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間章 アンノウン
間話37.おまけ 定番デートは破格の幸福2
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潮風と潮騒の音が聞こえる空気の中、夕暮れは次第に色を濃くして既に紅く空を染めていて眼下に広がる風景は絶景。東向だから流石に夕暮れの陽光は見えないが明日の朝は日の出を眺めながら露天風呂もあり。だけど、実のところそれどころではないというのが仁聖の本音なのだ。
…………ふ、…………二人っきりで露天風呂に入る、だなんて。
勧められるままにシャワーブースで先に汗を流して部屋の露天風呂の湯に浸かったものの、仁聖は何でか既にゆだりきった気分でこんなことって現実としてありなのかなと頭の中で考え込んでいる。
振り返れば背後の扉一枚向こうでは今度は恭平が体を流していて、思わずそのしどけなく艶かしい姿に喉が鳴ってしまう。硝子戸一枚越しの恭平の肌は浮き上がるように白くて鮮やかで、淡く降り積もった雪のように綺麗だ。
あぁ…………すっごい…………綺麗だ…………
何しろ昨年の旅行の時は大浴場に一緒に行って入りはしたが、二人きりにはならなかったからそれほど恭平の肌を堪能した訳ではない。あの時はまだこんなにも直ぐ傍にいられるとは思わなかったし、何もかも手探りでただがむしゃらに追いかけていた。でもこうしてマジマジと見つめている湯の滴り落ちる肌の滑らかさに、あっという間に欲望が腹の底で渦を巻くのがわかる。何度も触れたいと切望し続けていた自分の深くてドロドロとした欲望が、あの淡雪のように清らかな人を組み敷き貫いたのだと思うと今のこの状況は奇跡としか思えない。それでも今では恭平は自分のことを抱き寄せてくれて、誰よりも仁聖を幸せな男に変えてくれる。それにしてもだ、自宅の風呂には二人ではいることはあっても、こんな空気の中でしかも露天で、しかも温泉なのだ。
潮風で頭を冷やそうにも、頭どころか違うとこにまでガンガン血が…………
湯の中で存在感を誇示する自分の逸物に、思わず扉に背を向けて潮騒の光景で気を紛らわせようとする。何とか落ち着かないとと繰り返すが、脳裏に焼き付いた恭平の白い肌がちらついて
あー…………ダメ、全然萎えない…………
恭平にそんなことばかりと思われても困るのに。そう考えていた矢先に背後から扉を開く音がして、シャワーブースで汗を流し濡れたままのヒタリとスノコを踏む足音がする。振り返ればそこにいるのは先程の全裸の恭平な訳で、いつも見ていると言えばその通りかもしれないが…………
「仁聖?凄い景色だな…………。」
頭上からそう柔らかい声が降り落ちてきて、背後で湯口からの湯の音ではないチャポという水音が立つ。恐らくは真っ直ぐに扉から湯船に歩み寄って、縁を跨いで湯に触れた恭平の足先で立つ波紋。
細くしなやかな指先に華奢な足首、そして白磁の太股から、なだらかな腰…………
何とか風景に気を紛らわせようとしても、見ていないのに背後の恭平のしなやかな体が頭の中にはハッキリと浮かぶ。しかもその体が淡い薔薇色に変わり、見る間に艶を増していく妄想が止まらない。それが何を意味しているかは言うまでもないのは、逸物が完全に立ち上がって股間で存在を主張しているからだ。
…………じ、んせぇ……
頭の中でそれを思うと普段の閨の甘い声と姿が、先程の何時にも増して艶やかに見えた肌が重なる。ダメダメと繰り返しても萎える気配もなくて、しかもユラユラと湯面が揺れて仁聖の肩にも波紋が当たる。それを身動ぎもせずに俯き気味で見ていると、背後でチャプンと更に大きな湯の音がたった。あ、と思った時には湯の中でスルリと腰の辺りに足が触れて、更に背後から脇腹に恭平のホッソリした手が回ってきていて。肩に触れる恭平の肌の感触に
「仁聖……?」
直ぐ耳元に囁きかけるトロリと甘い声に、思わず仁聖は肩越しに振り返る。仁聖の青みがかった視線の中、想像よりはるかに色っぽいホンノリと薔薇色に染まって艶やかな白磁の肌が不思議そうに顔を覗き込んでいる。柔らかな声でそっと疲れたか?と問いかけながら腰から腹に回される手が逸物の前でそっと組み合わされるのを、仁聖は正直信じられない気分で感じていた。
なに……これ?……夢?…………妄想?
全裸の仁聖の背後に密着して抱き寄せている恭平も当然全裸で、肌は薔薇のように夕暮れの茜で染まってもいて。それに湯煙の向こうに潤んだ瞳が、とてつもなく扇情的に仁聖に誘いかけていた。
「きょ、ぉへ…………?」
真っ赤になって何故か緊張に上手く声が出ない。仁聖から抱き締めることは多々あるけれど、こんな風に裸の恭平から誘いかけるように肌を寄せてくるなんて。そうガチガチになってしまった怒張以上に、何故か仁聖自身も緊張にガチガチになっている。それに今になって気がついたみたいに恭平が少し可笑しそうに柔らかく微笑み、そっと仁聖の耳朶に唇を寄せていた。
幸せ…………過ぎ
いやいや、しない筈がないだろ?こんな色っぽく恭平から誘われて仁聖がエッチしない筈がないし、露天風呂でエッチなんて滅多にないことパスするわけもない。一回だけだぞ?なんて耳元に甘く囁かれて、しかも恭平の方から仁聖を立ち上がらせて、あの色っぽい唇で逸物を咥えてくれて…………
「ん……ぁ…………ふぅ…………、じ、………………せぇ…………。」
「んん、しゃ、べっちゃ駄目、響く……。」
クチュクチュチュポチュポと音を立てる淫らな口淫の最中、甘く囁く恭平の声が振動になって体の芯まで響く。潤んだままの瞳で上目遣いに見上げながら恭平が気持ちいい?と問いかけてくるのに、仁聖はゼェゼェと興奮と快感に荒い息をしながら見下ろしている。それは以前よりも格段に淫らで、しかも何時もよりも破格に積極的。
「ひ、もち…………い?じ、んせ?」
「うっ!きょ、へ……っしゃべんな、で……っ。」
わざとしているのかと思う。それほど滑らかな舌にねぶられ吸われて、今にも射精してしまいそうなほどにはち切れんばかりの怒張。それが視覚的に恭平の唇の間にヌポヌポと出し入れされているのに、ゾクゾクする強い快感の震えが仁聖の全身に走る。
「うっ……くぅ…………んん、きょ、ぅへ……。」
「ん…………、ぉ……き……ぃ、んむ…………。」
咥えながら、そんなこと言う?!トロンとした瞳で普段は言わないようなことを恭平の口から囁かれて、仁聖が我慢なんてできる筈がない。しかも咄嗟にグイッと上腕を引き上げられ口から怒張が抜け落ちるのに、恭平が物足りなさそうな色気駄々漏れの淫らな視線で怒張を見つめるのだ。
なんなの?これ、ほんとに現実?
興奮しきった仁聖の腕に抱きかかえられた恭平が仁聖の顔を見つめたかと思うと、しなやかな腕が仁聖の首に絡み付いて再び耳元に近づいた白磁の肌が甘く香る。
「じ、んせぇ…………。」
「ん、うん?」
「隣…………に、声聞かれないように…………な?」
強請るような声が、耳元から花弁のように肩にハラリと落ちる。そしてまるで声を堪えるために仁聖の首元に顔を押し付けるみたいにしたかと思うと、滑らかな大腿の片方がスルンと擦るように仁聖の腰に絡み付いた。ゴクリと喉を鳴らした仁聖が徐にその腰を抱き寄せて、後孔に怒張を押し当てる。
「んん…………っ、あつ…………ぃ。」
何でかさっきから散々に誘いかけるようなことばかり口にする恭平に、仁聖は堪えきれずにガツンと下から一度に深々と突き上げていた。体内は熱くて蕩けて混じりあって、一つになってしまいそうなほど柔らかく絡む。それに深々と怒張を飲み込んだ瞬間、ビクンと抱き上げる細い体が戦くのも伝わってくる。
「きょぉへ、すごい……んんっ、んっ!」
「あ、んんっ!」
薔薇色に頬を染めた恭平を突き上げようとすると、何故かフワリと恭平の唇が耳元に掠めるように近寄って来たのに気がつく。
「じ、んせ、風呂の…………縁に……。」
このまま座ってと甘く囁きかけられ、仁聖は戸惑いながら恭平のいうがままに腰を下ろす。出来ることなら一も二もなく突き上げたいのに、何故か積極的で淫らに頬を染める恭平の言葉には逆らえないのだ。そしてそこからは更にとんでもない破壊力の改心の一撃。
「じ、んせぇ……腰、押さえて、てな?」
低く甘い声で強請られた次の瞬間、仁聖が恭平の腰を抱き止めるのと同時に風呂の縁に脚を上げた恭平が緩く腰を揺すり始めて。
「あ、ふっ…………んっ……ふ…………ぅ、んっ!」
蕩けた声で喘ぎながら腰の上でくねり上下し始める恭平の細腰に、頭の芯まで真っ赤に燃えてドロドロにとかされてしまいそう。夕日の紅が次第に紫に変わり始める中で、薔薇色になった肌は発光する月のように妖艶に怒張を擦りたてていく。
「あっあぁんんっ、じ、んせ、声で、るっ!」
しかもそう囁いた恭平の両手が仁聖の頬を包み唇を重ねてきて、何度も触れ合う唇から甘くて蕩けた声がハラハラと幾つもイクツモ溢れてくる。
「んん、あ、ん、い、くっ……っつ!!」
ビクンッと強く戦く恭平の姿を信じられない思いで見つめると、ホゥッと甘い吐息を吐いた恭平が達したばかりだというのに再び腰を揺すり始める。
「きょ、ぅへ……んっ。」
そんな無理しないでと言いたいのに、蕩けて熱く絡み締め付けられる快感に仁聖も喘ぎめいた吐息が溢れるばかりで言葉にならない。グチュグチュと淫らな音をたてて腰を揺すり続ける恭平なんて理性だって限界寸前で、出来ることなら一晩中こうしていたいのに。
「きょぉへぇ……、俺、もぉ…………もお、無理ぃ……。」
限界と強請する声に恭平がうっすらと艶然と微笑みかけ、しかも再び耳元に唇を更に寄せてくる。
「今は、一回だけ…………だぞ?」
「そ、んなぁ…………。」
正直一回だけなんて拷問。こんな痴態に煽られてガチガチの怒張が、たった一回の射精で我慢なんか効くはずもないし、大体にして何でそんな一度なんて意地悪を言うのと欲情しきった男の顔で見上げる。それを見下ろした形になった恭平が仁聖の言いたいことを察したみたいに、ポォッと頬を更に染めて俯く。
「…………後、は………………食事して……、夜まで…………お預け。」
その言葉の意味に、仁聖は見る間に顔が熱くなるのを感じる。恭平は意地悪で言っていたのではなくて、二人でちゃんと旅行も楽しんでからと誘っていて、その上夜にはもっとしても構わないと言っているのだ。
「なん…………、…………これ、夢?」
真っ赤になってそんなことを呟く仁聖に、先を強請るみたいに自分から腰を前後に揺すりながら恭平が更に甘い声をこぼす。
「ば、か…………夢で、こんな、んっ……あっ……い、くぅ!」
仁聖の首元に縋りつき甘く喘ぐ声に、仁聖の理性はプチンと音をたてて切れていた。
※※※
窓からの月の光に曝され腕の中でスゥスゥと寝息をたてている恭平を、仁聖はうっとりと見つめる。最初は泣く泣く一回で我慢して逆上せる前に風呂から上がって、豪華な食事を二人っきりでゆっくり楽しんで。勿論その後はお預けにされていた分のものは倍位にして仁聖は心行くまで恭平を貪ったわけで、何度か気を失いかけて最終的には完全に気を失った恭平を抱き締めているわけである。
もう…………なんなの?……恭平ってば…………最高でした…………っ
最初の露天風呂だけのことかと思ったけれど、食事中も食事の前後も、当然その後のエッチでも今夜の恭平はとてつもない破壊力の色気を駄々漏れにしたのだ。再三誘うし、しかも普段は口にしないことも甘えるみたいに囁かれて
じんせ、奥…………ついて、……もっとぉ……お前の……欲しい……
なんて喘ぎながらお強請りされて腰を揺すられたり、ここにも触ってと恭平から強請られたり。そんな恭平は滅多にというか殆ど見られないし、こんな風な恭平自体何が起きてるんだろうと思ってしまう。
「ん…………じん……?」
トロンと寝ぼけた掠れ声に視線を向けると、月明かりにキラキラした瞳が腕の中から見上げていて。しかもその表情は甘くて綺麗な微笑みが浮かび、仁聖は戸惑いながらも幸せに満たされる。
「ごめんね、旅行ではしゃぎ過ぎて、羽目外してるよね、俺。」
そうなのだ、結果として自分は恭平との旅行に興奮しきっていて、箍が外れているのに違いない。そう謝ると恭平は可笑しそうに笑いながら、仁聖の体に身を寄せる。
「お互い……さま、だろ?」
その言葉に実は恭平の方も旅行でテンションが上がっていて、何時もとは違うこんなことになってしまったのだと気がついてしまう。お互いに幸せな気分で箍を外してしまったのだと思うと、それもまたこそばゆい気分だ。
「ダイジョブ?腰…………?」
「ん……ガタガタ……だ。」
恭平の素直な答えに苦笑いしてしまうが、それが当然というほど仁聖は激しく乱暴に突き上げて何度も奥まで注ぎ込んだのだ。しかも声だって堪えたつもりなのだが掠れてしまうほどで、思わず「ごめんね」と謝ろうとする唇に恭平の指が触れて、頬に甘く口付けられてしまう。そうして悪戯っぽく笑いながら、恭平は綺麗な顔で言う。
「明日は…………お前が運転、な?ユックリ…………あんまり揺れないように。」
振動がないように安全運転でと言う恭平の柔らかな微笑みに、仁聖もつられて微笑みを浮かべていた。
…………ふ、…………二人っきりで露天風呂に入る、だなんて。
勧められるままにシャワーブースで先に汗を流して部屋の露天風呂の湯に浸かったものの、仁聖は何でか既にゆだりきった気分でこんなことって現実としてありなのかなと頭の中で考え込んでいる。
振り返れば背後の扉一枚向こうでは今度は恭平が体を流していて、思わずそのしどけなく艶かしい姿に喉が鳴ってしまう。硝子戸一枚越しの恭平の肌は浮き上がるように白くて鮮やかで、淡く降り積もった雪のように綺麗だ。
あぁ…………すっごい…………綺麗だ…………
何しろ昨年の旅行の時は大浴場に一緒に行って入りはしたが、二人きりにはならなかったからそれほど恭平の肌を堪能した訳ではない。あの時はまだこんなにも直ぐ傍にいられるとは思わなかったし、何もかも手探りでただがむしゃらに追いかけていた。でもこうしてマジマジと見つめている湯の滴り落ちる肌の滑らかさに、あっという間に欲望が腹の底で渦を巻くのがわかる。何度も触れたいと切望し続けていた自分の深くてドロドロとした欲望が、あの淡雪のように清らかな人を組み敷き貫いたのだと思うと今のこの状況は奇跡としか思えない。それでも今では恭平は自分のことを抱き寄せてくれて、誰よりも仁聖を幸せな男に変えてくれる。それにしてもだ、自宅の風呂には二人ではいることはあっても、こんな空気の中でしかも露天で、しかも温泉なのだ。
潮風で頭を冷やそうにも、頭どころか違うとこにまでガンガン血が…………
湯の中で存在感を誇示する自分の逸物に、思わず扉に背を向けて潮騒の光景で気を紛らわせようとする。何とか落ち着かないとと繰り返すが、脳裏に焼き付いた恭平の白い肌がちらついて
あー…………ダメ、全然萎えない…………
恭平にそんなことばかりと思われても困るのに。そう考えていた矢先に背後から扉を開く音がして、シャワーブースで汗を流し濡れたままのヒタリとスノコを踏む足音がする。振り返ればそこにいるのは先程の全裸の恭平な訳で、いつも見ていると言えばその通りかもしれないが…………
「仁聖?凄い景色だな…………。」
頭上からそう柔らかい声が降り落ちてきて、背後で湯口からの湯の音ではないチャポという水音が立つ。恐らくは真っ直ぐに扉から湯船に歩み寄って、縁を跨いで湯に触れた恭平の足先で立つ波紋。
細くしなやかな指先に華奢な足首、そして白磁の太股から、なだらかな腰…………
何とか風景に気を紛らわせようとしても、見ていないのに背後の恭平のしなやかな体が頭の中にはハッキリと浮かぶ。しかもその体が淡い薔薇色に変わり、見る間に艶を増していく妄想が止まらない。それが何を意味しているかは言うまでもないのは、逸物が完全に立ち上がって股間で存在を主張しているからだ。
…………じ、んせぇ……
頭の中でそれを思うと普段の閨の甘い声と姿が、先程の何時にも増して艶やかに見えた肌が重なる。ダメダメと繰り返しても萎える気配もなくて、しかもユラユラと湯面が揺れて仁聖の肩にも波紋が当たる。それを身動ぎもせずに俯き気味で見ていると、背後でチャプンと更に大きな湯の音がたった。あ、と思った時には湯の中でスルリと腰の辺りに足が触れて、更に背後から脇腹に恭平のホッソリした手が回ってきていて。肩に触れる恭平の肌の感触に
「仁聖……?」
直ぐ耳元に囁きかけるトロリと甘い声に、思わず仁聖は肩越しに振り返る。仁聖の青みがかった視線の中、想像よりはるかに色っぽいホンノリと薔薇色に染まって艶やかな白磁の肌が不思議そうに顔を覗き込んでいる。柔らかな声でそっと疲れたか?と問いかけながら腰から腹に回される手が逸物の前でそっと組み合わされるのを、仁聖は正直信じられない気分で感じていた。
なに……これ?……夢?…………妄想?
全裸の仁聖の背後に密着して抱き寄せている恭平も当然全裸で、肌は薔薇のように夕暮れの茜で染まってもいて。それに湯煙の向こうに潤んだ瞳が、とてつもなく扇情的に仁聖に誘いかけていた。
「きょ、ぉへ…………?」
真っ赤になって何故か緊張に上手く声が出ない。仁聖から抱き締めることは多々あるけれど、こんな風に裸の恭平から誘いかけるように肌を寄せてくるなんて。そうガチガチになってしまった怒張以上に、何故か仁聖自身も緊張にガチガチになっている。それに今になって気がついたみたいに恭平が少し可笑しそうに柔らかく微笑み、そっと仁聖の耳朶に唇を寄せていた。
幸せ…………過ぎ
いやいや、しない筈がないだろ?こんな色っぽく恭平から誘われて仁聖がエッチしない筈がないし、露天風呂でエッチなんて滅多にないことパスするわけもない。一回だけだぞ?なんて耳元に甘く囁かれて、しかも恭平の方から仁聖を立ち上がらせて、あの色っぽい唇で逸物を咥えてくれて…………
「ん……ぁ…………ふぅ…………、じ、………………せぇ…………。」
「んん、しゃ、べっちゃ駄目、響く……。」
クチュクチュチュポチュポと音を立てる淫らな口淫の最中、甘く囁く恭平の声が振動になって体の芯まで響く。潤んだままの瞳で上目遣いに見上げながら恭平が気持ちいい?と問いかけてくるのに、仁聖はゼェゼェと興奮と快感に荒い息をしながら見下ろしている。それは以前よりも格段に淫らで、しかも何時もよりも破格に積極的。
「ひ、もち…………い?じ、んせ?」
「うっ!きょ、へ……っしゃべんな、で……っ。」
わざとしているのかと思う。それほど滑らかな舌にねぶられ吸われて、今にも射精してしまいそうなほどにはち切れんばかりの怒張。それが視覚的に恭平の唇の間にヌポヌポと出し入れされているのに、ゾクゾクする強い快感の震えが仁聖の全身に走る。
「うっ……くぅ…………んん、きょ、ぅへ……。」
「ん…………、ぉ……き……ぃ、んむ…………。」
咥えながら、そんなこと言う?!トロンとした瞳で普段は言わないようなことを恭平の口から囁かれて、仁聖が我慢なんてできる筈がない。しかも咄嗟にグイッと上腕を引き上げられ口から怒張が抜け落ちるのに、恭平が物足りなさそうな色気駄々漏れの淫らな視線で怒張を見つめるのだ。
なんなの?これ、ほんとに現実?
興奮しきった仁聖の腕に抱きかかえられた恭平が仁聖の顔を見つめたかと思うと、しなやかな腕が仁聖の首に絡み付いて再び耳元に近づいた白磁の肌が甘く香る。
「じ、んせぇ…………。」
「ん、うん?」
「隣…………に、声聞かれないように…………な?」
強請るような声が、耳元から花弁のように肩にハラリと落ちる。そしてまるで声を堪えるために仁聖の首元に顔を押し付けるみたいにしたかと思うと、滑らかな大腿の片方がスルンと擦るように仁聖の腰に絡み付いた。ゴクリと喉を鳴らした仁聖が徐にその腰を抱き寄せて、後孔に怒張を押し当てる。
「んん…………っ、あつ…………ぃ。」
何でかさっきから散々に誘いかけるようなことばかり口にする恭平に、仁聖は堪えきれずにガツンと下から一度に深々と突き上げていた。体内は熱くて蕩けて混じりあって、一つになってしまいそうなほど柔らかく絡む。それに深々と怒張を飲み込んだ瞬間、ビクンと抱き上げる細い体が戦くのも伝わってくる。
「きょぉへ、すごい……んんっ、んっ!」
「あ、んんっ!」
薔薇色に頬を染めた恭平を突き上げようとすると、何故かフワリと恭平の唇が耳元に掠めるように近寄って来たのに気がつく。
「じ、んせ、風呂の…………縁に……。」
このまま座ってと甘く囁きかけられ、仁聖は戸惑いながら恭平のいうがままに腰を下ろす。出来ることなら一も二もなく突き上げたいのに、何故か積極的で淫らに頬を染める恭平の言葉には逆らえないのだ。そしてそこからは更にとんでもない破壊力の改心の一撃。
「じ、んせぇ……腰、押さえて、てな?」
低く甘い声で強請られた次の瞬間、仁聖が恭平の腰を抱き止めるのと同時に風呂の縁に脚を上げた恭平が緩く腰を揺すり始めて。
「あ、ふっ…………んっ……ふ…………ぅ、んっ!」
蕩けた声で喘ぎながら腰の上でくねり上下し始める恭平の細腰に、頭の芯まで真っ赤に燃えてドロドロにとかされてしまいそう。夕日の紅が次第に紫に変わり始める中で、薔薇色になった肌は発光する月のように妖艶に怒張を擦りたてていく。
「あっあぁんんっ、じ、んせ、声で、るっ!」
しかもそう囁いた恭平の両手が仁聖の頬を包み唇を重ねてきて、何度も触れ合う唇から甘くて蕩けた声がハラハラと幾つもイクツモ溢れてくる。
「んん、あ、ん、い、くっ……っつ!!」
ビクンッと強く戦く恭平の姿を信じられない思いで見つめると、ホゥッと甘い吐息を吐いた恭平が達したばかりだというのに再び腰を揺すり始める。
「きょ、ぅへ……んっ。」
そんな無理しないでと言いたいのに、蕩けて熱く絡み締め付けられる快感に仁聖も喘ぎめいた吐息が溢れるばかりで言葉にならない。グチュグチュと淫らな音をたてて腰を揺すり続ける恭平なんて理性だって限界寸前で、出来ることなら一晩中こうしていたいのに。
「きょぉへぇ……、俺、もぉ…………もお、無理ぃ……。」
限界と強請する声に恭平がうっすらと艶然と微笑みかけ、しかも再び耳元に唇を更に寄せてくる。
「今は、一回だけ…………だぞ?」
「そ、んなぁ…………。」
正直一回だけなんて拷問。こんな痴態に煽られてガチガチの怒張が、たった一回の射精で我慢なんか効くはずもないし、大体にして何でそんな一度なんて意地悪を言うのと欲情しきった男の顔で見上げる。それを見下ろした形になった恭平が仁聖の言いたいことを察したみたいに、ポォッと頬を更に染めて俯く。
「…………後、は………………食事して……、夜まで…………お預け。」
その言葉の意味に、仁聖は見る間に顔が熱くなるのを感じる。恭平は意地悪で言っていたのではなくて、二人でちゃんと旅行も楽しんでからと誘っていて、その上夜にはもっとしても構わないと言っているのだ。
「なん…………、…………これ、夢?」
真っ赤になってそんなことを呟く仁聖に、先を強請るみたいに自分から腰を前後に揺すりながら恭平が更に甘い声をこぼす。
「ば、か…………夢で、こんな、んっ……あっ……い、くぅ!」
仁聖の首元に縋りつき甘く喘ぐ声に、仁聖の理性はプチンと音をたてて切れていた。
※※※
窓からの月の光に曝され腕の中でスゥスゥと寝息をたてている恭平を、仁聖はうっとりと見つめる。最初は泣く泣く一回で我慢して逆上せる前に風呂から上がって、豪華な食事を二人っきりでゆっくり楽しんで。勿論その後はお預けにされていた分のものは倍位にして仁聖は心行くまで恭平を貪ったわけで、何度か気を失いかけて最終的には完全に気を失った恭平を抱き締めているわけである。
もう…………なんなの?……恭平ってば…………最高でした…………っ
最初の露天風呂だけのことかと思ったけれど、食事中も食事の前後も、当然その後のエッチでも今夜の恭平はとてつもない破壊力の色気を駄々漏れにしたのだ。再三誘うし、しかも普段は口にしないことも甘えるみたいに囁かれて
じんせ、奥…………ついて、……もっとぉ……お前の……欲しい……
なんて喘ぎながらお強請りされて腰を揺すられたり、ここにも触ってと恭平から強請られたり。そんな恭平は滅多にというか殆ど見られないし、こんな風な恭平自体何が起きてるんだろうと思ってしまう。
「ん…………じん……?」
トロンと寝ぼけた掠れ声に視線を向けると、月明かりにキラキラした瞳が腕の中から見上げていて。しかもその表情は甘くて綺麗な微笑みが浮かび、仁聖は戸惑いながらも幸せに満たされる。
「ごめんね、旅行ではしゃぎ過ぎて、羽目外してるよね、俺。」
そうなのだ、結果として自分は恭平との旅行に興奮しきっていて、箍が外れているのに違いない。そう謝ると恭平は可笑しそうに笑いながら、仁聖の体に身を寄せる。
「お互い……さま、だろ?」
その言葉に実は恭平の方も旅行でテンションが上がっていて、何時もとは違うこんなことになってしまったのだと気がついてしまう。お互いに幸せな気分で箍を外してしまったのだと思うと、それもまたこそばゆい気分だ。
「ダイジョブ?腰…………?」
「ん……ガタガタ……だ。」
恭平の素直な答えに苦笑いしてしまうが、それが当然というほど仁聖は激しく乱暴に突き上げて何度も奥まで注ぎ込んだのだ。しかも声だって堪えたつもりなのだが掠れてしまうほどで、思わず「ごめんね」と謝ろうとする唇に恭平の指が触れて、頬に甘く口付けられてしまう。そうして悪戯っぽく笑いながら、恭平は綺麗な顔で言う。
「明日は…………お前が運転、な?ユックリ…………あんまり揺れないように。」
振動がないように安全運転でと言う恭平の柔らかな微笑みに、仁聖もつられて微笑みを浮かべていた。
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