288 / 909
第十九章 植物の国と奴隷商
雲の上での逢瀬
しおりを挟む
ずっと気になっていた二つの約束の全てが分かった。それを果たす方法はまだ分からないけれど、目標が出来たというのは大きい。
『ふふ、ヘールー』
「な、何?」
『黒』はずっとふにゃっとした笑顔で、僕に抱きついている。高所という恐怖からそう派手には抵抗出来ない、抵抗する必要も無いのかもしれないが……
『大好きー』
可愛らしい笑顔でそんなことを言われては、体をピッタリと密着させられては、僕は照れて死んでしまう。そんなくだらない死因は嫌だ。
「ちょ、ちょっと離れてよ……恥ずかしい」
『誰もいないのに?』
「……そういう問題じゃないだろ」
『そう、なら離れるよ』
予想に反して『黒』はすんなりと僕から離れ、鳥の首にもたれかかる。
『こーんなに可愛い美少女が大好きって言って抱きついている、それにここには誰もいない。君さぁ、据え膳食わぬは男の恥って言葉知ってる?』
「……あのさ、誰もいない誰もいないって言ってるけど! 下にいるよね!? 背中に乗ってるんだよね僕ら!」
『しゃっ君はそういうのじゃないから、生き物っていうより乗り物だから』
「乗り物扱いしたらしゃっ君可哀想だろ! ってなんだよしゃっ君って!」
僕の言い分には耳を貸さず、『黒』はため息を吐いて僕に背を向けた。
鳥の首に腕を回し、ぶつぶつと僕に聞こえる程度の小声で愚痴を言っている。相変わらず意気地無しだとか、甲斐性なしだとか、大当たりの言葉を好き勝手並べ立てる。
『……まさか今世は他に女がいるのかな、そんなの初めてだよ、今まではずっと一途に僕に巡り会うのを待ってたくせに……浮気者』
「あーもうなんだよ! 言いたいことあるならハッキリ言えよ!」
『意気地無し! 甲斐性なし! 女たらし! 浮気者! 健忘症!』
「そんなにハッキリ言わないでよ! 傷つくだろ!」
『ガラスのような心なんてもんじゃないね! なんだろ、もう……サラサラの砂の城?』
「そもそも形にならないじゃないか! そんなに酷くない! ガラスくらいの強度はあるよぉ!」
奇妙な口論を繰り広げていると、鳥が一声鳴いて急旋回した。落ちそうになって『黒』に抱きとめられ、恐怖と照れで声が出せなくなる。
『しゃっ君? 何? どうしたの? え……うわっ。でも君なら逃げられるだろ? うんうん、いい子だね、頑張って』
『黒』は磨りガラスを引っ掻くような不快な鳴き声を上げる鳥の頭を撫でる。
『黒』は僕を挟んで鳥の首に腕を絡めている、急降下や急旋回に耐える為にその腕の力は強くなる。
「……く、『黒』?」
『ごめん、苦しいだろうけど我慢して。すぐに撒けると思うから。今ちょっと鳥系統の魔獣が大量に来ててさ』
「そうじゃなくて、その……胸が、その」
僕の鎖骨あたりに当たる柔らかいもの。久しぶりの感触は、やはり──いや、これは思考するのも憚られる。
『え? 何? ごめん聞こえない。乾くから口閉じてた方がいいよ』
「………………柔らかい」
『うわ、キモっ』
「聞こえてるじゃないか! 悪かったね気持ち悪くて! どうせ僕はそんな奴だよ! こんな状況でもそういうこと考えちゃうクズだ!」
僕は今落ちないように『黒』の背に腕を回しているのだが、正直その手を離して触りたい。
状況は分かっているし、落下死なんてしたくない。
だから実行には移さないが……移したくて仕方ない。僕にだってそういう願望はある。
『嘘だよ嘘、気持ち悪くないって、別に触ってもいいしね』
「えっホント……いや、触らないよ!?」
『そうだね、据え膳とか言ったのは僕だけどさ、状況も場所も最悪だしね。また今度改めて、ね』
「あ、改めてって……」
『…………本当に、好きなんだ。何度も何度も君の死を見送ってきた、君の人生はいつも不幸の連続だった。でも君は、いつも僕に笑いかけてくれてた』
ふざけた会話をしていたのに、急に真面目な顔をする。
妙な願望を抱いたり照れたりしているのが恥ずかしくなって、僕は『黒』の背に回した腕の力を強めた。
『君は何回も言ってくれた。「君に会えただけで幸せだった」って。本当に馬鹿だよ、神や世界を呪ってもいいだけの目に遭わされても、そう言って死んでいった』
「『黒』……君は、君はずっと僕を幸せにしてくれたんだね。ありがとう、『黒』」
『…………君が、そうやって笑うからっ……僕は、また君を……』
「君みたいな綺麗な人に愛されてたんだ、前世の僕は本当に幸せだったんだよ。もちろん僕も、今とっても幸せ」
『……今も、酷い目に遭ってるのに?』
「『黒』が居てくれるから」
『………………馬鹿』
『黒』はそれきり黙ってしまった。僕は気の利いた言葉が思い付かなくて、無言の時が続いた。
雲を突き抜けると飛行が安定する。どうやら追ってきていた魔獣達を振り切ったようだ。
それにしてもこの鳥はあの液体の影響を受けないのだろうか? 同じように呼び出されたあの蝮のような魔物も僕には見向きもしなかった。
「……この鳥はさ」
無理矢理に話題を変えようと、ボソリと呟く。
『しゃっ君ね』
それは愛称なのだろうか。自分に『黒』と名付けるくらいだ、雑なのは仕方ないのかもしれない。
「…………しゃっ君はさ、僕食べようとしないの?」
『その変な薬作ったの顔無しだろ? 自分の手下使えないと困るだろ? そういうこと』
使役しようと呼び出した魔物が僕を食べたがって命令を聞かない──確かに困るな。少し考えれば分かる事だった、もっと柔軟に深く考える癖を付けなければ。ムードを壊してまでする質問ではなかった。
『ところでさ、顔無しって今どこにいるか分かる?』
『黒』が顔無しと呼ぶのはナイの事、時々反芻しないと忘れてしまいそうだ。どうしてそんな呼び名なのか、理由を知らないから全く覚えられない。
「少し前だけど倉庫にいたよ、今は分からない……でも、大怪我してたから、そんなに動き回ってないと思う」
『大怪我? そう……ふぅん、ならいけるかな』
『黒』は鳥の頭を軽く叩いて方向を変えさせる。
目指すのは科学の国の中心を少し外れた場所にある研究所だ。
『顔無しがまだ研究所に戻ってないなら、忍び込んで対抗薬を作ろう』
「そんなこと出来るの?」
『僕は君が思ってるよりも優秀だよ。彼とずっと遊んでいたしね』
「『黒』の方こそ浮気者なんじゃ……」
『何? 薬作らなくていい? このまま魔物に食べられたい?』
「対抗薬が作れるなんて、『黒』すごーい、尊敬しちゃーう」
『あっはは、だろ? もっと惚れていいよ。それと、僕は君だけを愛してるから安心もしていいよ』
「……そ、そう? そっか……嬉しい」
『黒』と話している時は自然体で居られる。
媚びへつらう事もなく、大して気を遣う必要もなく、からかうような軽口を叩き合っても平気だ。
何度も出会っては愛し合ってきたんだ、相性がいいのは当然のこと──いや、これはちょっと恥ずかしいな。
『よし、もうすぐ着くよ』
鳥はゆっくりと旋回し始める、あの急降下でなかったのは僕にとっては幸運だ。
そして、彼女にとっても。
『……しゃっ君!? どうしたの、しっかり!』
翼を引きちぎられて、ぎゃあぎゃあと喚きながら鳥は空中で意味もなく藻掻く。
僕は落ちていく中、「待っていた」と笑うベルゼブブの姿を見た。
『ふふ、ヘールー』
「な、何?」
『黒』はずっとふにゃっとした笑顔で、僕に抱きついている。高所という恐怖からそう派手には抵抗出来ない、抵抗する必要も無いのかもしれないが……
『大好きー』
可愛らしい笑顔でそんなことを言われては、体をピッタリと密着させられては、僕は照れて死んでしまう。そんなくだらない死因は嫌だ。
「ちょ、ちょっと離れてよ……恥ずかしい」
『誰もいないのに?』
「……そういう問題じゃないだろ」
『そう、なら離れるよ』
予想に反して『黒』はすんなりと僕から離れ、鳥の首にもたれかかる。
『こーんなに可愛い美少女が大好きって言って抱きついている、それにここには誰もいない。君さぁ、据え膳食わぬは男の恥って言葉知ってる?』
「……あのさ、誰もいない誰もいないって言ってるけど! 下にいるよね!? 背中に乗ってるんだよね僕ら!」
『しゃっ君はそういうのじゃないから、生き物っていうより乗り物だから』
「乗り物扱いしたらしゃっ君可哀想だろ! ってなんだよしゃっ君って!」
僕の言い分には耳を貸さず、『黒』はため息を吐いて僕に背を向けた。
鳥の首に腕を回し、ぶつぶつと僕に聞こえる程度の小声で愚痴を言っている。相変わらず意気地無しだとか、甲斐性なしだとか、大当たりの言葉を好き勝手並べ立てる。
『……まさか今世は他に女がいるのかな、そんなの初めてだよ、今まではずっと一途に僕に巡り会うのを待ってたくせに……浮気者』
「あーもうなんだよ! 言いたいことあるならハッキリ言えよ!」
『意気地無し! 甲斐性なし! 女たらし! 浮気者! 健忘症!』
「そんなにハッキリ言わないでよ! 傷つくだろ!」
『ガラスのような心なんてもんじゃないね! なんだろ、もう……サラサラの砂の城?』
「そもそも形にならないじゃないか! そんなに酷くない! ガラスくらいの強度はあるよぉ!」
奇妙な口論を繰り広げていると、鳥が一声鳴いて急旋回した。落ちそうになって『黒』に抱きとめられ、恐怖と照れで声が出せなくなる。
『しゃっ君? 何? どうしたの? え……うわっ。でも君なら逃げられるだろ? うんうん、いい子だね、頑張って』
『黒』は磨りガラスを引っ掻くような不快な鳴き声を上げる鳥の頭を撫でる。
『黒』は僕を挟んで鳥の首に腕を絡めている、急降下や急旋回に耐える為にその腕の力は強くなる。
「……く、『黒』?」
『ごめん、苦しいだろうけど我慢して。すぐに撒けると思うから。今ちょっと鳥系統の魔獣が大量に来ててさ』
「そうじゃなくて、その……胸が、その」
僕の鎖骨あたりに当たる柔らかいもの。久しぶりの感触は、やはり──いや、これは思考するのも憚られる。
『え? 何? ごめん聞こえない。乾くから口閉じてた方がいいよ』
「………………柔らかい」
『うわ、キモっ』
「聞こえてるじゃないか! 悪かったね気持ち悪くて! どうせ僕はそんな奴だよ! こんな状況でもそういうこと考えちゃうクズだ!」
僕は今落ちないように『黒』の背に腕を回しているのだが、正直その手を離して触りたい。
状況は分かっているし、落下死なんてしたくない。
だから実行には移さないが……移したくて仕方ない。僕にだってそういう願望はある。
『嘘だよ嘘、気持ち悪くないって、別に触ってもいいしね』
「えっホント……いや、触らないよ!?」
『そうだね、据え膳とか言ったのは僕だけどさ、状況も場所も最悪だしね。また今度改めて、ね』
「あ、改めてって……」
『…………本当に、好きなんだ。何度も何度も君の死を見送ってきた、君の人生はいつも不幸の連続だった。でも君は、いつも僕に笑いかけてくれてた』
ふざけた会話をしていたのに、急に真面目な顔をする。
妙な願望を抱いたり照れたりしているのが恥ずかしくなって、僕は『黒』の背に回した腕の力を強めた。
『君は何回も言ってくれた。「君に会えただけで幸せだった」って。本当に馬鹿だよ、神や世界を呪ってもいいだけの目に遭わされても、そう言って死んでいった』
「『黒』……君は、君はずっと僕を幸せにしてくれたんだね。ありがとう、『黒』」
『…………君が、そうやって笑うからっ……僕は、また君を……』
「君みたいな綺麗な人に愛されてたんだ、前世の僕は本当に幸せだったんだよ。もちろん僕も、今とっても幸せ」
『……今も、酷い目に遭ってるのに?』
「『黒』が居てくれるから」
『………………馬鹿』
『黒』はそれきり黙ってしまった。僕は気の利いた言葉が思い付かなくて、無言の時が続いた。
雲を突き抜けると飛行が安定する。どうやら追ってきていた魔獣達を振り切ったようだ。
それにしてもこの鳥はあの液体の影響を受けないのだろうか? 同じように呼び出されたあの蝮のような魔物も僕には見向きもしなかった。
「……この鳥はさ」
無理矢理に話題を変えようと、ボソリと呟く。
『しゃっ君ね』
それは愛称なのだろうか。自分に『黒』と名付けるくらいだ、雑なのは仕方ないのかもしれない。
「…………しゃっ君はさ、僕食べようとしないの?」
『その変な薬作ったの顔無しだろ? 自分の手下使えないと困るだろ? そういうこと』
使役しようと呼び出した魔物が僕を食べたがって命令を聞かない──確かに困るな。少し考えれば分かる事だった、もっと柔軟に深く考える癖を付けなければ。ムードを壊してまでする質問ではなかった。
『ところでさ、顔無しって今どこにいるか分かる?』
『黒』が顔無しと呼ぶのはナイの事、時々反芻しないと忘れてしまいそうだ。どうしてそんな呼び名なのか、理由を知らないから全く覚えられない。
「少し前だけど倉庫にいたよ、今は分からない……でも、大怪我してたから、そんなに動き回ってないと思う」
『大怪我? そう……ふぅん、ならいけるかな』
『黒』は鳥の頭を軽く叩いて方向を変えさせる。
目指すのは科学の国の中心を少し外れた場所にある研究所だ。
『顔無しがまだ研究所に戻ってないなら、忍び込んで対抗薬を作ろう』
「そんなこと出来るの?」
『僕は君が思ってるよりも優秀だよ。彼とずっと遊んでいたしね』
「『黒』の方こそ浮気者なんじゃ……」
『何? 薬作らなくていい? このまま魔物に食べられたい?』
「対抗薬が作れるなんて、『黒』すごーい、尊敬しちゃーう」
『あっはは、だろ? もっと惚れていいよ。それと、僕は君だけを愛してるから安心もしていいよ』
「……そ、そう? そっか……嬉しい」
『黒』と話している時は自然体で居られる。
媚びへつらう事もなく、大して気を遣う必要もなく、からかうような軽口を叩き合っても平気だ。
何度も出会っては愛し合ってきたんだ、相性がいいのは当然のこと──いや、これはちょっと恥ずかしいな。
『よし、もうすぐ着くよ』
鳥はゆっくりと旋回し始める、あの急降下でなかったのは僕にとっては幸運だ。
そして、彼女にとっても。
『……しゃっ君!? どうしたの、しっかり!』
翼を引きちぎられて、ぎゃあぎゃあと喚きながら鳥は空中で意味もなく藻掻く。
僕は落ちていく中、「待っていた」と笑うベルゼブブの姿を見た。
0
お気に入りに追加
434
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
よろしくお願いいたします。
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!
花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】
《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》
天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。
キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。
一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。
キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。
辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。
辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。
国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。
リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。
※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい
カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
星の勇者たち でも三十九番目だけ、なんかヘン!
月芝
ファンタジー
来たる災厄に対抗すべく異世界に召喚された勇者たち。
その数、三十九人。
そこは剣と魔法とスチームパンクの世界にて、
ファンタジー、きたーっ!
と喜んだのも束の間、なんと勇者なのに魔法が使えないだと?
でも安心して下さい。
代わりといってはなんですが、転移特典にて星のチカラが宿ってる。
他にも恩恵で言語能力やら、身体強化などもついている。
そのチカラで魔法みたいなことが可能にて、チートで俺ツエーも夢じゃない。
はずなのだが、三十九番目の主人公だけ、とんだポンコツだった。
授かったのは「なんじゃコレ?」という、がっかりスキル。
試しに使ってみれば、手の中にあらわれたのはカリカリ梅にて、えぇーっ!
本来であれば強化されているはずの体力面では、現地の子どもにも劣る虚弱体質。
ただの高校生の男子にて、学校での成績は中の下ぐらい。
特別な知識も技能もありゃしない。
おまけに言語翻訳機能もバグっているから、会話はこなせるけれども、
文字の読み書きがまるでダメときたもんだ。
そのせいで星クズ判定にて即戦力外通告をされ、島流しの憂き目に……。
異世界Q&A
えっ、魔法の無詠唱?
そんなの当たり前じゃん。
っていうか、そもそも星の勇者たちはスキル以外は使えないし、残念!
えっ、唐揚げにポテトチップスにラーメンやカレーで食革命?
いやいや、ふつうに揚げ物類は昔からあるから。スイーツ類も充実している。
異世界の食文化を舐めんなよ。あと米もあるから心配するな。
えっ、アイデアグッズで一攫千金? 知識チート?
あー、それもちょっと厳しいかな。たいていの品は便利な魔道具があるから。
なにせギガラニカってば魔法とスチームパンクが融合した超高度文明だし。
えっ、ならばチートスキルで無双する?
それは……出来なくはない。けど、いきなりはちょっと無理かなぁ。
神さまからもらったチカラも鍛えないと育たないし、実践ではまるで役に立たないもの。
ゲームやアニメとは違うから。
というか、ぶっちゃけ浮かれて調子に乗っていたら、わりとすぐに死ぬよ。マジで。
それから死に戻りとか、復活の呪文なんてないから。
一発退場なので、そこんところよろしく。
「異世界の片隅で引き篭りたい少女。」の正統系譜。
こんなスキルで異世界転移はイヤだ!シリーズの第二弾。
ないない尽くしの異世界転移。
環境問題にも一石を投じる……かもしれない、笑撃の問題作。
星クズの勇者の明日はどっちだ。
追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~
和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】
「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」
――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。
勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。
かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。
彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。
ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。
どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。
解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。
その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。
しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。
――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな?
こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。
そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。
さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。
やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。
一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。
(他サイトでも投稿中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる