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第三十章 欲望に満ち満ちた悪魔共
平和な夕飯時
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空が赤く染まる頃、魔獣達が「夕食が出来た」と体を起こす。匂いなのか音なのか、彼らの感覚には感心させられる。
六人でぞろぞろとダイニングに向かう──と、階段や廊下の至る所に付着した黒い液体が目に付いた。それは乾留液のようにも思える不気味なものだ。
『……ね、ねぇヘルシャフト君、これ目玉?』
セネカが指差す廊下の隅には目玉が転がっている。ヴェーンが見れば歓喜するだろうか、美しくないと顔を背けるだろうか。
「多分にいさま。気にしなくていいですよ」
『えっ……お兄さん目玉取れちゃってるの!? 気にしなきゃだよそれ!』
「大丈夫ですよ、ほら見てください」
僕は至る所に落ち、へばりついた目玉を順々に指差していった。近頃は猟奇的な景色にも慣れてきた、目玉が転がっている程度なら平気だ。
『いっぱいあるぅー!?』
「にいさまは目玉いっぱい生やせますから、気にしないでください」
そんな平和な会話をしつつ、ダイニングへ。もう全員集まっていた。だが、誰一人として食事を配膳するフェルを手伝おうとはしていない。
『えっと、席って決まってるのかな』
「空いてるところお好きなように。そういえば椅子増やさなきゃかな」
『物置にまだ幾つかあった。欲しいなら自分で持ってこい』
三人居なくて二人増えた、今晩はとりあえず足りる。配膳が終わりフェルが席に着くと、各々食事の挨拶をし、食器の擦れる音が響き始める。
「……あのさ、メルとセネカさん来たからさ、自己紹介とかして欲しいんだけど」
「はいはーい、グロルはね、グロルって言うの!」
『グロルちゃんね、よろしく』
「初めまして、おねーさん!」
今はグロルの方か、アザゼルの時にも紹介するか今言っておくか……迷うな。
「グロルちゃんは今のところ弱いから、何かと戦うことになったら積極的に守ってあげてね」
ぽつぽつと了承の声が聞こえる。
「じゃあ次……どうしよう、席順で行く?」
『じゃあワタシね?』
僕の隣にグロルが、その隣にメルが座っている。自惚れかもしれないが、メルは僕の隣に来ると思っていたから以外だった。
『ワタシはメロウ・ヴェルメリオ、メルって呼んでね。種族はリリムで、少し前までお菓子の国で王女だったわ。近頃は魔力少なくなってきちゃって、戦いとかでは役に立たないと思う、ごめんなさいね』
そういえばお菓子の国はどうなったのだろう。呪いが消えて食料が消え、王女も消えた。まぁ国家というのは案外としぶといものだ、存続は出来ているだろう。元々人々の往来はあった国だ。
『次は……ボクかな? セネカ・キルシェ、吸血種の悪魔で、特技は変身。血さえあればそれなりに戦えると思うよ。それで……えっと、ぁ、好きな年齢性別種族に変身出来るから、お酒の席に呼んでもらったら盛り上げられるかも……?』
『……ほんで頭領の好みは犬やったと』
「純粋な意味でね、純粋な」
『私としては多少不純でも構わないが……』
机の下から頭を覗かせたアルを太腿に挟んで黙らせる。クリューソスもカルコスも机の下には潜らないのにアルはどうしてこの場所を好むのだろう、狼に巣穴を掘るような習性はあったかな。
「セネカさん端っこだから……えっと、向かいで酒呑からお願い」
『へーへ。酒呑童子、好きなもんは酒と人肉』
『あと手弱女』
『黙っとれ茨木。えー、他なんかあったか……あぁ、種族は鬼や』
改めて自分について話せと言われると難しいものだ。
人肉が好きという言葉に慣れてきた自分が嫌になるな。
『次、うちやね? うちは茨木童子いいます、種族は酒呑様と同じく鬼、どうぞよろしゅう』
『……ね、質問いいかしら。茨木ちゃんって酒呑さんの彼女?』
予想はついていたが、メルは恋愛話好きか。鬼達は二人ともこの類の話を嫌っていた記憶があるが──まぁ、初対面で怒ったりはしないだろう、兄と違って彼らには良識がある。
『いやいやいやメルちゃん、どっちかって言うと彼氏でしょ』
『へ?』
『え? いや、だって……お兄さんだよね? 茨木君』
…………何を言っているんだ? 確かに女性にしては大柄だし声も低いけれど、それは種族の問題だろうし、茨木はどこからどう見てもお淑やかな女性だ。セネカにふざけている様子はないし、メルはぽかんとしている。当の茨木は微笑みを絶やしていないから安心だが、酒呑は隣で息を殺して膝を叩いている。
『嫌やわぁ……酒呑様の彼女や彼氏やなんて…………気持ち悪いこと言いな。こーんな大酒飲みに惚れるようなもん居らんわ』
男扱いは気に留めていないようだが、やはり酒呑の恋人扱いは相当嫌なことらしく、珍しくも顔を顰めた。
『ぁ、そ、そう? ごめんなさいね、変なこと聞いて…………セネカ、早めに謝りなさいよ、どう見ても綺麗なお姉さんじゃない』
『え……? 嘘、どう見ても男……』
「セネカさん! やめてくださいよ」
『…………な、なんかごめん』
セネカは腰に生やした四枚の羽を垂らし、長い尾を椅子の足に絡めて落ち込む。やはり本気で言っていたのか……どうやったら見間違うんだ?
『あー……腹いったいわぁ……で、頭領。今居らんもんの紹介はええんか?』
「んー……ベルゼブブは知ってるよね? 強い悪魔で、食いしん坊、あと何かと馬鹿にしてくる」
『ええ、セネカにもちゃーんと話しておいたわ、だーりん』
「ヴェーンさんはここの家主で、ダンピール。眼が好きで人形作りが仕事。で、にいさま……エアオーベルング・ルーラー、魔法使いでこの家に結界を張ってる。あんまり近付かない方がいいよ、基本不機嫌だから」
僕以外の者と話している時は大抵不機嫌で、僕と話している時はコロコロ変わる。兄の機嫌を左右出来るのが僕だけというのは自惚れを産む。
「こんなものかなぁ、じゃ、次フェル」
『ぁ、うん、フェルシュングです、よろしく』
「……短くない? 何か、好きなものとか、ほら、他の人みたいにさ」
立場が逆だったら僕も名前だけを言うだろうに、今の僕のような発言をしてくる奴が一番嫌いだろうに、僕は周囲の空気の為に発言した。
『え? えっと、えっと……えっ……と、あの…………かっ、簡単な魔法なら使えるので、怪我したとか物壊れたとか、なんでもいいので困ったことがあったら言ってください』
自分と──いや、正確には少し前の自分と同じ見た目の者が戸惑ったり困ったりしているのは見ていられない。何故か僕まで恥ずかしくなってきた。
「ありがとうフェル、ごめんね無理言って。えっと、次は……カルコス、クリューソス、どっち行く?」
『様を付けろ下等生物が!』
『我はカルコス! 銅の位の合成魔獣!』
絨毯に寝転がっていた獣達は揃って立ち上がる。
『おい! 俺が先だぞ、お前は銅だろう!』
『呪い、毒、病魔は一切効かん! 癒しと浄化の力を持っている、何かあれば来るがよい、おやつと引き換えに治してやろう!』
クリューソスを宥めるべきか、おやつと引き換えという良心的な価格設定に感嘆するべきか……迷うな。
『では次は私だな』
迷っていると机の下からアルが這い出た。
『下がれ駄犬! お前は銀だろう!』
『金は最上級、であれば最後が相応しいぞ。銅、金、銀、の順はおかしいだろう。銅、銀、金、であるべきだ』
『……それもそうか』
僕にはイマイチ納得出来ない理論により、クリューソスは引き下がる。アルは僕が座っている肘掛けに前足を置き、背筋を伸ばして後ろ足で立ってみせた。
『名をアルギュロス、位は銀。大した特技はないが、近接戦闘向きに造られたらしい。まぁ、戦闘となればヘルの守りに徹する、あまり気にするな』
簡潔に済ませ、机の下に戻る。次はクリューソスだと視線で呼びかけた。
『俺はクリューソス、こいつらよりも位は高く、金だ! 魔獣でありながら天界への入界許可を持ち、天使を模した俺は遠距離攻撃もお手の物!』
長くなりそうだ。そう察知した僕はそっと席を立ち、食べ終わった皿を流し台に運んだ。
六人でぞろぞろとダイニングに向かう──と、階段や廊下の至る所に付着した黒い液体が目に付いた。それは乾留液のようにも思える不気味なものだ。
『……ね、ねぇヘルシャフト君、これ目玉?』
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「多分にいさま。気にしなくていいですよ」
『えっ……お兄さん目玉取れちゃってるの!? 気にしなきゃだよそれ!』
「大丈夫ですよ、ほら見てください」
僕は至る所に落ち、へばりついた目玉を順々に指差していった。近頃は猟奇的な景色にも慣れてきた、目玉が転がっている程度なら平気だ。
『いっぱいあるぅー!?』
「にいさまは目玉いっぱい生やせますから、気にしないでください」
そんな平和な会話をしつつ、ダイニングへ。もう全員集まっていた。だが、誰一人として食事を配膳するフェルを手伝おうとはしていない。
『えっと、席って決まってるのかな』
「空いてるところお好きなように。そういえば椅子増やさなきゃかな」
『物置にまだ幾つかあった。欲しいなら自分で持ってこい』
三人居なくて二人増えた、今晩はとりあえず足りる。配膳が終わりフェルが席に着くと、各々食事の挨拶をし、食器の擦れる音が響き始める。
「……あのさ、メルとセネカさん来たからさ、自己紹介とかして欲しいんだけど」
「はいはーい、グロルはね、グロルって言うの!」
『グロルちゃんね、よろしく』
「初めまして、おねーさん!」
今はグロルの方か、アザゼルの時にも紹介するか今言っておくか……迷うな。
「グロルちゃんは今のところ弱いから、何かと戦うことになったら積極的に守ってあげてね」
ぽつぽつと了承の声が聞こえる。
「じゃあ次……どうしよう、席順で行く?」
『じゃあワタシね?』
僕の隣にグロルが、その隣にメルが座っている。自惚れかもしれないが、メルは僕の隣に来ると思っていたから以外だった。
『ワタシはメロウ・ヴェルメリオ、メルって呼んでね。種族はリリムで、少し前までお菓子の国で王女だったわ。近頃は魔力少なくなってきちゃって、戦いとかでは役に立たないと思う、ごめんなさいね』
そういえばお菓子の国はどうなったのだろう。呪いが消えて食料が消え、王女も消えた。まぁ国家というのは案外としぶといものだ、存続は出来ているだろう。元々人々の往来はあった国だ。
『次は……ボクかな? セネカ・キルシェ、吸血種の悪魔で、特技は変身。血さえあればそれなりに戦えると思うよ。それで……えっと、ぁ、好きな年齢性別種族に変身出来るから、お酒の席に呼んでもらったら盛り上げられるかも……?』
『……ほんで頭領の好みは犬やったと』
「純粋な意味でね、純粋な」
『私としては多少不純でも構わないが……』
机の下から頭を覗かせたアルを太腿に挟んで黙らせる。クリューソスもカルコスも机の下には潜らないのにアルはどうしてこの場所を好むのだろう、狼に巣穴を掘るような習性はあったかな。
「セネカさん端っこだから……えっと、向かいで酒呑からお願い」
『へーへ。酒呑童子、好きなもんは酒と人肉』
『あと手弱女』
『黙っとれ茨木。えー、他なんかあったか……あぁ、種族は鬼や』
改めて自分について話せと言われると難しいものだ。
人肉が好きという言葉に慣れてきた自分が嫌になるな。
『次、うちやね? うちは茨木童子いいます、種族は酒呑様と同じく鬼、どうぞよろしゅう』
『……ね、質問いいかしら。茨木ちゃんって酒呑さんの彼女?』
予想はついていたが、メルは恋愛話好きか。鬼達は二人ともこの類の話を嫌っていた記憶があるが──まぁ、初対面で怒ったりはしないだろう、兄と違って彼らには良識がある。
『いやいやいやメルちゃん、どっちかって言うと彼氏でしょ』
『へ?』
『え? いや、だって……お兄さんだよね? 茨木君』
…………何を言っているんだ? 確かに女性にしては大柄だし声も低いけれど、それは種族の問題だろうし、茨木はどこからどう見てもお淑やかな女性だ。セネカにふざけている様子はないし、メルはぽかんとしている。当の茨木は微笑みを絶やしていないから安心だが、酒呑は隣で息を殺して膝を叩いている。
『嫌やわぁ……酒呑様の彼女や彼氏やなんて…………気持ち悪いこと言いな。こーんな大酒飲みに惚れるようなもん居らんわ』
男扱いは気に留めていないようだが、やはり酒呑の恋人扱いは相当嫌なことらしく、珍しくも顔を顰めた。
『ぁ、そ、そう? ごめんなさいね、変なこと聞いて…………セネカ、早めに謝りなさいよ、どう見ても綺麗なお姉さんじゃない』
『え……? 嘘、どう見ても男……』
「セネカさん! やめてくださいよ」
『…………な、なんかごめん』
セネカは腰に生やした四枚の羽を垂らし、長い尾を椅子の足に絡めて落ち込む。やはり本気で言っていたのか……どうやったら見間違うんだ?
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『様を付けろ下等生物が!』
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『おい! 俺が先だぞ、お前は銅だろう!』
『呪い、毒、病魔は一切効かん! 癒しと浄化の力を持っている、何かあれば来るがよい、おやつと引き換えに治してやろう!』
クリューソスを宥めるべきか、おやつと引き換えという良心的な価格設定に感嘆するべきか……迷うな。
『では次は私だな』
迷っていると机の下からアルが這い出た。
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