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第二十七章 壊されかけた者共と契りを結べ
猫科
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いじけてカルコスの鬣に顔と両手を埋めてしばらく、息苦しくなってようやく顔を上げた。居るかも分からないアルの想い人への嫉妬も、僕を置いてどこかに行ったアルへの憎悪も心の表面からは移動した。
『起きたか下等生物、少し話すぞ。知能指数を高めろ』
「高めようとして高まるなら人間皆天才だよ」
手探りで声の元を探すと隣に横たわっているクリューソスの頭に手が当たった。唸り声を上げられて手をカルコスの鬣に戻す。
『先程はアルギュロスの異変を発情期だと茶化したが……アレは相当酷いぞ』
「酷いって……ま、まさか、アル、苦しかったりするの?」
『苦しいかどうかは知らんが、何か気味の悪いものを感じる。邪悪なものだ。俺は天使モデルだからな、前から悪魔モデルの雌犬は嫌いだったが……』
天使がモデルなのに随分と口が悪い。いや、そもそも天使の口が悪いのか?
アルこそ僕の天使だ。まぁ、天使に狙われ悪魔に守られる僕にとって、愛しい人を天使と表現するのはイマイチ合わないのだけれど。
『おそらくだが凶暴性が増している。何とか持ち堪えていたが、さっきもお前に喰らいつこうとしていた。次に顔を合わせたら襲いかかってくるだろうな』
だから僕から離れたのか。襲ったって喰らったって、今更どうでもよかったのに。
「そんなっ……な、治るよね? すぐに……」
『分からん。本当に発情期であれば数週間で終わるが……おそらく違うな。俺の予想が正しければ、あれは恒久的なものだ』
発情期だとか言い出したのはクリューソスなのに、今度はそれを否定するのか。「茶化した」なんて、こんな非常事態にふざけた真似をしてくれたものだ。
僕は怒りを覚えつつもクリューソスにその予想とやらを話すよう促した。
『おそらく、だ。あくまでも予想。それを念頭に置いて聞け。アルギュロスは何者かに何かを混ぜられた。それによる異常食欲、性的倒錯、分裂症……要するに思考が歪んできている』
「……何者かに何かって」
『それが何かは知らん。だが、早急に対応すべきだ。今すぐ魔眼を戻しアルギュロスを浄化しろ、でなければ……死ぬぞ』
「死ぬって……アルが? そんなっ……」
『違う。お前だ、下等生物。お前が死ぬ』
僕が? 僕は何もされていないのに?
『お前は悪魔だの天使だので感覚が麻痺している。奴等にとって人界は所詮俗界。ここで最も力を発揮でき、執念深くお前を狙うのはアルギュロスだ。いいか下等生物、狼はこの世で最も執念深い生き物であり、あの雌犬はそれの完成系だ。本気になった狼の狩りから逃れられると思うな』
戦闘時にベルゼブブや鬼達に供給している魔力はアルのもの。あれだけの量を一人で賄えるという事は、長期戦に持ち込まれたらいかに強力な悪魔に守られていても殺されるかもしれない。
「……魔眼、か。でも……にいさまには言えないし」
兄は僕の眼を戻すよりもアルを殺す方を選ぶだろう。フェルには失った部位を戻すほどの魔法は使えない。
「…………相談してみる。乗せてくれない?」
『ふざけるな下等生物、誰がお前など』
『構わんぞ!』
『……俺が乗せる! 俺に乗れ下等生物!』
緊張感の無い獣達だ。兄弟に異常が起こっているというのに。
「えっと……じゃあ、乗るよ」
伏せていたクリューソスの上に手探り足探りで跨る。アルよりも胴が太い。両足に尾が添えられ、クリューソスが立ち上がった。
『誰に話すんだ?』
「……みんな買い物行ってるかもだし、残ってる人誰が居る?」
『さぁな、とりあえずダイニングにでも行くか』
足や手に触れる羽毛はあの白い翼だろう。クリューソスは確か二対の翼を持っていた。光輪もあったはずだが、それらしき場所に手を伸ばしても感触はない。
『誰か居るか』
クリューソスはそう言いながら扉を鼻先で押し開ける。
『おぉ、虎公。頭領も。どないしたん』
「えっと、酒呑? みんなは? 酒呑は買い物行かないの?」
『あにさんは買い物、茨木も買い物、ダンピールは地下で、堕天使は部屋、弟さんは台所で仕込み。酒まだあるし……俺はしばらく外出ぇへん』
クリューソスは僕を酒呑の隣の椅子に乗せ、その隣に座って僕の膝に顎を置いた。ぐるぐると唸っているのは──怒っている訳ではないらしい。頭を撫でても何も言わなかったから、きっとそうだ。
「ベルゼブブは?」
『せやせや、そいつ。頭領ちょっと血ぃ舐めさせたって』
手を出すように言われてそうすると、手のひらの上に何かが乗る。短い毛の生えた球体のように思えるが、何本か硬く細長いものも生えている。
「何これ」
『ちょっと腹減り過ぎたみたいでな。縮んでしもてん』
「血って……えっと」
『怪我しとるんやろ? そっからでええやん』
当然のようにバレている。本当に兄に気が付かれてはいないのだろうか、不安になってきた。
僕は袖を捲ってアルの爪の痕を晒す。すると球体は動き出し、傷口に棘の生えた柔らかい何かを何本も押し付ける。
部分的に皮膚感覚が麻痺し、痛みよりも不快感が先に出る。長細い何かが傷口から体内に入ってくる。麻痺は皮膚で止まっており、肉を裂かれる感覚には流石に痛みを覚えた。
「いっ……た、ぅあっ、痛いっ……! ねぇ、まだ……?」
『…………もういいですよ。申し訳ございません』
中に入ってきた物も手のひらの上の球体も消え、傷口を小さな手に押さえられる。
「ベルゼブブ? 居たの?」
『えぇ、まぁ。先輩からの供給が無いと小型化するとは思いませんでした。ちょっと補給出来たので何もしなければ二、三日は平気ですよ』
小型化? 先程の球体はベルゼブブだったのか?
まさかあの丸々と太った蝿になっていたのでは──見えていなくて助かった。
『で、何しに来たん頭領』
「そうそう、ちょっと相談があって」
『俺でええん?』
『私でしょう?』
「んー、じゃあ、二人に」
この手の相談事なら魔物に詳しい者がいい。悪魔の最高指揮官だとか鬼の頭領だとかは理想的な相手だ。
僕はアルに起こっていることをクリューソスに聞いたままに話した。
『なんやえらいことなっとってんなぁ。何かが何か混ぜた……あの国でか?』
『…………まさか』
「ベルゼブブ? 心当たりあるの?」
『……ナイアルラトホテップが居たような気がするんですよね。私半分眠ってたんで分からないんですが、そんな気配が……兄君が話していた気がします』
「また……? もう、本当に、なんなんだよ……」
嫌な気に入られ方をしているらしい。それにしても兄が話していたとは……まさか、兄がアルに何かを仕掛けるよう言ったのでは──これは考え過ぎか?
『しかし、何と言いますか。発情期って……』
「それはクリューソスが茶化しただけだってさ」
『……イイですよね。なんか』
「…………ごめん、真面目に話してくれる?」
アルが苦しんでいるのにベルゼブブはこんな時でも真面目になってくれないのか。
『大真面目ですよ失礼な。イイじゃないですか発情期。まぁ先輩は雌なので私の趣味とはズレるんですが、声は低いですし口調も男性的ですし、まぁまだ頭でカバー出来る範囲です。ヘルシャフト様ちょっと絡んできてくださいよ』
「何言ってるの君……えっ、待ってメス? メスって何? え……アル女の子なの!?」
『えっ……何ですって!? 男だと思ってたんですか!? それであんだけイチャついてたんですか!? それはそれでご飯三十杯イケますよ!』
男だとまでは思っていなかった。合成魔獣に性別などないだろうと、悪魔や天使のように無性別だろうと、そう考えていただけだ。
『下等生物……お前、俺が散々雌犬と呼んでいたのは聞いていなかったのか?』
「…………今まで、うわぁ……」
『……俺の声は聞こえていないようだな』
まぁ、そう気にすることはないのかもしれない。風呂や布団に一緒に入ったからと言って、アルも照れた様子はなかったし。狼なのだから意識する必要は無い。
『そうですか……イイですね。雄狼とイチャつく薄幸少年……ふむふむなるほど』
「……え? 男なの?」
『あ、先輩は雌ですよ、あれで結構乙女です。あくまでも私の中では雄にしておいた方が都合がいいかなーって感じで、気にしないでください人の頭の中なんて知らない方が幸せですよ』
ベルゼブブの頭の中なんて肉とお菓子しかないだろうとの失礼な思考は置いておいて、本題に移りたい。
『……ところでヘルシャフト様その傷は』
「…………昨日、アルがちょっと……」
『すいません取り乱してます』
「え……? 大人しいよ?」
『脳内が』
「あ……うん」
傷や血は見せない方が良いだろう。食欲を煽ってベルゼブブに狙われたら僕は一瞬で呑まれてしまう。
『そうですか……もうそんな仲に。おめでとうございます先輩……』
「あの……」
『はいはいすいません。分かってますよ、要するに先輩は初夜で張り切り過ぎて冷静になって落ち込んでるんですね』
「は……?」
『ごめんなさい取り乱しました』
「あの……何? 何なの?」
やはりベルゼブブとは話さない方がいい、酒呑に頼ろう。
僕はそう判断し、酒呑に意見を求めた。
『起きたか下等生物、少し話すぞ。知能指数を高めろ』
「高めようとして高まるなら人間皆天才だよ」
手探りで声の元を探すと隣に横たわっているクリューソスの頭に手が当たった。唸り声を上げられて手をカルコスの鬣に戻す。
『先程はアルギュロスの異変を発情期だと茶化したが……アレは相当酷いぞ』
「酷いって……ま、まさか、アル、苦しかったりするの?」
『苦しいかどうかは知らんが、何か気味の悪いものを感じる。邪悪なものだ。俺は天使モデルだからな、前から悪魔モデルの雌犬は嫌いだったが……』
天使がモデルなのに随分と口が悪い。いや、そもそも天使の口が悪いのか?
アルこそ僕の天使だ。まぁ、天使に狙われ悪魔に守られる僕にとって、愛しい人を天使と表現するのはイマイチ合わないのだけれど。
『おそらくだが凶暴性が増している。何とか持ち堪えていたが、さっきもお前に喰らいつこうとしていた。次に顔を合わせたら襲いかかってくるだろうな』
だから僕から離れたのか。襲ったって喰らったって、今更どうでもよかったのに。
「そんなっ……な、治るよね? すぐに……」
『分からん。本当に発情期であれば数週間で終わるが……おそらく違うな。俺の予想が正しければ、あれは恒久的なものだ』
発情期だとか言い出したのはクリューソスなのに、今度はそれを否定するのか。「茶化した」なんて、こんな非常事態にふざけた真似をしてくれたものだ。
僕は怒りを覚えつつもクリューソスにその予想とやらを話すよう促した。
『おそらく、だ。あくまでも予想。それを念頭に置いて聞け。アルギュロスは何者かに何かを混ぜられた。それによる異常食欲、性的倒錯、分裂症……要するに思考が歪んできている』
「……何者かに何かって」
『それが何かは知らん。だが、早急に対応すべきだ。今すぐ魔眼を戻しアルギュロスを浄化しろ、でなければ……死ぬぞ』
「死ぬって……アルが? そんなっ……」
『違う。お前だ、下等生物。お前が死ぬ』
僕が? 僕は何もされていないのに?
『お前は悪魔だの天使だので感覚が麻痺している。奴等にとって人界は所詮俗界。ここで最も力を発揮でき、執念深くお前を狙うのはアルギュロスだ。いいか下等生物、狼はこの世で最も執念深い生き物であり、あの雌犬はそれの完成系だ。本気になった狼の狩りから逃れられると思うな』
戦闘時にベルゼブブや鬼達に供給している魔力はアルのもの。あれだけの量を一人で賄えるという事は、長期戦に持ち込まれたらいかに強力な悪魔に守られていても殺されるかもしれない。
「……魔眼、か。でも……にいさまには言えないし」
兄は僕の眼を戻すよりもアルを殺す方を選ぶだろう。フェルには失った部位を戻すほどの魔法は使えない。
「…………相談してみる。乗せてくれない?」
『ふざけるな下等生物、誰がお前など』
『構わんぞ!』
『……俺が乗せる! 俺に乗れ下等生物!』
緊張感の無い獣達だ。兄弟に異常が起こっているというのに。
「えっと……じゃあ、乗るよ」
伏せていたクリューソスの上に手探り足探りで跨る。アルよりも胴が太い。両足に尾が添えられ、クリューソスが立ち上がった。
『誰に話すんだ?』
「……みんな買い物行ってるかもだし、残ってる人誰が居る?」
『さぁな、とりあえずダイニングにでも行くか』
足や手に触れる羽毛はあの白い翼だろう。クリューソスは確か二対の翼を持っていた。光輪もあったはずだが、それらしき場所に手を伸ばしても感触はない。
『誰か居るか』
クリューソスはそう言いながら扉を鼻先で押し開ける。
『おぉ、虎公。頭領も。どないしたん』
「えっと、酒呑? みんなは? 酒呑は買い物行かないの?」
『あにさんは買い物、茨木も買い物、ダンピールは地下で、堕天使は部屋、弟さんは台所で仕込み。酒まだあるし……俺はしばらく外出ぇへん』
クリューソスは僕を酒呑の隣の椅子に乗せ、その隣に座って僕の膝に顎を置いた。ぐるぐると唸っているのは──怒っている訳ではないらしい。頭を撫でても何も言わなかったから、きっとそうだ。
「ベルゼブブは?」
『せやせや、そいつ。頭領ちょっと血ぃ舐めさせたって』
手を出すように言われてそうすると、手のひらの上に何かが乗る。短い毛の生えた球体のように思えるが、何本か硬く細長いものも生えている。
「何これ」
『ちょっと腹減り過ぎたみたいでな。縮んでしもてん』
「血って……えっと」
『怪我しとるんやろ? そっからでええやん』
当然のようにバレている。本当に兄に気が付かれてはいないのだろうか、不安になってきた。
僕は袖を捲ってアルの爪の痕を晒す。すると球体は動き出し、傷口に棘の生えた柔らかい何かを何本も押し付ける。
部分的に皮膚感覚が麻痺し、痛みよりも不快感が先に出る。長細い何かが傷口から体内に入ってくる。麻痺は皮膚で止まっており、肉を裂かれる感覚には流石に痛みを覚えた。
「いっ……た、ぅあっ、痛いっ……! ねぇ、まだ……?」
『…………もういいですよ。申し訳ございません』
中に入ってきた物も手のひらの上の球体も消え、傷口を小さな手に押さえられる。
「ベルゼブブ? 居たの?」
『えぇ、まぁ。先輩からの供給が無いと小型化するとは思いませんでした。ちょっと補給出来たので何もしなければ二、三日は平気ですよ』
小型化? 先程の球体はベルゼブブだったのか?
まさかあの丸々と太った蝿になっていたのでは──見えていなくて助かった。
『で、何しに来たん頭領』
「そうそう、ちょっと相談があって」
『俺でええん?』
『私でしょう?』
「んー、じゃあ、二人に」
この手の相談事なら魔物に詳しい者がいい。悪魔の最高指揮官だとか鬼の頭領だとかは理想的な相手だ。
僕はアルに起こっていることをクリューソスに聞いたままに話した。
『なんやえらいことなっとってんなぁ。何かが何か混ぜた……あの国でか?』
『…………まさか』
「ベルゼブブ? 心当たりあるの?」
『……ナイアルラトホテップが居たような気がするんですよね。私半分眠ってたんで分からないんですが、そんな気配が……兄君が話していた気がします』
「また……? もう、本当に、なんなんだよ……」
嫌な気に入られ方をしているらしい。それにしても兄が話していたとは……まさか、兄がアルに何かを仕掛けるよう言ったのでは──これは考え過ぎか?
『しかし、何と言いますか。発情期って……』
「それはクリューソスが茶化しただけだってさ」
『……イイですよね。なんか』
「…………ごめん、真面目に話してくれる?」
アルが苦しんでいるのにベルゼブブはこんな時でも真面目になってくれないのか。
『大真面目ですよ失礼な。イイじゃないですか発情期。まぁ先輩は雌なので私の趣味とはズレるんですが、声は低いですし口調も男性的ですし、まぁまだ頭でカバー出来る範囲です。ヘルシャフト様ちょっと絡んできてくださいよ』
「何言ってるの君……えっ、待ってメス? メスって何? え……アル女の子なの!?」
『えっ……何ですって!? 男だと思ってたんですか!? それであんだけイチャついてたんですか!? それはそれでご飯三十杯イケますよ!』
男だとまでは思っていなかった。合成魔獣に性別などないだろうと、悪魔や天使のように無性別だろうと、そう考えていただけだ。
『下等生物……お前、俺が散々雌犬と呼んでいたのは聞いていなかったのか?』
「…………今まで、うわぁ……」
『……俺の声は聞こえていないようだな』
まぁ、そう気にすることはないのかもしれない。風呂や布団に一緒に入ったからと言って、アルも照れた様子はなかったし。狼なのだから意識する必要は無い。
『そうですか……イイですね。雄狼とイチャつく薄幸少年……ふむふむなるほど』
「……え? 男なの?」
『あ、先輩は雌ですよ、あれで結構乙女です。あくまでも私の中では雄にしておいた方が都合がいいかなーって感じで、気にしないでください人の頭の中なんて知らない方が幸せですよ』
ベルゼブブの頭の中なんて肉とお菓子しかないだろうとの失礼な思考は置いておいて、本題に移りたい。
『……ところでヘルシャフト様その傷は』
「…………昨日、アルがちょっと……」
『すいません取り乱してます』
「え……? 大人しいよ?」
『脳内が』
「あ……うん」
傷や血は見せない方が良いだろう。食欲を煽ってベルゼブブに狙われたら僕は一瞬で呑まれてしまう。
『そうですか……もうそんな仲に。おめでとうございます先輩……』
「あの……」
『はいはいすいません。分かってますよ、要するに先輩は初夜で張り切り過ぎて冷静になって落ち込んでるんですね』
「は……?」
『ごめんなさい取り乱しました』
「あの……何? 何なの?」
やはりベルゼブブとは話さない方がいい、酒呑に頼ろう。
僕はそう判断し、酒呑に意見を求めた。
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