鮮明な月

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間章 ちょっと合間の話3

間話126.幕間5

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それはちょっとしたタイミング。

間違って踏み外してしまった階段を真っ逆さまに転げ落ち、気がついたら下に落ち込んで這いずり回っているようなもの。真っ逆さまに落ちて墜ちて堕ちて、自分が気がついた時には酒池肉林の世界の真っ只中で四つん這い。

そんなの1つも…………望みもしていないのに

理解した時にはとっくに落ちていた。望みもしていないのに、誰に墜とされたかも分からない。こうして堕とされていたのに、気がついた時には遅かった。何しろ自分が落ちているの気がついた時には、もうこうなのだから避けることも出来ない。実際のところ何故こうなったのか自分でも良く分からないし、今更理由が分かったからと言って何も変わらないだろう。

周囲に満ちているのが、歓喜なのか狂喜なのか自分ではもう良く分からない。

そんな自分の周囲の狂った世界。楽しくもないのに何時までも笑い転げながら、望みもしないのに誰も彼もが裸で、そして盛りのついた雄犬のように何時までも腰を前後に振り続けているのとそれを受け止めているものばかり。そして自分もそれの一員なのだと、時折僅かに戻るこの弱い意識で考える。
漂う退廃の空気。
い草の甘い匂い。
1人や2人ではない縺れ合う全裸の人影。
芳しい茶葉のような香り。
艶かしい呼吸に、狂喜じみた叩きつける破裂音。
笑いながら、自分の、周囲の嬌声を眺める残忍な視線。
誰がこんな世界を作ったのか分からない。それに自分をここに落としたのが、誰なのかも分からない。

「おい。」

一瞬それが誰に向けられているか分からなかったが、グイッ後ろに引かれて首が締まる感覚に息が詰まる。そこにいるのは自分にも見覚えのある姿で、華奢でしなやかな体つきだと言うのに力強い。そして、その姿の向こうに座り心地の良さそうな座椅子に座り、ニヤニヤと笑って自分を見下ろしている影が見える。あれに命令されてこの地獄のような世界が広がっているのだと、虚ろでボンヤリとした頭がうっすらと考えている。その視線に気がついた目の前の姿が、そちらを見ないように自分の前に立ちはだったのに気がつく。恐らくはボンヤリ向こうを見ていたら危ないと教えてくれたのだと、何故か心の中で思っていた。

「………………ほら、お前は次は向こうだ。」

そう声に静かに指示をされて、それこそ本当の犬のようにつけられた首輪を引かれる。そうだった、あの背後の人影は兎も角、この相手がこの首輪を自分につけ、そして自分をこんなにも支配しているのだ。再び首輪を引かれると、ヌプッと逸物が股から抜け落ちて相手はグッタリと倒れ込む。ポッカリ開ききった孔からは何人分なのか分からない程の白濁をダラダラと垂れ流して、弛緩した身体を見下ろす。どうやら自分が今まで激しく腰を振り付けていた相手はもう終了で、自分は次の別な雌犬に宛がわれるのだと気がつく。

「ほら、やれ。」

そう促されて見ると、自分の前には新たに尻をこちらに向けているものがいた。そこに向かって背後から足の裏で蹴りつけるように腰を押され、望まなくとも泥濘のような孔に屹立させられたままの逸物を押し付ける。そうして言われるがまま、再び腰を前後に振りだす。これが快楽なのかそうでないのかは当に消え失せていて、これが現実なのかどうかも理解できない。それでも言われた通りにしないと、それだけが頭の中にある。

言われた通り

腰を振りたててチュボチュボと激しい音をたて、泥濘を掻き回す犬になるのが自分に与えられた仕事。そう躾られているのだと、知っている。分かっている。それに従えなければ

「お前、…………もう無理か…………。」

無理なんかじゃない。まだ言う通りに出来る。そうアピールしようとカクカクと腰を振るけれど、泥濘を掻き回すことが出来ない自分を男は何も感じていないような冷ややかな目で見下ろす。それでも出来る。まだ命令に従えるから。そう言葉にしようにも首輪で喉が絞まっていて、言葉が出せない。そうしてその相手の背後にいたニヤニヤ笑いの影が、未だに笑い声で泥のように身体に纏わりつく言葉を放つ。

「それは雌だ。」

冷徹な声に、これまでは雄犬でいられた筈の自分は無理矢理組み伏せられていた。これまでとは逆に、今度は雌になるようにと四つん這いで固定され尻を高くあげさせられてしまう。これまで散々に捩じ込んで腰を振り立ててきたのを、今度は自分がされる。孔を解したり慣らしたりして貰えないのは、自分がそうしてかたからなのは言うまでもない。それでも絶対に嫌だとも止めてとも口には出来ないまま、女とは違う造形だというのに、女のように雄の逸物を押し当てられる。当然雄はつい寸前までの自分のように馬鹿みたいにおったてて、腰を振り続ける機械のようなヤツ。もうメリメリと身体の中に雄の逸物が捩じ込まれてくるのを、泣きながら受け止めるしかない。ただあの影が満足してくれる迄、ひたすらに蹂躙されるしかない。

それが自分に与えられた運命なのだから。



※※※



「ねーぇ?惣一君。」

妻・久保田松理の声に愛娘・碧希に哺乳瓶でミルクをあげていた久保田惣一が、娘を立て抱きにしながら視線を向ける。何もかも最小限でスタイリッシュという言葉が一番似合っていた以前と違い、リビングだけでなく家中が親子で暮らしているのだと匂わせるものがあっという間に溢れていく。碧希のための服や玩具、まさか惣一にしても自分が紙オムツを買ったりするなんてことが人生で起こりうるのだなんて考えても見なかった。しかも惣一自身は既に天涯孤独なのだけれど、志賀家の人々は自分を受け入れて親戚にまでなってくれたのだ。そんなわけで、今まで自分の舎弟しか身内のようなもののいなかった惣一にすれば、今のこの状況は夢物語のようにすら思える。

「何?松理。」

気がついた時には、どうしても自分のものにしたかった彼女。その人が遂に自分の子供を身籠って、20年越しの念願の妻に娶ることが出来たのはほんの一年前のこと。そこからは惣一自身にも初体験のことばかりが続いて、全くもって人生とは摩訶不思議なものだと思う。
自分の腕の中で立て抱きにされ背中を緩く擦られた愛娘が元気のいいゲップをしたのに、惣一は思わず頬が緩むのを感じる。赤ん坊というものは本当に不思議なもので、こんなにも手がかかるのに途轍もなく愛おしい。何もかも可愛らしくて、良く聞く目にいれても痛くないという言葉の意味が分かる気がする。そんな存在を産み出してくれた妻も、相変わらず美しくて愛しいのは言うまでもない。そう内心で染々している惣一に、彼の愛妻はにこやかな微笑みを浮かべて問いかけてくる。

「惣一君、最近悪いことしてない?」

穏やかに妻のにこやかな笑顔の裏にある気配に思わずたじろぐのは、彼女にだけは全く自分の仮面が通用しないからだ。昔から何故か彼女にだけは、どんなに巧妙に嘘をついても見抜かれてしまう。

「え?」

良かれと思ってしたことでも時に裏目に出てしまうこともあって、その良かれの基準がおかしいのと何度松理に言われたことか。何しろ最近でも妊娠中の愛妻に良くないことが起きないように先手を打ったのに、松理にはスタンガンでお仕置きされてしまっている(大体にして矢根尾俊一の事件に自分が動いたのは、元々あの男はここら近辺で黒髪の綺麗な顔をした女を中心に悪戯や暴行を働いてきた男だからで。勿論その中には茶色い髪の子達も何人かはいるが、あの男が手を出すのは基本的に9割がた艶やかな黒髪だ。恐らくは倉橋亜希子に似たタイプを求めての行動だろう。そして、愛妻・松理はまさにそのタイプに当てはまる。そう惣一は思っているし、何より実のところ松理も自分も矢根尾のことを昔から知っていて、しかも松理の性格だと他の可哀相な女の子を作る前に自分が…………なんてことを率先してやりかねないのだ。だからこそ鈴徳良二の怪我のこともあったし、力を貸してくれる人間も多かったので先んじて手を打ったのに)。

「え?じゃないの。」

にこやかな笑顔は全く崩れないのに、途轍もなくお怒りに見えるのは何故だ。最近は碧希の世話があるから、それほど裏側になるような仕事は避けているし、相園達にも重々それは説明してある。何か困った時には相談は来るだろうけれど、それ以外の時はそれぞれで解決するようにしてある筈なのに。

「なんか、みょーな、男達が、お家の周りを、ウロウロしてますけど?惣一君?」

そう区切りをつけながら、ギリギリと頬をつねるのは止めて欲しい。というか、家の周り?勿論以前にも同じような出来事があって、家の周りを不審者が徘徊するのに松理は早々に別宅に姿を眩ませたことがあった。それをさせていたのは、惣一の舎弟の1人だったこともある進藤隆平。進藤に関しては個人的には可哀相な男だったとは思ってはいるけれど、自分や仲間や外崎宏太だけでなく松理にも被害が及びそうになったのは許すわけにはいかない。とは言え進藤は結局死んでしまって、あれから大分時間がたっていて大本だった進藤隆平が死んだことで進藤の組織自体が機能しなくなっていた。そんなこともあって、最近では明らかな行動を起こすような相手がいなかったのもあって、惣一自身も家の周りを徘徊なんてする不審者に関しては少し気を抜いてしまっていたのは事実だ。そして同時に今の久保田家は、簡単には別宅に避難しましょう……とはならない状況になってもいる。何しろ生後3ヶ月半の娘と、産後3ヶ月半の妻がいるのだ。

「妙って?松理、どんなの?」

頬をつねられながらも惣一の真剣な問いかけをしてきたので、松理の方もこれは惣一が秘密で何かしたのではなさそうだと気がついたようだ。その腕の中の碧希は両親の神妙な様子に反応して、自分も両親の真似のつもりなのかギュッと眉をしかめて両親のことを見上げてくる。

可愛い…………天使か……家の碧希。

真面目に松理の話は聞いているのだけれど、腕の中の碧希があんまりにも可愛いのに悶絶しそうになる。松理の方も惣一の視線に気がついて、見下ろした碧希の顔に吹き出してしまう有り様だ。

「もー、タマってば!パパとママ真面目に話してるのよー?」
「あぶぅ!」

私もだよといいたげな碧希の可愛い返答に、思わず2人とも揃って盛大に吹き出してしまう。両親の笑い顔に何が起きているのかといいたげな碧希を抱き締めて、惣一は心の中で思う。

大事な娘に大事な妻。

その2人に何か起きる可能性があるなら、断固として阻止しないとならない。いつになく真剣な顔をした惣一に松理は、内心で密かに(あらやっぱり惣一君たら、イケメン)の我が夫に改めて惚れ直しているのだった。



※※※



「Stop following me.ok?」

その言葉にYESと答えていても、結局は着いてきてしまうのは分かっている。それでもこう言わないと四六時中過保護に付きまとわれてしまうから、彼女は彼にこう言いつけるしかない。

リリアーヌ・オフェリア・フラウンフォーファー。

通称はリリア。ドイツ系アメリカ人の養父母に育てられて、今年20歳になる。
アッシュブロンドにブルーアイズ。日に透けると金色に輝く髪に、海の色にも似た濃い青色をした瞳、それに乳白色という表現が似合う肌に整った顔立ち。華奢なという表現にすれば別かもしれないが、養母からは痩せっぽちさんなんて常々呼ばれるヒョロリと細い手足。自分ではそうは思わないのだか、暫く前に出たゲームのキャラクターに似てるとか、良くある幻想的な物語に出てくる妖精とかエルフという存在に似ているなんて言われるのは、年の割に顔が幼く見えてしまうからだと思っている。
昨年1度理由があって来日した彼女は再び機上の人になったのだが、彼女には執事というか小間使というか…………ちょっと日本語では言葉に困る存在がもれなくついてくるのだ。

ヴァイゼ

そう呼ばれる無表情の青年で、見た目はリリアよりは少し年上程度なのだか実際のところ何歳かと言われると答えには困る。それはさておきヴァイゼは非常に過保護なので、1人でリリアが来日するのを許すわけがない。日本は母国よりは治安もいいし女性1人で歩いても問題ないと教えても、まるで駄目なのだ。なので日本までついてくるのは諦めはしたが、四六時中ベッタリでは自分のしたいことも出来ない。それでも着いてこないでとハッキリ言って、ヴァイゼにどれだけの効果があるのかはリリアにも謎である。

「Stop………… following…… me.ok?」

改めて念を押されてやっとYESと答えた物悲しそうな顔を珍しくして見せるヴァイゼを部屋に残して、リリアは身軽な姿になってドアを開き街に向かって歩き出していた。
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