GATEKEEPERS  四神奇譚

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第一部

第四幕 土志田邸

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その日の夕方。仁にちょっかいを出すという建前と同時に食事にたかりにきた忠志を加え、結局土志田邸に集合していた。彼ら五人のうち三人が夕方の鳥飼邸での騒動話を、そこまで聞いて耐え切れずに腹を抱えて笑いだした。大笑いする三人の姿を憮然とした表情で信哉が睨みつけているが、横の小さな新しい生傷を作った仁は忠志の様にケロッとした表情である。

「笑い事じゃない。」

流石に口論だけで済まず手が出始めたのに、止めに入ったはいいが何しろ高校生二人の喧嘩だ。しかも片方は合気道の有段者の孝と仁の取っ組み合いの喧嘩を止めるのがどれだけ大変だったか目に見えるようだ。ムッとした表情の信哉を横に忠志が大声で笑いながら口元に絆創膏を貼った仁の頭をぐしゃぐしゃと手荒く撫でまわす。

「すっげェ、俺もその時いりゃァ良かった!見たかったなァ、孝の顔。」

勿論、鳥飼邸に来ていれば何時かは孝と顔を合わせる機会があるわけだ。しかし、何時もは信哉に似た取り澄ました冷静さを装う真見塚孝が唯一ムキになるのは、異母兄である信哉が絡むことに関してのみ。流石に、信哉宅で出会った忠志とは歳の差もあって、喧嘩はしなかったもののあからさまな≪邪魔!!≫視線に最初は驚かされた。以後忠志は出会うごとに何度かちょっかいを出していたが、流石に完璧なスルーで孝は対抗してくる。確かに一見全てに完璧に近い兄となれば慕うのは当たり前だろうとは思うが、孝にとって「ブラコン」が禁句なのは恐らく信哉に持っている思慕の熱が高すぎるせいなのだろう。孝は一人っ子なので、突然に出来た優れた兄に対する対応の仕方を知らないのかもしれない。同時に信哉にうとまれるのを恐れての事なのだろうと忠志は思っている。そんな孝が恐らくとはいえ同い年位の者と、取っ組み合いの喧嘩をするのは見た事がない。しかし、信哉や真見塚成孝には及ばないとはいえ、孝自身も幼い頃から道場で合気道の修練を続けて育って来た上に、そろそろ古武術を教えられそうだとも聞いている。幾ら子供の喧嘩の様な取っ組み合いだったとしても同等にやり合ったのなら仁も大したものである。ただし、当の本人は気にする風でもなく、つまらなそうに口を尖らせた。

「そう思ったから言っただけだよ。」

不貞腐れた様に箸を咥えがら言う仁に、義人がサラリと母親のごとく咥え箸をたしなめる。「ごちそうさまっ」と仁は食器を片付けると、その場の空気からさっさと逃げる様にリビングのテレビの前に陣取った。義人の横でニヤニヤと何時もの人を食ったような笑いを浮かべながら悌順が信哉を見やる。

「あいつもいい加減、兄貴離れしないとなぁ?信哉。」

俺が知るかとそっけなく言い放つ信哉は、不機嫌そうに箸を進めている。何の事はない。進学校でもある悌順の勤める高校に、実は真見塚孝も生徒として通っていて、悌順の担任のクラスに孝がいるのだ。校内では何時も冷静で優秀な優等生然としているが、悌順が異母兄の幼馴染みと知ってからは、時々こっそり信哉の様子を聞きたがってやって来るほどである。しかし、実際はそれだけ憧れて敬愛する当の信哉自身には、なぜ妾腹の自分をそこまで慕ってくるのかが通じていない。そういう勘の鈍いとことか、そういう時の表情はある意味よく似ていると悌順は思うのだ。

「俺と信哉ん家で初めて会った時も、すっげェいやそうだったもんな?孝の奴。」

忠志が未だ腹を抱えて大笑いしているのに、いい加減にしろよとギロッと冷たい氷の様な信哉の視線が突き刺さる。

「ま。まぁ、それは置いておいて。そんなに結構、行方不明者いるんですか?ここいらで。」

話を変えようとそう口にした義人が、ハッとした様に箸を止めた。その様子に気がついた信哉と忠志もふと曇った悌順の表情に箸を止める。
仁が一人離れてテレビを見ているのを横に少し声のトーンが下がる。

「どうなんだ?ヤス。」

信哉の問いかける声に悌順は小さな溜め息を一つついて箸を置き、義人と忠志も彼のその様子に少し顔色を変えて視線を向けていた。三人の視線を受けて悌順は曇らせた表情のまま、少し背を伸ばす様にして腕を組み声を落とした。声を思わず落としたのは、彼としてもテレビの前の同じ年頃の仁には聞かせたくないのだろう。

「一昨日、また一人いなくなった。」
「家出かよ?」

思春期真っ只中の年頃になると、そういうことも無くはない。夏頃にも悌順の担任クラスの生徒が、家出をしたと学校に怒鳴り込み混じりの母親からの電話がかかったことはある。つい先日もクラスの男子が四日ほど行方不明になって、こちらは廃屋の地下室で骨折した状態で見つかった。しかし、悌順の顔からも今回のものは毛色が違ったようだ。

「家出にしちゃ、妙なんだ。」
「妙って、どういうことなんです?」

大概家出をするような時には、事前にあるパターンを当人がすることが多いんだと悌順は指を折る。事前に素行が悪くなる、夜の繁華街での活動が耳にはいる、異性関係の活動が耳にはいる、学校内での様子が急に正反対になる、時折思い詰めたような顔をして考え込んでいるのが目につく。悌順が見ている分にはそんなに変化が一つか二つは必ず起こるらしい。特に行方をくらます当日の行動は、それが顕著になるのだ。

「今回の行方不明は消えた当日の動きが分からん。」

大勢いる生徒の全てを把握できるわけではないが、その生徒は
最近一番の友人が入院して、少し思い詰めるような様子を見せていたことがあった。ただ、それほど日々の生活で目立つほどの思い詰めかたではなかったのだ。勿論日々気にはかけていたが。

「塾にもいたらしいが、塾を出て家に帰ってる。家の中にいたのに煙みたいに消えちまった。その後に駅もバスも利用した形跡もないのに、だ。」

静かだが重苦しい悌順の口調に、思わず忠志と義人が顔を見合わせる。信哉も眉をひそませると、悌順は更に声のトーンを落とし問いかけるが、それは囁きに近いが酷く明瞭な声音だった。

「奴だと思うか?」

その言葉に信哉は暗い表情で「分からん」と呟くと首を小さく横に振った。その会話は、まるで空気が一気にヒンヤリと温度を下げるかのような感覚で四人の周囲だけを包み込んだ。悌順はポリポリと頭をかきながら言葉を紡ぐ。

「まあ、他校の生徒とも交流がある様子だし。」

その言葉に、悌順はその生徒の姿を思い描いているのか、ふっと視線を伏せた。

「他校の奴とどんな風に交流してるか迄は、流石に俺も分からんしな。」

及川祐子は文化部の生徒で部活動を終えて塾に行き、自宅で自室に入ったまま姿を消した。家の人間が消えたのに気がついたのは翌朝の事で、何時から居なかったのかは分からない。しかし、玄関には靴はそのまま残されていてチェーンもかかった状態で、ハッキリ言えばどうやって出たのか分からないと言う。二階の窓から最近の女子高生が裸足で抜け出し、壁を伝い降りるなんてシュールにもほどがある。海外の邸宅じゃあるまいし、玄関から普通に出たほうがよっぽど目立たない。
数日前の悌順のクラスの男子生徒の行方不明にしても、見つかったとはいえ不可解な部分は残っていた。元々野球関連で推薦入学を目指している男子生徒は、もう一人の男子生徒と家も近く普段から一緒に帰宅している。その内の一人が夜になっても戻らないと連絡が来たのは夜の十時過ぎの事だった。こちらは目の前の槙山忠志が、廃屋の元持ち主家族と知り合いで隠し部屋があることを知っていた事もあって数日後発見はした。ところが正直なことを言えば、その前に実は生徒が発見された床の穴の存在は、警察でも悌順でも気がついていたのだ。上から中を照らしてではあったが、殆ど穴の内部は見た筈だった。穴から照らして、無惨に壊れた棚も見ているから違う部屋を見ているとは思えない。ところがその数日後に改めて絨毯を剥がして、地下室の入り口を開けて下を覗いたらそこには行方不明だった生徒が骨折して動けない状態でいたのだ。四日間飲まず食わずで過ごしていたとは思えない彼は、最初は階段を上がった所まで記憶していると話した。しかし、奇妙なのはその家は平屋で、二階が無いということだ。これは忠志もここにいる仁以外の全員が見ている。兎も角、こちらは無事見つかった方なのでいいのだが、問題はもう一つの方だ。
頻発している行方不明に思わず忠志が息を呑み、義人も険しい表情を浮かべた。信哉も思わぬ事態に表情を曇らせて、目を伏せたままの悌順に視線を向ける。
孝は真見塚の道場の門下生も消えていると言った。とすると、実際に行方不明になっている人間の数はもっと多い可能性も捨てきれない。少なくともここ短期間で狭い範囲の中で、五人近い人間が忽然と姿を消していることになる。

「何時消えたかも何処に行ったかも情報もない。うちの生徒に関しちゃ教頭が更に頭が剥げそうになってるよ。」

悌順の勤務先の福上教頭は元々、悌順と信哉が学生時代にも教鞭をとっていたこともある知己の教師だ。実は義人も同じく母校なので顔は思い出せる。ただでさえ薄い髪の毛の減るような心配に細い体を震わせている姿を思い浮かべ、苦笑いが信哉の顔に浮かぶ。
とは言え、ここ数日それに関して駆けまわったのであろう悌順の表情は、未だ晴れる事なく思いつめた様に真剣に重い。それは一人の教師の顔であって、それでいて玄武としての表情も垣間見え酷く物憂げにも見えた。再び天井を見上げ、ふぅと深い溜め息を悌順はつく。

「まあ、今のところただの、行方不明だ。」

四人の顔は神妙に暗く沈んで見えた。ただの行方不明で戻ってくるのであれは、なにも問題ではない。ただし、四人の頭には最悪の事態が浮かび上がる。
あの事故件場から、東側に真っ直ぐ直線で進むと、幾つか小規模の集落、町は存在する。しかし、最も人が多い都市部は自分達のいるここだ。勿論小規模の集落で人間が一人消えるのと、大都市で人間が一人消えるのでは対応は全く違う。小規模な集落で消えた人間は目立つから、人々は何時までも記憶し探し続けるだろう。ところがここほどの都市で消えた人間は、身内は兎も角周囲の人間はあっという間に忘れ去ってしまう。人間が多すぎて一人消えたくらいでは、気にも留めないのだ。
しかも、もし行方不明が四人の危惧する人外・≪饕餮・トウテツ≫の仕業が関わってくると、消えた人間は骨も見つからず永久に行方不明になる可能性が高い。あれは骨すらも残さず貪り尽くす事が容易く出来る化け物なのだ。そうでない事を祈るしかない事は、四人が一番良く分かっている。
ふと、義人がその沈黙を破る様に三人の顔を見まわして、今迄ずっと考えていたのであろう疑問をそっと囁く様に信哉に向かって問いかけた。

「あいつが定住する可能性はあるんですか?」

その言葉に信哉の表情が曇り、義人には彼が既に同じことを考えたことが目に見えて分かった。

「定住?!」
「忠志、声が大きい。」
「だって、定住ってマンションにでも金払って、ノンビリ生活でもすんよかよ?」

今までそんなこと考えた事もなかったのだろう、忠志は驚きの表情を浮かべ信哉の顔を覗き込む。その表情は何時もの能天気な表情ではなく真剣そのもので、彼の内心に潜む強い不安を滲ませながら口を開いた。

「ホントに定住なんて、ありうるのかよ?信哉。」
「奴らが人を喰うには都市に定住する方がきっと楽だろうな。」
「はあ?」
「人のふりをしたモノが暮らすには、都市部の方が周囲の無関心を逆手にとれるとは思わないか?」

確かに小規模な集落では、少なくとも近隣の住人同士の結び付きがある。新しく入り込んだ人間の姿をしたものは目につきやすいだろう。それに比べ都市部の人間はマンションが同じでも隣にすんでいる人間と、一度も声を交わしたこともない事があるのはのは当たり前。そうなればそこに人間の形をしたものがいても、誰も気がつかない可能性がある。

「そういう例はあるんですか?今まで。」
「古く遡るモノは知らないが、最近では戦時中に都市部に定着した事例は一つ残っているそうだ。」

信哉の言葉に、忠志が驚いたように目を丸くする。戦時中の世界がどんなものかは社会科や日本史で学んだ程度だが、都市とはいえ今よりは隣人との関わりはあったに違いない。

「どれくらいの期間定住したんですか?分かってるんでしょう?」

義人の言葉に信哉が視線を僅かにあげる。確かに定住したのが既に分かっているなら、どれくらいの期間そこにいたのかおおよその目安がついているのだろう。

「分かっているのは1940年からの五年間だ。」
「五年も?!」
「犠牲者は?」

忠志の言葉に信哉が、戦時中だぞと声を潜める。

「空襲で死んだのか、その人外に食われたかの区別はつかん。当該地域での戦時中の死亡者数は百万以上。こちら側の被害と院の被害の記録を見ればうんざりするだけだ。」

その言葉に信哉がその記録を確認しているのが分かって、忠志は顔色を悪くする。百万全部ではないにしろ、少なくとも大量に人間を補食した敵。考えるだけでも背筋が寒くなる。
言いかえれば人外・≪饕餮≫の狡猾さと妖力の強さから考えると、定住を考え付く可能性があり得ない事ではないと判断していると言えた。
思わず溜息をついて忠志は座りなおす。任について二年と少しの彼にとっては、あまりにも早すぎる強大な敵の存在は巨大なプレッシャーになって双肩にのしかかる様だ。勿論、それは今回初めて人外と対する義人にも同様で、それ以上に人外を知る二人にも重くのしかかる。思わず四人は再び沈黙して、それぞれに物を思う様に目を伏せた。

「あ。」

突然、その沈黙と重い空気を裂く様に仁の澄んだ声が室内に響く。四人が思わず振り返ると、彼はいつの間にか窓辺に立ち暗闇に遠く輝く高層ビルの群れを見つめていた。

「仁、どしたァ?」

気持ちを切り替えた様に努めて明るい何時もの忠志の声に、仁は不思議な事に全く反応を見せずジッと窓の外を見つめている。不意に、窓辺に立つ不思議な気の気配が溢れ出すように放ち出され、強まったその感覚が室内に満ちていく。四人は顔色を変えて、身を固くしてその背中を見つめた。

「闇だ。」

ふっと仁が囁くように言う。
そして、その手がまるで操られる様にスゥッと持ちあがり、窓ガラス越しの高層ビルの群れを指さした。その瞬間・四人の背筋に巨大なゲートの開く間際の強い悪寒が駆け抜けた。その上何時もとは違う空間を無理やり裂くような感覚が、四人の神経に突き刺さり苦痛めいた呻きをあげさせる。唐突に四人の体が本能的に、異能を発現させ自分を守るようにそれぞれの異装が体を包み込む。
音を立てて立ち上がった四人の目の前、そして仁の指さす先で夜の闇の中に世にも奇異な現象は始まりを見せていた。

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