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間章 ちょっと合間の話3
間話21.本気なら
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大切な人、誰にも渡したくない人。特にあいつには絶対…………
源川仁聖はこんな風に自分に劣等感を感じさせる男になんか今まで出逢ったことがないし、本当はそんな鳥飼信哉には大事な榊恭平を近寄らせたくなんかない。それでも恭平は今まで失ってきたモノを取り戻そうとしていて引き留めることも出来ないし、恭平が誰よりも自分の事を一番に思ってくれているのは仁聖にだって十分に分かっている。
でも分かっていても…………
子供のようなこの嫉妬心に煽られ、焦れている。エレベーターの中には防犯カメラがあるのは知っているけれど、死角になる奥の壁に恭平のことを押し付けて仁聖は徐に無理矢理めいた強引さで唇を重ねてしまう。一瞬の恭平の戸惑いを無視して唇だけでなく絡めとる舌の動きに執拗に愛撫され翻弄されて、腕の中の恭平の身体が抱き寄せた腕に委ねられていくのを自分の腕で直に感じていた。
「んん…………ん、……………………ふ…………。」
ここがまだエレベーターの中だというのに甘くほどけていく吐息が、触れる仁聖の唇と舌の上にホロホロと蕩けて転がり落ちてくる。それに仁聖の我慢が効く筈もなくてキスで蕩けさせられ力が抜け落ちていく恭平の身体を更に壁に押し付けて、貪るようにその吐息ごと全てを奪い尽くしてしまう。
「ん………………ぅ…………ん……。」
実際にはほんの数十秒なのだろうけれど、濃厚なキスにカクンと恭平の足から力が抜け落ちたのを思わず仁聖が手を伸ばして抱き上げていた。腕の中にグッタリ凭れかかる恭平のトロンと蕩けた瞳が酷く色っぽくて、ほうっと熱くなりつつある身体を抱えてしまうと同時にエレベーターの扉が開く。思わずチュとこめかみに口付け抱きかかえられる恭平がボゥッと肌を染めて見上げてくるのに、扉が完全に開くまでの緩慢さに苛立ちすら感じながら仁聖はサッとそこをすり抜けて通路を大股に通り抜けていく。
そのまま惚けて抱きかかえられて運ばれているのに、恭平が我に帰る隙も与えない。恭平を抱きかかえたまま急いで通路を突っ切って、家のドアを手早く開けて中に滑り込む。しかも、目的は玄関でもなくリビングでもなく、迷わず奥の二人の寝室なわけで
「じ、……っん…………せ、や、……シャワー…………。」
「無理。」
駆け込むようにして寝室に運び込まれ、迷うことなくベットに身体を下ろされた恭平の弱い懇願を無視する。そこから恭平を逃がすわけもなく、仁聖の身体が音をたてて自分の上に股がるのを見上げた恭平の瞳が潤んで揺れているのに、欲情している仁聖が気がつかない訳がないのだ。目の前でもどかしげにバサバサと服を脱ぎ捨てて半裸になり覆い被さる仁聖の身体の熱さに、眩しそうに目を細める恭平の視線がトロリと色を深めて再び蕩けていく。その全身から色気を放ち熱く疼くような欲望が指先から伝わるように、恭平の身体に触れて服をはだけていくのを恭平が弱い声で制止するふりをする。
ふりだと思うのは、その声が酷く甘くて、全然本心には聞こえないから
嫌だと呟く声は頼りなく掠れて淡く溶けて、本当に嫌がっている声にはちっとも聞こえない。それにはだけられた肌からは甘く誘いかけるような香りが強く漂い、仁聖が触れていく所から次々と熱を放っているように快感を期待して蕩けていくのが見えている。
「や…………じんせ…………。」
「聞かない。」
言葉では制止できない仁聖を何とか動きを抑えようとする恭平の指が仁聖の頬に触れた瞬間に、仁聖が顔を背け恭平の白くしなやかな指をネロリと舌で愛撫する。
「ふ、あ。」
その舌の這う僅かな感触だけで、恭平の声が甘く蕩ける喘ぎに変わってしまう。それに気がついた仁聖があえてその手を指を絡めて抑え込み、次々と丹念に指の付け根を唇で食み舌を這わせていく。柔らかな唇に吸われ食まれるゾワリとした快感、それに重なる舌を這わされる滑るゾクゾクする快楽に、仁聖の足の下で恭平の膝頭がモゾモゾと擦り合わされるのが分かっていた。恭平が鍛練の汗に汚れた身体だからと言いたいのは当然の事で分かっているけれど、仁聖にはそんなことはどうでもいいことだと恭平は気がつきもしないのだろう。
「やだ…………んっ…………きたな…………から…………っ……んんっ。」
チュク……ッと指の一本ずつを咥えこみ、丹念に舌を絡み付かせて吸い付き仁聖が執拗に愛撫する。愛撫されているのは指だけ・手首から先だけなのに、モゾモゾと恭平の腰が跨がる足の下で揺れてなおのこと甘い声が溢れだしていた。
「ん、や……っんんっ、ふっ……ぅ!」
甘くて蕩けた声が出る程に、仁聖の目の前で恭平の身体が反応して潤んでいく。それをみていたら本当なら鳥飼信哉への劣等感なんて仁聖が感じる必要もないのだろうけれど、信哉の存在は余りにも強すぎて妻がいると言うのに仁聖をこれ程までに戸惑わせている。
恭平は仁聖にだけこうして全てを見せてくれていて、あの男には全くそうではないとちゃんと何度となく教えてくれるのだ。それなのにここまでしてくれても、仁聖にはまだこの強い嫉妬心が抑え込めない。
俺の…………俺だけの…………
そう頭の中で何度も何度も繰り返しながら、恭平の様々な場所に仁聖が執拗に口付けていく。その柔らかな唇だけでなく、目蓋にも耳朶にも喉にも鎖骨にも口付け、舌を這わせ、指先でなぞりあげて。汗ばんだままだからと身悶える恭平の身体を、仁聖の唇と舌と指先で心行くまで堪能する。
「んっ…………ふぅ……っ!うぅんっ!」
そうして身体を起こした仁聖が欲情しきった熱い視線で、組み敷いた恭平を射抜くように見下ろす。こんな風に熱っぽい視線で仁聖に見つめられると、組み敷かれている恭平も視線に痺れてしまうように全身から力が抜け落ちてしまうのだと知っている。そうしてスルリと肌から服を抜き取られ全裸にされても、恭平は抵抗らしい行動なんて一つもとれないことも。
「だ、め……じんせ、…………。」
そんな声で拒絶しているつもりでも無駄。潤んだ瞳で頬を染めていてどんなに膝をあわせても、恭平の陰茎が熱く張りつめているのは隠せていないし。何より、そう最初の時と同じ。本気で自分の事が嫌なら、恭平なら意図も容易く自分を叩きのめす事は可能。どんなに仁聖が覆い被さろうと組み敷こうと、恭平が本気なら拒絶は容易いことなのだと分かっている。
「恭平…………。」
熱っぽい声でそっと耳元で囁く仁聖の手が恭平の腰を柔らかい手付きで撫でるのに、恭平の肌がビクリと戦き見る間に薔薇色に染まっていく。更に覆い被さった仁聖が音を立てて耳朶を唇で愛撫すると、眉をよせて口元を片手で隠しながら恭平が無意識に仰け反っていて、それが自分の与える快感に恭平が自然と身体を固く強ばらせてしまうのが分かる。
「恭平。」
「んんっ!」
触れられるだけでこんなにも素直に感じて、気持ちよくなって、それが自分を心の底から受け入れてくれているからだと今ではよく分かってしまうから。頬を薔薇色にして甘く喘ぎながら、それでも恥ずかしそうに寄り合わせた恭平の膝を両手で掴む仁聖に、恭平が弱く頭を振り駄目と掠れた声で懇願するのが悩ましい。
「だ、め。」
「なにが?」
ククッと手に左右に割り広げられようとする膝に僅かに力がこもるけれど、それでも耳朶を噛みながら名前を囁くだけで全身を震わせている恭平は途轍もなく淫らで綺麗で。目尻に滲む涙に口付ける感触に、思わず緩んだ脚は仁聖の手で容易く大きく開かされてしまう。
「や、ぁ……んふぅっ…………。」
あぁと感嘆の吐息めいた声が溢れ落ちる仁聖に、自分の姿がどんな風に見えているか気がついてしまった恭平はなおのこと頬を染めて泣き出しそうに顔を背ける。仁聖の視線には淫らに濡れそぼって立ち上がったピンク色の陰茎が、開かれた脚の間に卑猥なほど張りつめて震えてヒクヒクしていた。その鈴口から溢れて雫になった蜜が幹を滴り落ちていく淫らな光景に、喉をならして背筋が震えるほどに仁聖は興奮を隠せない。そうして淫らに脚を大きく開き掬い上げて膝の間に身体を押し込む熱に、待ち構えている恭平がそれへの期待のこもる視線を向ける。
「…………恭平、いい?」
あえてそう低い声で、耳元にソッと問いかける。それが必要ない問いかけだと知っていても、問いかけて欲しがっているのを確かめたくなるのに、恭平は言葉ではなくて頬を染めたまま仁聖の頬に触れて顔を引き寄せ自分から口付けてくれるのだ。そして次の瞬間には恭平の後穴に押し付けられた仁聖の怒張が恭平の体内に触れ、ヌプリと湿った音をたててユックリと奥深くまで飲み込まれていく。
「んんっふあ、あぁあ!あああ!」
狭くうねり締め付けてくる体内に幾分硬く触れる感触をゴリゴリと硬い亀頭で擦りたてて、深く奥に太杭が埋め込まれていく。奥を開き埋め込まれていく怒張に、甘く甲高い歓喜を含む恭平の悲鳴が上がっている。怒張に柔らかく絡み付き吸い付くような快感、それに思わず一気に根本までをドツンッと捩じ込んで完全に繋がった瞬間に恭平の身体がビクンッと大きく痙攣していた。
「っっ!!!うぅっ!!!!くぅっ!!」
ギュウッと全体をキツく締め付けるだけでなくヒクヒクと中が蠢き痙攣し続けているのに、組み敷かれた恭平の視線が朦朧と蕩けていく。仁聖の怒張を捩じ込まれただけ。それでも強すぎる一撃の衝撃に完全に絶頂に押し上げられてしまった恭平は、呼吸も出来ないとでもいうようにハクハクと呼気で喘ぎながら鈴口から蜜を吹き出していた。
その姿がどんなに淫らで綺麗で、愛しいか…………。
それを思いながら仁聖が、更に緩く腰を動かし始めていく。しかも上下に揺すられる動作に甘い声で喘ぐ恭平に、仁聖の理性が見る間に焼ききれていく。室内に響き渡るほどにズチュズチュッと大きな音を立てて注挿される熱く硬い怒張が、恭平の深い奥に突き当たり中を擦りたてる。
「ふぁあ、あっ!あぅ!くぅう!んん!あ!」
次第に激しく音を立てて振り立てられる腰と同調して溢れ落ちる喘ぎを必死に抑え込もうとする恭平の手を掴み、もっと聞かせてと耳元で囁く低く響く声に恭平が酩酊したように甘く喘ぐ。
「い?これ。」
「や、ぁ!!あ!あぅ!あぁう!!い、ひぁっ!ひっ!ううっ!」
「や?いい?どっち?」
「い、んんんっ!い、ぃ!」
恭平が一番弱いと知っている場所を丹念に熱い亀頭で打ち付け擦りたてる動作に、甘い歓喜の声をあげて恭平の身体が震えながら濃い薔薇色に変わっていく。そのまま最奥まで怒張を突き上げてから身体を抱き上げ、深々と怒張を咥えこませたまま腰を回すように揺すりたてられるのに恭平は実はとても弱い。それを知っているのは仁聖だけで、知っているからこそ仁聖は恭平を追いたてていく。抱き上げられた衝撃で更に奥を開かれて、恭平は仰け反りながら身体を硬く硬直させ二度目の大量の蜜を吹き出していた。
「エロ…………、すぎ…………。」
仁聖のものを最奥まで咥えこんだまま弛緩してしまうほどに、完全に感じきってしまった恭平の凄まじい程の艶めかしい色気。それを眼前に突きつけられまだ射精に至らない仁聖の怒張が一際大きく膨らんで、未だに快感に朦朧としている恭平がトロンとした桃色に見える瞳で喘ぐ。
「やぁ、あぅう、んん、はぅんっ」
艶かしく甘えるような歓喜の声。感じさせられ、どうしようもない程に気持ちよくて、抗うことも逃げることも出来ない快感に支配される。仁聖にしか見せないその姿に仁聖がなおのこと興奮して、深々と捩じ込まれた怒張が熱く脈打ち腹の底をキツく満たしていく。
「こ、われちゃ、はぅ、うぅうっ!うぅんっやぁ……っ。」
「あぁ、すご…………やばぃ…………。いぃ…………きょ、……へぇ…………。」
熱のこもる甘く低く響く声で囁きながら、ユサッユサッと更に仁聖の腰が激しく動き始めている。これ以上の快感には堪えきれないと恭平が懇願しても、仁聖の興奮しきった獣のような視線に支配されて激しく下から突き破られそうな程に乱暴に突き上げられ始めて。膝を抱えあげられながら何度も何度も最奥に突き込まれ、グポグポと激しく淫らな音を立てて怒張を亀頭から根本まで深々と長いストロークで注挿し続けられていく。
「ひぁ!あ、あぁ!ああぁあ!!ひっ!うぅ!」
激しすぎる。そう泣きながら必死に悲鳴をあげて恭平が止めてと懇願するのに、仁聖ときたら今度は根本までいれたまま腰を強く押し付けグリグリと回しながら恭平のことを快楽に更に追いたてていく。
「あーっ!!!あぁああ!!いくッ!いくぅ!!!やぁあ!」
その声は一際甘く蕩けていて、それが更に獣のような仁聖の欲望を煽り立てるのと同時に何ものにも変えがたい程に仁聖を幸せに満たしてしまうのだった。
源川仁聖はこんな風に自分に劣等感を感じさせる男になんか今まで出逢ったことがないし、本当はそんな鳥飼信哉には大事な榊恭平を近寄らせたくなんかない。それでも恭平は今まで失ってきたモノを取り戻そうとしていて引き留めることも出来ないし、恭平が誰よりも自分の事を一番に思ってくれているのは仁聖にだって十分に分かっている。
でも分かっていても…………
子供のようなこの嫉妬心に煽られ、焦れている。エレベーターの中には防犯カメラがあるのは知っているけれど、死角になる奥の壁に恭平のことを押し付けて仁聖は徐に無理矢理めいた強引さで唇を重ねてしまう。一瞬の恭平の戸惑いを無視して唇だけでなく絡めとる舌の動きに執拗に愛撫され翻弄されて、腕の中の恭平の身体が抱き寄せた腕に委ねられていくのを自分の腕で直に感じていた。
「んん…………ん、……………………ふ…………。」
ここがまだエレベーターの中だというのに甘くほどけていく吐息が、触れる仁聖の唇と舌の上にホロホロと蕩けて転がり落ちてくる。それに仁聖の我慢が効く筈もなくてキスで蕩けさせられ力が抜け落ちていく恭平の身体を更に壁に押し付けて、貪るようにその吐息ごと全てを奪い尽くしてしまう。
「ん………………ぅ…………ん……。」
実際にはほんの数十秒なのだろうけれど、濃厚なキスにカクンと恭平の足から力が抜け落ちたのを思わず仁聖が手を伸ばして抱き上げていた。腕の中にグッタリ凭れかかる恭平のトロンと蕩けた瞳が酷く色っぽくて、ほうっと熱くなりつつある身体を抱えてしまうと同時にエレベーターの扉が開く。思わずチュとこめかみに口付け抱きかかえられる恭平がボゥッと肌を染めて見上げてくるのに、扉が完全に開くまでの緩慢さに苛立ちすら感じながら仁聖はサッとそこをすり抜けて通路を大股に通り抜けていく。
そのまま惚けて抱きかかえられて運ばれているのに、恭平が我に帰る隙も与えない。恭平を抱きかかえたまま急いで通路を突っ切って、家のドアを手早く開けて中に滑り込む。しかも、目的は玄関でもなくリビングでもなく、迷わず奥の二人の寝室なわけで
「じ、……っん…………せ、や、……シャワー…………。」
「無理。」
駆け込むようにして寝室に運び込まれ、迷うことなくベットに身体を下ろされた恭平の弱い懇願を無視する。そこから恭平を逃がすわけもなく、仁聖の身体が音をたてて自分の上に股がるのを見上げた恭平の瞳が潤んで揺れているのに、欲情している仁聖が気がつかない訳がないのだ。目の前でもどかしげにバサバサと服を脱ぎ捨てて半裸になり覆い被さる仁聖の身体の熱さに、眩しそうに目を細める恭平の視線がトロリと色を深めて再び蕩けていく。その全身から色気を放ち熱く疼くような欲望が指先から伝わるように、恭平の身体に触れて服をはだけていくのを恭平が弱い声で制止するふりをする。
ふりだと思うのは、その声が酷く甘くて、全然本心には聞こえないから
嫌だと呟く声は頼りなく掠れて淡く溶けて、本当に嫌がっている声にはちっとも聞こえない。それにはだけられた肌からは甘く誘いかけるような香りが強く漂い、仁聖が触れていく所から次々と熱を放っているように快感を期待して蕩けていくのが見えている。
「や…………じんせ…………。」
「聞かない。」
言葉では制止できない仁聖を何とか動きを抑えようとする恭平の指が仁聖の頬に触れた瞬間に、仁聖が顔を背け恭平の白くしなやかな指をネロリと舌で愛撫する。
「ふ、あ。」
その舌の這う僅かな感触だけで、恭平の声が甘く蕩ける喘ぎに変わってしまう。それに気がついた仁聖があえてその手を指を絡めて抑え込み、次々と丹念に指の付け根を唇で食み舌を這わせていく。柔らかな唇に吸われ食まれるゾワリとした快感、それに重なる舌を這わされる滑るゾクゾクする快楽に、仁聖の足の下で恭平の膝頭がモゾモゾと擦り合わされるのが分かっていた。恭平が鍛練の汗に汚れた身体だからと言いたいのは当然の事で分かっているけれど、仁聖にはそんなことはどうでもいいことだと恭平は気がつきもしないのだろう。
「やだ…………んっ…………きたな…………から…………っ……んんっ。」
チュク……ッと指の一本ずつを咥えこみ、丹念に舌を絡み付かせて吸い付き仁聖が執拗に愛撫する。愛撫されているのは指だけ・手首から先だけなのに、モゾモゾと恭平の腰が跨がる足の下で揺れてなおのこと甘い声が溢れだしていた。
「ん、や……っんんっ、ふっ……ぅ!」
甘くて蕩けた声が出る程に、仁聖の目の前で恭平の身体が反応して潤んでいく。それをみていたら本当なら鳥飼信哉への劣等感なんて仁聖が感じる必要もないのだろうけれど、信哉の存在は余りにも強すぎて妻がいると言うのに仁聖をこれ程までに戸惑わせている。
恭平は仁聖にだけこうして全てを見せてくれていて、あの男には全くそうではないとちゃんと何度となく教えてくれるのだ。それなのにここまでしてくれても、仁聖にはまだこの強い嫉妬心が抑え込めない。
俺の…………俺だけの…………
そう頭の中で何度も何度も繰り返しながら、恭平の様々な場所に仁聖が執拗に口付けていく。その柔らかな唇だけでなく、目蓋にも耳朶にも喉にも鎖骨にも口付け、舌を這わせ、指先でなぞりあげて。汗ばんだままだからと身悶える恭平の身体を、仁聖の唇と舌と指先で心行くまで堪能する。
「んっ…………ふぅ……っ!うぅんっ!」
そうして身体を起こした仁聖が欲情しきった熱い視線で、組み敷いた恭平を射抜くように見下ろす。こんな風に熱っぽい視線で仁聖に見つめられると、組み敷かれている恭平も視線に痺れてしまうように全身から力が抜け落ちてしまうのだと知っている。そうしてスルリと肌から服を抜き取られ全裸にされても、恭平は抵抗らしい行動なんて一つもとれないことも。
「だ、め……じんせ、…………。」
そんな声で拒絶しているつもりでも無駄。潤んだ瞳で頬を染めていてどんなに膝をあわせても、恭平の陰茎が熱く張りつめているのは隠せていないし。何より、そう最初の時と同じ。本気で自分の事が嫌なら、恭平なら意図も容易く自分を叩きのめす事は可能。どんなに仁聖が覆い被さろうと組み敷こうと、恭平が本気なら拒絶は容易いことなのだと分かっている。
「恭平…………。」
熱っぽい声でそっと耳元で囁く仁聖の手が恭平の腰を柔らかい手付きで撫でるのに、恭平の肌がビクリと戦き見る間に薔薇色に染まっていく。更に覆い被さった仁聖が音を立てて耳朶を唇で愛撫すると、眉をよせて口元を片手で隠しながら恭平が無意識に仰け反っていて、それが自分の与える快感に恭平が自然と身体を固く強ばらせてしまうのが分かる。
「恭平。」
「んんっ!」
触れられるだけでこんなにも素直に感じて、気持ちよくなって、それが自分を心の底から受け入れてくれているからだと今ではよく分かってしまうから。頬を薔薇色にして甘く喘ぎながら、それでも恥ずかしそうに寄り合わせた恭平の膝を両手で掴む仁聖に、恭平が弱く頭を振り駄目と掠れた声で懇願するのが悩ましい。
「だ、め。」
「なにが?」
ククッと手に左右に割り広げられようとする膝に僅かに力がこもるけれど、それでも耳朶を噛みながら名前を囁くだけで全身を震わせている恭平は途轍もなく淫らで綺麗で。目尻に滲む涙に口付ける感触に、思わず緩んだ脚は仁聖の手で容易く大きく開かされてしまう。
「や、ぁ……んふぅっ…………。」
あぁと感嘆の吐息めいた声が溢れ落ちる仁聖に、自分の姿がどんな風に見えているか気がついてしまった恭平はなおのこと頬を染めて泣き出しそうに顔を背ける。仁聖の視線には淫らに濡れそぼって立ち上がったピンク色の陰茎が、開かれた脚の間に卑猥なほど張りつめて震えてヒクヒクしていた。その鈴口から溢れて雫になった蜜が幹を滴り落ちていく淫らな光景に、喉をならして背筋が震えるほどに仁聖は興奮を隠せない。そうして淫らに脚を大きく開き掬い上げて膝の間に身体を押し込む熱に、待ち構えている恭平がそれへの期待のこもる視線を向ける。
「…………恭平、いい?」
あえてそう低い声で、耳元にソッと問いかける。それが必要ない問いかけだと知っていても、問いかけて欲しがっているのを確かめたくなるのに、恭平は言葉ではなくて頬を染めたまま仁聖の頬に触れて顔を引き寄せ自分から口付けてくれるのだ。そして次の瞬間には恭平の後穴に押し付けられた仁聖の怒張が恭平の体内に触れ、ヌプリと湿った音をたててユックリと奥深くまで飲み込まれていく。
「んんっふあ、あぁあ!あああ!」
狭くうねり締め付けてくる体内に幾分硬く触れる感触をゴリゴリと硬い亀頭で擦りたてて、深く奥に太杭が埋め込まれていく。奥を開き埋め込まれていく怒張に、甘く甲高い歓喜を含む恭平の悲鳴が上がっている。怒張に柔らかく絡み付き吸い付くような快感、それに思わず一気に根本までをドツンッと捩じ込んで完全に繋がった瞬間に恭平の身体がビクンッと大きく痙攣していた。
「っっ!!!うぅっ!!!!くぅっ!!」
ギュウッと全体をキツく締め付けるだけでなくヒクヒクと中が蠢き痙攣し続けているのに、組み敷かれた恭平の視線が朦朧と蕩けていく。仁聖の怒張を捩じ込まれただけ。それでも強すぎる一撃の衝撃に完全に絶頂に押し上げられてしまった恭平は、呼吸も出来ないとでもいうようにハクハクと呼気で喘ぎながら鈴口から蜜を吹き出していた。
その姿がどんなに淫らで綺麗で、愛しいか…………。
それを思いながら仁聖が、更に緩く腰を動かし始めていく。しかも上下に揺すられる動作に甘い声で喘ぐ恭平に、仁聖の理性が見る間に焼ききれていく。室内に響き渡るほどにズチュズチュッと大きな音を立てて注挿される熱く硬い怒張が、恭平の深い奥に突き当たり中を擦りたてる。
「ふぁあ、あっ!あぅ!くぅう!んん!あ!」
次第に激しく音を立てて振り立てられる腰と同調して溢れ落ちる喘ぎを必死に抑え込もうとする恭平の手を掴み、もっと聞かせてと耳元で囁く低く響く声に恭平が酩酊したように甘く喘ぐ。
「い?これ。」
「や、ぁ!!あ!あぅ!あぁう!!い、ひぁっ!ひっ!ううっ!」
「や?いい?どっち?」
「い、んんんっ!い、ぃ!」
恭平が一番弱いと知っている場所を丹念に熱い亀頭で打ち付け擦りたてる動作に、甘い歓喜の声をあげて恭平の身体が震えながら濃い薔薇色に変わっていく。そのまま最奥まで怒張を突き上げてから身体を抱き上げ、深々と怒張を咥えこませたまま腰を回すように揺すりたてられるのに恭平は実はとても弱い。それを知っているのは仁聖だけで、知っているからこそ仁聖は恭平を追いたてていく。抱き上げられた衝撃で更に奥を開かれて、恭平は仰け反りながら身体を硬く硬直させ二度目の大量の蜜を吹き出していた。
「エロ…………、すぎ…………。」
仁聖のものを最奥まで咥えこんだまま弛緩してしまうほどに、完全に感じきってしまった恭平の凄まじい程の艶めかしい色気。それを眼前に突きつけられまだ射精に至らない仁聖の怒張が一際大きく膨らんで、未だに快感に朦朧としている恭平がトロンとした桃色に見える瞳で喘ぐ。
「やぁ、あぅう、んん、はぅんっ」
艶かしく甘えるような歓喜の声。感じさせられ、どうしようもない程に気持ちよくて、抗うことも逃げることも出来ない快感に支配される。仁聖にしか見せないその姿に仁聖がなおのこと興奮して、深々と捩じ込まれた怒張が熱く脈打ち腹の底をキツく満たしていく。
「こ、われちゃ、はぅ、うぅうっ!うぅんっやぁ……っ。」
「あぁ、すご…………やばぃ…………。いぃ…………きょ、……へぇ…………。」
熱のこもる甘く低く響く声で囁きながら、ユサッユサッと更に仁聖の腰が激しく動き始めている。これ以上の快感には堪えきれないと恭平が懇願しても、仁聖の興奮しきった獣のような視線に支配されて激しく下から突き破られそうな程に乱暴に突き上げられ始めて。膝を抱えあげられながら何度も何度も最奥に突き込まれ、グポグポと激しく淫らな音を立てて怒張を亀頭から根本まで深々と長いストロークで注挿し続けられていく。
「ひぁ!あ、あぁ!ああぁあ!!ひっ!うぅ!」
激しすぎる。そう泣きながら必死に悲鳴をあげて恭平が止めてと懇願するのに、仁聖ときたら今度は根本までいれたまま腰を強く押し付けグリグリと回しながら恭平のことを快楽に更に追いたてていく。
「あーっ!!!あぁああ!!いくッ!いくぅ!!!やぁあ!」
その声は一際甘く蕩けていて、それが更に獣のような仁聖の欲望を煽り立てるのと同時に何ものにも変えがたい程に仁聖を幸せに満たしてしまうのだった。
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