に入られているらしいな。で、だ。診てみたら風邪を引いていたから……正確には引きかけだな、今温かくしておけば大丈夫だ。それと……薬を渡しておく。雪兎様にも頼まれたからな」

「……ありがとうございます」

医者は起き上がった俺を寝かせ、布団を肩まで被せた。
お大事に、と部屋を去る。
この部屋は……何だろう、往診と言っていたし病院ではなくて屋敷の一室のようだが。
暇になった俺は渡された薬の諸注意を読む。一回一錠とだけで、食前だとか一日何回だとかは教えてくれない。

「咳止めとかか?  書いてねぇし……なんなんだよ怖ぇな」

何だか段々と頭が痛くなってきた。思考もぼーっとしてまとまらないし、咳も出てきた。

「…………飲んどこ」

風邪薬であることは間違いないのだし、と自分に言い聞かせて詳細不明の薬を飲んだ。
あとは寝ていれば治るだろう、と俺は布団に潜り込んだ。

「……熱い、な」

暑い、ではなく熱い。本格的に熱が出てきたのか?  そう思ったのだが様子がおかしい。

「は、ぁ……んっ、なんなんだよ……本当に、クソ……この変態」

熱が出たのではなく、身体が快楽を求めて疼き始めたのだ。
ようやくオモチャを外されたばかりなのに、またあの刺激を求めている。自分で自分を変態と罵ってもどうにもならない。

「はぁーっ、はぁ、ちくしょう……ゆきと、お前のペットは、順調にっ、お前に……」

オモチャは手の届く場所に置かれていた。俺はローターを亀頭に当て、電源を入れた。

「あっ……ぁ、あぁ、はっ……ん、んんっ……ゆき、ゆきぃ……」

根元にもう一つのローターを当てがい、それは太腿で固定して余った手で陰茎を扱く。

「あっ、これ……いい、あぁ……んっ」

固く目を閉じて、雪兎を抱いていると妄想する。
頭の中で雪兎が俺の上で動くのに合わせて、ローターを持ったまま扱いた。

「ゆきっ……ゆき、ゆき……」

妄想のおかげか、俺は早々に果てた。
ずっとイカされ続けていたこともあって、精液はほとんど出なかった。
それは嬉しいことなのだが、何故か俺の陰茎は勃ったままだ。

「ゆき……も、一回」

妄想の雪兎にもう一度をねだった、丁度その時。
現実の雪兎が部屋に入ってきた。
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