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20代の話 Deterioration
52.鬱
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夏が訪れようとする頃、やっとのことで最寄り駅前の喫茶店でバイトを始めた彼に僅かに安堵した。そのバイト先の喫茶店は私が時折行く店で、紅茶の種類も多くケーキも豊富で女性客が多い。たまたま私が訪れ店頭に募集の紙を見つけ彼にどうかとすすめたのだ。私が再三すすめたのは別にしても、それでも働こうという前向きな姿勢に移った事だけでもいいことだと私は思った。
職場で親身になってくれる相談相手ができて、まがりなりにも彼が仕事を始めたことで状態はいいほうに向かうと信じたかった。例え、そのバイト代が殆ど彼自身の遊興費にかわったとしても、その姿勢だけでもいいとすら思っていたのだ。
※※※
「何で、コバヤカワとコイズミが良く家に来るようになった?」
その言葉の意味が分からず私は一瞬ぼんやりと目の前の奥歯を噛む顔を見上げる。
毎日の眠りを削られることが続いたせいか、私の眠りは酷く浅くなり下手すると眠らず職場に出ることもあった。それでは仕事に支障をきたすと私は職場の医師に相談して睡眠薬を処方してもらうようになっていた。そして、当直明けでまとまった睡眠をとろうと丁度服用した後だったのだ。
表向きは当直のせいで眠れないという理由だったけど。
その睡眠薬でぼやけた私の眠りの世界から引きずり起こすかのようにして、男が立つ姿を無理やり引き起こされたベットの上で腕をつかまれたまま見上げる。
ぼんやりとした頭が呟く。確かに彼らが来る回数は前の住所の時に比べれば各段に増えてはいた。だが、私が何かを頼んだわけでもなければ、彼ら二人もただあなたに気を使ってきてくれていただけに過ぎない。
霞む世界の中で薬の影響下の中にいた私は虚ろな視線を向けながら考えを巡らせる。
何で今あなたはここにいるの?確か今日は寝ていていいはずだから薬を飲んで寝たはずなのに、これは夢なのかしら。
その何処か酒の臭いすら感じる吐息の向こうで、闇の中に怒りを隠さない夫の姿を見た。
そういえば、今日は飲み会に誘われていた。だから寝ていいはず……。
呟きが心の中で閃いた瞬間、まるで私の正気でも取り戻そうかと言わんばかりに振るわれた掌が瞳にスローモーションのように映る。痛いというよりも意味が分からないまま自分の頬を殴るその男の姿を私は見つめる。
誘われた飲み会の席で、彼が耳にしたのは酔った自分をつれて帰るコバヤカワの姿を見たという話しだった。
現実には自分が見たはずの出来事が、他の人間から伝わったことで新しい出来事として伝わったのだろう。本当にあの時一度だけ送ってもらっただけなのに何もなかったといっても、信じる余地すら彼にはない。怒りに我が失っている彼を止めるのは無理だと目に見えるて、私は全てを諦める事を選択していた。
「お前のためにバイトしてやったのに!この淫乱女!」
逃げる事も、叫ぶ事もせず、ただされるままに殴られ、酷い言葉を投げつけられ、そのまま何も感じない痛みだけの乱暴な扱いの下で犯された。濡れるわけがない痛みの中で、濡れないことを理由に更に殴り付けられる。しかも、以前顔を殴ったり蹴った後の内出血の後が自分のしたことを周りに教えるのを学んだのだろう、最初の一発以降は衣類で隠れる場所ばかり痛め付けられているのに気がついてゾッとする。そんなことだけ学んで痛め付ける彼が心底恐ろしいと思った。
私が無抵抗であればあるほど怒りが増すのは分かっていたが抵抗する気力すらも、もう存在しなかった。
私は冷めた心で、何も感じない自分を見つめていた。最初の一発で熱を持ったような頬の痛みも、引き裂かれるような体の痛みすらも全く私の意識の外にある。そうしないと自分が保てなかった。やがて、私はかつて一度だけ過去に聞いたのと同じ自分の中で何かが切れる音を聞いたと思った。
※※※
何かが切れたと思った瞬間から私の記憶は更にあやふやになった。痛みや苦しみすら上手く感じないままに一夜を過ごした私はまるで人形のような閉じた心の中にいる。全ての刺激は意識の外にあり、全ては外の世界のような気がした。
朝日を浴びるまでまったく眠る事もなく朦朧とした意識の中で過ごした。それが危険だと分かっていながら緩慢な感覚の閉じた世界で私は音も立てずに立ちあげる。そんな私の横にはまだ酒の臭いを漂わせた男が眠っているが、私の動きに気がついた節はない。不意にスイッチが入って動き出した私の動きは、まるで幽鬼のように不気味に音もたてなかった。意図するような動きでもないのに服を整え、するりと鍵を掴み音もなく靴を履く。
鍵を開け扉を開けた音で目が覚めた男から怒声混じりの声がかけられるのも振り切って、私は飛び乗ったエンジンを回し車を発進させる。車の中でいけないと分かっている携帯電話でウノさんに電話をかける。
彼女の家に駆け込んだときにやっと、私は堰を切ったように声を上げて泣き出していた。
午前中一杯の時間をかけてゆっくりと彼女は私の話に耳を傾けた。流石にSMに関しては濁したが私の話を一通り聞くと彼女は静かに温かなお茶をすすめながら私を見つめる。
「自分の中で旦那さんをどう思ってる?」
話をすべて聞いてそう彼女が口にした時、私は直ぐには答えられなかった。
愛しているのかそうでないのか。
そう聞かれれば恐らく愛していると彼女は答えるのかもしれなかった。だが同時に深く憎んでもいる。愛しているから精一杯尽くし男の為に生きようとしてきた。だが、その代償の様々な痛みを激しく憎んでもいたのだ。
その相反する感情をたった一言「愛している」で言い表すには余りにも感情が深すぎた。そう分かっているかのように目の前の彼女は私を見つめ微かに溜息をつく。
「その気持ちの整理ができないと前には進めないのよ…自分でも分かっているのよね?」
私の気持ちを代弁するようなその言葉に、バックの中で震える携帯電話を感じた。話をしている間何度となくこの振動を肌に感じていた私は、じっと自分の気持ちを見定めようと考えようとする。
どうするべきなのか、自分自身が見極めないといけない、そう彼女は教えているのだと私は感じていた。
携帯を開く前からそれが誰からの電話かは判っていた。
私はかけられた声を振り切って逃げ出てきたのだから、その電話の内容もその後に続く出来事も予想できる事だったのだ。何故なら以前も同じように連絡の取れなかった私を今の夫である男はなじったのだから。それでも電話にでるしかなかった。私がどんな答えを出すにせよ、電話には出るしかないのだ。
私は電話に出た。
電話に出た時彼が何をしていたかは分からないが、怒鳴りつけられていれば恐らく私は帰らなかっただろう。しかし、予想に反して彼はひどく優しげな声で戻ってくるよう私を説得した。私はあやふやになった記憶のせいですっかり忘れていたのだ。
昨日彼は前回の失敗を学んで、私を痛め付けた。つまりは、前回の失敗を認識して方法を変えることが出来る。
私は家に帰って直ぐに再び暴力を受けて心神喪失の状態に陥った。今度はマンションのような廊下がなかったから、キッチンのフローリングの床の上で暴力に必死に耐え、一度切れた心の琴線はあっという間に弾けてズタズタになった。
※※※
もう駄目だ……
そう思った。
逃げてもこうやって引き戻されると思った瞬間、絶望に呑まれていくのが分かった。直後全ての感覚が遮断されたような気がした。
傍目に見ればまさに人形のように自身で体を動かす事もなく、私はその場に力なく崩れ落ちた。最初それすらも演技だと思った彼は、更に暴力をふるったが私は抵抗することもなく撥ね飛ばされる。そして無理矢理引き摺り起こされた私は、目を見開いたまま涙を溢した。痛みに叫ぶでもなくただ涙を零し続ける私の状態に初めて彼は異常を感じて、恐慌をきたし更に彼女を気がつかせようとする意図で暴力を振るった。
「いい加減にしろよ!何か言え!!キチガイが!!」
遥か昔に言われた言葉にすら私は反応せず、ボロボロと大粒の涙を溢しながら殴られる度に力なく撥ね飛ばされ床に頭を打ち付けた。
半日が過ぎ一向にその状態から逃れられない私の姿にいよいよ彼はパニックに陥った。そして、最終的に彼は以前の職場の近くにあったことで場所を知っていた精神病院に私を連れて行ったのだった。ここで彼が救急車を呼ばなかったのは恐らく私に振るった暴力がバレるのが怖かったのだろうと思う。そう後日判断するが、正確なところまではわからない。
私はそこで全く問いかけにも答えられず、ただ涙を溢し続け『抑うつ状態』と診断を受けて投薬を受ける事になった。ここで入院しなかったのも、はっきりとした理由は分からない。
ただ、そうして更に暗く深い泥沼の中で私は身動きする事もできないままに心の中では誰かの助けを求めていたのかもしれない。
職場で親身になってくれる相談相手ができて、まがりなりにも彼が仕事を始めたことで状態はいいほうに向かうと信じたかった。例え、そのバイト代が殆ど彼自身の遊興費にかわったとしても、その姿勢だけでもいいとすら思っていたのだ。
※※※
「何で、コバヤカワとコイズミが良く家に来るようになった?」
その言葉の意味が分からず私は一瞬ぼんやりと目の前の奥歯を噛む顔を見上げる。
毎日の眠りを削られることが続いたせいか、私の眠りは酷く浅くなり下手すると眠らず職場に出ることもあった。それでは仕事に支障をきたすと私は職場の医師に相談して睡眠薬を処方してもらうようになっていた。そして、当直明けでまとまった睡眠をとろうと丁度服用した後だったのだ。
表向きは当直のせいで眠れないという理由だったけど。
その睡眠薬でぼやけた私の眠りの世界から引きずり起こすかのようにして、男が立つ姿を無理やり引き起こされたベットの上で腕をつかまれたまま見上げる。
ぼんやりとした頭が呟く。確かに彼らが来る回数は前の住所の時に比べれば各段に増えてはいた。だが、私が何かを頼んだわけでもなければ、彼ら二人もただあなたに気を使ってきてくれていただけに過ぎない。
霞む世界の中で薬の影響下の中にいた私は虚ろな視線を向けながら考えを巡らせる。
何で今あなたはここにいるの?確か今日は寝ていていいはずだから薬を飲んで寝たはずなのに、これは夢なのかしら。
その何処か酒の臭いすら感じる吐息の向こうで、闇の中に怒りを隠さない夫の姿を見た。
そういえば、今日は飲み会に誘われていた。だから寝ていいはず……。
呟きが心の中で閃いた瞬間、まるで私の正気でも取り戻そうかと言わんばかりに振るわれた掌が瞳にスローモーションのように映る。痛いというよりも意味が分からないまま自分の頬を殴るその男の姿を私は見つめる。
誘われた飲み会の席で、彼が耳にしたのは酔った自分をつれて帰るコバヤカワの姿を見たという話しだった。
現実には自分が見たはずの出来事が、他の人間から伝わったことで新しい出来事として伝わったのだろう。本当にあの時一度だけ送ってもらっただけなのに何もなかったといっても、信じる余地すら彼にはない。怒りに我が失っている彼を止めるのは無理だと目に見えるて、私は全てを諦める事を選択していた。
「お前のためにバイトしてやったのに!この淫乱女!」
逃げる事も、叫ぶ事もせず、ただされるままに殴られ、酷い言葉を投げつけられ、そのまま何も感じない痛みだけの乱暴な扱いの下で犯された。濡れるわけがない痛みの中で、濡れないことを理由に更に殴り付けられる。しかも、以前顔を殴ったり蹴った後の内出血の後が自分のしたことを周りに教えるのを学んだのだろう、最初の一発以降は衣類で隠れる場所ばかり痛め付けられているのに気がついてゾッとする。そんなことだけ学んで痛め付ける彼が心底恐ろしいと思った。
私が無抵抗であればあるほど怒りが増すのは分かっていたが抵抗する気力すらも、もう存在しなかった。
私は冷めた心で、何も感じない自分を見つめていた。最初の一発で熱を持ったような頬の痛みも、引き裂かれるような体の痛みすらも全く私の意識の外にある。そうしないと自分が保てなかった。やがて、私はかつて一度だけ過去に聞いたのと同じ自分の中で何かが切れる音を聞いたと思った。
※※※
何かが切れたと思った瞬間から私の記憶は更にあやふやになった。痛みや苦しみすら上手く感じないままに一夜を過ごした私はまるで人形のような閉じた心の中にいる。全ての刺激は意識の外にあり、全ては外の世界のような気がした。
朝日を浴びるまでまったく眠る事もなく朦朧とした意識の中で過ごした。それが危険だと分かっていながら緩慢な感覚の閉じた世界で私は音も立てずに立ちあげる。そんな私の横にはまだ酒の臭いを漂わせた男が眠っているが、私の動きに気がついた節はない。不意にスイッチが入って動き出した私の動きは、まるで幽鬼のように不気味に音もたてなかった。意図するような動きでもないのに服を整え、するりと鍵を掴み音もなく靴を履く。
鍵を開け扉を開けた音で目が覚めた男から怒声混じりの声がかけられるのも振り切って、私は飛び乗ったエンジンを回し車を発進させる。車の中でいけないと分かっている携帯電話でウノさんに電話をかける。
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午前中一杯の時間をかけてゆっくりと彼女は私の話に耳を傾けた。流石にSMに関しては濁したが私の話を一通り聞くと彼女は静かに温かなお茶をすすめながら私を見つめる。
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愛しているのかそうでないのか。
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その相反する感情をたった一言「愛している」で言い表すには余りにも感情が深すぎた。そう分かっているかのように目の前の彼女は私を見つめ微かに溜息をつく。
「その気持ちの整理ができないと前には進めないのよ…自分でも分かっているのよね?」
私の気持ちを代弁するようなその言葉に、バックの中で震える携帯電話を感じた。話をしている間何度となくこの振動を肌に感じていた私は、じっと自分の気持ちを見定めようと考えようとする。
どうするべきなのか、自分自身が見極めないといけない、そう彼女は教えているのだと私は感じていた。
携帯を開く前からそれが誰からの電話かは判っていた。
私はかけられた声を振り切って逃げ出てきたのだから、その電話の内容もその後に続く出来事も予想できる事だったのだ。何故なら以前も同じように連絡の取れなかった私を今の夫である男はなじったのだから。それでも電話にでるしかなかった。私がどんな答えを出すにせよ、電話には出るしかないのだ。
私は電話に出た。
電話に出た時彼が何をしていたかは分からないが、怒鳴りつけられていれば恐らく私は帰らなかっただろう。しかし、予想に反して彼はひどく優しげな声で戻ってくるよう私を説得した。私はあやふやになった記憶のせいですっかり忘れていたのだ。
昨日彼は前回の失敗を学んで、私を痛め付けた。つまりは、前回の失敗を認識して方法を変えることが出来る。
私は家に帰って直ぐに再び暴力を受けて心神喪失の状態に陥った。今度はマンションのような廊下がなかったから、キッチンのフローリングの床の上で暴力に必死に耐え、一度切れた心の琴線はあっという間に弾けてズタズタになった。
※※※
もう駄目だ……
そう思った。
逃げてもこうやって引き戻されると思った瞬間、絶望に呑まれていくのが分かった。直後全ての感覚が遮断されたような気がした。
傍目に見ればまさに人形のように自身で体を動かす事もなく、私はその場に力なく崩れ落ちた。最初それすらも演技だと思った彼は、更に暴力をふるったが私は抵抗することもなく撥ね飛ばされる。そして無理矢理引き摺り起こされた私は、目を見開いたまま涙を溢した。痛みに叫ぶでもなくただ涙を零し続ける私の状態に初めて彼は異常を感じて、恐慌をきたし更に彼女を気がつかせようとする意図で暴力を振るった。
「いい加減にしろよ!何か言え!!キチガイが!!」
遥か昔に言われた言葉にすら私は反応せず、ボロボロと大粒の涙を溢しながら殴られる度に力なく撥ね飛ばされ床に頭を打ち付けた。
半日が過ぎ一向にその状態から逃れられない私の姿にいよいよ彼はパニックに陥った。そして、最終的に彼は以前の職場の近くにあったことで場所を知っていた精神病院に私を連れて行ったのだった。ここで彼が救急車を呼ばなかったのは恐らく私に振るった暴力がバレるのが怖かったのだろうと思う。そう後日判断するが、正確なところまではわからない。
私はそこで全く問いかけにも答えられず、ただ涙を溢し続け『抑うつ状態』と診断を受けて投薬を受ける事になった。ここで入院しなかったのも、はっきりとした理由は分からない。
ただ、そうして更に暗く深い泥沼の中で私は身動きする事もできないままに心の中では誰かの助けを求めていたのかもしれない。
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