鵺の哭く刻

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ナンバーディスプレイに表示された番号に、シュンイチは闇の中でニィと歪な笑みを敷いた。やっと電話を向こうからかけてきたことに、強い安堵を感じての微笑みだ。
子供のアキコを取り逃がして数日はまともに歩くこともできなかったし、あのろくでもない高校生が警察でも手下にしていたらと思うと外にも出られない。この世の中真面目で有能な自分のような人間ばかりが損をするように出来ていて、向こうがこんな酷い事をしていてもシュンイチの方が歳上で社会的立場もあるから痛い目を見せられる可能性が高いのだ。

『もしもし。』

電話をとると丁寧な口調で、薬で酩酊もしていない以前のハッキリとしたアキコの声が響く。凛としていて淀みもない、かといって金切り声でもない可愛い声。このまま電話で喘ぎ声を出せと命令したくなる、昔と変わらないアキコの声だった。

「あ、ああ。」

何と言ったらいいのかと思案していると、何故か相手はまるで聞かせようとでもいうように大きく溜め息をつく。何だよ、その溜め息。そっちがやることをやらないから悪いんだろうといってやろうとした瞬間、アキコは淡々とした口調で事務的に言葉を放った。

『…………来週の金曜にいきますから、必要な書類を全て準備しておいてください。』

頭に先ず浮かんだのは、自分が丹精込めて作り上げた《奴隷契約書》だ。あれをついにサインする気になったのかと歓喜しそうになったが、全てと言われたのに違和感を感じた。

「書類?」

思わずそう聞き返して、失敗したと心の中で呟くのが分かる。怒鳴り付け以前のように従順にするのが一番なのに、つい馬鹿正直にバトンをアキコに手渡してしまって、アキコは努めて淡々と冷静に言葉を繋いだ。まるでシュンイチの存在なんかどうでもよくなったといいたげに、まるで奴隷であることなんか忘れ去ってしまったように、事務的な役所の人間のように言う。

『離婚に必要な書類です。』

シュンイチは言葉を失う。アキコの口から離婚の言葉が流れてくるのが、夢の中のような気がする。本気でアキコはシュンイチと別れるつもりなのか?アキコにとってシュンイチは唯一無二で、たった独りのご主人様な筈なのに。

「本気で言ってるのか?」

シュンイチと別れたら、縛っても鞭で打っても貰えないし、柱に吊るされることも、媚薬で気持ちよくなることも、乳首を洗濯バサミで虐めて貰えることも、膣も尻の穴を犯して射精して貰うこともなくなる。それを考えてないのかと問いかけようとしたら、アキコは再び大きな溜め息を吐いて呆れたようにこう口にした。

『………貴方こそ、それは本気で聞いてるんですか?』

事務的で無駄の無い敬語で話すアキコに、シュンイチは一瞬で全身の血の気のが引くのを感じていた。本気であの歓喜に咽び泣いたセックスをなくしてもいいのかと考えた瞬間、既に自分とアキコには年単位で性行為がなかったのに気がつく。アキコの膣や肛門どころか口ですら咥えられていない、何しろ口淫をやらせようとするとアキコが吐いて啜り泣くのにウンザリしたからだ。

でも、病気は治った

病気が治ったんなら淫乱な雌奴隷は傍に来て牡の臭いを嗅いだら、一瞬で雌犬に戻るかもしれない。四つん這いで喜んでチンポをくださいと懇願するに違いないとシュンイチは受話器を握り、嘲笑を浴びせかけながら言葉を放つ。

「一応…………準備はしておいてやるよ。」

それにアキコがまた一つ呆れたように溜め息をつく。それは酷く苛立たしい溜め息だった。

『不備のないようにしてください、金曜の内にけりをつけたいんです。』

けり?何だそれはと絶句する。帰ってきて雌犬になる癖に、なんのつもりでそんな偉そうな口を叩いているんだと怒鳴り付けたくなったが、その前に相手の方が更に言葉を続けた。

『私の荷物も引き上げますから、そのつもりでいて下さい。』
「はぁ?」

荷物。アキコの荷物?なんのことだと辺りを見渡す。ここにあるものは自分のものだけで、アキコの荷物って言うのはなんなんだ。自分が買ったら自分のものとでも言う気なのか?そんなこと言ったら殆どの物は、テレビだってゲームだって、洗濯機だってベットマットだって支払いはアキコだ。だが、それを持っていくなんて許すわけがないのに、何をいっているんだ。そう怒鳴り付けようと行きを吸い込んだ瞬間、アキコは的確にそれを聞き分けたようにすげなく電話を切った。

「お、おいっ!!おい!!!」

叫んだ時には既に電話は切れていて、ツーツーという音が木霊している。どういうことだ?これは本当に離婚する気なのか?いや、そんな筈はない、アキコはシュンイチの雌奴隷で尻穴ですらオマンコに変えられているのに、これからマトモな男と付き合える筈がない。

本当にそう思うか?

何故か背後からその声が問いかけるのに、シュンイチは凍りついたように立ち尽くした。背後には誰もいないし、この家にはシュンイチしかいない。それなのに声は明確に頭に響いて、しかもその声は自分にそっくりに聞こえるのだ。

お前、本当にそう思うか?

何でそんなことを言う。当然だろう?アキコは無垢で何も知らない状態から、一つ一つシュンイチに教え込まれてマゾヒストとして開花させられ、完全な雌奴隷になった女だ。シュンイチが這えと言ったら這うし、咥えろと言ったら咥え、尻を打たれて潮を吹きながら絶頂して尻穴で肉棒を喜んで奉仕する淫乱マゾだ。張型をマンコに咥えてお散歩だってさせたし、外で後背位で立ちバックでセックスしても大喜びした変態に育ってる。その女が躾てくださった主人から離れられる訳がない。

…………言うこと聞くしかない状況にされた可哀想な子は防衛本能で、喜ぶふりをするんだぜ?

聞いたことのある言葉にハッとしたように振り返ると、そこには射干玉の闇にポツリと浮かぶ母と同じ奥歯を噛む癖を顕に自分の顔が浮かんでいた。体は闇に飲まれてひとつも見えないのに、顔だけが寝室の闇の中で奥歯を噛み歯を剥き出している。

可哀想にな、美人で誰でも欲しがる女が、お前みたいな屑に尽くして……無駄な時間を過ごした

煩いと怒鳴り付けたいのに、その言葉が胸に突き刺さった。シュンイチは最初の頃アキコは自分を好きなわけではないと信じていて、ただ性癖として身の回りでは相手が居ないのだと考えていたのを思い出したのだ。確かにずっとシュンイチの周りの男は何人もアキコを欲しがっている、あんなに出来た女はいないと、駄目になったら自分が貰うと。

そろそろアキコだって、我に返ってもおかしくない。
愛されるようにお前はしなかったんだから

父親の声が不意に耳元に囁いてきて、シュンイチは思わず室内を見渡す。ゴミだらけの室内、人はいない筈なのに、なんでよってたかって自分を責め立てて、自分だけを悪者にしようとするんだ。アキコだってこうなる自分を許したんだ、アキコだって責任があるだろ。そういい返すと鼻で笑う声がいう。

殴られて蹴られて気絶する迄いたぶられるのに、意見出来るのか?お前
わるぅうううい、こ
なら、ほら母親に意見したらどうだ?ほら、今すぐに

思わず耳を塞ぎたくなる責め立てる声に、ヒョウと口から空気が悲鳴のように漏れる。アキコが全て悪いと言いたいが、本当はそうでないのは心の何処かではずっと分かってもいた。アキコに何も言わせないようにしてきたのは自分だし、そのやり方は幼い頃に自分が母親から教え込まれて育つたやり方そのものなのだと知っている。知っているけれどシュンイチには認められない、何故なら認めたら全てが狂い瓦解してしまう。

いいや、そうじゃない。最初から狂ってるんだよ、お前は

最初から狂ってて知らないふりをしただけだと自分がいう。狂っててその狂気を無垢に共感できるアキコが不可欠だっただけなんだと、奥歯を噛み笑いながら自分が言い放つ。唯一無二なのはアキコの方で、アキコが特殊な人間だったのだと笑う。共感?と問い返す声に、低くか細く哀れな声が、だって丁度良かったんだものと聞き覚えのある可愛い声で言い、ヒョウとあの哭き声をあげていた。



※※※



突然かかってきた息子の半狂乱の電話を受けて、父親は深い溜め息をつく。
育て方を間違ったというのは簡単だが、母親とまるで同じ系統の狂乱ぶりを見せる息子の姿に今後をどうしたものかと戸惑う。昭和の父親像というものしか知らずに、自分は生きてきた。仕事に精をだし家庭の事は全て妻に任せてきたのは事実で、同時に妻は大企業の一族のお嬢様で家庭を守るには弱かった。しかも子供がなかなか出来ないことで自分の両親に長年責め立てられていたらしく、長男を育てている最中には精神的におかしくなっていたのだ。それに気がつかなかった自分にも責任はあるとは思う。だが少し普通より過保護なだけで、長男がこれ程常識が無い大人になるなんて、誰が予測出来たんだろうか。

結局シュンイチはあれから四ヶ月にもなるのに、何もしてなかったのか。

愛されるように誠実にと助言はしたが電話を叩ききられたから、それ以降は黙って自分で気がつくのを信じて様子を見ていた。それが過ちだと言われれば仕方がないし、実際に息子は気がつかないままで過ごして母親の方も息子の言葉を鵜呑みにしている。

あの子が……アキコさんが金を勝手に使ったというのは、シュンイチの嘘だろう…………

百万近くの金が通帳から消えていて、息子の言い分は嫁が勝手に使ったの一点張りだった。妻は息子の言葉を信じていて息子の世話もしないで浪費癖のある嫁なんてとくだをまいたが、夏の最中に自分の意見を怯みもせずに口にした彼女はそんなことを意味もなくするようには見えなかった。理性的で論理的、客観的にシュンイチの動向を観察し把握していたアキコが、無計画に百万円を使うには矛盾が多すぎる。

しかも…………孫が…………本当なら、とっくに……孫が……

本当なら孫が産まれていた筈だったという真実に、こてんぱんに打ちのめされた。しかも流産したのではなく中絶、何も相談も報告もなかったが、人工中絶には夫もしくは胎児の父親の同意も必要な筈だ。つまりはシュンイチは知っていて、しかもそれを望んで孫を殺してしまった。それにこうしてみる限り打ちのめされたのは自分だけで、あれほど子供が出来なくて苦しんだ妻は彼女の言葉を不思議なほどあっという間になかったものにしたように見える。盲目的にシュンイチの言葉だけを信じる妻を無理矢理連れ帰ったが、暫く妻は落ち着かずに息子を傍に置くべきだと繰り返すばかりだ。随分前に自分が仕事を変わった時、二十歳にもなろうとしている長男のアパートに週に三度も行って身の回りの世話をしている妻に気がついて制止したのは夫の自分だ。未成年じゃあるまいし、洗濯も掃除も料理まで家政婦のように妻は片道一時間もかけて通っていた。しかも翌日分の食事を三食作りおき、その上お小遣いを置いて帰ってきている。それじゃ独り暮らしの意味なんか何もないと説得して止めさせたが、結果としては何もかも遅かった。それに今回は連れ帰っても良かったが、妻と息子の二人を制御するのはもう今の自分には荷が重すぎる。

せめて一人立ちしているんだから、自分一人の事くらい…………

それが親としては無責任で甘えで逃げだとは分かっても、同じような顔をして訳のわからない言葉を繰り返す妻と息子を見ていると自分の方が逃げ出したくなる。だからこそ一時義理とは言え息子を必死に世話してきた嫁が、もう無理だと三下り半をつきつけたのが理解できてしまう。同時に自分とよく似た次男にはこの事を何も告げられないのは、次男をこれに巻き込みたくないからでもあった。

『書類を準備しとけって、書類なんてさぁ!きいてんのかよ?!書類を取りに行ってくれよ!!』

知っているかと怒鳴り付けたくなる。それらの書類は全て遠方でも入手が可能で、通常は個人として必要ならば自分で手続きをするものなのだ。未成年なら兎も角、お前は既に三十も越えた良い歳の成人で、それくらいはお前の大好きなインターネットを使えばあっという間に分かる。それにお前は嘘がばれているのに気がついていないようだが、自殺企図で電車を停めたとしたら下手をすると遅延に関する訴訟を起こされるんだ。何よりお前が電車に轢かれるつもりで線路に降りたというが、そんなことをすれば確実に私達にも連絡は来てお前を病院に入れるかどうかしろと警察に言われたろう。それに一緒に暮らしている女性の苦悩を醜いと吐き捨てて、彼女やその親がどんな顔をしたのか見えていないのは何故なんだ。

『きいてんのかよ?!それに!給付金だよ!向こうでのアキの医療費の給付金を寄越さないってどういうことだよ!俺のものなのに!』

その言葉に愕然としてへたり込みたくなってしまう。あの後実は密かに向こうの父親とは数回手紙のやり取りをして、彼女が数日間意識不明になり死の淵をさ迷ったのは自分は知らされていた。しかも、それが初めてでもなくて三度目で、実は妻には電話で連絡したとも言うのだ。妻に確認したら妻は妻で、そんなことは聞いていないの一点張り。

なんなんだ……お前もシュンイチも、おかしいぞ?まともじゃない。

そんななかで必死に暮らしていた彼女の苦悩はどれだけのものだっただろうか。だから二度と息子との二人の暮らしに帰すつもりはないのですと綴られた手紙は当然の思いだと自分は思うし、これを我が息子が覆すのは並大抵ではないのは理解できる。その上息子が改善のために何もしてこなかったのなら離婚は当然だと思うのに、息子が今口にした言葉はそれに輪をかけて最悪だった。

金はお前が払ってやった訳じゃないし、私達も知らない。つまりアキコさん自身か向こうのご両親が支払ったものだろう?

お前はそれを勝手に給付を受けて、何に使うつもりなんだ。お前はあの百万もの金額を何に使った?女遊びか?何でお前はこんな風にねじ曲がったんだろうと頭を抱えてしまう。次男は何事もなく会社員として暮らして地道に自分の家庭を持ち、家も建てようとしているのに。

「先ずは、落ち着きなさい……シュンイチ。」
『はぁ?!何きいてんだよ!!落ち着けるかよ!!バカか?!あんた!!』

馬鹿なのはお前だろうと怒鳴りたいが、そうしてしまったのは自分達夫婦だ。何時までもとまらない息子の罵声を聞きながら、この間のように電話を向こうから切らせるには自分が何と言ったら良いだろうかと考え、父親は痛みだした頭を押さえながら息子の金切り声を聞き続けていた。
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